造り手紹介 カンティーナ ジャルディーノ その2(2015.1筆)
カンパーニア州のカンティーナ ジャルディーノ行きます!!
チーム カンティーナ ジャルディーノ!この6人が共同出資して始まったワイナリーです。
今回は、出資者6人のうち、なんと5人が来日です!!発足して以来、メンバー全員で旅をしたことは今まで一回もなく、今回のほぼ全員での来日は、ボーナス旅行的な意味合いもあるそうです。そんなボーナス旅行に日本を選んだのも、どの国よりも彼らのワインも信じてくれている(楽しんで飲んでくれている、買い支えてくれている…)からだそう。光栄じゃありませんか!!!
今回の旅も、めいっぱい楽しんで頂いちゃうよぉ!!!!
ヴィナイオータが付き合っている造り手の中で、今最もファンキーな造り手は?と言われれば、間違いなく彼ら(以下カンジャルと呼ぶことに)ということになるかと。彼らのチャレンジ精神と好奇心は尽きることがありません!!
ユーザー(いち愛好家)の観点を持ち続けながら、プロとしての仕事を全うする人って、どんな業種、世界にもいると思うのですが、カンジャルほどそういう精神を持ち合わせている造り手は、ヴィナイオータのラインナップの中には、いないのではないでしょうか?
2011年に来日時、オータ家で行われていた宴の最中に次から次へと抜栓されるボトルに最も食いついていたのは、アントニオとダニエラだったかも。マッサ ヴェッキアのロザートを垂直で開けたのですが、それらを飲む時のアントニオの珍しく真剣なまなざしが忘れられないです。(笑)
毎年リーノ マーガ翁(バルバカルロ)詣でを欠かさず、世界中を旅し、いつの間にかジュラの鏡氏も訪ね…。2年前の春にイタリアに行った時、僕は各地で行われていたサロンには行かず、サロンが終わるくらいのタイミングでイタリア入りして旅をしていたのですが、カンパーニアまでは行けないから、今回は会えないねというような話をカンジャルをしていたのですが…
お互い朝食をとるために寄ったバローロ村にあるバールで遭遇!(笑)、一緒にバルトロ マスカレッロのセラーに行ったりして。
美味しいもの、人と話すことが好きで、興味を持ったら、とりあえず何でも試してみる…そりゃ造るワインの数も多くなるってなもんですよね。造っているワインは、今や15種類!!!ひえええええ! そして16種類目も存在することを知っているのですが、リリースされるのはいつの事やら…。
整理を兼ねて、列挙しますと、
Vino Bianco&Rosso ヴィーノ ビアンコ&ロッソ:カジュアルなワインがあっても良いのでは?ということで生まれたシリーズ。白に使われるブドウは、グレーコ&フィアーノ&コーダ ディ ヴォルペで、ブレンド比率は、ロットによってまちまち。複数ヴィンテージのワインをブレンドする場合もあり。赤はアリアーニコ100%で、白同様、複数ヴィンテージのワインをブレンドする場合あり。
Paski パスキ: コーダ ディ ヴォルペの白
Gaia ガイア:フィアーノの白
T’arara’ タララ:グレーコの白
Adam アダム:グレーコの白で、タララよりも尊大というか、ボリューミーなワイン。
Sophia ソフィア:ブドウは、ブレンドだったり、単一だったり、ヴィンテージによってまちまち。足で潰したブドウをテラコッタの壷に入れ、蜜蝋で封をし、半年間放置、春先に圧搾し、大瓶で寝かせた後にボトリング。その1の方に写真があります。
Volpe Rosa ヴォルペ ローザ:コーダ ディ ヴォルペ ロッサで造るロゼ。
Le Fole レ フォーレ:樹齢の若いアリアーニコで、樽での熟成期間も短め。
Drogone ドロゴーネ:樹齢の古いアリアーニコ
Nude ヌーデ:樹齢の古いアリアーニコ、ドロゴーネ以上のテンションがあるブドウで仕込む
Clown Oenologue クラウン エノローグ:ソフィアと同様の手法で仕込まれるアリアーニコ
Bianco Frizzante Metodo Olimpia ビアンコ フリッザンテ メトド オリンピア:カンジャルの高樹齢グレーコの供給元、オリンピアおばあちゃんが自家用に仕込むワインはグレーコのフリッザンテ。醗酵をさせ切ったワインに、冷凍保存しておいたグレーコのモストを加え、瓶詰めして、2次醗酵を促す。この手法を真似て造ったのが、このワイン。グレーコ100%
Rosato Frizzante ロザート フリッザンテ:圧搾したアリアーニコで仕込むロゼ フリッザンテ
Rosso Frizzante ロッソ フリッザンテ:アリアーニコのフリッザンテ
はっきり言って、生産本数の割に種類が多すぎ!!!でも、こっちも楽しいから許す!!(笑)
オータ、書き疲れているのか、テキトーに書いてない??などと夢にも思わないでくださいね。テキトーどころか、むしろ結構大事な事を書いたつもりなんです。
ワインの楽しさ、ワインが僕たちにもたらすエモーション、喜び、ワインが繋ぐ数奇な縁と、それに対する感謝の念…ワインを好きになり始めた時には、皆それぞれに持ち合わせていたはずのこれらの感情を、多くの造り手、ワインを商品として扱うプロ(インポーター、酒販店、レストラン)、そして飲み手が、見失っているような気がするのは僕だけでしょうか??
眉根をしかめて香りを嗅ぎ、何に似た香りがするのかを探したり、ワインを口に含んでは、収斂性、タンニンの質、酸とアルコールのバランスなどを精査し、テロワール由来の味わいを探しに行く…ワインに関して、小難しく頭で考えすぎていませんか??
味わう物である限り、舌先に快楽をもたらすものであることも大事なのでしょうが、僕としては、ワインがもっとたくさんの事に、”楽さ(らくさ)”、”楽しさ”をもたらすものであって欲しいと考えています。その日、その瞬間にしか存在しない、感覚、感性、感情、時間、空間を刺激したり、豊かにしてくれるもの。鼻や舌を喜ばせるだけでなく、脳も楽しませ、肝臓にも楽で、同時に心にも響くもの…。
品質やクオリティなどというと、それが技術や技量由来の、数値化や定量化できるものだけで成立しているかのように考えられていますが、理性や理屈ではない、感性や心に直接突き刺さる、全く数値化できないものも、そのモノの価値(品質)を量る上でとても重要な要素なのではないでしょうか? 音楽や絵画など、他の芸術形態で例えれば、あっさり納得していただけるかと。
もちろんプロである限り、技術的にも高いものがあるべきだと思いますが、技術のための技術(自分の凄さをひけらかすためのもの)ではなく、自分の精神や感情をよりイメージに近い形で表出させるために必要なものであるべきなのかと。カンジャルのワイン自体、濁っていたり、揮発酸がとても高いワインがあったりと、醸造学的には欠点と言うべきものが散見しますが、不思議と飲み進むし、肩ひじ張らずに楽しめる…これ以上にワインに大切な事ってあるのでしょうか??
「あるがままをボトルに封じ込めたいし、俺たちが楽しくそして楽に飲みたいから、酸化防止剤は使わない。結果、揮発酸が高いワインもあったりするけど、それってそんな大きな問題かい??食べながらだと、言うほど気にならないし(笑)。ま、ともかく、そんな細かいこと気にしないで人生楽しもうぜ!!」そんなメッセージが彼らのワインから伝わってくるような気がするのは僕だけでしょうか?
彼らのフェイスブックページから、勝手に拝借してきた(笑)写真を載せますが、この写真からも、彼らがいかに楽しんでワインを造っているかが伝わってきます。
収穫の喜び
あ、うちのお客様も収穫してる!!(笑)
子供も大人もワイン造りを遊び…あ、美女が潰しているのはソフィア2014用だと思われます!要チェックです!!
生計を立てるための仕事場だけど、実際に生活している場でもあるわけですから、子供にとっては遊び場にもなり得…是非彼らのフェイスブックページも見てみてください。感情が滲み出ている写真が沢山で、ほんと見飽きないですよ!
間違いなく、今回のオッティマーナでも、盛り上げ役として活躍してくれることでしょう!! エモーションの共感、共有がグルーヴを生み出すことを実感するには…会場へ是非!