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2023-05-23

ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】イル マイオーロ

①セミナー動画 (質問コーナー|02:58~)

ヴィナイオッティマーナ2022 ピリオド5DAY2の様子です。今回来日致しました、当主:フランチェスコ・トッレさんです。ヴィナイオータとの取引は2018年からと、比較的新しい造り手で、オッティマーナは今回、初参戦となります。ワイナリーは、イタリアの北東部に位置する、エミリア・ロマーニャ州にあります。今は亡きお父さまのワイン生産者になる、という夢を実現をするため、耕作放棄地を開墾しブドウを植えて造ったのが、ワイナリーの始まりとなります。今回来日しました、フランチェスコは弁護士業の傍らワイン造りをやってきました。
本格的にボトリングを始めたのは、2003年からで、2020年ヴィンテージより白ワインの生産も始めました。今は、どちらかと言えば弁護士業よりもワイナリーを中心に活動されております。

②造り手紹介 (01:42~)

イルマイオーロドの造り手紹介、詳しくはこちらから。

③造り手への質問と回答

Q1. 日本では、20年近いしっかりと熟成したワインを3000円台とお手頃な価格で飲める事にとても喜ばれておりますが、これについてはどう思われますか?(2:58~)

A1. ヴィナイオータとして扱っているヴィンテージは、2005、2006、2007を扱っています。
2005に関していえば樽で2年熟成し、瓶で15年、合計17年置かれているものです。
2003年からワインを造り始めボトリングして、分かったことは、自分が考えるテリトリーの個性、ブドウの個性、そして自分自身の思いや、考え方をワインが表現してくれるには、時間を必要としていることでした。弁護士業が忙しく、販売に注力できなかったこともあり結果的に長い時間熟成することになりました。
寝かせれば寝かせるほど、ワインが雄弁に語ってくれると気付き、最終的には、樽で最低5年ほど寝かせてからボトリングしていきたいという考えに至りました。長く寝かせるためには樽が必要なので、大樽を買い足し自分の理想とする表現力を出す為に、5年ほど寝かせるスタイルに切り替えていっているところです。
価格に関しては、もちろんバランスは大事だと思いますが、ヴィナイオータが一度に大量に買ってくれていることもあり、3000円台というのは破格の価格だと思います。購入してくれる方々に、語りかけたいストーリみたいなものを聞いてもらいたいので、コストと購入しやすい価格とのバランスを考えてギリギリなラインを狙っています。

Q2. 代表太田からは、古いヴィンテージから順番に買っていると聞いておりますが、イルマイオーロ的には赤ワインは、何年が最新ヴィンテージなのでしょうか?(10:16~)

A2.2011年をそろそろ売り始めよう(笑)…と思っています。11年の時を経て、2011年をワイナリーのオフィシャルなヴィンテージとして出そうと考えています。そろそろ、2015年をボトリングしようか…と考えています。それがリリースされるのは最低でも今から約4年後くらいになるのかもしれません。
すべては、ヴィナイオータが私を信じてバックヴィンテージを買ってくれるので、そのお金で大樽を買い足すことができ、自分の理想像に近づけています。自分のワインは、自分の性格上もあるし、テロワールの性格上もあるのかもしれませんが、ちゃんとした時間をかけて、ちゃんとした熟成感をもった状態にならないと、最大限表現できないと思っています。時間にはコストをかけたいと思っています。

Q3. お若くて綺麗な奥さまですが、どのように知り合ったのですか?(15:03~)

A3.「僕の若くて綺麗な奥さん(笑)」は、ワイナリーから車で3、40分位のところにある、ボッビオという中世の町があるんですが、そこのレストランにワインを納品したときに、ウエイトレスとして働いていました。わたしは、ワインの納品のタイミングだけでなく、バイクで通った時など、頻繁にランチを食べに寄ったりして、交流を深めることができました。写真は結婚式の時のものですが、本当は2019年に式を挙げたかったのですが、コロナで1年結婚式が伸びてしまいました。なので、結婚式のときには子供がいました。

ワイナリーを維持していくには、ひとりではなかなか難しいです。例えば、旦那さんが農作業をしていると、家事を仕切ってくれる、ご飯を用意してくれるとかをやってくれる人がいないと難しい職業なんです。忙しい時は夜遅くまでやらなければいけない仕事があるので、スタッフを雇うとかではなく、家族がいないと回っていかないのです。

ウルっときたのは、今、皆さんが飲んでくださっているワインは、今は亡き母と一緒に作っていた時のワインなのです。我が父が実現しようとした夢を引き継いで、母は私がやろうとしていることを後押ししてくれました。経済的な面でも精神的な部分でも支えになってくれました。私としては母と一緒に造ったワインだと思っています。イルマイオーロには存在しないヴィンテージがあります。それは母がアルツハイマーになってしまって、その間はブドウは仕込まず、売って介護にあたっていた時期になります。そんなこともあって、母の事を思い出すと、ウルっときてしまう。今は妻もいて、自分のワインを表現する為に、ワイン造りに協力的にやってくれて、とても素敵な妻で感謝しています。

Q4. イル・マイオーロのインスタを見ておりましたら、はちみつが載っていたのですが、これは販売しているのでしょうか?(25:23~)

A4. 作っている白ワイン、カンポ・デ・ポンテというワインなのですが、これはじつは、白ワイン用の畑を別の地域に2つもっています。一つはデラーボロという、ラ・ストッパの畑&醸造の責任者をやっているジューリア・アルマーニという人間がいるのですが、そのジューリアが持っている畑の真向かい位に、購入した畑の所が一つ。あともう一つは、奥さんと知り合ったボッビオの郊外にある、カンポ・デ・ポンテ、というところにあります。カンポ・デ・ポンテというワインの名前はそこからとりました。そこのブドウ畑のものをブレンドして作っているのが、カンポ・デ・ポンテという白ワインになるのですが、樹齢の古いブドウが植わっているところで、90歳を超えてる凄いダンディなおじいさんが元々一人でワインを造っていました。その畑は結構な傾斜になっていまして、農作業が難しくなり、国定公園に囲まれた不便な畑に興味がある人なんていないだろうと、木を抜こうとしていたところ、人伝てで樹齢の古い、素晴らしい環境の畑があると聞いて借りることにしました。そうしましたら、そのおじいさんは、畑に隣接したところに小屋を作っていて、家から通ってきてすきな音楽やラジオを聴いたり本を読んで余生を送っているのですが、おじいさんはそこでミツバチも飼っていて、手つかずの自然が残っている場所の中に巣箱を置いて森から採蜜してきていました。そのおじいさんから分けてもらったものを、一部オリジナルラベルとして販売しています。

④まとめ

始まりは、お父様の意思を継いで始めたワイン造りでしたが、思考錯誤を繰り返し長期熟成することはとても重要と考え、自分のスタイルを追求、これからが楽しみな造りの一人です。それと、家族愛が強く、特にお母さまとの絆を深く感じました。(担当:宮内)

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