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2012-12-10

【新入荷】2012年12月 (La Biancara、Barbacarlo、Nicolini、Pierpaolo Pecorari、Campi di Fonterenza、Frank Cornelissen、Massa Vecchia)


日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。
気付けば12月、そして気付けば41歳なオータです。
早いものでヴィナイオッティマーナから1年が経ちました。まさに光陰矢の如し…ですね。
では今年最後となる新入荷のご案内です!
サッサイア&マシエリが再入荷しました!!!サッサイアは、今回の1800本でSO2無添加Ver.の最終入荷となり、次回はSO2ありVer.が1800本入荷いたします(ありVer.は全生産量が5000本程度のため、次回入荷が最初で最後となります)。
限定ワインでばかりご案内していると、若干感じ悪いような気もしますので、今回はババーンと売り出してみようと思いますが、ご注文数があまりにも多かった際には数を調整させていただく可能性があることだけご了承ください。前回600本が瞬殺でした、ピーコ2010も再入荷しました!
バルバカルロからも久し振りにワインが届いています!!
2008年はリーノ翁的に満足のいく出来ではなく、ボトリングを一切行いませんでした。今回は09、2010のバルバカルロ&モンテブオーノが新入荷、05と1989年のモンテブオーノが再入荷しました。
複数ヴィンテージの在庫があるせいで、イマイチ注目度は低い感じになっちゃってますが、本当に凄いワインだと思うのです…。どうやってその凄さを皆さんにお伝えするか、ヴィナイオータ的に2013年の宿題です!!!
2009は2004、2006に通じる硬さがありますが、2010は濃いのにひっじょおおおおおに美味しいです!!蔵出しの価格はかなり上がったのですが、為替を味方にお値段お下げしました!!
モンタルチーノの双子ちゃんこと、カンピ ディ フォンテレンツァから、ビアンコスピーノ2011が届いています。ワイナリー南東部のモンテ アミアータというゾーンにオリーヴ畑を持っていてオイルも生産しているのですが、そのゾーンで、樹齢70年を超えるアルベレッロ仕立ての、マルヴァジーア、2種類のトレッビアーノの植わる小さな畑と出会い、購入します。2週間のマセレーション&アルコール醗酵の後、10ヶ月間古バリックで熟成させたワインで120本のみの入荷となります。
ペコラーリからは、切らしておりましたレフォスコ、ロザルバ(ロゼ)、アルティス ソーヴィニョン&ピノ ビアンコ、バオラール メルローが入ってきました。
アルティスシリーズは2010が再入荷、価格を若干お下げすることができましたので是非!
長ーーーーーーーらく在庫しておりました、フランク コーネリッセンのマグマの1から6までとモンジベッロ ロッソ1、ビアンコの3&6が終わりました(感涙)!!つきましては、マグマ7、ビアンコ7をリリースいたします!!マグマ7は、日本への入荷量36本、そしてなぜだかもう既に24本が売れてしまっています!!お気を付けください!!!

半ば強引にではありますが、先日マッサ ヴェッキア(以下MV)のラ クエルチョーラ2006(以下Q)が終売となりました。
入荷した約1100本を売り切るのに、2年近くの歳月がかかってしまいました…。
決して安いワインではありませんので仕方がない部分もあるのでしょうし、ヴィナイオータ的な努力不足がこの結果を招いていることも重々承知の上ですが、やはりこの価格帯でこの本数、それが“MV”のワインだとしても、需要に対して供給量が多すぎたのでしょうか?それともただ単に、現在のヴィナイオータの置かれている状況(=身の丈)に合っていないだけなのか、2年間の販売履歴を見るにつけ、非常に考えさせられてしまいました。
世で偉大と呼ばれているワインには、リリース当初は硬く、味わいが解きほぐれるのにあまりにも時間がかかるものが多いような気がするのですが、それはまるで、ワインの世界で偉大と認識されるためには、尊大で厳格そうな雰囲気を醸し出している必要があり、リリース時には飲みづらいくらい若々しいくらいのほうが良いと言っているかのような…。
より長い期間に渡って熟成の経過を楽しめるのはワインの醍醐味、ロマンの1つかもしれませんし、逆に2-3年で味わいがガタ落ちするようなワインはプロダクトとして問題があると言わざるを得ませんが、人生と同様に、寿命の長さがその偉大さを指し示すわけではないということも意識すべきなのではないでしょうか。
2001年ヴィンテージまでのMVの赤ワインも、リリースから飲み頃までに若干時間がかかるものでした。99年のポッジョ ア ヴェンティ(Qの前身)などは、凄味はリリース当初から感じられましたが、やたらと硬く、最近ようやくちょっと開いてきたかな?という感じなのに対し、逆に1年若い2000年は2-3年前から悶絶級に美味しく、そして2001年は開けること自体犯罪行為なのでは?というくらい固く閉じていて…。先代ファブリーツィオ ニコライーニの言葉を借りるなら、モンタルチーノやキャンティなどトスカーナ内陸部で獲れるサンジョヴェーゼなら、ほぼ自然発生的にバランスとエレガンスを兼ね備えたワインになるのに対して、海にほど近く、より暖かな気候のマレンマ地方で獲れるサンジョヴェーゼは従来通り仕込んでしまうと、ジャミーなほどの果実味、強いエキス分&タンニンのせいで、野暮ったく飲み心地に欠けたものになりやすい…。
ワインは嗜好品ではなく、食事と共にあり、ワイン自身が食事の一部であるべき…そう考えた彼らは、尊大さよりも親しみやすさのある、日常に寄り添うワインを志向するようになり、それには高い飲み心地が重要だという結論に至ります。それをマレンマという土地で獲れるブドウで具現化するには、タンニンの抽出を抑え、ワインに意図的に揮発酸を纏わせる必要があり、あくまでもナチュラルな手法でそれを実現する醸造方法を編み出します(詳しくはこちらをご参照ください)。
そんなコンセプトのもとに生まれたのが2002年のポッジョ ア ヴェンティで、このワインを初めてボトルから飲んだ時の感動たるや…雨がちな年だったというのがあるとはいえ、リリース当初から抜群に柔らかく、圧倒的な飲み心地があるのに決してシンプルではなく…。彼らの既成概念さえも疑い、現状に安住しない姿勢、見据えているものの深遠さに改めて驚かされました。
以降Qと名前を変えてリリースされているワインは、偉大と呼べるだけのテンション、情報量をワインの中に内包しつつも、リリースさせた時点で最低限の飲み心地が保証されている、非常に稀有な存在と言えると思います。恐ろしく博識で含蓄に富み、知的なのにも関わらず、偉ぶらず、チャーミングで、人の懐にサクッと入ってくる親しみやすさがあり…そんな彼らの人となりとワインの性格に通じるものがあり、ここでも自説の「ワインはヒト」が証明されているのかと。
何が言いたいのか、だんだん分からなくなってきそうですが、要は今すでに楽しく、将来もまた別の楽しさが約束されているQというワイン、他の“偉大な”ワイン同様に買ったら無条件でセラーの奥に直行!というのはあまりにももったいないと思うのです。
リリースのタイミングが、親(造り手)が子供(ワイン)の自立を認める事を指すとして、年齢的には成人していても中身的にあまりにも幼いまま自立してしまった子供が世間的に多い中、MVの子供達は彼らの年齢に関わらず、中身がちゃんと成熟してから自立を果たしている…現当主フランチェスカも夫ステーファノと共に30歳を前にすでに半自給自足的な生活を送るほどに人として達観した境地に達しているのと同様に。 現在ヴィナイオータには、リリースを待つQが05,07,08とあり、本来なら味わい的に柔らかい07をリリースさせたいところなのですが、08からリリースさせることにしました。
08は春の長雨の後の急激な暑さの到来により病気が蔓延、5月の時点で8割近くのブドウを失ってしまった悲劇的なヴィンテージだったのですが、その後の天候には恵まれ、エキス分に富んだ素晴らしい品質のブドウが獲れ、当然のことながら素敵なワインができました。07と比べると、年(歳?)の差以上に若々しい08ですが、入荷量も500本程度と従来よりも少なく、来年2月には09の入荷が控えているという、ワイン的と言うよりヴィナイオータ的な事情により、08を先に出すことにしました。09が届くまでに08を売り切り、07をリリースさせているというのがオータの小さな野望だったりします…4ヴィンテージも売り物を抱えるという状況にはしたくありませんので、ご協力の程よろしくお願いいたします!!
今後MVから少量しか入荷しないワインに関してですが、トップキュベであり、最も生産量の多いQのご購入本数を加味して、各お客様への販売本数を決めさせていただくことも併せてご了承ください。
MVのように自然に添い従うような農業を行う造り手は、年によって生産量はまちまちです。ヴィナイオータはできるだけ多くの方にMVの凄さを知っていただけるよう、彼らが弊社に分けてくれる最大量を常に入れてきています(生産量の25%くらいでしょうか)。
彼らのような小さなワイナリーからワインを買う際に、「Qは高くてあまり売れないから、ちょっと減らしたいのだけど…。だけどビアンコは沢山頂戴!」とは言えないですよね?
次回入荷のビアンコ2010も400本程度しか届きませんが、これでもこの年の生産量の2割程度に当たるのです!もしもヴィナイオータが彼らの生産量の1割程度しか買ってなかったとしたら、200本しか届かなかった…そう考えると寒気がしてしまうのは僕だけでしょうか??

文:太田久人
61 73 75 79 83  nuovo12.12.10

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