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2022-06-24

【新入荷】2022年6月その1(Davide Spillare,Maison Maurice Cretaz,Le Boncie,De Fermo,Nicolini,La Calabretta,Stefano Legnani,Stefano Berti,Cantina Giardino,De Bartoli,La Visciola)

竹林と戯れている時間が長いからか、生傷が絶えないオータです。さすがにチェーンソーを使う時には、細心の注意を払うのですが、のこぎりや鉈を使う際には、やや気が緩むというのと、少々無理な体勢からでも技を仕掛けてしまうことがあり、その代償を払うこともしばしば…。

そんな状況の中作業を進めていたゴールデンウィークのとある日、1日で2回も携帯に救われたことがありました。枝払いをしていた際、枝を払った後の鉈が斜め方向からオータの太ももの方へ…0.1秒もない時間の中で、「ああ、これ痛いやつ…」と思ったのですが、スウェットの前ポケットに入っていた携帯の横カバー部分に鉈が当たり、太田は無傷(スウェットに穴も空きましたし、カバーも切れました!)。その数時間後、今度は垂直方向から鉈が太もも方面に着弾したのですが、液晶の保護フィルムが傷ついただけで、液晶も太ももも無事でした!携帯君、ありがとう!!

皆さんも鉈で枝払いをする際は、利き手の前ポケットに携帯を入れてくださいね!…じゃなくて、鈍い刃物であったとしても、重量にスピードが加わると、服越しにもそこそこのダメージをもたらすので、皆さんも気をつけてくださいね!が正しいですね…。

そんな竹林の環境整備も、残るはラスボス(ひじょおおおおに荒れまくっている区画)のみ!のところまできたのですが、やぶ蚊の季節が到来してしまったようで…。やや気が重くなってしまいましたが、当初の目標通り今シーズンで決着をつけるべく、本メルマガをさっさと書き上げて、再び取り掛かりたいと思います!

というわけで、6月の新入荷案内です。今回もごっつい内容となっておりますので、深呼吸をしてから読み進めてくださいね!

「誰もそんなこと聞いてねえよ!」と言われてしまうかもしれませんが、7月も8月も非常にきっつい内容となりそうです(笑)。

では行きま~す!

 

ダヴィデ スピッラレからは、2020ヴィンテージのワイン一通りと、ビアンコ ルーゴリ2019のマグナムが届きました!2020年のワインを一通り試飲してみたのですが、どのワインも端正で、抜栓後の安定感も抜群!強いて言うのなら、入荷当初から強烈なパワーを放っていた2018や、2018程ではないにしても十分に外向的だった2019と比べると、やや素っ気ないような…。その理由を探るべく、各ヴィンテージの分析表を見てびっくり。

2020年の方が、2018&2019よりも総じてアルコール度数が高い…。もちろん、アルコール度数がワインの強さや濃度をはかるための絶対的な指標というわけではないのですが、同じ造り手のワインで、“濃密”だと感じたものの方が“素っ気ない”と思ってしまったものよりも度数的に低いという経験はしたことがなく…。更に思考を進めていったところ、可能性として思い当たることが1つ。2018ヴィンテージは2020年12月、2019ヴィンテージは2021年8月に販売開始…つまり、どちらのヴィンテージも夏をほぼ2度経験してからのリリースだったんです。

オータは、春から夏へと向かう気温が上昇する時期を体験することで、ワインは成長すると考えています。師匠のアンジョリーノは、ボトリング&リリースのタイミングは早いけど、酸化防止剤は基本無添加で、サッサイアに至っては今やほぼ全量が木樽醗酵&熟成ということもあり、ワインに閉じ感のようなものは感じません。それに対し、ダヴィデは限りなくゼロに近いとはいえ、酸化防止剤は基本使用しますし(時に無添加)、大半はステンレスタンクでの醗酵&熟成なので、アンジョリーノのワインと比べると、やや内向的な性格となることが多いからか、ふた夏を跨ぐかどうかが味わいの開き加減に大きく影響を与えるのかもしれません…。今と3か月後でどれほど差があるのか、皆さんも検証してみてくださいね!

そして、これを新ワインとして紹介して良いのかは分かりませんが、ダヴィデくん、バッグ イン ボックスをやっちゃいました!クレスタンと同程度のクオリティ&テンションを持つブドウで造ったワインを詰めたとの事。実際にクレスタンと比べてみて、その差を判別するのは難しいレベルでした。ダヴィデからの納価をもとに馬鹿正直に弊社価格を算定してしまうと、価格破壊も甚だしい状態になってしまうと判断しまして、弊社が厚く利益をいただくことにしちゃいました(笑)。弊社がより多くの利益を搾取(?)した後でも、皆さんには“安すぎる!”と言われること請け合いのワインです!210個のみの入荷となります。

 

ヴァッレ ダオスタのモーリス クレタからは、ヴィンテージ違いも含め7ワインが入荷です!詳細は下記の通りとなります。

リー2020:アオスタ郊外にある、アンドレアがバンクと呼ぶ区画のプティ アルヴィンで造るワイン。果実味バンバン!といったワインではないのですが、ミネラリーな余韻は長く…。リー2019も残りわずかとなっております!450本入荷。

ヴィフ2020:ブラン ド モルジェの生産区域内で借りている0.08haの区画で獲れるプリエ ブランで造るワイン。リンゴを思わせる果実味があり、余韻に程よいタンニンが…。残念なことに、畑の賃貸借契約が切れてしまい、2021年がヴィフの最後のヴィンテージとなるようです。48本とごく少量の入荷。

ミン2018&2020:ヴァッレ ダオスタ州全体で7haしか栽培されていない、マイオレという名のスーパーマイナー土着品種で造るワイン。現行として販売するのは、1ヴィンテージのみとするのが弊社の基本方針なのですが、今回は後述のボスも含め2ヴィンテージを併売することにしました。

なぜかと言いますと…ヴィンテージの若い方が蔵出し価格が高かったんです!リリースのタイミングが一緒なら、古いヴィンテージの方が高い値段で出てくるか、少なくとも同価格というのが普通な気がするのですが…。アンドレアに聞いてみたところ、クオリティ面で価格くらいの差があると判断したとの事。造り手としてそう判断するに至った理由を探しに行くべく実際に試飲してみたのですが、若いヴィンテージの方が恐ろしく素晴らしい出来だったから値段を上げたというよりは、古いヴィンテージの方にアンドレアがなんらかの不満を感じて価格を下げることにしたのだろうということが、何となく伝わってきました。

ミン2020は、なんの曇りもない、ピュアでキュートな魅力に満ちたワイン。に対して2018は、落ち着いた雰囲気ではあるのですが、目立った欠点らしきものは見当たらない…。オータ妻などは、若々しさ全開の2020よりも2018の方が好きと言うし…。う~ん、何が問題なんだろうと考えていた時、電話で話していた際にアンドレアの口から出た“ブレット”という言葉を思い出し…。ブレット(ブレタノマイセス)は酵母の一種で、ワインにオフフレーバー(欠陥臭)を付与すると言われているのですが、その逆に適度に存在する分にはワインに複雑さを与えるとも言われています。醸造学的にはその存在を完全否定されるけど、しっかりとワインに向き合う人たち的には「人もワインも清濁あってのもの」くらいに思われているのかもしれません。

なんにせよ、オータはヴィナイオータが取り扱う造り手の口から“ブレット”という言葉を聞いたことは、24年のインポーター人生の中で数回しかないと記憶しています。つまり、うちの大半の造り手はブレットのことなど気にも留めておらず、その薫陶を受けたオータも然り…(笑)。ミン2018を、ブレットという言葉を思い浮かべながら再度試飲してみると、あるような気もするし、ないような気も…。とどのつまり、オータ的には何の問題もないワインです(笑)。2018が210本、2020が120本の入荷です。

ネエ2018:DOC的にはトッレッテ シュペリウールにあたる、プティ ルージュ主体のワイン。ミン同様に、女性的な美しさのあるワインなのですが、ミン以上に熟成のポテンシャルを秘めたワインな気がしています。144本入荷。

ボス2017&2019:ピエモンテとの州境にある町、ポン サン マルタンにある、アンドレアがモノと呼んでいる区画で獲れるネッビオーロを主体としたワイン。2019は、香り的にも味わい的にも非常に均整の取れたワインなのに対し、2017は酷暑の影響なのか、香りも味わいも軽やかさに欠けたものに…。ミン2018は醸造&熟成過程で起こったこと、ボス2017はブドウそのものの出来にアンドレアは納得いかなかったのだとオータは想像しております。ボス2017程度のことなら、ヴィンテージの特徴と捉えても良い気がするのですが…。ま、ヴィナイオータも皆さんも、少々お安くワインが楽しめるという事で良しとしましょう(笑)。2017が180本、2019が120本の入荷となっております。

 

欠品しておりましたレ ボンチエチンクエの新ヴィンテージ2019が届きました!開花時期は非常に寒く、逆に夏はとても暑く乾燥していたのですが、収穫時期には素晴らしい天候に恵まれたそう。今回のチンクエ2019のことを、ジョヴァンナは「ジェントルなワイン」と評していました。試飲してみたところ、彼女の言う通り、ボリュームもタンニンも充実しているのですが、重苦しい感じは一切なく、サクサクした飲み心地が…。開花時期の寒さが影響したのか、例年の約半分の入荷となっていますので、早々になくなることが予想されます。

 

アブルッツォのキラキラ家族、デ フェルモのコンクレーテ ビアンコ2019が終わったので、コンクレーテ ビアンコ”P” 2019をリリースします!ヴィンテージによってブレンド比率は異なるものの、コンクレーテ ビアンコは、ステーファノが栽培する3つの白品種(ペコリーノ、シャルドネ、トレッビアーノ)をブレンドして造るワイン。に対し、今回リリースするPはペコリーノ100%で造るワインで、ドン カルリーノになるはずだったワインをデクラス(?)したものになります。

何大樽分か仕込んだペコリーノのうちのひと大樽が、熟成中に他の樽とは全く違う性格のワインになってしまったそうで、ステーファノは他の樽とは混ぜないという判断を下します。「何か欠陥のようなものがあったってわけじゃなく…。ただ他の樽のワインとも、今まで我々が見てきたペコリーノとも違ったってだけだったんだよ。でも、品質的に問題ないものだったとしても、自分たちのイメージから乖離したものを、単一のブドウ品種で造るワインに使うっていうのがどうにも受け入れられなくて、他の樽のワインと混ぜないことにしたんだ。その後どう売るのかとか一切考えずにね…。そしたらとある日、ヒサトが低価格帯の白をいつも探しているって言っていたのを思い出して…。」とステーファノ。

ノーマル2019と飲み比べると、現段階ではPの方が遥かに外向的という印象でした。去年の入荷時に試飲した時と印象がガラリと変わっていて、オータもびっくり。小難しさもなく、香り高く、素晴らしい飲み心地でこの価格…文句なしのワインです!生産量の全量2700本が届いております。ガンガン使っちゃってください!

 

ニコリーニのフラッグシップワイン、マルヴァジーア2015が終わったので2016を、そして現在販売中の2016が終売間近という事で、前述のマルヴァジーアとは別区画のマルヴァジーアをオーク樽で熟成させたワイン、マルヴァジーア イン ローヴェレ2017もリリースしちゃいます。

・マルヴァジーア2016は、2015並みの濃密さを備えつつも、肉感的セクシーさを持ち合わせていた2015とは異なり、エレガントな妖艶さがあるワイン。

・マルヴァジーア イン ローヴェレ2017は、2016よりもアルコール度数的に1%ほど低いこともあり(それでも13.5%近くあるのですが…)、軽やかな味わいです。抜栓直後は、ヴィナイオータのワインには珍しく、樽香が気になったりするのですが、30分も経つとワイン本体の香りの中に溶け込んでしまいます。パイナップルなど、トロピカルフルーツを思わせる香りがステキなワインです。

同じブドウ品種で造られていることが、にわかに信じられなくなるほど、個性の異なるワインたちです。是非とも飲み比べてみてください!

 

2014年12月にリリースした、ラ カラブレッタネレッロ カップッチョ2012がついに終売しましたっ!600本を売るのに、なんと7年以上の歳月がかかってしまったという…同業の方なら、同情の涙を流してくれるのではないでしょうか(笑)。

今回リリースする2013は、重心の低かった2012と比べると、とてもキュート。ネレッロ カップッチョがワインに果実味をもたらし、ネレッロ マスカレーゼが奥行きを与え…という意図から伝統的に混醸されてきたことが、カラブレッタの他のワインと一緒にこのカップッチョを飲んでいただけたら、皆さんにも想像していただけるのではないでしょうか。450本と2012の3/4の入荷量ですので、2~3年以内に売り切りたいと思っていますが、1年以内に終わらせられたら、もっと嬉しいです!(←そりゃそうですよね…)

 

ステーファノ レニャーニポンテ ディ トイ2016が終売しましたので、2017をリリースします。ブドウに力があるのに造り手的な事情でボトリングを遅らせることができないからか、ヴィンテージにかかわらず長く還元状態が続くことが多いのですが、2017はすでに何の問題もございません!抜栓直後から全開バリバリ、酵母的ニュアンスは皆無、抜栓から4~5日後には酸化的ニュアンスを持つどころか、ますますピュアになる印象が…。

ヴィナイオータがレニャーニのワインを扱い始めたのが2015年からですので、早7年…。ようやく爆速で動く(であろう)ポンテ ディ トイの登場です!買いブドウで造るバンブーロードは、おかげさまで瞬殺するワインになりましたが、やはりフラッグシップ的なワインがとある速度、そしてとある量で飲まれていかないと、その造り手のワインがマーケットに浸透していることにならないと常々思っていました。ですので、このワインを大きなターニングポイントとして、レニャーニのワインがより多くの方に愛飲されるようになることを願っております!

ポンテ ディ トイの澱に近い部分を、更に数か月シュール リーの状態で追熟させた、プチ リゼルヴァ的ワイン、ル ガルー2015も残りわずかとなっております。ヴェルメンティーノってこんなにアロマティックなブドウだったっけ?と思ってしまうほどに香り高くて、余韻も長く、飲み心地はあくまでも軽い…サイコ~!な味わいです。終わり次第、2016をリリース予定です!

 

ステーファノ ベルティバルティメオ2016がようやく終わりまして、2017をリリースします!ガンベロ ロッソからトレ ビッキエーリなどという、造り手もヴィナイオータもヴィナイオータのお客様も慣れないものをいただいちゃったからなのか、それともトータルで3000本という不相応な量が入荷したからなのか、結局売り切れるまでに4年近くの歳月がかかってしまいました…。3年以上リリースを待ったという事もあり、2017も開けたてからとってもステキです!果実味溢れるけど野暮ったさはなく、2017年という暑い年のワインではありますが、チャーミングでエレガント!この味で、この価格は反則級だと思います!

 

カンティーナ ジャルディーノが造るアリアーニコのワインで、最も高樹齢の区画のもので造られるワイン、ヌーデ2010が終売したので、2011をリリースします。アルコール度数的にもほぼ16%あったりするのですが、タンニンも滑らかで均整も取れたワインとなっています。ひじょおおおおに美味しいです!

 

前々回のメルマガで紹介した、デ バルトリインテジェル グリッロ2017が瞬殺してしまいましたので、2018をリリースします。“プチ ヴェッキオ サンペーリ感”を漂わせた2017とは打って変わり、2018はフレッシュ!微細な炭酸があり、ひたすらフルーティで、なんといいますか若々しい美しさに満ちたワインです。2017とのギャップを是非是非体験してみてください。

 

ラツィオ州のラ ヴィーショラが、近隣の意欲ある農家から買い付けたブドウで造るワイン、ヴィチナーレ2017が終売しましたので、2018をリリースします。先日、社内試飲で開けたのですが、その飲み心地の軽さにスタッフ一同びっくり!2017とのギャップもあるのかもしれませんが、それだけでもないような…。2002ヴィンテージ以降のマッサ ヴェッキアのように、過度な抽出を避けるようにしたのでは?とオータは推測しております。ヤバいですので、是非一度お試しください!

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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