ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】イル ヴェイ
①セミナー動画 (質問コーナー|08:05~)
ヴィナイオッティマーナ2022 P2 DAY2に行われたセミナーの様子です。イル ヴェイは、エミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャの西側のエミリア地方、ロンバルディア州寄りに位置しています。1980年から、当主のサヴィーノ ブラギエリと、妻のアンナ マリーア マリアーニと、一人息子のリッカルド ブラギエリの家族3人で営み、今回来日いただいたのは、リッカルド(愛称:リッキー)です。リッキーは、1991年生まれの31歳で、2017年頃からお父さんのサヴィーノ(74歳)からワイナリーの仕事を少しずつ手伝っています。
②造り手紹介 (0:07~)
イル ヴェイの造り手紹介、詳しくはこちらから。
③造り手への質問と回答
Q1. ハレとケでいう、ケであるワインは、毎日どのくらい飲みますか?また、ハレの日は何を飲むのですか?(08:05~)
A1. 午後の仕事があるため、昼に飲むのはほんの少しの量しか飲まないです。
夕飯のときは、家族3人でIl Veiのマグナムを1本ほどの量を飲んでいるかもしれません。
お祭りなどのときは、お客さんの人数にもよりますが、たくさんのボトルを開けて楽しみます。
親戚などが訪ねてきたときには、いろんなものを飲んでもらうようにしています。
なぜなら、一番身近な消費者である彼らの批評批判は、自分たちを思ってしてくれるもので、もっと前へ進むための重要な意見だからです。
Q2. 朝ごはんは、どんなものを食べていますか?また、外食はどこでされるのですか?(14:40~)
A2. 朝ごはんは、ザ・イタリアン典型的な朝食で、エスプレッソコーヒー&ちょっと甘いもので、ときどき、コーヒーの中にグラッパなどを垂らすときもありますが、基本的に午前中はアルコール類を摂取しないようにして、元気良く外で働けるように体調を整えています。
外食については、滅多に外に食べに行かない家族だと思います。
家族の団らんをとても大切にしている一家だと思います。周りを気にせず、家族だけの気兼ねない空気感のなかで、ワイナリーの仕事や日常の話も、父と本音で意見交換できるので、あまり外食には行かないです。ただ、全く行かないわけではなく、ときどきは行きます。
代表オータ:彼らの住むピオッツァーノの街中には2件程しかレストランがないのですが、僕が訪問した際には、そこに連れて行ってもらったことはあります。
Q3. お家での、好きな料理は何ですか? (19:55~)
A3. ラザニアとピッツァが好きです。
現在、日本でもイタリアでも都会に住んでいる人ほど、ちゃんとお家で料理を作る家庭が減ってきているのではないでしょうか。
ピオッツァーノは人口200人程しかいない小さな村なので、欲しくても買えないものも多分いっぱいあって、家庭である程度0から10までを自分たちでしっかり作るということは当たり前の環境です。しかし、今やこの現代ではそうではなく、冷凍食品やお惣菜など、レンジでチンといったものが増えているのですが、ワインもお料理もその向こう側に誰がいるのかが見え隠れすることが、すごく大事なことだと僕は思っています。例えば、母親が作った料理にある想いや佇まいには、僕たちがワインの世界で求めるところと重なる部分があると思います。僕たちは、ワインでそういうものを理想としているがゆえに、お料理もそうあるべきなのではないかと思います。
Q4. 両親の仕事に対する姿勢についてどう考えていますか?(24:12~)
A4. 両親の仕事に関しては、賛同し、常に同意しかなかったです。
ナチュラルに醸すとかナチュラルワインであることが、もっと普通に知られ、広まっていけば良いなと考えています。
前回5年前に来日した時よりは、遥かに今はワイナリーの仕事を手伝っている状態になったかと思います。
全てがちゃんと出来るわけではないけれど、最終的にはワイナリーを継ぐことを念頭に、父親から習うべきことを習っているところです。父親の代わりはできないと思っていますが、できるだけ継ぎ目を無くして入って活動していけるよう、努力しています。全体にあるコンセプトは全然間違っていないと思いますし、守るべきものは守りたいと思っていますし、風速や降水量などの気象観測や事前準備ができるものを導入して研究機関とのコラボみたいなこともやりたいと思っています。
Q5:私たちはリッキーがワイナリーを引き継いでくれると思っていいのでしょうか?(33:33~)
A5. 非常ぉ~~~に悩みました。
自分の家族、自分の父親とずーっと一緒に働くことが、果たして良いことなのか、あんまり良くないことなのか、本当に非常に考えました。悩んで悩んで、今は「やる」と決めました!
なので、今後も皆さんに楽しんでもらい続けられるよう頑張っていくつもりですし、皆さんの喜ばせることは当然のことだと思っています。自分のテリトリーを世界に対して紹介するためにワインを造り、皆さんに飲んでもらうことも大切なことですし、有機農業の大切さやそのコンセプトの大切さを伝えることなども、自分たちの小さな現実の中からでも、その一助となれれば良いなと思っています。
④まとめ
両親にとても愛されて育ち、やさしくて穏やかな性格のリッキーですが、お父さんのワイナリーを引き継ぐ覚悟をもっての来日でした。先代の手法を大切に守りつつ、今後はリッキーの色も楽しみに、イル ヴェイのワインがもっとたくさん日本に届くことを期待しております。(担当:小沼)