toggle
2023-05-20

【新入荷】2023年5月その2(Camillo Donati,Lucie Colombain,Trinchero,Cascina Roccalini,Daniele Piccinin,Pierpaolo Pecorari)

某ワイン関係の雑誌に掲載された記事にちょっとモノ申したいと、つい先日まで心の中で鼻息荒くしていたのですが、本メルマガを書く今この瞬間、全然ロックな気分になれず、書くのを(ほぼ)やめることにしたオータです(笑)。気分が乗らないという理由以外にも、昨今の日本の政治やメディアの世界では普通になってしまった、推し進めたいことのメリット(らしきこと)をことさら強調し、その逆にデメリットの話は一切しない、というような少々アンフェアな論理展開の箇所がなかなかに多くて、ひとつひとつに反論するためのエネルギーや時間を割く余裕がないと判断した、というものあったりします。日本のものに限らず、ナチュラルワイン全般に関して、この記事の中で触れているいくつかのポイントにはオータも同意できるところもあるだけに、残念な気持ちになってしまいました。

何度も読み返してみて、彼らとオータの間にある大きな溝は、双方の自然観&ワイン観に端を発していると思うに至り…。どういうことかといいますと…

自然観:彼らはヒトが自然の外に位置していると捉え、オータはヒトも自然の中にいると考えている。前者のように考えると、ヒトが自然界の中で“行う”ことは全て“不自然(人工的)”ということになるのに対し、後者はヒトも自然界のメンバーの一員と捉えているため、ヒトの行為の中にも自然に対する意識や敬意が伴っている限り“自然”であることもあり得ると考えている。

ワイン観:ワインを無機質なモノや製品と認識しているか、それとも造り手の子供のような存在と思っているか…。実際、製品としての宿命をもって生まれてきたワインがあるのも事実ですが、少なくともオータの興味&愛情の対象としてのワインは、後者だけを指しています。ですので、ワインに対して“欠陥”という言葉を使うことに強い抵抗があります。そして、本当に深刻な問題をワインが抱えてしまった時、ヴィナイオータの造り手たちがボトリングしないという決意をした場面を何度も見てきたオータとしては、親(造り手)が子(ワイン)を世に出すと決めた限り、問題はあくまでも一時的な事が多いと考えています。

ナチュラルワインが日本で広く流通するようになって20年以上経ちますが、「あんなにくさかったあの子が、こんな別嬪さんになって…」という経験をした人もある一定数いるはずなのに、未だに“くさい=欠陥”という断じ方をしているのも、かなり古臭い(!)というか時代錯誤というか…。

“「日本市場なら失敗した臭いワインでも自然派と言えば売れる」とみなされている”というくだりがあるのですが、ラ ビアンカーラのアンジョリーノも以前これに近い発言をし、オータの逆鱗に触れたことがあります。オータも含む、日本のナチュラルワインを愛する人たちは、臭くても全然OK!などと思っているわけではありません。そりゃ臭くないに越したことはないけど、いつかなくなるのが分かっているのだから、ちょっと待ってあげてもいいんじゃない?くらいに思っているだけなのです。そしてそのニオイは、ヒトで言うところのオナラや垢のような自然由来のもの。人前でオナラをしないに越したことはないけど、出ちゃうこともあるよね…的な話が、なぜワインには通用しないのでしょう?

以前も書きましたが、還元臭は、過剰な濾過や酸化防止剤添加を回避した際に出るもの。つまり、好ましいとは決して言えないそのニオイも、造り手の良心の伴った決断に由来するものといえるわけです。ヒトであれワインであれ、欠点と美徳(強味?)という相反する存在の両者が、実は同じルーツから来ていることもあるのでは?と主張したくなってしまうのは、そう思わないと人生やってられなくなるほどに、オータ自身が欠陥や欠点に満ちていることを強く自覚しているからなのかと…(笑)。

結局まあまあ反論してるじゃないか!というご意見も出そうなので、この辺りで新入荷案内行きます!

Mr.微発泡、カミッロ ドナーティからは、2021ヴィンテージの白3種(マルヴァジーア2021,トレッビアーノ2021,ソーヴィニヨン2021)とランブルスコ2021、そしてトレッビアーノ フリッザンテ2020マグナムボトルが届きました!白3種に関しては瞬殺が予想されますので、お気を付けくださいませ!在庫が僅少となっているロッソ デッラ バンディータ2019は、終売次第新ヴィンテージを投入予定となっております!

 

アルザスのエリック コロンバンとブルーノ シュレールの共同プロジェクト、ルーシー コロンバンからは、2020ヴィンテージの白が3種(ゲヴュルツトラミネール プェルシックベルグ20210,ピノ グリ アイヒベルグ2020,リースリング ル シャン デ ゾワゾー2020)と2021ヴィンテージの白1種(シノワ ヴェール2021)が入荷です。2021年は、6月、7月そして8月初めとブドウの生育にとって重要な時期に多雨に祟られた、ルーシー コロンバン&ジェラール シュレールにとって非常に厳しいヴィンテージとなりました。彼らのワイナリー&畑があるユスラン レ シャトー村周辺は、アルザスの中でも特に雨が多かったそうで、オイディウム、べと病が蔓延、大半のブドウ(初めて買いブドウでもワインを仕込んだとの話もあるので、例年の9割以上なのかと…(涙))を失ってしまいます。

今回届いたシノワ ヴェール2021は、ルーシー コロンバンとしては2021ヴィンテージの唯一(!)のワインで、グランクリュ アイヒベルグ&プェルシックベルグを含む全ての区画(シュレール家所有の区画も含むのかは不明)のピノ グリ(60%)とゲヴュルツトラミネール(40%)の混醸。名前のシノワ ヴェールは、コロンバン家の古くからの友人で、畑仕事も手伝っていた故アルベール ギンダースペルガーさんが口癖にしていた、煩わしい振る舞いが目立つ人を指す言葉。彼らのワインが濁っていることだとか、スティルかと思えばしばしば発泡している事があることに対して、クレームじみたことを表明する人のことを揶揄しようとする、エリックの思惑から付いた名前だそう。今のところ、ややファンキー目ですので、数年ほどその存在を忘れていただけると、親(ルーシー コロンバン)、里親(ヴィナイオータ)、そして子供(シノワ ヴェール)共々、恐悦至極に存じます…(笑)。

2020ヴィンテージの3種、ゲヴュルツトラミネール プェルシックベルグ、ピノ グリ アイヒベルグ、リースリング シャン デ ゾワゾーは、比較的安定しているので、今すぐ飲んでいただいても十分に楽しんでいただけますが、待ったら待っただけ楽しいことが待っていることをお約束します!

最近ですと、シュレールのリースリング キュヴェ パルティキュリエール2005ノン フィルトレを飲んだのですが、本当に絶品でした…。数日後の瓶底のワインは、グラスに注ぐと茶色というよりも黒に近い色を呈しているのですが、極端な酸化のニュアンスもなく楽しめました。あと、今までルーシー コロンバン名義でリリースされたワインとしては最高峰の問題児、シャルドネ2018もすっごい良くなっていました!1~2年後には、ザックザックのワインになるとオータは踏んでおります!そして、ピノ グリ アイヒベルグ2019の在庫も残り50本程となっております!!

ここからは新ヴィンテージ情報になります!

トリンケーロパルメ シャルドネ2020が終売したので、2021をリリースします!2020もリリース当初から素晴らしかったですが、2021もいい感じです!2020よりもアロマティックに感じられるため、うちのスタッフの何人かはマルヴァジーアが入っているのでは?と訝しがったほど。

おかげさまで、先日リリースしたロッソ デル ノーチェ4も好評いただいております!とはいえ、棚卸に目をやると、それこそ卒倒してしまうほどの本数のトリンケーロのワインが…。過小評価されるにも程がある、偉大な偉大な造り手です!是非とももっともっと色々飲んでいただきたいです!

 

カシーナ ロッカリーニバルバレスコ2017が終売間近という事で、2018も投入します。酷暑の痕跡と思しき、バルバレスコらしからぬタンニンを備えた2017と比べると、2018はすでにとても滑らかな飲み心地なのですが、アルコール度数は15.5%以上(2017は14.5%)!油断すると、やられるやつです(笑)。まとまりはあるのですが、表現力という点では、まだ少しおとなし目な印象です。秋口くらいから楽しいかも??

 

先日リリースしましたダニエーレ ピッチニンのワイン、エポケー2019は瞬殺、ビアンコムーニ2021は11000本入荷したにもかかわらず、すでに3300本弱の在庫となっております…。恐るべし!

そんなダニエーレの赤、ピノ ネーロ2018が終売しましたので、2019をリリースします!前々回、ロゼ ド ノワール2019が入荷した際に書きましたが、2019ヴィンテージからは、ピノ ネーロ(ワイン名)にはフリーランで出てきたワインだけを使用する事に(プレスワインは、エポケー用のワインとブレンドして、ローザ ペル ヴォイに…)。これまでも、ぎすぎすした感じなど一切ないワインでしたが、2019の質感は本当に素晴らしいものがあります。ただ、ピュアな果実味と滑らかな飲み心地が突出しすぎて、現段階ではやや素っ気なく感じてしまうかもしれません。ですが、オトナになるにつれ深みも出てくると思いますので、今のピノ ネーロ2019が持つキュートな誘惑に負けることなく、しっかり取って置くことをおススメいたします!2019ヴィンテージは、ダニエーレの勘違いにより、780本のみの入荷となります。瞬殺はないまでも、お気を付けくださいませ!

 

フリウリのピエールパオロ ペコラーリのクリュもの、コラウスソーヴィニョン2018バオラール メルロー2013が終売したので、20192015をリリースします!どちらも比較的軽快な味わいとなっております!

 

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください

関連記事