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2016-04-09

造り手紹介 Le Boncie / レ ボンチエ

造り手:Podere Le Boncie / ポデーレ レ ボンチエ
人:Giovanna Morganti / ジョヴァンナ モルガンティ
産地(州):イタリア トスカーナ州
ワイン:Le Trame、Cinque”5″
所在地:5, Strada Delle Boncie – 53019 San Felice (SI) – Italia <Map>
Web:http://www.leboncie.it/

Le Boncie_ba_01

レ ボンチエはキャンティ クラッシコ地区の南端、カステルヌオーヴォ ベラルデンガの標高360mに位置するワイナリーで、ジョヴァンナ・モルガンティによって営まれています。粘土質石灰土壌の3ヘクタールの畑では自然農法を実践するだけでなく、施肥を行なわず、マメ科の植物などを緑肥として蒔き、それらが自然に堆肥化したものを利用しています。ブドウ樹はこの地方では珍しい低めのアルベレッロ仕立てで、ヘクタールあたり7400本という高密度植樹にて栽培。収穫は全て手作業で行なわれ、ブドウには細心の注意を払い小型の箱に入れられワイナリーまで運ばれます。その後彼女の小さな身体でも手で直接ピジャージュ※(醗酵途中の攪拌)できるようにしつらえた、小型の開放式木製の醗酵槽で野生酵母によるアルコール発酵を行なわせ、500-1500リットルとさまざまな容量の樽へと移し替えられます。そして約15ヶ月の熟成の後、若干量の2酸化硫黄を添加しノンフィルターでボトリング。年生産12000本。

【※ピジャージュ:仏(醗酵途中の攪拌) フォッラトゥーラ:伊 パンチングダウン:英】
赤ワインの醸造では、果汁に果皮と種を漬け込み醗酵させた後、果皮と種を取り除きさらに醗酵させるのが一般的です。最初の醗酵が始まるとともに2酸化炭素のガスが発生して、果皮(果肉)や種は液面に持ち上げられ果帽(カッペッロ:伊 マール:仏 キャップ:英)と呼ばれる分厚い蓋状の層となります。この果帽はぴったりと液面を覆ってしまうことから酸素の循環が滞り、微生物汚染や醗酵不良、色素やタンニンの溶出不足の原因となってしまいます。それらを防ぐために、果帽の表面が乾燥しないように常に果汁に触れさせ、果汁全体に酸素を十分に与え酵母の働きを助ける作業(キャップ マネージメント)が必要となるのです。
その作業の1つであるピジャージュは、人間の足や櫂棒を使って果帽を果汁中に押し込む方法です。ワイン醸造に機械が導入される以前から行なわれてきたもので、主に木製の開放醗酵槽で醗酵を行なう造り手が用いています。伝統的スタイルである開放状態での醗酵は、イタリアでも行なわれることが少なくなりましたが、果汁を密閉しないことで必要となる野生酵母や酸素が常に供給されるもっともシンプルな方法で、醗酵が早いタイミングから始まり、温度管理しなくとも醗酵温度が全体的に低くなることも特徴です。しかしその一方で、醗酵中にショウジョウバエなどが果汁に飛び込み微生物汚染の危険性を高めてしまうことにもなるのですが、ジョヴァンナは布カバーを自作してこれをガードしています(写真)。また果帽に直接人間の足や櫂棒をぶつける方法のため、粗めのタンニンのワインとなるともいわれますが、醗酵がゆっくりと行なわれるために自然にロングマセレーションとなり、アロマを失うことなく多くのエキスやタンニンが抽出されるのです。
大きな容量の醗酵槽では果帽の量が多くなり、人間の力で突き崩すのが難しくなることからその場合にはルモンタージュ(ポンピングオーバー)を用いることが今まで一般的でしたが、大型のステンレスタンクに設置できる自動ピジャージュ装置もすでに実用化されているようです。逆に手作業の場合には押し込むことにかなりの力が必要で、発生する炭酸ガスで酸欠状態になって意識を失ってしまうこともあり、危険を伴う大変な作業だといえます。身体も小さく力も弱いジョヴァンナは大きな開放醗酵槽でのピジャージュは無理だと考え、自分用の小型の木製醗酵槽を特注したそうです。

【新入荷】2023年2月その4(Arianna Occhipinti,Le Boncie,Gravner,Nicolini,Possa,Il Moralizzatore,Stefano Berti,Colle Florido,Natalino del Prete,L'Acino,La Calabretta,Stefano Legnani)

【新入荷】2022年6月その1(Davide Spillare,Maison Maurice Cretaz,Le Boncie,De Fermo,Nicolini,La Calabretta,Stefano Legnani,Stefano Berti,Cantina Giardino,De Bartoli,La Visciola)

【新入荷】2022年5月その1(Casa Coste Piane,Fonterenza,Radikon,Gravner,Il Cavallino,Ezio Cerruti,Nicolini,Bressan,Cantina Giardino,Le Boncie,Arianna Occhipinti,La Calabretta,De Fermo,Lasserra)

【新入荷】2021年2月その1(Cantina Giardino, San Bartolo, Borgatta, Luigi Tecce, Il Colle, Le Boncie, Longariva)

【新入荷】2020年12月その3 (Bea, Camillo Donati, Pacina, Le Boncie, Cantine dell'Angelo, De Fermo, Bressan)

【新入荷】2020年2月その3(Cristiano Guttarolo、Podere Le Boncie、Massa Vecchia)

【新入荷】2019年12月その3(Vodopivec、Sanguineto、Possa、Maison Vevey Albert、Ezio Cerruti、Bressan、Podere Le Boncie、L'Acino)

ヴィナイオータ かわら版 ~三浦編 その参~

【新入荷】2019年7月 その2(Camillo Donati、Podere Le Boncie、Santa Maria )

ヴィナイオータかわら版 ~ 岸本編 その五 ~

【新入荷】2018年7月 その1(Davide Spillare、Podere Le Boncie、Barbacarlo、Ezio Cerruti)

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【新入荷】2016年10月 その4

みんな集合!レ ボンチエ来日!!

【新入荷】2016年1月その1

【新入荷】2015年3月その1(Stefano Legnani,Il Buonvicino,Le Boncie,Possa Valter Mlecnik)

【新入荷】2014年9月その1&2(Cantina Giardino,Il Colle,Le Boncie,Trinchero)

【新入荷】2014年5月その2&3(La Calabretta,Davide Spillare,Le Boncie,Campi di Fonterenza,Vodopivec,La Visciola,CSP)

【新入荷】2014年1月 その2 (Le Boncie,Santa Maria,Cantina Giardino)

<ワインラインナップ>

●5 [cinque](チンクエ)
品種:サンジョヴェーゼ主体、コロリーノ、フォーリア トンダ、マンモロ

イタリアの成績表が10段階評価となっていて、6以上は合格、5以下は落第ということで「ギリギリでレ トラーメになれなかった」という意味を込めて、冗談交じりにチンクエ“5”と名付けられた。レ トラーメのセカンドワインとしての位置付けで後から造られることに。本来レ トラーメになるはずのアルベレッロ仕立てのブドウの中からレ トラーメ用に選別した残りを、木製の開放醗酵槽で醗酵後、一部をステンレスタンク、一部を樫の大樽にて熟成させる。

 

 

●Le Trame(レ トラーメ)
品種:サンジョヴェーゼ主体、コロリーノ、フォーリア トンダ、マンモロ

小型の開放式木製の醗酵槽で野生酵母によるアルコール醗酵を行なわせ、500-1500リットルとさまざまな容量の樽へと移し替えられ、約15ヶ月の熟成の後、若干量の2酸化硫黄を添加しノンフィルターでボトリング。

2023-03-30

【新入荷】2023年2月その4(Arianna Occhipinti,Le Boncie,Gravner,Nicolini,Possa,Il Moralizzatore,Stefano Berti,Colle Florido,Natalino del Prete,L’Acino,La Calabretta,Stefano Legnani)

ヴィナイオッティマーナもピリオド6までが終わり、次の嵐(ピリオド7&8)襲来までの束の間の日々を過ごしているオータです。 刺激的すぎる日々が3週間以上に渡って“日常的に”続いたせいで色々な感覚が麻痺してしまったのか、うんざりするほど山積している仕事を目の前にしてもあまり動揺していないオータがいたりし ... 続きを読む

2022-06-24

【新入荷】2022年6月その1(Davide Spillare,Maison Maurice Cretaz,Le Boncie,De Fermo,Nicolini,La Calabretta,Stefano Legnani,Stefano Berti,Cantina Giardino,De Bartoli,La Visciola)

竹林と戯れている時間が長いからか、生傷が絶えないオータです。さすがにチェーンソーを使う時には、細心の注意を払うのですが、のこぎりや鉈を使う際には、やや気が緩むというのと、少々無理な体勢からでも技を仕掛けてしまうことがあり、その代償を払うこともしばしば…。 そんな状況の中作業を進めていたゴールデンウィ ... 続きを読む

2022-05-26

【新入荷】2022年5月その1(Casa Coste Piane,Fonterenza,Radikon,Gravner,Il Cavallino,Ezio Cerruti,Nicolini,Bressan,Cantina Giardino,Le Boncie,Arianna Occhipinti,La Calabretta,De Fermo,Lasserra)

先日、取引先の酒販店さまが弊社ワインの試飲会を企画してくださったので、福岡に行ってきました。まだ正当な評価を得られていない造り手のワインばかりのマニアックな試飲会だったのですが、沢山の方にお越しいただきました。自社企画の試飲会をほとんど全くやらないことで悪名高いヴィナイオータですが、ゾーンや造り手を ... 続きを読む

2021-02-03

【新入荷】2021年2月その1(Cantina Giardino, San Bartolo, Borgatta, Luigi Tecce, Il Colle, Le Boncie, Longariva)

2021年もすでに18分の1ほど終わっておりますので、かなり遅ればせにはなりますが…皆さま、明けましておめでとうございます! 本年もスタッフ一同、泥臭く&熱苦しくワイン&造り手の事をお伝えしていきたいと考えておりますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします! 最近のオータはといいますと、だだ商 ... 続きを読む

2020-12-28

【新入荷】2020年12月その3 (Bea, Camillo Donati, Pacina, Le Boncie, Cantine dell’Angelo, De Fermo, Bressan)

“おいしさ”の起源 その4 欧米諸国と比べたら、1人当たりの消費量など全然大したことありませんし(イタリアやフランスの1/15程度)、最大のワイン消費国であるアメリカの約1/10の消費量しかない日本ですが、ナチュラルワインにとっては世界最大の市場といっても過言ではないと思います。イタリアの造り手やワ ... 続きを読む

2020-02-21

【新入荷】2020年2月その3(Cristiano Guttarolo、Podere Le Boncie、Massa Vecchia)

プーリアのクリスティアーノ グッタローロからは、クリスティアーノの嗜好とヴィンテージの特徴が絶妙にマッチしたワイン、ミロ2018が届きました!プーリア州の2018年は、ナチュラルな農業を志向する造り手にとっては本当に厳しい年でした。雨に次ぐ雨で、オータが8月の下旬に訪れた際には畑にお酢のような香り ... 続きを読む

2019-12-20

【新入荷】2019年12月その3(Vodopivec、Sanguineto、Possa、Maison Vevey Albert、Ezio Cerruti、Bressan、Podere Le Boncie、L’Acino)

これが2019年最後のご案内だなんて…時の流れの速さにただただ唖然としているオータです。毎年慌ただしくないことのないオータではありますが、今年はことのほか激しかったような気が…。判断・決断は比較的早い方だと思うのですが、日々迫られるそれらの圧倒的な数たるや、なかなかなものがありました…。とはいえ、ス ... 続きを読む

2019-08-28

ヴィナイオータ かわら版 ~三浦編 その参~

三浦の“飲んでもらいたい”ワイン紹介! レ トラーメ 2014 (Le Boncie)  皆さま、こんにちは!つくば本社の三浦です。 本来なら5月頃に投稿予定だったのですが、GW明け、大型車からの轢き逃げ被害に合い長期療養しておりました。幸いにも、被害は左上腕の骨折と全身の擦り傷、腰の痛みだけで命 ... 続きを読む

2019-07-01

【新入荷】2019年7月 その2(Camillo Donati、Podere Le Boncie、Santa Maria )

7月の新入荷案内第2弾、行きます! カミッロドナーティの2017ヴィンテージの最終在庫が届いております! 酷暑の影響(=糖分の高すぎるブドウ、活力に欠けるないし数の少ないと思しき酵母たち)からか、近年はほとんど発泡していないワインを何回かリリースせざるを得なかったカミッロ。過去10ヴィンテージの ... 続きを読む

2018-11-15

ヴィナイオータかわら版 ~ 岸本編 その五 ~

岸本の”飲んでもらいたい”ワイン紹介! 5-2015 「チンクエ 2015」 (Podere Le Boncie ポデーレ レ ボンチエ) 「女性らしい優しさと温かみ!」 ワイナリーの黒板には娘の落書きもあったり、ほのぼのした雰囲気のお母さん栽培醸造家ジョヴァンナ。本来の ... 続きを読む

2018-07-03

【新入荷】2018年7月 その1(Davide Spillare、Podere Le Boncie、Barbacarlo、Ezio Cerruti)

出張に出ると当然のことながら色々な方に出会うわけですが、中にはオータ(ヴィナイオータ)の仕事に対して多大なる敬意を払っていることを表明してくださる方もいて、非常に光栄な気分になる一方で、オータに対して敬意を通り越して恐れ(怖れ?)のようなものを感じている方も時々いらっしゃり、少々戸惑ってしまう事があ ... 続きを読む

2018-05-30

ヴィナイオータかわら版 ~ 石橋編 ~

スタッフの “ 飲んでもらいたい ” ワイン紹介!! 石橋(本社勤務)編 2014ヴィンテージのワイン! 画像左から 1)Harusame 2014 (ハルサメ/アルベルト・アングイッソラ) 2)Barbera Frizzante 2014(バルベーラ フリッザンテ/カミッロ ドナーティ 3)P ... 続きを読む

2016-10-31

【新入荷】2016年10月 その4

来日のタイミングでワインもちゃんと間に合わせました! レ ボンチェからは、5(チンクエ)の2014年とレ トラーメの2013が入荷です。ブドウの品質的には素晴らしかった2013年ですが、2012年というストレスフルなヴィンテージの翌年ということもありブドウ樹がなんらかのトラウマを感じていたのか、収 ... 続きを読む

2016-10-24

みんな集合!レ ボンチエ来日!!

皆さん、いつもヴィナイオータのワインをご愛飲いただきましてありがとうございます。 ヴィナイオータ関西支部長の岸本です。 先日東京で開催されました「特大!食べる試飲会2016」にご参加くださった皆さん、 行きたいと思ってくださった皆さん、お手伝いくださった皆さん、ありがとうございました! ... 続きを読む

2015-12-30

【新入荷】2016年1月その1

とうとう今年最後のメルマガとなってしまいました!本年も皆さんには大変お世話になりました。時の流れるスピードも、その濃密さも増す一方なヴィナイオータですが、今年もなかなかに激しかったです…。2月のヴィナイオッティマーナが、ものすごい昔の事のように思えます(笑)。2016年も、ワインの持つ熱の部分を冷め ... 続きを読む

2015-03-05

【新入荷】2015年3月その1(Stefano Legnani,Il Buonvicino,Le Boncie,Possa Valter Mlecnik)

イル ブォンヴィチーノのイザベッラ 本当に嵐のような4か月でした…いくら寝ても眠気は取れず、気も緩んだのか少々風邪もひいてしまったオータです。 2014年11月と2014年2月に分けて行われたヴィナイオッティマーナですが、おかげさまでどの会場も盛況のうちに終える事ができました。お客様としてご来場い ... 続きを読む

2014-09-04

【新入荷】2014年9月その1&2(Cantina Giardino,Il Colle,Le Boncie,Trinchero)

カンティーナ ジャルディーノのアントニオと奥さんのダニエラ 今年は、ほぼ全イタリア的に雨の多い年で、今夏も気温の高い日があまりなかったようで、収量的にもブドウの品質的にも難しい年になりそうです。ヴェネト州は雹害も激しく、弊社の造り手ですと、ダヴィデ スピッラレとラ ビアンカーラは甚大な被害を被りま ... 続きを読む

2014-05-12

【新入荷】2014年5月その2&3(La Calabretta,Davide Spillare,Le Boncie,Campi di Fonterenza,Vodopivec,La Visciola,CSP)

ラ カラブッタの父マッシモ(左)と息子マッシミリアーノ(右) 本当に忘れていたのですが、今回のイタリア出張中にインタビューを受けました。その時の映像が最近ネット界で見れちゃったりしまして、これがまた非常に恥ずかしーいっ!!!普段から言っていることをしゃべってはいるのですが、自分の話すあまりにも稚拙 ... 続きを読む

2014-01-20

【新入荷】2014年1月 その2 (Le Boncie,Santa Maria,Cantina Giardino)

1月の新入荷、その2です。 この前飲ませてもらったレ トラーメの2000年、えげつないくらい美味しかったなぁ…。 ここまでストイックでシャイな、だけど一度胸襟を開いた時に見せる凄味たるや他の追従を許さないキャンティはそうないと思います! そんなレ ボンチエからはセカンドラインの5(チンクエ)の20 ... 続きを読む

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