本当に本題2012.8
“美味”と“嗜好”について その1から始まって、
自由なワイン宣言、
“美味”と“嗜好”について その2(自由なワインへの道)、
いまさらビオワイン考 (自由なワインへの道)、
いままで-ヴィナイオータ的決意表明その1、
現在、そしてこれから-ヴィナイオータ的決意表明その2で、
僕のワイン観、ヴィナイオータのあり方、目指すものみたいなことはちゃんと説明できた気がします。
そりゃこれだけの文字数を駆使すれば誰だってできますよね・・・。結局ここまで書き上げるのに3年近くかかりました。で、ここまで書いただけで、ちょっぴりすがすがしい気分を味わってしまい、そこからさらに2週間が経ってしまいました・・・ひーーーっ!で、とどのつまり何が言いたかった&したかったのかと言うと…
ヴィナイオータは、人材を広く募集します!!
という告知をしたかったんです!!
ここ1-2年でスタッフの数に対して、絶対的な仕事量がいよいよ洒落にならなくなってきたヴィナイオータだったのですが、スタッフ募集にあたり、会社としてのヴィジョンや方向性をちゃんと公にしたいと考えていたら、今の今までかかってしまいました・・・。
で、募集人数ですが、2人以上!(”以上”というところがミソです)
新スタッフの加入により、
・ヴィナイオータの通常業務をよりスムーズに機能させる
・長年の課題である、造り手やワインに関する広範な情報を提供するための資料の整理にも着手
・一般の消費者からよく聞かれる、“どこで買え、どこで飲めるか?”等の情報提供の準備
・萩野や僕がもう少し頻繁に営業やワイン会などに出られるようにする
・新規事業展開への足掛かりを作る
(いろいろなアイデアがありまして・・・)
・ヴィナイオータ スタッフの平均年齢を下げる!
(冗談のように聞こえるかもしれませんが、“継続する”ということを前提として考えた時には非常に大事なことだと思うのです)
を目論んでおります!
職種といいますか業務内容ですが、非常に小さな会社ですので、基本全スタッフがすべてのポジションをこなせることが重要だと考えておりまして、新スタッフにもディフェンスもオフェンスも担当していただくことになると思います。ですが、どちらかと言えばフォワードタイプの萩野をディフェンシブなポジションで起用せざるを得なかった今までの事情を解消し、僕自身より長い時間を前線でプレーするためには、“ディフェンス面の強化!”がチーム ヴィナイオータの掲げるテーマになるかと。
ヴィナイオータにおけるディフェンスとは、“注文”や“入荷”という攻撃を捌くことを指し、業務内容としては、
・セラー内での仕事(商品の発送業務、倉庫内の整理&管理等)
・一般事務(電話での応対、各種伝票&資料作成、帳簿記入、入金管理等)
といった感じでしょうか。
“2人以上”と書きましたが、“2人”のうちの1人には、主にゴールキーパーを担当していただくことになります。ヴィナイオータにとって守るべきゴールとはセラーを指し、つまりキーパーの仕事とは、セラー内での仕事(出荷準備、入庫前の整理等)ということになるかと。うちが他の多くのインポーターさんと一線を画す点として、自社倉庫でワインを管理、発送業務もすべて自社で行うというのがあると思うのですが、周りのインポーターさんの話を聞くにつけ、創業から一貫してこのスタイルでやってきて良かったなぁと思っています。建てるのには当然ある程度のお金はかかりますが、土地代の安い所に建てれば、数年でペイできちゃいますし。
ですが、最大のメリットは他のところにあると考えています。2年前からチームヴィナイオータに入った萩野に入社からしばらくした頃、
「電話、メールやファックスで倉庫に出荷の指示を出して、ワインがリアルに自分の手を全く介することなく流れていくのと比べて、ワインのピッキングから発送まで、全部自分たちで準備するのってどうですか?」
と聞いてみたところ、実感できるものが違う、1本のワインが売れるということから感じられる重みも有難味も遥かに増したという答えが返ってきました。1本1万円のワインと1本1000円のワイン、売り上げ的には10倍の重みの差がありますが、物理的に1本のワインとしての重さは一緒なんですよね(正確に言うなら、Il VeiとVodopivecのボトルの重みの差、かなりあります・・・)。お百姓さんが苦労して作った農産物をベースにしたものである以上、こういったことに思いを馳せれることは凄く大切な気がします。
仕事的には最も地味なパートかもしれませんが、ヴィナイオータの健全で安定感のある経営を支える重要なパートとも言えます。で、このキーパーに関しましては、男性で、僕&萩野より若い人が希望です!!女性でも時々、「私、体力には自信があります!」という方もいますが、ワインの箱って普通に結構重いですし、倉庫の整理、入庫時に運ばなければいけないケース数は本当にハンパないですので・・・。そして何よりも、僕たちオジサンが遠慮せずに頼める、ということが非常に大事でして、そうなるとやはり若い男子ということになるかと。
もう1人は、一般事務をベースにして、セラーでの仕事のフォロー等を担当していただくディフェンダー候補といったところでしょうか。こちらに関しては男女性別を問いません。
先にも書いたように、ヴィナイオータでは皆がどのポジションもこなせるということを重要視していますので、キーパー、ディフェンダー候補の方どちらにも攻撃参加に対する意識を常に持ってもらえるようにするつもりですし、怒涛の入荷&出荷ラッシュの際には、攻撃陣も含めての全員ディフェンスでしのいでいきます。
採用にあたり、ヴィナイオータ側が設ける必要条件ですが、
・ヴィナイオータ扱いのワインに限らず、自由なワインを愛する人
・ヴィナイオータという会社の理念や方向性に共感を持てる人
・つくば市近辺に居住可能な人(勤務地はつくば市のヴィナイオータ本社ですので!)
・パソコンがある程度普通に使える人
て感じでしょうか。
こちらは必要条件というわけではありませんが、こんな方は大歓迎です!
・語学が堪能な人(重要度第1位イタリア語、第2位英語・・・)
・パソコンやコンピューターシステムに強い人
雇用形態ですが、お互いのフィーリングを確認しあう意味でも、3か月の試用期間を設けさせていただきます。ヴィナイオータにとって造り手は家族だと書きましたが、当然のことながらスタッフも家族の一員だと考えています!スタッフという家族を守る(守り続ける)ということはどういうことなのか?をかなり真面目に考えている会社であるということもお約束できるかと。その代わりと言ってはなんですが、スタッフにはプロとしての強い矜持(断固たる決意)と会社というチームに対する献身的なプレーをお願いしたいと考えています。
気も合い、ヴィナイオータが求めるものも理解してくれるスタッフには末永く働いてもらいたいですし、会社側としてそれに対する準備を怠るつもりも毛頭ありませんが、将来、飲食店、ワインショップ、はたまたインポーターとしての独立を考えている、中長期的(短期だとさすがに困ります!)にヴィナイオータで働いてみたいという人も大歓迎です!飲食店やワインショップなどをオープンさせたいという人にとって、インポーターという、より造り手に近い立場で働くことは、今後もワインを扱う仕事をしていくうえで非常に有意義な経験になると思います。
インポーターとしての独立を考えている方にも、ヴィナイオータは何一つと包み隠すことなく、一通りのプロセスをお見せします。ただ、夢にも”仕入れ”や”買い付け”を将来担当させてもらえるなどとは思わないでください。ヴィナイオータにとっての仕入れとは、どこまでその造り手とリスクを共有するかという覚悟を決める場ですので、こればかりは僕以外の人間がやることは不可能なのです。というわけですので、輸入業務の技術面に関しては説明もしますが、会社にどう魂を吹き込むのか、会社としての個性をどう確立するのかは見て盗んでください(笑)。
加えて、我が本拠地つくばは、ワイン界の虎の穴のような場所です。インポーター界ではヴィナイオータ、酒屋界では葡萄酒蔵ゆはら(正確には土浦ですが)、飲み屋界ではフィンラガンという、”頭で考えるよりも先に、まず開けて飲め”をモットーとする、容赦のない面々が密集している世界でも類を見ない熱いゾーンなんです!
とある人(君だ!)に、「オータさん(ヴィナイオータ)は一体どこに行きたいんですか?」という非常に難しい質問を受けたことがあります。一瞬考えはしましたが、自分でも不思議なくらいあっさりと「勝ち切りたい!」という言葉が出てきたんです。
過去の自分に勝ち、ワイン界にはびこる既存のイメージに打ち勝つ・・・。昨日のヴィナイオータができてこなかったことを日々一歩一歩着実にクリア&前進する、というのは決意表明に書いた通り。既存のイメージとは、、”マニアック”、”オタッキー”や”変態”という言葉に代表されるもので、自分が本物だと信じているものをこう呼ばれてしまう事には正直飽き飽きしています。多数決の論理で言う、”メジャー”、”マイナー”という乱暴にして何の意味もない分類分け、そしてその”メジャー”なものが備える特性から大きく逸脱すると”変”と断じる幼稚な表現・・・もしかしたらメジャーなモノが持つ特性にこそ数々の”変”があるのかもしれないのに・・・。
ワインて、体の中に取り込むモノなわけですから、そのモノ自体が健全(健康)であるべきですし、発酵食品なわけですから、常に良い(?)香りがしなくても良い気もしますし(味さえ良ければ、ですが)、嗜好品などと呼ばれるのでしたら、嗜好されるに値するだけの差が個々に存在しなければならないと思うわけです。造られたイメージ(先入観、偏見、固定概念)に対して小さな戦いを挑み、各個撃破的勝利を収めたあかつき、つまり、何人かに新たな価値観の発見を促すことができたのなら、”マイナー”ではなく、”プチメジャー”くらいに思われる日は来るのでしょうか?だったらヴィナイオータはそこを目指したい!
時々、「酸化防止剤の入っていない(もしくは少ししか使っていないという)ワインは、何年もつのですか?」という質問を受けますが、僕の答えはいつも、「僕も造り手も分かりません」。
ワインが普通に酸化防止剤を使わずに造られていた頃(何百年-何千年前)、ワインは嗜好品というより食品(パンとワイン、て言うくらいですから)だったわけで、栽培に関しても現代よりは”多かろう良かろう”という考えが一般的だったでしょうし、衛生面でも現代とは隔世の感があったと思います。その時代のワイン(酸化防止剤無添加)は、一般的にはそれほど持たなかったのかもしれないですし、極端に持たせる必要もなかったのだと思います。
それに対して、衛生面でも最大限の配慮をし、量よりも質という考え方をブドウ栽培に持ち込んだ現在のワインは、無添加であったとしても熟成のポテンシャルは十分にあるような気がするのですが、なにぶん歴史がありませんから、造り手本人も知る由もなく・・・。知らないと言いつつも、常識的なレベルでの熟成のポテンシャルは備えていると造り手も僕も確信してはいるのですが、それ証明するための唯一の手段は”時間”だけですよね?例えばマッサ ヴェッキアのロザート2005が、20年後2025年に極端な酸化のニュアンスもなく、果実味もしっかりあり、美味しい状態だったとしたら、概ね証明できたことになりますよね??だったらあと13年みんなで待ってみましょうよ!!!!僕たちは歴史の渦中にいるのです!答えがもとから分かっているよりも、徐々に明らかになるほうが楽しくありませんか?
もともと存在しない道(歴史、価値観の世界で)を造ることがヴィナイオータの存在意義だとして、それに共感し、実現に向け協力してくれる方をお待ちしています!!!!
と毎度のごとく長々と小難しい感じで書いてしまいましたが、ワインは読み物でなく飲み物であることをまず僕たち自身が自覚し、それを広く伝え、ワインをより自由に楽しんでもらえる風潮のようなものを一緒に創造していきませんか?というのが新しいスタッフを募集するにあたってのシンプルなメッセージということになるのでしょうか・・・。一応お断りしておきますが、僕、実際にはそんなに小難しい人間ではないと思いますので、この文章でひるまないでくださいね。会社も至って能転気な感じです(たぶん)。
ご興味のある方は、とりあえず一度お電話をいただけますでしょうか。
平日9:00-18:00
029-896-5700
太田までお願いします!!
次回は求人募集要項簡略版(笑)と、“ヴィナイオータ勝手にQ&A”をアップしたいと思います!!
【新入荷】2024年6月その2(Radikon,Barbacarlo,Bartolo Mascarello) 【新入荷】2024年6月その1(Ezio Cerruti,Cascina Roccarini,Bressan,Il Colle,Natalino del Prete) 【2024義捐ワインプロジェクト 第二弾】 【新入荷】2024年5月その2(Case Corini,Testalonga,Tropfltalhof,Mlecnik)