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2013-01-15

【新入荷】2013年1月 (Accomasso、Bartolo Mascarello、Davide Spillare、Possa、Il Vei、Santa Maria、Sanguineto、Panevino)

日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。                     
2012年も大変お世話になりました!!!
ヴィナイオータ的には、去年末のヴィナイオッティマーナの余波を受け続けているうちに、気が付いたら年末…そんな感じの1年でした。
ラディコンが来日したのも今年の出来事だなんて、全く持って信じられません…。
ビジネスという観点からでしたら、おかげさまで順調すぎるくらい順調ではありましたが、取引のある造り手にとって最大級のパトロン(理解者、擁護者、購入者、そして橋渡し役…)でありたいというヴィナイオータの悲願達成までの道のりは、まだまだ長く険しい事を実感した1年でもありました。
とはいえ、問題点が何かを認識し、改善へ向けて小さな一歩を踏み出せただけでも良かったのかなぁと考えています。
来年4月でヴィナイオータも創業15周年!!!
時の流れの速さに、やっている本人が一番びっくりしちゃってます。
シェア的な話で言うなら、業界全体から見て15年前で分子レベル、今でようやくケシ粒程度の大きさかとは思いますが、放つ光の強さでは誰にも負けたくないという気持ちでやってきました。
これからもスタッフ一丸で気合いと気愛と気概と情熱と問題意識と飢餓感を持って仕事に臨んでいきたいと考えておりますので宜しくお願いいたします!!
スタッフといえば11月入社の村山に引き続き、12月にもう1人(体格的には間違いなく大型新人と言えるかと)入社し、1月に更に1人、そして2月にももう1人が入社の予定です!!
スタッフ増員を受けて、来年は長年温めてきた計画をいよいよ実行に移します。本格始動した際に、全容のご報告と共に新人君&新人ちゃんの紹介をさせていただきたいと思います。

それでは新入荷のご案内です!!
エミリア ロマーニャから旨安ワインの代表格、イル ヴェイのワインが再入荷です!!
マグナムボトルのヴァル ティドーネですが、前回よりも入荷本数が多いですし、新年早々に次回の仕入れをする予定ですので、欠品は当分ないと思われます!
ワイルド過ぎるお姉さま達こと、サングイネートからは、ロッソ2010ヴィーノ ノービレ2009が再入荷、ビアンコの新ヴィンテージ2011が届いています。
ロッソは前回の物よりも数か月後にボトリングされたものですので、よりこなれているかと!
ヴェネトのダヴィデ スピッラレからは、ビアンコ ルーゴリの09&10年が再入荷です!!09は、微妙に売り逃してしまってダヴィデ自身どうして良いか分からなかったものを弊社が全量引き取ったものになりまして…最高です!
誤解を恐れずに言いますが、今飲むのなら、サッサイア2011SO2無しより断然09のルーゴリです!600本のみの入荷ですのでお早めに!
そしてダニエーレ ピッチニンが、「あんまり大きな声じゃ言えないけど俺は、アンジョリーノの、ピーコ用の3つのどの区画よりも畑自体のポテンシャルとしては高いと思っている」と言う、ダヴィデのお祖父さんが植えた区画、ヴェッキエ ヴィーニェの2010年も120本だけ再入荷しました。
そして!お待たせいたしました、アッコマッソのワインが少量ですが入ってきました!
ボトリングすべきワインは沢山あるのに、お姉さんエレナの体調が悪かったり、ロレンツォ自身の体調が悪かったりでタイミングを逃し続けています…。つい先日まで、蔵にはボトリングを待つバローロ2000年(!)もあったそうなのですが状態が気に入らず、ネゴシアンに売ってしまったそうです…せめて味見だけでもさせてほしかった…。
そして03年もまだ樽(タンク?)で眠っているとのこと…神楽坂でお店を始めたBさん!ロレンツォのご指名が入っています!!日本のファンの為にもボトリング手伝ってきてください!!!
今回はバローロ06(05まではレ ミエ ヴィーニェという名前でリリースされていたもの、だと思われます)とドルチェット09が300本ずつのみの入荷となります。
今や彼らからの最大限のプライオリティを与えられているヴィナイオータですが、通常の半分程度の入荷しかありませんでしたので、各お客様にお出しできる本数も非常に少ないものとなります事をどうかご了承ください。ロレンツォ&エレナの体調が麗しい時には、沢山分けてもらえるよう頑張りますので!!!ラベル貼りだけでも手伝いに行くべきか真面目に考えちゃっている今日この頃です…。
バルトロ マスカレッロの新しいワインもリリースします!
先日バローロ05、バルベーラ08が終売となりましたので、それぞれ06と09をお出しします!!
06は当主マリアテレーザ曰く、バローロが本来持つべき優美さ、偉大さを備えたヴィンテージとのことです! いつリリースしようか迷っているうちに時間ばかりが経過してしまったワインもいくつかありますのでご紹介しますね。
モンタルチーノのサンタ マリーアからはロゼワインが少しだけ届いていました。
とある友人がモンタルチーノにある0.3ヘクタールほどの小さな畑のブドウを買って、自分で醸造してみることにしました。心優しき当主マリーノ、その友人に醸造設備、スペース等を貸してあげるのですが、収穫に行ってみると、カベルネソーヴィニョンが100本ほど植わっていたことに気が付きます。量的にも12ケースと少なかったこともあり、マリーノの畑のサンジョヴェーゼ12ケースを混ぜて醸造することにしたのですが、普通にカベルネ&サンジョヴェーゼのブレンドの赤を造っても面白くない!ということで、ロゼにしてしまいました。SO2完全無添加、60本入荷。
チンクエテッレの希望の星、ハイディが運営するポッサからも新商品が届いています。
チンクエテッレのゾーンの外、フラムーラという村に友人が所有するヴェルメンティーノが植わる小さな畑を借り醸造したものが今回のヴェルメンティーノIGTです。面積的に小さく急峻な段々畑が続くため、耕作機械を全く使うことができないチンクエテッレに対して、小さな機械だったら入れる畑なので、価格的にもチンクエテッレより抑え目なワインとなっています。11年は一部のブドウを皮ごと醗酵、残りをモストのみで醗酵させます。皮ごと醗酵させたワインを分析にかけてみたところ、ヴェルメンティーノという品種が自家生産するSO2の量が他の品種よりも多いことに気が付き、だったらばという事でSO2を全く添加せずにボトリングしました。
ワインだけにとどまらず、チンクエテッレというゾーンにある文化伝統を内外に知ってもらうこと、残していくことに情熱を燃やすハイディ、かつてPerseghin(ペルセギン)と呼ばれる薬用酒(?)があったことを知ります。ペルセギンとは方言で野生のモモの木を指し、その葉をワインで漬け込んだものの事もペルセギンと呼んでいました。伝統的なレシピでは、ワイン、砂糖、アルコールにモモの葉のところ、ハイディはより“ナチュラルな”ペルセギンを目指し、アルコールと砂糖を使用しない代わりに醗酵が完全に終わっていないチンクエテッレにモモの葉を40日間漬け込むことにしたそうです。実はこのワイン、彼のセラーでないところで熟成させていたため、僕もまだ飲んだことがありません…ですので味はさっぱり想像つきません…ですが凄い楽しみです!120本のみの入荷となりますのでお早めに!
そして!ブドウ畑に点在するレモン(当然のことながら無農薬!)を利用したリモンチーノも入ってきました!カンパーニアなどではリモンチェッロと呼ばれているものと製法が若干違う事を皆さんご存知ですか?リモンチェッロは、度数の高いアルコールでレモンの皮からの抽出を行った後にシロップと水で希釈し、その際に白濁するのに対して、リグーリアで造られるリモンチーノは、アルコール、砂糖、水を最初から合わせたものにレモンの皮を浸漬したものになります(白濁しない)。こちらも是非!!
サルデーニャのアーティスト農民醸造家、ジャンフランコ マンカのパーネヴィーノから3つのワインが届いています(いました?)。
今年の7月の新入荷のご案内で、パーネヴィーノの2010年の赤がボトリングされなかったことをご報告させていただきました。

↓ジャンフランコの2010年ヴィンテージ報告↓


差出人:ジャンフランコ マンカ
件名:パーネ ポーコ ヴィーノ
宛先:太田 久人
2012-06-10
おう、兄弟!どうよ調子は?スーパー暴飲ツアーの疲れは取れたかい?
2010ヴィンテージに関して、残念なお知らせをしないと。
知っての通り2010年は、絵を描くようにワインを醸す…ということを実現させる上で、原料となる絵の具(ブドウ)にベト病の影響があまりにも強く反映された年だった。
俺たちは恐らく、その年の絵を具現化するうえで、自然から賜った、全体の30%くらいあったベトの影響を受け、と同時に恐ろしく凝縮したブドウの解釈の仕方を間違っちゃったのだと思う。
俺たちが絵に表現(表出)してもらいたいと思っていたものが、出来上がりに表現されていないという事実からすると恐らく、そういった状況を引き起こした(畑での)出来事の解釈(対処)そのものも間違っていたのかもしれない。
そもそもベト病って何??なぜベト病なのか??… その後の、醸造期間中の、特に重要な段階で起こったいくつかの出来事が、思い描いていた絵から俺たちをさらに遠ざけることになったというのも間違いないし、(なにかしらの対処をするために、)本当ならそれに気付くべきだったんだよね…。
そんなわけで、熟考し、冷静な判断力を取り戻す、いや少なくともそれを捜し求めるためにいったん立ち止まる…つまり2010年の赤をボトリングしないことにしたんだ。
2011年のワインを待つ間、わずかばかりのアルヴァスが俺たちに付き合ってくれるよ。
ともかく固いハグと、Panevino(パーネヴィーノ=パンワイン)ならぬPanepocovino(パーネ ポーコ ヴィーノ、パーネちょっとワイン)とPace平和(これは沢山ね)を!!!


この決断で経済的に追い詰められることになり、2011年のワインを通常通りの時期にリリースしたとすると家計のやり繰りさえもままならなくなることが判明、ジャンフランコは一部の2011年の赤の一部を早々にボトリングすることを決断します。
曰く、「通常よりも半年以上早くボトリングするために思いつく限りの事、それもほんとに馬鹿らしいと人には思われるであろうことまでやってみたよ。冬の暖かな日に、樽をセラーからずるずると引っ張り出してきて、お天道様に当ててみてワインが夏と勘違いしないかとか…。それが原因なのか、(親のような存在である)俺の窮状を察したワイン(子供)が勝手に成長してくれたのか分からないけど、春にはボトリングできる状態になってくれて…。」
僕自身、マッサ ヴェッキアのファブリーツィオが言う、「最低でも丸1年、木の樽という呼吸する容器で熟成させない限り、ワインはボトリング後に不安定な状態に陥りやすいというのは、算数のように明らかな事なんだ。極めてナチュラルな手法でのみ仕事をするというならね。」という意見には激しく賛成で、それがパーネヴィーノやカーゼコリーニ、近年のラ ビアンカーラなど、SO2を全く添加せずに醸造&ボトリングする造り手であれば、なおさらそうすべきだと思うのです。
ラディコンのワインで酵母的なニュアンスを感じることがないのは、40か月という長い期間を木樽で過ごしているため酵母も仕事をし切っているからで、それに対してラ ビアンカーラのサッサイアのSO2無しVer.、特に2006、07、11のようにブドウが濃い年のものがボトリング後に若干の濁りが出たり、程度は酷いものではありませんが酵母由来の還元状態になってしまうのも、ひとえにボトリングのタイミングが早いからなわけで…。
というわけで、今年の5月にジャンフランコを訪ねた際この話を聞き、すでにボトリングされているワインを見て、本当に大丈夫なんだろうかと一瞬懐疑的だった僕…ワインを飲んだ時の驚きようと言ったら…語弊があるかもしれませんが、ちゃんと普通にワインだったんです!!
ボトリングが早いワインにありがちな、ワインになりきれていない感というか、ワインというよりモストの香り&味とでも言いたくなるような雰囲気が全くなく…。
皆さんもビックリしてみてください!
2011年は4種類の赤を生産、そのうちの3種類が入荷しています。
まずはU.V.A.(ユー・ヴィー・エー!ユー・ヴィー・エー!と、オリンピックのワンシーンでも想像しながら発音してみてください)!United Vinyards of Ampia kussorgiaの略で、訳の第一段階としては“アンピア クッソルジア合衆畑”となるかと。
アンピアはイタリア語で“広い、広範な”、クッソルジアはサルデーニャ語で所有もしくは管理下にある土地・テリトリーを指します。ですので最終的な意味としては、“いろんなとこにある、おいらが世話している畑(のブドウが入ったワイン)”、略してU.V.A.、ピリオドを取るとUVA(ウーヴァ、イタリア語でブドウ!!)…。そしてさらにこのネーミングには深い背景がありまして…。ここ1-2年の間に、自治体や近隣の土地所有者に対して不信感を持たざるを得ないようなことがあったそうです。
それを選択することで、自分たちは安易にお金を稼ぐことができるかもしれないが、その選択が近隣の環境に与えるインパクトを本当に考えているのか?自分の領土(土地)なのだから何でもして良いのか?時には(土地の)境界線をなくし、個々の土地を1つのもの(ユナイテッド)とみなして物事を考えようよ!利己主義を捨てて、みんなの幸せ、平和を願って…。味は言わずもがなですし、ラベルも最高です!今回は240本のみの入荷ですが、まだ樽で熟成中のものもありますので、来年再入荷すると思われます。Piccade’(ピッカデ)はPikade’(ピカデ)と若干の改名がありました!!
ジャンフランコの奥さんエレナによると、当初ccとkの書き間違いから始まり、音的にこちらのほうが良いという事になり、変えたのでは?とのこと…奥さんといえどもジャンフランコを完全に理解することは不可能なようです…。モニカとカリニャーノ主体で高樹齢の別の区画のワインを若干ブレンド。今回は240本の入荷ですが、来春に秋にボトリングされた別ロットのものが入荷予定です。
最後はタンカ リ カンティ!!
ワイナリー近くの新しい畑にカンノナウとアリカンテを植え、2011年が初収穫。そこで獲れたブドウをベースにして、その隣の彼らが“Tanka(タンカ、石壁に囲まれた畑の意)”と呼ぶ畑のブドウの“助け”を借りたワインだそうです。このワインにアリカンテが入っていることを明らかにしたいと考えたジャンフランコが、Tanka+AlicanteをTanka li canti(li canti=i canti、歌の意で、意味は全くないと思われます…)と分解したそうです…。うーん解りづらい。こちらは生産量1000本で、日本への入荷は今回の120本のみとなります。早々にボトリングした痕跡をこのワインが一番感じられると思います。飲まれる数日前に開けていただいた方が良いかもしれません!まだ樽で熟成中の4つ目の赤の名前がまた強烈で、U.V.A.と対になっているのですが…爆笑モノです!
皆様、良いお年を素敵なワインと共にお過ごしくださいね!!
(できればヴィナイオータのワインでお願いします・・・・)

文:太田久人
81 84  nuovo13.01.15

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