toggle
2023-03-16

造り手紹介 Natalino del Prete / ナタリーノ デル プレーテ

造り手:Natalino del Prete / ナタリーノ デル プレーテ
人:Natalino del Prete, Mina del Prete / ナタリーノ デル プレーテ、ミーナ デル プレーテ
産地(州):プーリア
ワイン:Il Prodigo, Quotidiano, Torrenova, Natali, Il Pioniere, Anne, Jolly, Di Sorso Antico
所在地:Via Mesagne 72 – 72025 San Donaci | BR – Italia<map
Web:https://www.instagram.com/natalinodelprete/

プーリア州南部レッチェの北西30km、人口6500人の小さな街サンドーナチでワイナリーを営むナタリーノと娘のミーナ。ナタリーノの2人の兄弟は大学の教職の道を選びましたが、ナタリーノは1994年(48歳)に大学での生物学の研究を離れ故郷に戻り、かつて祖父が愛していたブドウ畑に自分のすべてを捧げることを決めました。

畑は海抜40mの場所にあり、ブドウの樹齢は20~80年、アルベレッロ プリエーゼという伝統的な仕立て。微生物環境を重視し、化学的な農薬は使用せず、過剰な酸素を土壌が取り込まないように不耕起、有機的な肥料であっても不必要と考え無施肥でブドウ栽培を行っています。広さは、ブドウが7ヘクタール、オリーヴが4ヘクタールの合計11ヘクタール。ヘクタール当たりの収量が3トンと、質より量が重視されてきたプーリア州としては非常に少なく、ナタリーノが凝縮したブドウを栽培していることが分かりますが、イタリアのレストランで自らのワインが高く販売されていると聞くと、激怒し卸を中止してしまうことがあり、凝縮したワインを目指しながらも庶民が飲むワインの在り方を彼なりのスタイルで貫いています。

セラーでは、出来るだけシンプルな醸造を心掛け、ブドウをプレスする時にごく少量の二酸化硫黄を使うのみで、無濾過&無清澄でボトリングを行っています。セラー内に冷蔵設備がないため、醗酵温度が上がりすぎたときに冷却できるように温度管理が可能なセメントタンクを使用して醗酵を行っています。圧搾後は地下に埋め込まれたセメントタンクで醗酵の続きと熟成を行い、オーダーが入ってから1本1本手詰めで瓶詰め。恵まれたヴィンテージでは4万本ほどの生産量がありますが、収穫直前に降った雨と直後の高温が災いした2018年は3万本、2019年は半分以上のブドウを失い1万本となり、厳しいヴィンテージが続いています。

 

<ワインラインナップ>

 


●Il Prodigo(イル プローディゴ)
品種:ネグロアマーロ

2019年、病虫害防除が必要なタイミングで雨が多く、銅の使用量を減らすためにボルドー液の散布回数を減らしたところ、大半の葉っぱが落ちてしまい光合成不足に。熟し切ることのなかったブドウの特性を逆利用したロゼワイン。軽くブドウを潰したあと数時間のみマセレーションを行い、圧搾後セメントタンクにて醗酵、澱引き後なるべくフレッシュな状態で二酸化硫黄を添加せずにボトリング。

2020年には素晴らしいブドウが獲れたが、ロゼワインというアイデアが気に入ったナタリーノとミーナは2020年以降も仕込むことに。『イル プローディゴ』は「気前の良い人」を意味し、リッチな赤ワインを造るはずのブドウを惜しみなくロゼに使った気前の良いナタリーノ自身を指す言葉。

 

 

 


●Quotidiano(クオティディアーノ)
品種:ネグロアマーロ

「日常の、毎日の」を意味する『Quotidiano』は、2019年に造られたナタリーノ苦心のワイン。病虫害防除が必要なタイミングで雨が多く、その時使用した銅の使用量も大人の事情で少なくせざるを得ず、葉が落ちてしまい、結果的に光合成が十分に行えなかったため、ブドウの糖分が上がらずアルコールの低いワインになってしまったものを1リットルの瓶に詰めリリースされた。「どの時代も日々の暮らし、僕たちの日常は大切なもので、そこにはワインが必要でしょ?このワインを開けるときには僕たち(ナタリーノとミーナ)がそばにいるよ」という温かいメッセージがこめられている。

 

 

 


●Torre Nova(トッレノーヴァ)
品種:ネグロアマーロ80%、マルヴァジーア ネーラ20%

ナタリーノが所有&栽培する畑のなかでも、最も樹齢の若いブドウが植わる区画の名前に由来する。その区画から2種類のブドウを収穫後、セメントタンクにて皮ごと醸し醗酵を行う。ステンレスタンクにて6~7か月間醗酵の続きと熟成を行い、二酸化硫黄を添加せずにボトリング。

 

 

 



●Natali(ナタリ)
品種:プリミティーヴォ

樹齢30~40年のプリミティーヴォを使用。名前は、ブドウ畑とこの品種に人生のすべてを捧げたといっても過言ではないナタリーノを称えて。ステンレスタンクにて皮ごと醸し醗酵、その後セメントタンクにて熟成させ、二酸化硫黄無添加でボトリング。プリミティーヴォらしい果実味はそのままに、ですが同時に「らしくない」ほどに軽い飲み心地を持ったワイン。

 

 

 


●Il Pioniere(イル ピオニエーレ)
品種:ネグロアマーロ 80%、マルヴァジア ネーラ 20%

「パイオニア(開拓者、先駆者)」を意味する『イル ピオニエーレ』は、樹齢20~40年の区画のブドウで造られる。2018&2019年は酷暑により収量が少なかったため造られておらず、毎年リリースされるわけではない。収穫後、セメントタンクにて皮ごと醸し醗酵と熟成を行い、二酸化硫黄を添加せずにボトリング。

 

 

 


●Anne(アン)
品種:ネグロアマーロ

樹齢80~100年超の古樹が植わる区画のブドウで造る赤ワイン。ナタリーノの奥さんアンナにちなんで名付けられた。セメントタンクで醗酵と熟成を行った後、二酸化硫黄を添加せずにボトリング。

 

 

 


●Jolly(ジョリー)
品種:遅摘みのマルヴァジーア ネーラ

遅摘みのマルヴァジーア ネーラで造る赤ワイン。2017年は酷暑の影響もあり甘口に仕上がっている。2018&2019年は厳しい天候に見舞われたため、ブドウを遅摘みできない状態だったため造られていない。

 

 

 


●Di Sorso Antico (ディ ソルソ アンティーコ)
品種:遅摘みのアレアーティコ

樹齢30~60年の遅摘みのアレアーティコで造る赤ワイン。2018年は多雨と高い湿度が続き、甚大な病害に苦しんだ年だったため造られていない。セメントタンクで醗酵と熟成を行った後、二酸化硫黄を添加せずにボトリング。

関連記事