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2008-11-25

10/28

朝7時半にNeiveを出発、Casale del Monferratoにフランチェスコ・ブレッツァを訪ねに行く。
2008年は2度の激しい雹でブドウの90%以上を駄目にしたらしい。幸い彼の場合、保険に入っていたらしく、丸損はしなかったけど、”保険金じゃなくて、ブドウが欲しかったなぁ”と言っていた。

従来の10%程度しか収穫できないなんて、僕らからしてみたら、かなりショッキングなことなように思えるのだが、自然が相手だと強く認識しながら農業を行っている人々からは極端な落胆は感じず、むしろポジティヴな諦めのようなものを感じる。強いなぁ。
08のワイン一通り、07のGrignolinoとFreia、05のBarberaSup.を飲む。
08のワインには雹が残したであろう、無残な傷跡のようなニュアンスを感じた。本来到達すべき熟度に達しなかったのだろう。
07のGrignolinoとFreisa、05のBarberaは素晴らしく美味しかった。派手さがないからか、日本ではなかなか苦戦している彼のワインですが、食事と合わせたときに本領を発揮するタイプといえるかも。Grignolinoなんて、ハム・サラミ系には抜群だし、MonferratoのBarberaはAstiの辺りの物より酸は際立つけど、少々重たい料理にはこの酸がいい役割を果たしてくれるし。

その後Barbarescoへと戻りヴァッカに行き、食事をご馳走になる。
Arcadia2007、Dolcetto2007、Barbera2006、Langhe06などを飲む。
LangheRossoは2006からネッビオーロ100%になったとのこと。美味しかった。
ヴァッカでとんでもないものを発見。

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レーヴィの古いユニークボトル。赤キャラメルキャップに、ラベルにはバルバレスコのグラッパと書かれている。どえらい希少品だ。

アルド・ビアンコに行き、頂いたボッテがどのように活用されたかを写真を見せつつ説明した。テーブルの出来にはびっくりしてもらえたようです。
Dolcetto2007、Barbaresco2005,2006,2007を試飲
途中ばばっちが合流する。

Costiglioleへ移動、ロレンツォ・コリーノ博士のところに行く。この日プーリアはBariまで帰ることになっていたのだが、電車の時間を遅らせてまで僕の訪問を待ってくれていた。

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恐ろしいことにまだ全然収穫してませんでした・・・。写真はAchilleのバルベーラ。
2007年のワインを一通り飲ませてもらう。ほんっとうに美味しい。
NebbioloとLa Barlaは、もう別次元の飲み物だ。彼と話をすると毎回、自分でワインを造ってみたいという欲求が湧いてくる。畑での彼の仕事振りも凄いが、セラーでの作業が非常に理に適っていることに毎回感銘を受ける。ただただ酸化防止剤を使わないということに固執しているのではなく、使わずに醸造・ボトリングを済ますにはどうした方がいいか、というような、ゴールから逆算したような考え方をしている気さえする。本当に凄い奴だ。博士が出発しなければならなかったので、早々に退散。
ばばっちお勧めの、VerdunoにあるIl Falstaffに食事に行く。ホール1人に、シェフ、調理補助-皿洗いの女の子の3人でやっている小さなお店で、むちゃくちゃ感じが良かった。ホールの兄ちゃんの醸し出す雰囲気から、オーナー(シェフ)が凄いいい奴なんだろうと思っていたけど僕の知る限りイタリアで5本指には入る人柄の良いシェフだった。
料理も美味しく堪能させてもらったが、驚愕だったのは値段。白トリュフを1皿かけてもらった値段が20ユーロ。リストに載っていなかった、Giuseppe RinaldiのBarolo1984をセラーで見つけたので、リクエストしてみると快く開けてくれて、なぜだか友達価格の30ユーロだった。それ以外に彼お勧めの造り手のバローロまでご馳走になってしまった。
彼の僕らに対するもてなしは、イタリアの文化に興味を持ってより知ろうとしに来ている外国人に対する、イタリア人を代表して敬意を表してくれているかのようだった。
お礼に藻塩、梅塩を置いていく。楽しく使ってもらえたらいいな。
今イタリアであの値段であれだけのものを食べられるところはそうないと思うので、機会があったら皆さんも是非。レストランたるもの、美味しいのはデフォルトであるべきで、それ以外にも大切なものがあることを再確認させてくれたお店だった。

Il Falstaff
Via Commendatore Schiavino
12060 Verduno
Tel.: (+39) 0172470244

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