造り手紹介 Bressan / ブレッサン
造り手:Bressan / ブレッサン
人:Fulvio Luca Bressan / フルヴィオ ルカ ブレッサン
産地(州):フリウリ ヴェネツィア ジューリア
ワイン:Carat, Verduzzo Friulano, Pinot Grigio, Grigio in Grigio, Pinot Nero, Schioppettino, Ego, n°3, Pignol…等
所在地:Via Conti Zoppini 35 – 34072 Farra d’Isonzo | GO – Italia<map>
Web:https://bressanwines.com/ja/
フリウリ ヴェネツィア ジューリア州のゴリツィア南西部、その温暖な気候と豊かな自然から紀元前4世紀ごろには通商路の要所として栄え、小さな民族が集まる場所であったファッラ ディソンツォ。歴史的なこの地域で、1700年代に創始者ジャコモ ブレッサン(1726年生まれ)がワインの生産を始めてから、伝統的栽培醸造一家ブレッサンは8代目へと続きます。
ハプスブルク帝国、イタリア王国、オーストリア帝国と様々な国家に属しながらも逞しく生産を続けていましたが、5代目となるアントニオの時代、第一次世界大戦とその他さまざまな戦闘の舞台となってしまったファッラ ディソンツォの人々とブドウ畑は大きな痛手を受け、ブレッサン家のワイン造りも続けていくことが困難な状態になりました。7代目となるネレオは第二次世界大戦の混乱の最中、一度失った祖父アントニオの耕した畑をすべて取り戻し整え、ブドウを植えられる状態にし、ワイン醸造を再開させるという大仕事をやり遂げ、8代目となるフルヴィオにバトンを渡します。
フルヴィオは1964年生まれ、家業を継ぐ前はセラピストとして小児がん末期の子どもたち心のケアをしていました。ワイン業界にあふれるさまざまな「認証」よりも、ブドウ畑とセラーで遵守している個人的な規則の方が厳格だとして、自らの信念に基づいたワインを造り続けています。近年、彼なりのワイン業界へのアンチテーゼとして時に過激な一面を見せることもありますが、本当に心優しく、知的で繊細な感性を持ったメンタリティの持ち主。この過激な言動は彼のプロ意識や誠実さ、アーティストとしての志の高さといった、一切の妥協を排除しようとする姿勢から生じてしまうものです。
ブドウ畑に隣接するイソンゾ川とアドリア海からの暖かい海風がもたらす恩恵をはじめとした、ファッラ ディソンツォの稀有な自然の要素(地理、地質、気候)をブドウのなかで表現し切るために、化学薬剤を使用しない有機農法を実践。ブドウ樹と自然のサイクルを尊重するために人の手仕事を重要視し、誇り高いブレッサン家のブドウとして認められないクオリティーの場合には収穫すら行いません。ワイナリーでも畑同様の哲学を採用し、なるべく人為的な作業をせずに野生酵母のみで醸造を行い、二酸化硫黄は瓶詰め時に少量のみ添加、無濾過でボトリングをしています。樹齢5~100年のブドウ畑はトータルで20ヘクタール所有し、年間約45,000本を生産。
<ワインラインナップ>
●Carat(カーラット)
品種:リボッラ ジャッラ、フリウラーノ、マルヴァジーア
コッリオの伝統的なセパージュ、リボッラ ジャッラ&フリウラーノ&マルヴァジーアで造られる。皮ごとの醗酵&樽熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。
●Verduzzo Friulano(ヴェルドゥッツォ フリウラーノ)
品種:ヴェルドゥッツォ フリウラーノ
何世紀も前はこの地に広く浸透していたブドウである、アロマテックな香りを持つヴェルドゥッツオは、果皮が厚いという特性を生かし近年甘口に仕立てられることも多い品種だが、伝統に則って辛口に仕上げた白ワイン。除梗&ソフトにプレスしたモストを井戸水で温度を調節しつつ濾過し澱を完全に取り除いた後、20~25日間の醗酵を行う。その後225リットルのバリックでシュール リー状態のまま、最低でも8か月間熟成。澱引き後バリックとステンレスタンクにてさらに2~3か月休ませ、瓶詰め後さらに数か月熟成しリリースされる。
●Pinot Grigio(ピノ グリージョ)
品種:ピノ グリージョ
醸していないノーマルタイプのピノ グリージョ。除梗&ソフトにプレスしたモストを井戸水で温度を調節しつつ濾過し澱を完全に取り除いた後、20~25日間の醗酵を行う。その後ステンレスタンクでシュール リー状態のまま、最低でも12~15か月間熟成させてボトリング。
●Grigio in Grigio(グリージョ イン グリージョ)
品種:ピノ グリージョ
ピノ グリージョを約半年間に渡ってマセレーションさせたワイン。
●Rosantico (ローザンティーコ)
品種:モスカート ローザ
栽培と完熟のタイミングを見計らうのが非常に難しいとフルヴィオが言う、モスカート ローザで造られる限りなく赤なロゼ(!?)ワイン。
ブレッサンの畑において一番栽培が難しいというピノ ネーロ。ドライフルーツやスパイスを彷彿とさせる、所謂“ブレッサン香”は満々だが、彼の他の赤ワイン(&ヴィンテージ)と比べると、酸に特徴のあるワインとなっている。
●Schioppettino(スキオッペッティーノ)
品種:スキオッペッティーノ(リボッラ ネーラ)
スキオッペッティーノはリボッラ ネーラとも呼ばれフリウリで古くから栽培されてきた伝統品種で、ウーディネの東にあるアルバーナ城で発見された1282年に書かれた文献の中でその存在を確認できる。フリウリの一部の地域のみで栽培されており、育成の難しさとともに醸造によってワインのポテンシャルを最大限に引き出すことが困難で、すべてを失うリスクを造り手に負わせる黒ブドウとして恐れられている。成熟度合いを見極め、やや過熟の状態で収穫しソフトにプレスされたブドウは、井戸水で温度を調節しつつマセレーションを行い、タンクを移し替える作業を何度か行いながら35日間醗酵させる。再度澱引きをして一度ステンレスタンクで休ませた後、2000リットルの樫の大樽にてシュール リー状態(澱と一緒)で二次醗酵と熟成を約12か月間行う。異なる樽に入っていたワインは、一度ステンレスタンクで合わせ2~3か月間休ませてから瓶詰め、瓶内でもしばらく熟成されリリースされる。
●Ego(エゴ)
品種:カベルネ フラン、スキオッペッティーノ
カベルネ フランとスキオッペッティーノを混醸したワイン。“エゴイズム”という言葉の語源であるエゴはもともと“自我”という意味。外来種(異文化)と土着品種(伝統)を混醸するという選択、行為によって、ワインにフルヴィオ自身(エゴ)も投影している。ボトルには1本1本手書きのサインが書かれている。
●n°3(ヌーメロ トレ)
品種:カベルネ ソーヴィニョン、ピノ ネーロ、スキオッペッティーノ
カベルネ ソーヴィニョン、ピノ ネーロ、スキオペッティーノを混醸。このワインに使われているスキオペッティーノは樹齢120年を超える区画のもので、フルヴィオはこの区画に関してはボルドー液さえも散布しないで完全放置している。
フルヴィオをはじめ、ラディコンやグラヴナーも、フリウリの赤の土着品種の中では唯一ネッビオーロやサンジョヴェーゼなどの品種に対抗できるだけのテンションを持ち合わせていると考える品種。膨大な量のタンニンを持ち合わせているため、超長期間の樽熟成が必須で、栽培されることが少なくなっている。
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