【新入荷】2013年9月 (Pacina、Santa Maria)
日頃より格別のご愛顧をいただきありがとうございます。
先週に引き続き今週も元気に新入荷のご案内です!
前回のワイン入荷後も倉庫内は思いのほかスペースがありまして、今週も順調にワインが動いてくれれば、金曜日(9/13)には半コンテナー分のワインを引き取ることができそうです…というか入らないと困るのですが…。
こんな感じで常にギリギリ感満載なヴィナイオータです!!
今回ご紹介するワインは非常に面白いものばかりなのですが、どれも数が少なく、大変心苦しいのですが限定とさせていただくものが多数ございます。
飲まずに注文していただく…言い換えるなら“ブラインド買い”は、皆さん的に非常に勇気の要る行為だと思いますが、どうか僕と造り手を信じてください!!後悔するどころか、素敵な驚きが待っていると思います!!
最近パーチナがいろいろな意味で弾けていると思うのは僕だけでしょうか?
以前からもちろん美味しかったのですが、近年のワインのリリース直後からの飲み心地の良さと言ったら…。僕がどんどん面白くなってきていると思うワイン&造り手によくある現象で、DOC(DOCG)の官能検査で落とされるというものがあるのですが、ついにパーチナでも起こってしまいました…。
09のキャンティが遊離亜硫酸塩(酸化防止剤)の量が少ないという理由で落とされてしまいました。
ワインとしては全くもって安定しているのに、たかがDOCGを取るためだけに酸化防止剤など入れてられるか!!ということで、再度の官能検査を受けず、“パーチナ”という名前でリリースさせることにしました。かっこいいぞ、ステーファノ!!
09というヴィンテージの特徴もあり非常に濃くふくよかなのですが、サクサクいけちゃうワインです! 2011年は夏から収穫時期にかけて全く雨が降らず、ブドウ樹が乾燥に苦しめられた年でした。(元キャンティの)パーチナ用の畑では、干しブドウと呼んでも差支えのなさそうなものが散見し、アルコール度数が上がり過ぎる事と除梗機を詰まらせて故障させてしまう事を懸念したステーファノは一部の半干しブドウ化したものを収穫しなかったほど。
そんな中、ブドウ樹にとってあまりにもタフな年で、樹齢が若いにもかかわらず乾燥に苦しんだ様子も全くなく、健全に生長、完璧なブドウをつけた区画がありました。醗酵に関しても円滑に進み、乳酸発酵を終えた段階、つまりまだセメントのタンク内にあった状態で味わい的にもバランスが取れていて、樽熟成によって酸化的熟成を促してタンニンなどのワインの硬さを構成する要素を丸くしてあげる必要さえないと考えたステーファノ、そのままセメントのタンクで澱引きもせずに熟成、2013年の春に酸化防止剤も完全無添加でボトリングされたのがヴィッラ パーチナ11になります。やばいワインです!今回は600本のみの入荷ですが、最低でももう600本入荷予定です!是非!
ヴィンサント用のブドウの余剰分で造られる白、チェッレティーナの11年も240本のみですが入荷しています。アルコール度数はほぼ15.5%というモンスターワインです。覚悟を決めてから開けてくださいね(笑)。
パーチナにも若干使われているチリエジョーロ、単体で醸造したらどうなるのか?というステーファノ自身の好奇心を満たすために造られたのが今回のチリエジョーロ12です。もう単純に美味しい!
イル セコンドより軽快な香り&味わいのワインで、酸化防止剤無添加です。500本生産で、日本には360本届いています。
前回大変好評で一瞬でなくなってしまったチェーチ(ひよこ豆)と新商品ファッロ(スペルト小麦)も届いています!玄麦の状態ですので、リゾットならぬファッロットにした際、咀嚼回数も多くなり、噛み疲れは必至です(笑)。それぞれ600袋(500g入り)のみの入荷となります。
モンタルチーノの実験君、マリーノ コッレオーニのサンタ マリーアからも色々届いております!
ブルネッロ08はリリース直後から外向的だった07に比べると、よりクラシックな年のブルネッロといえると思います。240本のみの入荷。
梗に含まれるタンニンに高い抗酸化作用があると聞いたマリーノ、2011年のオルチャロッソ用のブドウは除梗を行わずに醸造します。結果それなりに梗の風味のする(笑)ワインができてしまったのですが、どうしても梗を使って醸造をしたいマリーノ(以下M)は、
M:「ヒサト、2012年も梗を使って醸造しようと思うんだけど、梗の風味を弱める方法を見つけたような気がするんだけど分かるかい?」
H(僕):「収穫してすぐ仕込むんじゃなくて、しばらくブドウを置いておくんじゃないの?」
M:「(真面目に驚いた顔で)その通り!なんで分かったんだい?」
H:「それとは全然別の理由だけど、ロレンツォ コリーノは収穫したらすぐ仕込むのではなく、セラーで3-4日休ませるんだって。そうすると梗が茶色くなるんだって言ってたんだよね。茶色ってことは、青い梗特有の風味も出ないってことなのかなぁって思ったんだよ。」
M:「なんと!ロレンツォは知っていたという事か…だったら最初から聞いておけば良かった…。」
というわけで、収穫して数日セラーで寝かせたブドウを除梗せずに醸造したのが、今回のオルチャ ロッソ2012になります。結果の方は…どうか皆さんで確かめてみてください!594本の入荷です。
自家用に白(ビアンコ)が欲しい!ということで、知り合いを通じてトスカーナ最南部の海沿いの町、カパルビオにある農家からアンソニカを1トン購入し、ワインを造ります。
農家本人は、「薬なんかなんも使ってねえど。(ズーズー弁ぽく読んでください)」と言っていたらしいのですが、そこはキッチリしているマリーノ、ブドウを検査にかけたところ、何の農薬も検出されませんでした。酸化防止剤無添加、600本生産で、120本入荷です。
彼の友人で、非常に優秀なソムリエで、気に入り過ぎて仕事を捨ててモンタルチーノに住みついてしまい、現在ではハイシーズンにモンタルチーノを飛び出し有名店で出稼ぎソムリエをするという変わった男、アンドレアというのがいまして、その彼がモンタルチーノに借りた0.3haの畑のブドウをマリーノのところで醸造することになりました。
収穫を手伝いに行ってみると、サンジョヴェーゼに紛れてカベルネソーヴィニョンが100本植わっていることをマリーノが発見、収穫してみると12ケースという微妙な量、アンドレア本人は「(サンジョヴェーゼと)混ぜちゃってもいいんじゃね?」という感じだったようなのですが、マリーノは断固拒否(なぜ拒否権があったのかは謎です)、その代わりにという事で、オルチャロッソ用のサンジョヴェーゼ12ケースを提供、それでロゼワインを造ることにします。
今年の春セラーで試飲をしていると、
「ヒサト、これから君に飲んでもらうのは、捨てようと思っているワインなんだ。」とマリーノが悲しそうに2樽のロゼを指さします。
飲ませてもらうと、1樽は若干揮発酸が高く、1樽は醗酵が完全に終わっておらず、若干残糖分がある…だけどオータの頭はどちらも捨てるほどではないと言っている…。
H:「とりあえず混ぜてみたら?お互いの出過ぎたところ打ち消しあってくれるんじゃない?」
M:「混ぜる?おおっ、思いつかなかったよ!!!(マリーノ、単純というか凄い純粋なんです)じゃあどのくらいの比率で混ぜよう?」
H:「残糖のほうが気になるから、そっちを少なくすべきじゃないかな。」
M:「6:4??いや、7:3くらいでどうかな??で、残った甘いワインは?」
H:「とりあえずボトリングしちゃおうよ。瓶内2次醗酵が始まって、フリッザンテになってくれたらラッキー!くらいな感じで。」
M:「おおおおおっ!今このセラーには奇しくもスプマンテのガス圧にも耐えられるボトルが100本位あったはずだ!!ヒサト、実に天才的なアイデアだよ!(大袈裟過ぎ)」
とこんな話の展開で生まれたのが今回のロザート12で、日本とサンタ マリーアでしか飲めないワインです。
完成したラベルを見てないので何とも言えませんが、彼なりの僕に対する感謝の念がラベルに謳われています。どうか笑ってください。
長くてすみません、これが最後のワインです!モンタルチーノの南東にモンテ アミアータという山があるのですが、その麓でも伝統的にブドウを栽培し、ワインが造られていて、品質も悪くないのですが、世間での認知度は皆無。なのでブドウ栽培農家はネゴシアンにブドウを買いたたかれてしまう…。高樹齢の樹が多く残る畑で、誠実な農業をしていても、名のないところのブドウは安く買われてしまうという現状に心を痛めたマリーノ、知り合った農家のブドウを取引価格の倍(それでも安い!)で買う事に。
そのブドウで造ったのが今回のアンテオ12です。酸化防止剤無添加、2400本生産、日本には1400本入荷予定で、今回は720本届いています。
これで港に残っているワインは2コンテナー分!となるかと思いきや、9/20にもう1本届きまして、計3コンテナー、また振出しに戻る感じになります…。
えげつな素敵ワイン、長らく欠品しているので早く入荷させたいワインなど、本当にてんこ盛りです!!皆さんの清き1本をどうかよろしくお願いいたします!!
文:太田久人
95 nuovo13.09.17
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