ヴィナイオッティマーナ2024【造り手セミナー】モンテ マレット
①ワイナリー紹介 (00:00~)
ヴィナイオッティマーナ2024 ピリオド2DAY1(2月7日)に行われたMonte Malette のミニセミナーです。
イタリアの北西部に位置する、ピエモンテ州のカレーマにあります。
場所はトリノから北へ50キロ程のヴァッレ ダオスタ州と隣接する山に囲まれた小さな地域の所にあります。少し南には故郷のイブレアがあります。
州を挟んで向こう側(ヴァッレ・ダオスタ)には、今回オッティマーナに参加しております、メゾン・モーリス・クレタのワイナリーもあります。
②造り手紹介 (00:00~)
ジャン マルコは、元々ヨーロッパの星付きレストランでソムリエとして活躍してきましたが、家庭を持ったのを機に、故郷のイブレアに戻りました。故郷に戻ってからは、一念発起しワイン造りを始めました。
ブドウ栽培とワイン醸造の経験はなかったため、近くのワイナリーで働きながら経験を積んで行きました。畑を借りる交渉・そして農作業に時間を費やし、初ヴィンテージは2015年となります。
カレーマは小さな段々畑で構成されているため、トラクターなどの機械は入ることができず、作業効率の悪い畑に加え生産者の高齢化もあり栽培放棄が加速していました。
しかし、ジャンマルコを中心とした若い生産者たちが移住して新たにワイナリーを始めるケースも増え、一時は13ヘクタールまで落ち込み、絶滅寸前の状態でしたが、現在は22ヘクタールまで増加してきました。
使う農薬はボルドー液のみで、色々な人に借りた、カレーマのいくつかの区画と、少し離れた場所にあるカルーソの約0.4ヘクタールの畑から、年間約2000本ほどのワインを生産しています。
③造り手への質問と回答
Q1. ソムリエをやられていて、そこから、なぜ自分でワインを造ろうと思ったのでしょうか?また、足場も悪く作業もしにくそうに見える場所カレーマをなぜ選んだのでしょうか?(4:02~)
A1. ソムリエとして7年ほど仕事してきましたが、毎日帰りも遅く多忙の日々にすこし疲れてしまい、精神的に波のない生活を送りたいと考え時間に余裕を持てる仕事を探します。
そんな時に、バイラというやや大きめのワイナリーで訪問客のツアーガイド役のソムリエとして約1年働いていました。
そこで、同僚と話をする機会がありブドウ栽培やワイン醸造に興味を持ち始めます。そんな時に、以前カレーマで造られたワインを飲んだことを思い出します。土地の風味を表現できる可能性を秘めている土地なのではないかと改めて考え始めます。2014年から土地を探してしていたところ、とある農家の人から借りれることになり今に至っています。
Q2. モンテマレットのいくつかのワインに使われているラベルの人物は誰なのでしょうか?(12:49~)
A2. イタリアにおいて、ワインについて初めて語り始めたジャーナリストの一人、マリオ・ソルダーティが書いた本の中の表紙に書かれている版画の絵です。その本の中で彼はカレーマのことを称賛しており、その一節が大変有名でして、カレーマといえば、マリオ・ソルダーティの文章として知られています。
トリノ出身の版画家の作品であり著者であるマリオ・ソルダーティをイメージして書いたもので、2015年に亡くなったジャンマルコのお父さんとマリオ・ソルダーティの人物像を重ね合わせてこのラベルを使っています。
Q3. これからやってみたい事、挑戦したい事はありますか?(17:11~)
A2. 今までは、副業をしながら生計を立てていましたがようやくワインで稼げる様になってきました。今後はワイナリーの経済的な安定を目指し、生産量を増やすことに取り組んでおり、大変な土地ではありますがブドウの面積を徐々に拡大しています。
自身の努力によって生計を立て、家族を支えることを目指していまして、そのためにはブドウやワイン作りにおいて職人的なアプローチが重要だと考えています。
④まとめ
ジャンマルコは、創業者としてカレーマの土地の特徴を生かしながらワイン造りに真摯に取り組んでおり、一見、物腰柔らかで穏やかな雰囲気を纏っています。前に前にというタイプではありませんが、ワイン造りに関しては内に秘める情熱を感じました。(宮内)