ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ダニエーレ ピッチニン
①セミナー動画 (質問コーナー|02:10~)
ヴィナイオッティマーナ2022 P7 DAY1に行われたセミナーの様子です。2011年の初回からヴィナイオッティマーナ皆勤賞のダニエーレが今回も来日してくれました。ダニエーレのワイナリーは、ヴェネト州はヴェローナ県の東の端、サン ジョヴァンニ イラリオーネ郊外のムーニ地区にあります。元々は、友人と共に始めたレストランでシェフ兼ソムリエとして働いていたダニエーレですが、ワイン生産者になることを決意し、2006年に祖父が生まれ育ったムーニ地区に畑を開墾、ワイナリーのスタートを切りました。
②造り手紹介 (00:00~)
ダニエーレ ピッチニンの造り手紹介、詳しくはこちらから。
③造り手への質問と回答
Q1. 2006年に自分で開墾した畑にこの地域の土着品種であり、年々栽培面積が減っているというドゥレッラを植えたとのことですが、ドゥレッラはダニエーレのパーソナリティーにとても似ていると話していましたが、どういうところが似ていると感じるのでしょうか?(02:10~)
A1. ドゥレッラが自分を選んだのか自分がドゥレッラを選んだのか分かりません。第六感のようなものでドゥレッラを植えました。当然、自分の生まれ故郷である場所に1000年以上前から植えられている土着品種であることなど、ドゥレッラをあっさり決めるためのファクターはありましたが、殆ど考えずにドゥレッラを選びました。
自分も、見た目は厳しくても中身は柔らかいと思っています。ドゥレッラも酸が鋭いので初めは冷たくキツイ印象を受けるが、しっかり熟成すると酸が柔らかくなり、心開いたようなワインが出来る。そういう部分も似ていると感じます。
自分もブドウもまだ進化の過程にあるので、みなさんがそういう部分もワインの中に見つけてもらえるのではないかと思っています。
Q2. 2011年、初めてのオッティマーナで来日した際、太田がかねてからダニエーレに引き合わせたいと言っていたカーゼコリーニのロレンツォと、ヴォドピーヴェッツのパオロに会い、イタリアへ帰国後間もなく彼らのワイナリーを訪ねたと聞きました。彼らに出会ったことで、自身の考え方や仕事にどのような変化がありましたか?(10:44~)
A2. ロレンツォやパオロからも沢山のことを学びましたし、彼らに限らず、自分は外に出て行くたびに沢山のことを学ぶことができました。
ロレンツォに関して言えば、自分が夢見ていたが、現実には無理なのかもしれないとうっすら考えていた畑の環境がそのまま実現されており、それを惜しげもなく自分に見せてくれました。それは嵐の中に一筋の太陽の光が射すような衝撃的な経験でした。
『自分自身にリミットを設けない、もしくは限界をほんの少し先に設定する』=『決めつけない、考え続けることを諦めない』人だけが、見聞きした内容をしっかり自分の中で咀嚼し、自分の糧とすることができると考えています。
Q3. 以前、畑の傍に新しいセラー兼住居を作る予定との話を伺っていましたが、現在も進行形とのこと。新しいセラーが完成した暁にはこれをやりたいというものがあれば教えてください?(17:25~)
A3. 今はスペースの問題で、ワインが本当の意味で完成している状態で出せているとは言えないことを申し訳なく思っています。(それでも、ダニエーレは出来うる範囲でリリースのタイミングを毎年少しずつ遅らせています。)
新しいセラーが完成した暁には現在のセラーをボトルのストックスペースにする予定です。それにより、ワインが万全な状態になってからリリースし、みなさんの元にワインが届いた時には自分たちの魂を十分に感じてもらえる状態で飲んでもらえるようにしたいと思っています。
④まとめ
2007年のファーストヴィンテージから、既に16ヴィンテージ。その進化は留まることを知らず、存在感は増すばかり。現状に甘んずることなく、ずっとずっと先を見つめて次々と行動に移していくダニエーレの今後が、楽しみで仕方ありません。常に新しいチャレンジを続ける彼のワインから、みなさまと一緒に彼の進化を感じて行きたいです。(担当:佐藤)