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2022-02-01

【新入荷】2022年1月その1(Il Vei,Fonterenza,Gravner,De Bartoli)

先日、齢50を迎えてしまったオータです。誕生日当日はそれはもう盛大に、そして圧倒的な質&本数のワインでエゲツな激しく祝っていただきました…。

お祝いメッセージも沢山いただいたのですが、FBのタイムラインに始まりメッセンジャー、インスタのメッセージ、ワッツアップ、LINE、SMS、そしてメールとありとあらゆる手段で届いたものですから、メッセージをくれた方に漏れなくリアクションをするだけでも膨大な時間がかかり…。

もともと輪の中心にいるようなキャラ&人格でもなかったですし、中心っぽい場所に据えられることが増えた今現在も、その状況に全然慣れることができず、こんなに沢山の方から祝われることを嬉しく思いつつも、むず痒さのようなものを感じてしまうオータがいたりします。

多寡や大小の差こそあれど、人は誰かから祝福されたり、信頼されたり、敬意を払われたり、愛されたり、期待されたりするものだと思うのですが、どういった世界においても、沢山の人からの祝福や圧倒的な信頼、最大級の敬意や愛情を授かり、誰も成し得たことのないような高次元な何かを期待されたりするのは、ごく一部の限られた人だけが享受できるもので、例えばマイケル ジョーダン、メッシ、イチロー、そしてわが心の師匠の上原ひろみちゃんなどは、彼らの領域においては大いに期待される存在である(あった)ことに異論を挟む人はあまりいない気がします。

とはいえ、オータ的には彼らが他の人たちよりも多めに神に祝福されたとか、生まれつきの天賦の才があったとはどうにも考えられず…。どちらかというと、彼らの才能の端緒は、“天職に就けたこと”に尽きるのではと思っています。オータにとっての天職とは、自らを捧げられる対象が生業となっていること。その対象を愛していて、もっと上手になりたいとか、もっと上の世界を見てみたい…言い換えるのなら、道を究めたいという気持ちを持ち続けられるものであること。情熱の炎を絶やすことなく燃やし続け、挑戦し、失敗を恐れず、困難や苦悩などを厭うことなくそれらに正面から立ち向かい、決して諦めず…。

傲慢な発言に聞こえなければ良いですが、オータには自分自身が天職に就けているという自負がありますし、それを表明することを一切恐れていません。もちろん、前述の4人と同じ境地に達しているだなんて言うつもりなどさらさらありませんが、想いや情熱という部分では彼らにも全く見劣りしないものをワインに対して抱いていると思っていますし、その点においては彼らと対等な立場にいるとさえ思っています。

話は少々脱線します。先月亡くなったロレンツォ コリーノの息子グイードから、ロレンツォの死後に届いたメールに、こんなことが書かれていました。

「ロレンツォは、ヒサトに対して多大な称賛の念を抱いていたし、君のことを本っ当に大切に思っていたよ。2人の深い関係性や(彼の)君への敬意などが垣間見える、楽しくて底抜けに陽気だったりするのと同時に深く、様々な示唆に富んだ逸話をいろいろ聞かされたものだよ。ロレンツォは君のことを、彼のオリジナリティやプロフェッショナリティ、そしてブドウ栽培家としての真っ当さを、深いレベルで理解してくれた数少ない1人というだけでなく、いち早くそのことに気づいてくれた人だと認識していたよ。」

このメールを読んだ時は、さすがにちょっと泣いちゃいました(笑)。でも、このような言葉がオータの退路も断つのでしょうし、更に強い一歩を踏み出すための原動力になるのだと思いも新たにしたり…。

5~6年前までのオータは、自分が凄いと思う人から頂く称賛に対して「いえいえ、僕なんて全然そんな大層なものじゃないんで!」的に答えていたのですが、パオロ ヴォドピーヴェッツに「お前、俺がおべっかを使う人間だとでも言うのか?俺は自分が思ったことしか口にしない。だからそのお前の答え方はおかしい。」と叱られた(笑)ことがありまして、確かにその通りだなぁと納得してしまいましたし、オータの中にある謙虚さがそういわせているのではなく、体の良い逃げ口上だったと認識するに至り、それ以降は「ありがとう!その君の称賛に値する自分であれるよう、今後も頑張る!」といった風に答えるようにしています。

約30年もの間、主体性も、明確な考えも、進むべき道も全く見えていなかったオータに、光を照らし、自己表現の場(前述の“輪の中心”もこれに当たるかと)を創出してくれたワインとそれらを醸す造り手たちには、多大な感謝の念を感じていますので、今後も熱苦しく天職を全うしていくことで恩返しをしていく所存です。そして、前述の4人や偉大なワインのように、そのパフォーマンスを通して他者に強く生きるための勇気のようなものを提供できる仕事をしていきたいと本気で考えております!

以上、50歳のオッサンの所信表明でしたっ!

今回が2021年最後のメルマガとなります!今年も大変お世話になりました。お酒業界にとっては理不尽と呼んでも過言ではない年となってしまいましたが、皆さんの変わらぬご支援&ご支持と個性あるワインたちに支えられて、様々な困難をどうにかこうにか切り抜けることができました。本当にありがとうございます。

禁酒令などといった、お酒を生業にする人たちの存在意義を否定するかのような施策がまかり通ってしまう世界に生きることになると、誰が想像していたでしょうか。我々インポーターも多かれ少なかれその災禍に巻き込まれたわけですが、飲食店の方たちが被ったであろうより大きな肉体的(経済的)&精神的な被害を思うにつけ、未だ怒りがこみ上げてきます。真面目に、そして誠実に生きている人が割を食う社会など、存続させる価値などあるのでしょうか?逆説的な物言いになりましたが、ヒトという種が今後も末永く繁栄していくためには、自然からも他者からも“一方的に搾取する”ことを自重する必要があるとオータは考えています。ヴィナイオータは、そんなことに思い至る一助になるような仕事をしていきたいと本気で考えています。2022年もよろしくお願いいたします!!

それでは2022年最初の新入荷案内です!

まずはイル ヴェイ!グットゥルニオ スーペリオーレを除くワインに関しては、リリースのタイミングは全く一緒なのですが、弊社が古いヴィンテージの残り在庫を古いヴィンテージから一掃しているという事もあり、ワインによってヴィンテージがまちまちとなっております。詳しくはリスト部分をご参照ください。ビン、コルク、キャップ、箱などのマテリアルの価格高騰もあり、弊社としても若干の値上げを余儀なくされております。とはいえ、まだまだまだまだコスパが高すぎるワインであることに変わりはないかと!いつも通り限定とはしませんが、瞬殺必至ですし、白に関しては100%調整が入るはずです!

2020年ヴィンテージの白ですが、本当に久しぶりに作柄に恵まれております!特にオルトゥルーゴとビアンコ(マグナム)は、なかなかな本数が今後も入荷する予定ですので、ガンガンお使いくださいませ!

グットゥルニオ スーペリオーレ2017年ですが、この価格帯では考えられない酒躯&テンションを持ち合わせたワインです。絶対にビックリしていただけると確信しておりますので是非!

フランチェスカ&マルゲリータが営むフォンテレンツァブルネッロ2010年が終売しましたので、2011年をリリースします!日本到着後も4年近くしっかりと寝かせていた(汗&涙)からか、絶好調すぎる味わいです!2011年という酷暑のヴィンテージではあるのですが、野暮ったさや重苦しさとは一切無縁で、フレッシュさもあり、飲み心地がとても軽やか!彼女たちの進化を体感しちゃってください!!

生けるレジェンド、グラヴネルのリボッラ2009年が終売、ロッソ ブレグ2004年が終売間近の為、リボッラ2010年&ロッソ2005年をリリースします!

リボッラ2010年ですが、太陽に恵まれた2009年とは打って変わり、2010年は収穫時期にも雨が多く、その結果として貴腐ブドウの割合が非常に高いものに。何しろリボッラの収穫が終わったのが11月15日で、その日に収穫したブドウの大半には貴腐菌が付いていたそう。2009年のような豊かな果実味がありつつも、2008年のような貴腐由来のシリアスさも持ち合わせ、でも2009年以降のヨスコのワインに通底するおおらかさを持ち合わせたワインです。

ロッソ ブレグ2005年は、果実味、酸、タンニン、余韻、熟成感、柔らかな質感、あらゆるポイントにおいて突出したものがあり、その結果として恐ろしく調和の取れたワインとなっています。まとまりがありすぎて、逆に地味に感じられちゃうかもしれません(笑)。

オータ認定ワイン世界遺産(非公式)なデ バルトリが造る、皮ごと醸したタイプの白インテジェル ジビッボ2017年とインテジェル グリッロ2016年が終売しました(ないし終売間近!)ので、新ヴィンテージをリリースします。

絶賛販売中のマルサーラ各種ですが、おせちの定番、栗きんとん、田作り、伊達巻、エビ、黒豆、昆布巻きに甘辛に炊いた煮物などとは抜群な相性です!是非とも一家に1本!

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

文:太田久人

303 nuovo22.1.14

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