toggle
2024-03-26

ヴィナイオッティマーナ2024【造り手セミナー】イル チェンソ


①造り手紹介 (00:00~)

シチリア州よりワイナリーの当主ガエターノと奥さまのニコレッタに来日していただきました。元々プログラマーのお仕事をしていたガエターノですが、彼と30年以上の友人であるウンブリア州の造り手パオロ ベアの当主であるジャンピエロ ベアの後押しによってワイナリーを始めます。現在ではブドウ畑の他にもいろいろな作物を植えています。

②造り手への質問と回答

Q1. パラッツォ アドリアーノはシチリアの他のワイン産地に比べると有名ではないと思いますが、他の地域と比べてパラッツォ アドリアーノではどのようにブドウ栽培が行われていますか?また、ブドウ以外ではどんな農業を行っているのでしょうか?(05:04~)

A1. シチリアは全土でブドウ栽培を行っていて、私たちが住んでいるパラッツォ アドリアーノもブドウ栽培をしています。シチリアの特徴として、単一で作物を植えていうことはなく、ブドウ以外にも色々な柑橘類やオリーヴ、アーモンド等を栽培しています。ローマ時代からこうして色々なものを育て、余ったものについてはヨーロッパの国々へ輸出するくらい豊かな土地です。

私たちの住むパラッツォ アドリアーノという場所は山や谷に囲まれており、自分たちの畑はその中でも標高700~500メートルのところにあります。1600年くらいまではこの地域でもブドウ栽培はもちろんのこと、もう少し平地では穀物を育てていたり、斜面の急な場所では牛の放牧をしていたりしていましたが、立地的に海からだいぶ離れていたこと、また途中の道も険しいこともあり、モノを運搬しにくく、だんだんとこの地域ではブドウ栽培が廃れてしまいました。

私自身としては、叔母がこの地で先にブドウ栽培とワイン造りを行っていたこと、そして先程述べたように今は衰退してしまってはいますが、農業をするためのポテンシャルがある場所なこともあり、そして、ジャンピエロやヒサトが「やってみたほうがいいのでは!」と言ってくれたこともあって、それに押されて今こうしてワイン造りを含む農業をやっているのです。

Q2. 奥さんニコレッタから見てガエターノとはどんな人ですか?(16:30~)

A2. 彼は大変情熱に満ちた人だと思います。すごく勉強熱心でたくさん本を読むことや彼自身が旅に出かけることで実体験などを深めたりと自分の見識を深めることにすごく熱心な人ですね。もちろん、ワインや食べることも同様で色々なワインを飲んできていると思いますし、また彼が旅に行ったときはその土地のものを食べたり飲んだりして本当に勉強熱心だと思います。

Q3. ブドウやオリーヴ以外も作物を栽培されているようですが、それ以外は何か栽培していますか?また今後、新たに取り組んでいきたいことなどありますか?(20:36~)

A3. 現在はブドウやオリーヴ以外にシチリアの古代品種の小麦をいくつかとアーモンド、ピスタチオを育てています。これらに関する新しいプロジェクトというよりは当面の課題として「道を整備する」ことですかね。立地上、運搬しづらいことをお伝えしたかと思いますが、今でもやはりトラクターの出入りが難しい道であることに変わりありません。収穫ができるはずなのに、トラクターが入れないので、折角の実りも収穫せずにそのまま放置になってしまうことを懸念しています。今はまだブドウやオリーヴ以外の作物はそこまで生産体制に入っているわけではないのですが、今後それらの作物が生産体制に入ってくることを考えると必要なことだと思います。

新たに取り組みたいことについては「失敗する」ということです。
私は今まで失敗をすることで学びを得てきたタイプです。ただその失敗を改善するということではなく、なぜ失敗をしたのかといったようにその失敗を深く突き詰めていくことで問題点を見つけ出して改良・改善していける、自分自身を成長させ前に進めるようにしてくれるものが失敗なのではないかと思います。ですので、もし、皆さんの中で私のワインに何かしらの欠点を見つけた時は遠慮なくコメントをしていただきたいです。それが欠点だとするならばそこには私を成長させてくれるヒントがあるかもしれないと思っています。

また、私たちは健全な食品、ワインはもちろんオリーヴオイル、麦、その麦から作られたパスタをつくることを心掛けており、またやり続けていきたいとも思っています。健全なものを提供することを第一に考え、畑でもセラーでもケミカルなものは一切使用せず、畑で使うのはボルドー液のみに限ります。年によってはそれらすら使わずに収穫時期まで引っ張れることもあります。そうして、これらの環境で育てた健全なものを皆さんに提供し美味しいと思っていただけること、幸せだなと思ってもらえるのならば本当にそれ以上のことはありません。

③まとめ

セミナーからもすごくまじめな人であることが分かるかと思いますが、ガエターノもニコレッタも2人ともなんでもないことでも、丁寧にお礼を言ってくれたり、イタリア語ができる、できないに関わらず、すごく真っすぐ人を見ながらお話する方々だなと思いました。そして、私にとってガエターノの行動で一番印象深かったのは、つくばでも東京でも自分でワインを開け、必ず1本ずつ試飲すること、また自分が開けていなくても必ず1番に試飲をしてお客さんに提供するスタイルだったことです。自分のワインもお客さんのこともすごく大切にしているというか真摯に向き合っているからこその行動なのかなと思いました。まだまだ多くの方々に知られていない造り手の1人ではありますが、彼らのそういった細かい一面を見てファンが増えたのでは?と思っています。(嶋津)

関連記事