ヴィナイオータかわら版 ~宮内編 その伍~
イタリア出張から戻ってまもなく、まだ時差ボケも癒えぬうちに降ってきた「かわら版」の依頼…!驚きつつも、旅の余韻が残っているうちに筆を取らせていただきます。
今回私は、ヴァッレ ダオスタからピエモンテを中心に15のワイナリーを訪問しました。現地を訪れて強く感じたことは、ボトルだけでは伝わってこなかった 、造り手の人柄や生活の風景、畑の様子、畑の周りの環境や土壌などへの細かなこだわりに直に触れられたことです。例えば、収穫体験ではぶどう一粒一粒の状態を確かめながら手作業で摘み取るという地道な作業を体験し、ワイン造りの奥深さと大変さを肌で実感。実際に足を運んだからこそ深く理解できたことがとても多く、本当に貴重な体験となりました。まさに「百聞は一見に如かず」!!旅の様子はヴィナイオータのインスタグラムにもアップしておりますので、ぜひそちらもご覧ください!

今回訪問した中から、ご紹介したいのはボルガッタ/ラ ボルガッタ2020です。御年88歳!!のエミーリオと奥様のマリアルイーザが営むワイナリー。80代後半のお二人が重労働のワイン造りを今も行っているパワーに驚いたのと同時に、応援したいと思いかわら版に選びました。訪問時、エミーリオの体調が優れず心配でしたが、それをものともしない「なぜ、今日体調が悪くなるの?、明日なら良かったのに…」とマリアからの一言に、言葉を失うエミーリオ。思わず笑ってしまいましたが、そんなお茶目なマリアとのやり取りから、長年連れ添ったご夫婦の深い絆と温かさが感じられました。決して仲が悪い訳ではないそうです(笑)訪問中には、マリア手作りの心のこもったお料理をいただきました。前菜にはラビオリ3種と、メインは鶏&豚肉のハーブ風味グリル焼き(鶏は自宅で育てた3羽分!)メイン料理の肉の山、大皿から溢れんばかりのボリュームに、お腹は悲鳴をあげつつも(笑)、おもてなしの気持ちが胸に染みました。


畑は自宅のすぐそばにバルベーラ、少し離れた場所にドルチェット。どちらも傾斜がありなかなかの広さで、収穫時以外はご夫婦ふたりだけで管理・醸造を行っています。もともと薬剤に頼らずに農業を行っていましたが、隣人であり師匠でもあるジュゼッペ ラット氏の影響を受け、畑やセラーでの仕事にも自然環境への敬意を持ったアプローチを徹底しています。ボルドー液やSO2の使用も、最低限に抑えているとのこと。実際に畑を歩いてみましたが、少し歩いただけで息が上がる私…。この傾斜のある広い畑で収穫したぶどうを入れたコンテナを持って、何往復も運ぶのかと考えたらすごい体力だなとビックリ。そして、これをお二人が長年続けていることにもさらに驚きました。


グラスに注ぐと広がる華やかな香り。口当たりは柔らかくも余韻が続き、バランスがよく飲み進みます。 熱々のラビオリにかけていただくと、肉の旨味と調和して絶妙にマッチ。ラビオリの熱でワインがほんのり温まり、これからの寒い季節にもぴったりです。
優しさと力強さを持ち合わせたワイン、そしてチャーミングなご夫婦。いつまでも元気でいてほしいと、心から願っています。ぜひこの機会にお試しください。
【宮内の飲んでもらいたいワイン!!】
• 銘柄:La Borgatta 2020 / ラ ボルガッタ2020
• 造り手:Borgatta / ボルガッタ
• 地域:イタリア ピエモンテ州
• 希望小売価格 (税抜):3,300円

【新入荷】オータのアツアツ新入荷・2024年7月その1(Ezio Cerruti,Possa,Bressan,Pierpaolo Pecorari,Natalino del Prete,Arianna Occhipinti,Vodopivec,Borgatta) 
【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】









