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2017-02-14

【新入荷】2017年2月 その2

本案内文を書き始めた2月6日17時20分時点、待ち人(チョコレート)現れず…。完全にタイミングを逃しましたが、ヴィナイオータとサバディに与えられた新たな試練くらいに思う事にします…。書き終える頃には通関が切れていることを前提に書き進めていきます!!

では2月第2週の新入荷商品のご案内です!!

ワインからも彼の知性や理路整然ぶりを感じずにはいられないニーコ ベンサ率いるラ カステッラーダからはなんと10種類ものワインが届いていまして、取り急ぎ9種類をリリースします!

生産量の少ない白、フリウラーノピノ グリージョ(白?赤?ロゼ?)、ソーヴィニョンシャルドネ2010年がそれぞれ入荷しておりまして、このあとご紹介する09と比べると、2010のワインはやや細身で端正な印象かと。シャルドネ、ソーヴィニョンと醸し醗酵を行っていないピノ グリージョをそれぞれの個性が目立ちすぎないようなブレンド比率を毎年模索して生まれるワイン、ビアンコ デッラ カステッラーダ2009が届きました!恐ろしくヴォリューミーですが、不思議とザクザクいけるワインです。リボッラ09も入荷しているのですが、08が売り切れ次第リリースさせていただきます。このリボッラ08もぼちぼち本領発揮に近づいて行っている気がします。こちらも是非!!

余談になりますが、ビアンコ デッラ カステッラーダは「ラ カステッラーダの白(ワイン)」という名を冠するのだから、ブレンド比率にも造り手の意思意図が反映させるべきだというニーコの考えのもとに生まれているワインなのですが、生産量のもともと少ないピノ グリージョの量に合わせて生産量が確定します。ですので、年によっては比較的生産量の多いシャルドネとソーヴィニョンに余剰分が出ることがあり、それを単一でボトリングしたものがシャルドネ&ソーヴィニョンになります。

ラディコンのケースと同様に、カステッラーダからの引き取りも他の国のインポーターと比べると2ヴィンテージほど遅れをとっています。比較的生産本数の多いビアンコ&リボッラに関して現地在庫全量を引き取るということを数年続けていくうちに、他の方たちと2ヴィンテージの差がついてしまったわけですが、この遅れはワインにとっては良いことだらけな気がしています。力を内包しているワインであればあるほど、その力を解放するのに時間がかかるため、リリースが遅いに越したことはないわけで…。今からご紹介するビアンコ リゼルヴァ ヴルフ(VRHと書きまして、畑の名前になります。スロヴェニア語にはこのように子音だけで構成させる単語もあるのだそう。)2006にとって、この2年はとても重要だったでしょうし、2年でも不十分と言わなければならないほどに圧倒的なポテンシャルを秘めたワインだったりします。実際、いつこのワインを引き取るのかと聞かれた際、

「ほら、うちってノーマルのビアンコの引き取りも遅れてるよね?でこのリゼルヴァを今引き取ったら、06や07のノーマルビアンコと一緒に売らなきゃいけないわけで、それじゃマーケット的にリゼルヴァっぽく思われないじゃん??だから08、いや09のビアンコあたりを引き取るタイミングかなぁって思ってるんだけど…。つまり2-3年後??そのほうがこのワインにとってもいいと思わない?」と答えたところ、

「う~ん、(狡)賢いなヒサト。まあ、(本来なら早く売れることを望むべき造り手である)俺が言うべき言葉じゃないが(笑)。」とニーコ。樹齢約50年のシャルドネ(75%)とソーヴィニョン(25%)を2ヶ月皮ごと醸し、3年間大樽、そのあと1年間ステンレスタンクで熟成させたのちにボトリング…壮大にして荘厳、傑作です!!

非常に対照的なヴィンテージの赤ワイン3種類も届いています!

メルロー05は現地最終在庫が再入荷です。雨がちだった2005年、例年の彼らの赤と比べるとヴォリューム&複雑さには欠けますが、果実味は豊かで飲み心地もとてもスムーズ、現段階で素敵に楽しいワインです。

ロッソ デッラ カステッラーダ03をセラー奥から発掘したそうで、全量キープしちゃいました!05と真逆に03は雨が極端に少ない酷暑の年で、このワインもアルコール度数15%オーバーの怪物です。濃密な果実はあるのですが、重苦しさとは無縁のワイン。加えて、熟成によって均整が取れてまいりました!!このワインがリリースされたのは7年前で、ユーロが激烈に高かった時代…思い出しただけで涙が出そうになります(笑)。比較的落ち着いた現在の為替事情とニーコが当時と全く同じ価格で出してくれたこともあり、7年前よりもかなりお安い価格でのご案内となります。

そして天候的には非常に安定した年だった2006のロッソも10年の時を経てリリースされました!酒躯、濃さ、果実味など様々な点でロッソ03メルロー05の中間地点に位置するワインです。派手さはありませんが、滅茶苦茶美味しいです。是非とも3ヴィンテージを飲み比べてみてくださいね!!

この文章を書いているこの瞬間、2/8お昼すぎなのですが…サバディの商品の通関が無事切れまして、明日2/9に弊社に到着、2/10から出荷を開始できることになりました!!!!まだ確定ではありませんが、11月下旬のヴィナイオッティマーナに当主シモーネも来日予定です!!こちらもお楽しみに!!

初めて会った時から遠くを見据えて仕事をする男だという印象を受けていたのですが、昨夏訪ねた際に大概のことでは驚かない僕があんぐりするような話をシモーネが2つしてくれました。ひとつ目はえげつないバール開店計画。

えげつなポイントその1:場所。モディカを代表する教会であるドゥオーモ ディ サン ジョルジョの目の前には250段にも上る階段があるのですが、その階段の途中にはいくつかの庭園があったりします。当然のことながら、階段、庭園共に自治体の持ち物なわけですが、そこをシモーネが一切合財を自腹で管理(清掃美化、庭の手入れ、門の開け閉め等…)することを条件に無償で8年間借りる契約を取りつけます。最も面積のある庭園の一角に洞窟のようなところがあるのですが、今現在はビール瓶やタバコの吸い殻などゴミの山…自治体も予算がないからなのかそのまま放置していて…。シチリア、そしてモディカという町の美しさに惚れ込んで移住してきたシモーネからしてみれば、その素晴らしさ、価値を台無しにするような状況を看過できなかったのでしょう。で、そのゴミ捨て場と化してしまっているところにバールを作ることにします。徹底的に綺麗にし、庭をきちんと手入れして、イスや本棚などを設置し、各所にWi-fiスポットを配置してフリーのネット環境を整え、そして時にはアート作品の野外展示なども企画するそうです。モディカという町自体の持つ観光資源をより有効活用すること、シチリアの中でもとりわけ文化人やアーティストが多く暮らす町であるモディカならではの文化の発信場所としても利用すること、そしてモディカ市民や観光客にとって憩いの場を提供することを目的とした空間を唯一無二な場所でやろうとしています。ちなみにですが、前述のドゥオーモの2つ隣の建物の1階にそりゃもうオシャレすぎるサバディの直営店があります。

えげつなポイントその2:バールの内容。サバディの製品と同様の理念をバールでも貫くつもりのようです。用意する軽食も一つ一つの素材を厳選しきったもの。~さんの作ったどフレッシュなモッツァレッラとか、ボローニャのとある焙煎工房のコーヒーを水出ししたもので作るグラニータ、今まではピールだけを使用して果肉(ジュース)は知り合いのジェラート屋さんにあげていた柑橘もグラーニタやシロップに利用し、シロップに等に使用する砂糖もサバディ使っている無農薬ものもの、ホットチョコレートは当然のことながら自社のもの、ワインはシモーネ自身が飲んでいて頭の痛くならないナチュラルワインをグラスで20種類くらい用意して…ああ、モディカ市民が羨ましすぎる!
そしてもうひとつのあんぐりはサバディ農園計画。モディカ市内からそう遠くない場所に農園を持ち、柑橘類を自家栽培し、ハチミツも採取し、なんとカカオも実験的に栽培してみようという…。それに先立ち、柑橘畑を購入したとの噂も…。農業から農産物の2次加工、そして製品の提供場所も自ら経営し、そこでは製品に使われなかった部分(柑橘の果肉部分)の2次利用も行い、文化的情報の発信もし、それらすべてが町の景観を守る一助にもなるという…僕も大概夢見るおっさんですが、彼ほど壮大な夢は見ていないかもしれません。個の総体が社会を形成するという自明なこと、1個人であるシモーネが素敵だなぁと思う空間を創出することが社会の豊かさにもつながるだなんて…素敵過ぎる!!

そんなサバディから、モディカ チョコレートの伝統に対するオマージュとも言えるモディカ シリーズ、昔から言われているカカオの薬効に着目したクオリティ オブ ライフ シリーズ、シチリアという偉大な大地へのオマージュ的存在のシクラ テッラ シリーズ、カカオの陰に隠れがちなチョコレートのもう一人の主役であるお砂糖に着目したズッケリ シリーズ、恐ろしく贅沢な食材のみで作る大人のキャンディーに続き、新たに2シリーズが日本に上陸です!!

まずはサバディ史上初のミルク チョコレート、アル ラッテ(al latte)シリーズ!!カカオの比率が高かったり、カカオ由来の油脂(カカオバター)以外を使用してなかったりする本格的(?)なチョコレートを好きだという人であればあるほど、ミルクチョコレートのことを低く見る傾向があることに疑問を感じたシモーネ、質の良い素材を使いちゃんと作ったのなら、カカオの個性をちゃんと引き出したミルクチョコレートを実現することが可能であることを世に認めてもらうために作ることにしたシリーズになります。6種類あるのですが、それぞれ家族をイメージしたものになっておりまして、

TATO(タト:ボク):カカオ比率が48%と低めで、甘さを引き立てるためにフルール ド セル(天日塩)を使用

TATA(タタ:アタシ):カカオ比率53%で、カルダモンの甘い香りで実際の糖分以上に甘く感じるカラクリに!

PAPA’(パパ):カカオ比率が58%と高めとなっていて、キビ砂糖ではなくココナツシュガーを使用

MAMMA(マンマ:ママ):カカオ比率は48%で、ココナツシュガーとフルール ド セルを使用

NONNO(ノンノ:おじいちゃん):カカオ比率53%で、コーヒーで風味づけされています

NONNA(ノンナ:おばあちゃん):カカオ比率53%で、ショウガ風味!!

といった内容となっております。言わずもがなですが、使用する粉乳もビオ認証のものです。

(上からトッローネ ビアンコ、カカオニブ入りトッローネ ビアンコ、ピスタチオ入りトッローネ ビアンコ)

(アーモンド入り茶色いトッローネ)

そしてもうひとつのシリーズがトッローネ(ヌガー)です!!!賞味期限が6か月と短いため二の足を踏んでいたのですが、そのあまりの美味しさにこれを日本の皆さんに紹介しないのは犯罪に等しいと考え、輸入を決めました(笑)。別にトッローネ通を自称しているわけでもないので参考にもならないかもしれませんが、こんなに軽いトッローネを僕は食べたことがありません。シモーネ曰く、ナッツ類がたくさん入っていること(その結果、総重量のうち糖分が占める割合が自然と少なくなる)と、砂糖を控えハチミツをたっぷり使っていることが軽さの秘訣だそう。是非皆さんもビックリしてみてください。こちらは4種類ありまして、

Torrone bianco con mandorla di Noto ノート産アーモンド入りトッローネ ビアンコ(卵白を使用したヌガー):オレンジの花のハチミツを使用し、インテルドナート種のレモン(レモンとシトロンの自然交配種)のピールで風味づけ(写真1番左)

Torrone bianco con mandorla di Noto e fave di Cacao Nacional ノート産アーモンドとナシオナル種のカカオニブ入りトッローネ ビアンコ:ディルの花のハチミツを使用(写真左から2番目)

Torrone bianco con pistacchio verde di Bronte ブロンテ産ピスタチオ入りトッローネ ビアンコ:カルド(カルドン、アザミの仲間)のハチミツを使用し、チャクッリ産マンダリンのピールで風味づけ(写真左から3番目)

Torrone abbrustolito con mandorla di Noto ノート産アーモンド入り茶色いトッローネ(典型的なヌガー):フレンチハニーサックルの花のハチミツを使用し、ブラッドオレンジのピールで風味づけ(写真1番右)

となっております。ピスタチオ入りのだけ価格(希望小売価格2,600円)が飛びぬけていますが、決して間違いではございません(笑)。それぞれ120個のみの入荷ですので一瞬でなくなってしまうかも?です!(※ピスタチオは弊社在庫完売しました。その他も残りわずかです! 2/14)

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