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2008-12-31

大晦日、恒例の総括

薪を整理しようかと思いまして、屈んで起き上がろうとしたところ、腰がピキッといきましてヘニャヘニャと座り込んでしまいました。ぎっくり腰一歩手前といった感じなのでしょうか、未体験なので分かりませんが・・・。というわけでパソコンの前でフリーズしちゃってる僕でした。なにもド年末に起こらなくても・・・。

今年は家-倉庫の建設、完成に伴っての引越しなどで本当にバタバタした1年でした。届いたコンテナーの数も今までで一番多く、倉庫内のやりくりも大変な1年となりました。
今年ヴィナイオータのラインナップに加わったものというと、

DanielePiccinin
われらが先生アンジョリーノの右腕。若いが素晴らしいバランス感覚の持ち主。届いた直後は酵母臭が支配的だったBianco dei Muni2006も、ここにきてようやく落ち着いてきてようです。2006年の反省も踏まえて、2007年ヴィンテージはボトリングのタイミングをギリギリまで遅らせているようです。だた若干残糖があるらしく、感知できるレベルではないので味覚的には問題ないのですが、SO2なしでボトリングできるかどうか点に関してはまだ迷っているようです。来年入荷する2007年から、新しい赤が出ます。ひじょーーーに面白いのでどうかお楽しみに。

Il Vei
ヴィナイオータが長らく捜し求めていた、低価格帯でありながら畑でもワイナリーでも出来る限り負荷をかけずに造られたワインの造り手。マグナムのVal Tidoneは赤白どちらも脅威のコストパフォーマンスかと。

Samuele Heydi Bonanini
若きチンクエテッレの造り手。世界的文化遺産(実際世界遺産なわけですけど)としてのチンクエテッレの景観を守ることは、ブドウを栽培しワインを造ることだと自ら使命を課しています。畑に関しては、僕の知る限りイタリアのどの地域の畑よりも作業効率は悪いです。現在実際にチンクエテッレで管理・栽培されているブドウ畑の面積は最盛期の1-2割程度らしいです。
彼のワイナリーはリオマッジョーレという小さな町の、メインストリートから細い坂道を登っていったところにあります。車の通れるところではないので、メインストリートからは手押し車みたいなもので、ワイナリーまでブドウを運ばなければならないという気の遠くなるような苦労・・・。Heydiになぜ街中ではなく、仮に少し離れていたとしても運び込みなどに便利な場所にワイナリーを設けないのかと聞いてみました。彼が幼かった今よりも多くの造り手が畑を管理していた頃、秋はリオマッジョーレの町全体がモストの香りに包まれたという記憶があるらしく、その雰囲気さえも復活させたいと願う彼は敢えて街中にワイナリーを作ったそうです。

Villabellini
今年はいろいろなインポーターの方が、日本に多くの素晴らしいアマローネ、ヴァルポリチェッラの造り手を紹介した年でした。その中でも一線を化すといってもいいのがVillabelliniで、辛口のヴァルポリチェッラ1種類とレチョート デッラ ヴァルポリチェッラ1種類しか生産していません。
ワイナリーと取引を開始するにあたって、彼らのワインが高いクオリティにあることを当然認識しているわけなのですが、この造り手のヴァルポリチェッラに関しては僕の想像を遥かに超えるものがありました。アマローネと思ってしまうほどの果実味溢れる香りと裏腹に味わいはドライ、余韻も長い・・・。これほど自然なたたずまいの、ワインになりきっているヴァルポリチェッラってそうそうない気がします。良い意味で、今年一番期待を裏切られたワインでした。

Distilleria Boroni
イタリアの奥深さを再認識させられた造り手。彼らの商品に関してはあまり多くを語りたくありません。まずは飲んでみていただいて、僕が初めて飲んだときのように皆さんにも驚愕していただきたい。

Cantina Giardino
秋に初めて訪れた、カンパーニア州タウラージ生産地域は本当に印象的でした。詳しくは旅行記の方で。

ロマーノ レーヴィの死去もヴィナイオータ的には大事件でした。ロマーノ翁に頂いた、ArdenteImportatore(燃えるインポーター)という言葉に恥じぬよう、精進していきたいと再確認。

今年は何人の造り手、お客さん、同業者と”自然なワイン”に関して議論を交わしたか分からないくらいでした。きっと自然派と呼ばれるワインが、ブームと呼べるほどの波が終息方向に向ったのに伴い、新しい転機を迎えてるのかもしれません。僕自身、いろいろな人と話し、考えた結果、ようやく僕なりの言葉に出来るようになったと思います。タイトルつけてから1年経ちますが、未だ未完の超大作、”脱自然派!!美味けりゃいいじゃん宣言”の方にお正月を利用して考えをまとめようかと考えております。

最後に、きっと待っている人がいるだろうということで、恒例(ある意味失礼な話ですが)にしちゃおうかと考えています、MVPの発表を。

レストラン的には去年セリエB からのスタートを協会(ヴィナイオータです)から通告され、奮起一発、圧倒的なパフォーマンスでセリエB優勝をかっさらった新宿3丁目のブリッコラが昇格後も勢い衰えることなく、セリエAも制覇という結果に。
ブリッコラの皆さん、おめでとう!何の栄誉も名誉もありませんが、僕に一生の貸しを作ったくらいには思っていただいて結構です。H君、来年からはHさんと呼ばさせて頂きます!!

お酒屋さん的にはご近所酒屋、フさんが5年連続で受賞。小売を出来ない弊社としては、ヴィナイオータの肝的ワインはすべて揃う彼のお店の存在は本当に本当に大事だったりします。まるで癒着があるんじゃないかってくらい、仲が良いように世間では思われているかも知れませんが、僕も彼もワインを前にしたときは真剣勝負です。そういった関係を近所、それも片田舎で構築できたことは僕にとってものすごく重要なことだったりします。最近僕的に困っていることというと、フさんに飲ませるべき新しいワインが全くないことでしょうか。

世の中的には不況という言葉が吹き荒れた1年だったようですが、ヴィナイオータ的にはさほどの問題もなく乗り越えることが出来、それはひとえに弊社のお客様、エンドユーザーさんの御支持があってのことと思っております。本当にありがとうございました。
来年も皆さんのご期待に応えつつ、そして良い意味では期待を裏切れるよう頑張っていきたいと思います。

というわけで皆さん良いお年を!!!!!!!!!!

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全く意味ありませんが会社に出かける遊人(彼曰く、僕のようにメガネをかけてかばんを持って・・・)。

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