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2016-03-28

【新入荷】2016年3月その2

2016_03_24Camillo

アールペーペのイザベッラ&エンリコがイタリアへと出発して早1週間、ようやく日常に戻った感のあるオータですが、4月にはまたイタリア出張という噂が…。もっともっと前倒しで仕事していかないと!と心に誓うものの、やり方が皆目見当つきません…涙。
話は飛びますが、ワインの瓶の下の方に65mmとか70mmなどと長さが表記されていることがあるのですが、皆さんはこの意味ってご存知でしょうか?ビンものを生業としてからもう少しで18年になる僕自身、つい先日まで知りませんでした…。例えば70mmと書いてある750mlビンの場合、「ビンの口の部分から液面までの距離が70mm以内だったら、750ml以上入っていることを保証します。」ということなんだそうです。と、訳のわからないイントロダクションから始まりましたが、ちゃんと意味がありますのでそのまま読み進んでくださいね!

というわけで、3月の新入荷ワイン案内第2弾行きます!!

季節的にもバッチリなタイミングなのではないでしょうか、カミッロ ドナーティのワインが入荷です!!マルヴァジーアソーヴィニョントレッビアーノマルヴァジーア ローザが入荷しております。どれも瞬殺注意報が出ておりますのでお気を付けくださいませ。で、今回入荷のトレッビアーノなのですが、600本ほど“イレギュラー”なボトルが入ってきているようです。以下カミッロからのメールの訳となります…。

ヒサト、君に言っておかなくちゃいけないことがあるんだ。今回注文分のトレッビアーノの一部、正確に言うなら12本入り50箱の中に入っているボトルの液面の高さが、低いのがあったり高いのがあったりとかなりまちまちなんだよね。これらこそセラーでヒサトに見つけられちゃったボトルたち…そう、スプマンテ“カンパイ(乾杯)”になるべくして造られたワインなんだよ。
カンパイもノーマルのトレッビアーノも、使ったワイン自体は一緒なんだけど、(カンパイ用には)ガス圧を上げるべく、ちょっと多めに甘口のワインを入れたんだ。で、デゴルジュマンをするためにビンを逆さにしていたんだけど、ボトルネックにあった澱がビンに張り付いてしまって上手く沈んでくれなかったんだ。なので、(澱引きのために)開栓しても澱がネックに残っちゃって…。
でもここまではまだ良かったんだ。本当の悲劇の始まりは、友達から(手作業でやるタイプの)設備を借りてきて、全てのボトルをデゴルジュマンしようとした時からさ。上手くいくこともあるのだけど、ある時は噴き出したワインが顔にかかるわ、ある時は暴発したワインがフランチェスカ(カミッロの奥さん)の方へ飛んでいって、彼女は逃げ回るわで…。恐らく、僕自身が不器用だったり、ボーっとしてるからこんなことになるんじゃないのかな…だとしたら、やっぱりスプマンテ造りは僕には向いてないってことで!!
(デゴルジュマンで目減りした分を補充するための、)ガス圧のある液体に(液体を)補充し打栓するための機械を持ち合わせていなくて、成功する見込みのない手作業での補充を試みたんだけど、当然のことながらビン内の炭酸に邪魔され液体が入るはずもなく、悲惨なまでの失敗に終わり、結局澱引きしたあとそのままの状態で打栓することに…。
というわけで、デゴルジュマンしたやつはボトルごとに液面の高さが違うってわけ。液面が低いボトルも、泡立ち、味わい、熟成において、液面が高いものと比べて大きな差はないはず。次回発送分のトレッビアーノのうちの約500本もこれと同じ感じ。どの箱のが通常のトレッビアーノ フリッザンテで、その箱のが“元カンパイ”かは容易に見分けがつくよ。いつも通り箱の左側に“Trebbiano”のハンコが捺してあるものはノーマル、右に捺してあるものは元カンパイ。
今回の諸々の経験から、(ナチュラルな方法で、安定した品質&ガス圧の)スプマンテを造ることは僕には絶対無理だって分かったから、もう2度と試そうとはしないよ!!!
一連の事が、君や君のお客さんに問題を引き起こすものでない事とご理解いただけることを祈ってるよ…いろいろ面倒かけてごめんね!!!!

というわけでして、約750ml入っているボトルが600本ほどあるという事、これらのボトルは若干ガス圧が高い可能性があり、開栓時にはそれなりの注意を払っていただくという事(良く冷やし、静かに開け、万が一に備えてグラスないしワインを受ける容器を用意する)などをご了承のうえでご注文下さい。

これまたお待たせいたしましたぁ、博学ニーコ率いるラ カステッラーダの白が届きました!!リボッラビアンコ08がドカンと、なぜだか残っていたピノ グリージョ09、そしてなんとなく売る機会を逸していたら5年以上が経ってしまっていた04白3種類、現地在庫全て頂いてきました!!

2008年の収穫後に訪ねた際、ニーコ的2008年ヴィンテージの総括は、“クソみたいな年”でした。雨も多く、病気も蔓延した年で、収量も例年の半分以下だったはず。実際樽から試飲した際、厳しい気象条件の痕跡がまざまざと感じられる線の細いワインでした。ですが、昨秋ニーコを訪ねた際、
「2008年の事をクソみたいな年、クソみたいなワインだって最初は思っていたんだけど、時間が経てば経つほど好きになっていくということを認めないわけにはいかないんだ。悪いワインなどころか、全然美味いんだわ。俺自身どちらかというと悲観主義者だし、シニカルにモノを捉える傾向があるのだけど、今になってようやくヒサトが言うところの“誠実な造り手に悪いヴィンテージ(=ワイン)は存在しない”って言葉を本質的な部分で受け入れられるようになった気がするよ。」
たっくさん入っておりますので、たっくさん使ってくださいね!!
04の白3種類も、徐々に力を解放させるフェイズに入ってきた気がします。カステッラーダのワインがどのように熟成していくのかを推し量るための良い指標となるかと!

圧倒的なコストパフォーマンスを誇るモンタルチーノの造り手イル コッレからは、ブルネッロ09の最終在庫と今回入荷の06が初リリースというワイン、Come Se(コメ セ、まるで~のような、の意)が届いています。現当主カテリーナのお父さんが、とある区画に個人的好みでメルロー植えます。まともな質&量のブドウが収穫でき始めた時には、お父さんはすでに他界、カテリーナ自身は全くもってメルローに対して興味もモンタルチーノで栽培する意義も見いだせないまま、質の良いブドウが獲れた年だけとりあえず醸造することに。醸造したものの、カテリーナ自身好きになれず、どう売って良いものか考えあぐねていたら、時ばかりが経ち…その間ワインは一切澱引きすることなくずっと同じ樽で熟成し…。彼女と取引を始めたのは2004年以前なのですが、「実はこんなワイン造ってたのよ。」とその存在を知らされ、飲ませてもらったのは2014年…。
僕「全然美味しいじゃん!なんでボトリングしないの?」
カ「そうなの、結構美味しいのよ!!個人的にメルローってブドウは好きじゃないのだけれど、しっかり熟成させたこのメルロー、ブルネッロが熟成した時の雰囲気に似てきたっていうか…、ブドウの個性以上に土地の個性が出てきたってことなのかしら。なんにせよ、近々ボトリングしようと考えているの。」
去年ようやくボトリングされたこちらのワイン、日本、アメリカ、イギリスあたりでしか流通しないようです。ちゃんと熟成させたワインの底力をご覧くださいませ!!内容考えたら、安すぎると断言します!!

文:太田 久人

143,144 nuovo16.03.22

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