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2013-09-24

【新入荷】2013年9月 (Francesco Brezza、Longariva、Panevino)

日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。
3週連続の新入荷&ニューリリースワインのご案内です!ヴィナイオータ史上初です!!
港には未だに1.5コンテナー分のワインがあり、9/20にはもう1コンテナーが入港…ですので、順調にワインが動けば8週連続まで記録を伸ばすことができるのですが、それより前に倉庫内がどうにもならなくなるかと…。
素敵なワインが目白押しですので、早々に皆さんにご紹介させていただければと思っております!
ではでは今回の案内です!
パン屋醸造家哲学者屁理屈屋アーティスト農民、ジャンフランコ マンカのパーネヴィーノから2011年ヴィンテージのオオトリを締めくくるワインが2つ届いています!
2011年のワインの誕生には2010年ヴィンテージが大きく関わっていますし、今回届いた2つのワインは、対をなしているという事もあるので、もう一回かいつまんで説明させていただきますね。
2010年はベト病が蔓延、収量が激減した上に、残ったブドウの30%はベト病の影響で物凄く凝縮したブドウとなり、醸造上も酸化防止剤を使用せず極限まで人為的関与を避けた造りをする彼のような造り手にとっては非常に難しい年でした。絵を描くようにワインを醸すというジャンフランコ、彼が思い描いていたものを2010年の赤に表出させることができず、目立った醸造学的欠陥がないにもかかわらずボトリングしないことを決意します。
この決断で経済的に追い詰められることになり、2011年のワインを通常通りの時期にリリースしたとすると家計のやり繰りさえもままならなくなることが判明、赤の一部を早々にボトリングすることにします。
曰く、「通常よりも半年以上早くボトリングするために思いつく限りの事、それもほんとに馬鹿らしいと人には思われるであろうことまでやってみたよ。冬の暖かな日に、樽をセラーからずるずると引っ張り出してきて、お天道様に当ててみてワインが夏と勘違いしないかとか…。それが原因なのか、(親のような存在である)俺の窮状を察したワイン(子供)が勝手に成長してくれたのか分からないけど、春にはボトリングできる状態になってくれて…。」
U.V.A.(ユー・ヴィー・エー)はUnited Vinyards of Ampia kussorgiaの略で、意訳するなら、“いろんなとこにある、おいらが世話している畑(のブドウが入ったワイン)”となり、ピリオドを取って読むとUVA(ウーヴァ)、イタリア語でブドウ…。彼らの住むヌッリ村ではなく、隣村のセッリに借りている複数の区画のブドウを混醸したものになります。
今回入荷しましたU.V.A.は、前回の物よりも実験的に1年長く樽熟成をさせていた3樽からボトリングされたもので、入荷量も300本と極僅かとなっております。
それに対して今回初入荷のワインC.C.P.(チー・チー・ピー)は、Cortemurasコルテムーラス、Cugussiクッグシ、Perdacodduraペルダコッドゥーラという3つの区画の頭文字をとったもので、これらの畑のブドウが使われています。他の区画のブドウに比べて凝縮感、糖度が高く、醗酵の状態的にも若干手前だったにもかかわらず、代々世話をしてきた高樹齢の畑であったり、自ら苗を植えた畑であるこれら3区画はいわば自分の子も同然、多少乱暴な扱いをしたとしても滅多なことにはならないと考え(親の気持ちを汲んでくれると考え?)、他の赤同様に冬場樽を太陽のもとに晒します。
経済的苦境から彼が取ることになった一連の行為は、他のワインにとっては醗酵を早期に完了させるのに一役買った(と思われる)のに対して、このワインに関しては醗酵をブロックする結果となり、酵母が活動停止した間にバクテリアが残糖を食い、揮発酸が上がり…。両者のバランスがとれるまでの間、樽で熟成させていたワインを今年の春にボトリング。残糖、揮発酸と書くと、若干ひるむ方もいらっしゃるかもしれませんが、騙されたと思って一度飲んでみてください。
どちらも液体の中に探しに行けば発見できるのですが、ただ飲んでいる分にはひたすら美味しいワインです!1000本ほど入ってきていますが、恐らく凄い勢いでなくなると思います。お気を付けください!
U.V.A.は某合衆国名を、C.C.P.は、今は無き某社会主義共和国連邦をもじったものになっています。近年、ジャンフランコには、自治体や近隣の土地所有者に対して不信感を持たざるを得ないようなことがあったそうです。それを選択することで彼らは経済的に利益を得るかもしれないが、近隣の環境に与えるインパクトを本当に考えているのか?自分の領土(土地)なのだから、自由に何をしても良いのだろうか?時には(土地の)境界線をなくし、個々の土地を1つのもの(ユナイテッド)とみなして物事を考えた方が良くないかい?利己主義を捨てて、みんなの幸せ、平和を願って…。
U.V.A.というネーミングには、常に資本主義、自由主義的考えを持つことに対して、異を唱えるジャンフランコなりのメッセージが込められているのかと。
に対してC.C.P.は、自分の都合で早くボトリングできるようにと仕向けた結果、(醸造学的には)望まざる揮発酸を内包することになったワインと、ドグマ(教理、教義)の押し付け、抑圧が皮肉にもより強い自由への渇望を湧き起こす原動力となってしまった某国家のこととなぞらえたようです。
C.C.P.をイタリア語的に発音するとチーチーピー、鳥の鳴き声に似ていませんか?
翼を持つ鳥をこのワインのラベルの中では自由の象徴として登場させています。 こうやって書いていながらジャンフランコの意図に気付かされることもあり、毎度のことながら彼の感性、感受性、考えの深さには、ほとほと感心してしまいます…。

ヴィナイオータ創業以来の定番ワイン、赤タマネギ色をしたワインことロンガリーヴァグラミネが入荷しました!
そして久し振りも久し振りに薫り高いピノ ビアンコ、ペルゴレを入荷させてみました。まとまった量を買ったので、若干お安くしてもらいまして、内容考えたらお買い得かと!!

僕と同い年、心美しきフランチェスコが営むワイナリー、ブレッツァからは旨安ワイン、ヴィーノ ロッソ2リットル瓶が入荷です!
このワインの事を考えていたら、ボッリートが食べたくなってしまいました(笑)。茹で肉をガッツリ用意して、このワインをガブガブ飲んじゃえば…もうそこはイタリアです!!
2011年は発酵後のワインの状態が極めて不安定だったためボトリングされなかったビアンコも、1年空いて2012年を入荷します!

チンクエテッレの若き希望の星、サムエーレ ハイディのポッサチンクエテッレの2010年が先日終売しまして、2011年をリリースさせたのですが、実はこのヴィンテージにはもう1つのチンクエテッレがあったんです!
マナローラ村(美しい街並みです!)の上側、海から若干離れたところにある、数百平方メートルと言っていましたので、まさに猫の額的な面積を無賃で借り、賃借料代わりにワインを提供するという約束をした畑のワイン、チンクエテッレ コスタ ディ カンポです。
テロワールの違いを見るべく、彼の畑のブドウとは別々に醸造、ノーマルのチンクエテッレに比べるとより軽やかな味わいの飲み心地の良いワインとなっています。に対しての彼のノーマルチンクエテッレの11年ですが、ヴィンテージの特徴なのか、素敵に太陽を感じられる香り&味わいのワインとなっています。コスタ ディ カンポは60本のみの入荷となっております。

文:太田久人
95 96 nouvo13.09.24

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