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2019-05-21

【新入荷】2019年5月 その2(Trinchero、Case Corini)

自身のワインが、他の自身のワインのライバルになっているという点で、トリンケーロほど割を食っている造り手はなかなかいないのではないでしょうか。そんなトリンケーロからは、港で長らく休ませていたワインを引き取ってきました!

エツィオがこれは!と思った年にしか単体で醸造、ボトリングされることのないメルロー、トラビックの2012年が新入荷、欠品していました1930年代に植えられたバルベーラの区画バルスリーナの2011(濃度に見合わない危険な飲み心地が…オータ大好き!)と今最高に表現力のあるノビウス2010(ネッビオーロ)が再入荷、そしてどう控えめに表現しても最強のフレイザ、ルンケット2012とトリンケーロにとってのグランクリュにしてフラッグシップワイン、ヴィーニャ デル ノーチェ2010(以下VDN)の最終在庫600本も届いています!

ノビウス2010ですが、蔵出し価格が上がったため、弊社価格も上げざるを得ませんでした…。

オータの予言通り、今後リリースされるVDNを始めとするワインは、軒並み値上がりをしております。VDNやバルスリーナは樹齢80~90年に差し掛かっているという事もあり、年々生き永らえるブドウ樹は減っていますし、栽培面積をグッと減らした時期のワインが出荷されるタイミングになってきたという事や、近年収量的には良い作柄に恵まれていないという事なども価格上昇の要因となっているのだと思います。

弊社的には、身の丈に合わない爆買い(!)をすることで、ドラスティックな値上げを防ぐ努力をしております!最終的には造り手、買い手、飲み手全ての人のためになるであろう、この手法を続けていくためには、弊社が爆買いしたアイテム(アユーキ!、ロッソ デル ノーチェ、ヴィナージュなど…)を皆さんにも継続的に買い続けていただく必要がぁ!清き1本の積み重ねのみが、清き数千本に繋がります!!

現在オンリストさせていただいているトリンケーロの全アイテムとも、それぞれがそれぞれにしかない素晴らしい個性を放っておりますので、是非とも色々お試しくださいっ!

先日来日した、教授ことロレンツォ コリーノ、ものの見事なまでにワイン醸造のテクニカルな話を一切せずに帰っていきましたね(笑)。実際圧倒的な佇まいのある唯一無二なワインですので、どうしても醸造というヒトが主体的に関わる場面に、そのワインを唯一無二たらしめている秘訣があると多くの方は考えてしまうようなのですが、ロレンツォ自身は「健全なブドウをセラーに持ち込めたのなら、ヒトがその後ですべきことは必要最低限で済む。それよりむしろ、“健全なブドウ”をセラーに持ち込む事の方が、遥かに難しい…。」と考えていたりします。

ミクロ(微生物環境、生物環境、畑の植生など)&マクロ(近隣の森林、低木類、モノカルチャーではない耕作環境)両視点から見て、多様性に満ちた調和の取れた環境と、それらを健全な状態で維持するための農業的アプローチの果てに、ヒトは健全なブドウを賜る事ができ、そして健全なブドウにこそ(ブドウが)本来内包すべき個性(土地、ブドウ品種、年)が余すことなく表現される…。つまり、ロレンツォのワインにある個性は、ヒトが狙ってつくったものというよりは、生まれながらにしてブドウが備えていた美徳(=個性)によるものという事なのかと…。我々ヒトが各々持つべき個性(多様性)も、かくあるべし!とワインが言っているような気がするのは僕だけでしょうか?

そんな父ロレンツォ&ナイスガイな息子グイード親子で営まれるカーゼコリーニから、待望のワインが届いております!!2014、2015年とほぼゼロといっても良いような収量しかなかった彼らですが、2016年は久しぶりに満足のいく収量が(喜)!今回は、(あくまでもソフトに)プレスしたワイン、ヴィナイオータ2016(720本)とアキッレ2016(バルベーラ&ネッビオーロ、2280本)が入荷です。カーゼコリーニのワインが1アイテムで2000本以上が届く日が来るだなんて…オータ感激!

さらに、アキッレ(区画名)の選りすぐりのネッビオーロで造るチェンティンの2015年が新入荷(180本)、そしてバルラ2011の大樽熟成Ver.が300本ほど再入荷します!

バルラ2011ですが、2011がロレンツォ曰く50年に一度あるかないかという、生育期間から収穫時期に渡って一貫して素晴らしい天候に恵まれた年だったため、バルラではやや遅摘み気味の収穫をすることに。例年の、通常の(?)タイミングで収穫されたブドウで仕込まれたバルラでさえ、恐ろしい凝縮感がありますが、バルラ2011のそれたるや…。後世に残したい偉大なワインです!

文:太田久人
200 224 nuovo19.05.21

(ブログ掲載時には完売しているワインもございます。ご了承ください。)

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