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2019-03-05

【新入荷】2019年3月 その1(Barbacarlo、Natalino del Prete )

出発前に終わらせる心算(これでこころづもりって読むんですね!)でいたのですが、結局のところイタリアに向かう飛行機の中で本メルマガを書き始める事になってしまったオータです…。
スピード感溢れすぎる日々の業務に加え、事が進めば進むほど瞬時に判断決定しなければいけない案件が増えてきているNewダダ&第2倉庫建設の件、そしてEPA協定の恩恵にあずかるために用意しなければいけない膨大な量の書類…。関税撤廃自体は、輸入業を営む者としては非常にありがたい事ですが、体裁だけであまり意味を成さない書類をひたすら準備していると、少し虚しい気持ちにもなります…。とはいえ、価格を少しでも下げられることは、その商品にとっても悪い話ではないと思ってもみたり…。某大手スーパーのように「2/1から値下げします!」などとはいきませんが、徐々に価格に反映させていきたいと思います!

先日配信しました緊急メルマガ中で触れさせていただいた、サッサイア2017に産膜酵母が出ていた件が、場所によっては物議を醸しているような気が…。
造り手自身もこのことを把握しているのかを確かめるべく、こちらの状況を報告したところ、アンジョリーノの次男アレッサンドロからこんなメールが来ました。

“気が付かずに出荷しちゃっててゴメン。確かにこちらでも、100本に5~6本の割合で出ていたよ。

(産膜酵母は)もちろん出ないにこしたことはないのだけど、ある意味酸化防止剤を始めとしたあらゆる添加物が入っていないことの証明とも言えると思うんだよね。ワインのアルコール度数が低く、酸化防止剤を全く使わないかごく少量しか使用せず、ボトル内に閉じ込められた気体に酸素がある時に、(ビン内で)産膜酵母は発生するって言われているんだ。でもじゃあなんで、アルコール度数もサッサイアより低くて、酸化防止剤も使っていない、ここ最近のマシエリ ビアンコには産膜酵母が出ないんだろう?

みんなに、中でも産膜酵母が出たボトルに対して否定的なスタンスを取る人(それも至って普通の反応だと思うし…)に、自分達にもワインに関してまだ分かっていないことがたくさんあるって事、そして産膜酵母が出た事を良しとしているわけではなく、出ないようなワインをボトリングする為に日々研究をしているということだけは知っておいてもらえたら…。

2~3ヶ月後には、少し長めの樽熟成を施しているサッサイア2017もボトリングしなくちゃいけなくて、ホントどうしたものか…。

そして出ちゃったボトルに関してだけど、(未開栓の)ボトルを(ワインと酵母の接地面積を増やしてあげるべく、)横にしたり逆さにしたりして数日放っておくと、ワインの中のアルコールによって産膜酵母は再分解され、ワインの中に再び溶け込むはずだよ。”

との事でした…。

産膜酵母が再び溶け込むという話は、先日来日していたダーリオ プリンチッチもしていた事を今更ながら思い出しました。(先日リリースされた、ビアンコ トレベッツ セレツィオーネ ヌオーヴァ2012のボトリング直後に散見していたそう。ですが、ダーリオの場合はボトルを横置きするタイプの箱を使用している為、程なく消えたそうです。言われてみれば、ラ ビアンカーラはボトリング直後に縦型の箱に詰めてしまう…。)

造り手を極端に擁護するつもりもないのですが、産膜酵母もマメ臭も、彼らが良かれと思って”しない”という決断をした事で起こる事象なわけですから、ほんの少しの寛容さがあっても良い気がします。(もちろん出ないにこしたことはありません!)

酵母を筆頭とした微生物なくしてワインという魅惑の液体はこの世に存在しないですし、そして僕たち人類も微生物と共生する事(腸内だけでもヒトの細胞の数以上の微生物がいるそうです!)で命を繋いでいるわけですから、微生物たちの命にも多少の敬意は払っても良いのかと…。

それでは3月の新入荷案内いきま~す!

生ける伝説、リーノ マーガ翁率いるバルバカルロからは、ぬあんと26種類ものワインが届いてしまいましたぁ!!!! ほんの1~2年前までは、莫大な本数のバックヴィンテージものがセラーで埃をかぶった状態だったはずなのですが、去年の10月に訪問した際には、箱詰めされた日本行きの分を除けば、まさしくもぬけの殻状態…。彼らのワインにようやく正当な評価を受け始めた事自体は嬉しいのですが、“(そんな売れてないみたいだし、)いつでも買えるや”くらいに考えていた自分の認識の甘さ&愚かさには心から呆れかえっております…。

これ以上の後悔を味わいたくないという気持ちがオータに拍車をかけまして、彼らがオファーしてきた本数全量を買ってしまいました(結果、驚愕の請求金額でした…汗)!
リーノが日本にだけ売る事にした、1993年ヴィンテージを除いた全てのワインに関しては、再入荷の予定は一切ございません。種類も多いですし、価格も手に取りやすい感じではありませんが、イタリアのワイン史に名を刻むワインです。色々お試しいただければと思います。オータの私見ではありますが、各ワインの熟度チャートを用意してみましたので、参考になさってください。

●酸いも甘いも一通り経験し、素晴らしい表現力を持つに至ったワイン:
バルバカルロ1993,1994,2002
モンテブオーノ1986,1993,1997,2000,2002
ロンケット1993,1994(1994は極上のピノ ノワールのような質感が!)

●ポテンシャル完全開放までもうちょっと!:
バルバカルロ2005,2009
モンテブオーノ2004,2005,2006,2009

●美味しいけど(言わずもがな、ですね(笑))、まだ若さが目立つワイン:
バルバカルロ2012,2013,2014,2015
モンテブオーノ2012,2013,2014,2015,2016

●明らかに尊大なのに、若い時分から恐ろしい飲み心地を備えたワイン:
バルバカルロ2016(カーゼコリーニのワインを彷彿とさせる雰囲気が!)

昨年9月から取り扱い始めたプーリアのナタリーノ デル プレーテのワイン、オータの思惑に反して「この味わいこの価格で、こんなくらいしか売れないの???」といった状態…。ラーチノのコーラロッソとナタリーノのワインのコスパは本当にえげつないと思うのですが…。

早々に売り切れると信じて、お代わり注文をしていたワインが、前回入荷分が売り切れていないのに届いてしまいました(笑&涙)!お代わり入荷のトッレノーヴァ2016イル ピオニエーレ2016ですが、3月出荷分より関税撤廃還元価格とする事にしましたぁ!
たっくさんありますので、ガンガンお飲みくださいっ!

樹齢100年超のネグロアマーロで造るアン2016は、残り400本程度となっておりまして、売り切れ次第2017をリリースする予定です。

そして新しいワインが3つ届いています!!!内容は以下の通りとなります。

●ナタリー2017:樹齢30~40年のプリミティーヴォ100%。変な言い方にはなりますが、プリミティーヴォらしい果実味はそのままに、ですが同時に“らしくない”程に軽い飲み心地を持ったワインです。

●ジョリー2017:遅摘みのマルヴァジーアネーラで造るワイン。オータが2017年の彼らのワインの中で最も心奪われたのはこのワインかもしれません。ヴィンテージによっては、ほぼ辛口に仕上がることもあるそうなのですが、2017は酷暑の影響もあり甘口となっています。(イタリア ナチュラル ワイン界の次世代アイドル候補、ナタリーノの愛娘ミーナは辛口になった時の方が好みだそう)

●ディ ソルソ アンティーコ2017:遅摘みのアレアーティコで造るワイン。こちらもめっちゃ美味しいいい。

ジョリー&ディ ソルソ アンティーコですが、多雨と高い湿度が続き、甚大な病害に苦しんだ2018年(ブドウ畑がお酢っぽい香りにあそこまで満たされた状況は、オータも体験した事がありません…)は、一切生産されておりません!今回は生産量の約半分を分けてもらってきました。辛口4ワインも、内容考えたら安過ぎですが、甘口2ワインに関しては、意味が分からないくらい安いとオータは思っております。是非!!

(ブログ掲載時には完売する場合がございます。予めご了承ください。)

文:太田久人
219 nuovo19.03.05

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