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2022-08-02

【新入荷】2022年6月その3(Bressan,Pierpaolo Pecorari,Il Moralizzatore,Cristiano Guttarolo,La Calabretta,Montesecondo,Sanguineto,Daniele Portinari,Borgatta,Trinchero,Daniele Piccinin,De Bartoli)

本メルマガが配信される頃には、イタリアを旅している(はず!の)オータです。なにしろ2年ぶりの渡伊になりますので、今は少々緊張しております。ヴィナイオータを創業して24年になりますが、ここまで間があいたのは初めてのこと。

入国制限や国家間の紛争、マスクの内側と外側の世界、アクリル板の手前と向こう側など、ある種の境界線を設ける事に世界中が躍起になったこの2年、会いたい人に会う事さえままならず、歯がゆい思いをしたのはオータだけではないはず。

余談になりますが、オータは今、ブラジル先住民で人権活動家にして環境保護活動家のアイウトン クレナッキの「世界の終わりを先延ばしにするためのアイディア」というタイトルの本を読んでいます。90ページにも満たない、そしてその約1/3があとがきという異様な体裁(笑)の本で、難しい言葉などは一切出てこないのですが、寓意や示唆に富んだ言葉が多く、生来読解力に難のあるオータの場合、何度も読み返す必要があり…。人権活動家で環境保護活動家の本ですから、内容は皆さんの想像通りなわけですが、彼の言葉の中には、“コロナ渦”などと呼ばれているこの時代を生き抜くためのヒント(答え?)さえも詰まっている気がします。数ある中から2つほどご紹介しますね。

「この世界で興味深い存在は、私たち人間だけではありません。私たちは全体の一部なのです。こう考えることは、“私たちという自称人類”が持つ虚栄心を取り除いてくれるかもしれませんし、宇宙での旅を共にする他の仲間に対して、私たちが常に欠いている敬意を増やすことになるのかもしれません。」

「私たちはすでに、世界のさまざまな場所で、さまざまな規模の転落を経験してきました。それでもなお、落ちた時、何が起こるかと、私たちは怖れています。(中略)ここで私たちがなすべきは、転落の可能性を取り除くことではなく、転落の衝撃をやわらげてくれる落下傘を見出すことです。色とりどりの、ひょっとすると楽しいかもしれない落下傘をたくさん。そもそも、私たちが本当に好きなのは、楽しむことであって、喜びを持ってこの地球を生きることなのですから。」

オータにとってはクレナッキ同様に、自分らしく生きていくための指針のようなものを与えてくれる、造り手たちとの交流を妨げられて2年以上の月日が流れてしまいました。その鬱憤を晴らすべく、彼らとの濃密な時間を過ごしてきます。

歯がゆい思いとか鬱憤など、恨み節ばかり言っているように思われちゃうかもしれませんが、オータ自身はこの2年をいくつかのことを見直す上で必要な時間だったと、好意的にも捉えています。2年前よりは格段に進化したオータで(元々が元々ですので、マシになるのにそれほど多くのものは必要ない気も…)、造り手たちをビビらせてきちゃいますよ!!

 

ヴィンテージが切り替わったワインが沢山ありますっ!

 

ようやくその凄味が浸透してきた感のあるブレッサンのワイン…。ヴェルドゥッツオ2016が終売しましたので、2017をリリースします。リリース当初から素晴らしいレベルで調和の取れていた2016と比べると、2017は酷暑に果皮の厚い(=渋い)ヴェルドゥッツオという品種の個性も相まって、非常に力強いワインとなっています。これからの季節、フルボディの赤の代わりに飲んじゃってください。

白ももちろん美味しいのですが、ブレッサンといえばやはり赤!おかげさまで、少しずつ動きが早くなってきました!!スキオッペッティーノ2012は残り100本、ピノネーロ2012も200本ほどの在庫となりました。この2ワインに関しては、もう3ヴィンテージが、リリースを今か今かと手ぐすねを引いて待っている状態です。清き1本をよろしくお願いします!

 

ブレッサンのご近所さん、ペコラーリの高樹齢ピノグリージョで造るワイン、オリヴァース2018が終売しましたので、2019リリースさせていただきます!未試飲なのでノーコメント…すみません!!

 

フランチェスカ&マルゲリータ双子姉妹のフォンテレンツァロッソ ディ モンタルチーノ2015が終売したので、2016をリリースします。ボルガッタのワイン同様に、果実の2015、果実と酸が高い次元で調和している2016といった印象です。彼女たちのワインもひたひた徐々に飲まれるようになってきた気がしますが、ロッソはすでに2019まで届いています!ご協力よろしくお願いします!!!

 

アンジョリーノの4番弟子にして、気持ち悪いくらい仲が良い(笑)アンドレア&エンリコが営むイル モラリッザトーレが、土着品種のグロッペッロで造るグロッペーロ(ややこしい…)2017、残り数本がなかなか売り切れません…(涙)。待てば海路の日和ありとはいかないようなので、2018をリリースします!“オレンジワイン”ほどではないにしても、言葉としていかがなものかと思わないわけでもありませんが、敢えて使うのなら、このグロッペーロ2018は、ヴィナイオータ的“薄旨赤ワイン”という事になるのでしょうか…。余韻がステキです!是非!!

あ、絶賛発売中のヴェスパイオ18、ブレスパ16/17、カバレ ロゼ16、カベルネーレ16、そしてカバレ ソーヴィニョン15もよろしくお願いします!

 

プーリア州のクリスティアーノ グッタローロアンフォラ ロッソ2019も残りわずかとなってきたので、2020をリリースします。この2ヴィンテージ、皆さんにも是非とも飲み比べていただきたいです!恐らくなのですが、2020の方がクリスティアーノが近年思い描いてきた理想像を具現化している気がします。ピュア、フレッシュ、タイト、ストレートでミネラリー…。キュートだけど、媚びたところの一切ないワインです。

 

大樽での長期熟成というエトナの伝統を踏襲したワイン、ラ カラブレッタヴィーニェ ヴェッキエ2010が終売しましたので、2011をリリースします。非常にボリューミーなワインではあるのですが、しっかりと熟成が施されている(約10年の樽熟成!)こともあり、穏やかで滑らか。道を究めつつある葡萄じゃなくて武道の達人が、殺気とは無縁の存在になっていく様に重なるものがある気がするのはオータだけでしょうか…(笑)。

そして、カラブレッタが所有する全区画の中で、最もパワフルなブドウを産するパッソピシャーロにある樹齢100年超の区画のワイン、ノンナ コンチェッタ2016も終売間近なので、2017をリリースします。ネレッロとは思えない濃い色調と膨大なタンニンが特徴のワインなのですが、2017はサラッと試飲する分には「これ本当にノンナ コンチェッタ?」と聞きたくなってしまうくらいの柔らかさが…(ワインを口腔内全体にしっかり行き渡らせると、やっぱり渋かったりするのですが…(笑))。酷暑の影響で、ブドウが持つ酸が穏やかになった分、熟(こな)れるのが早まったのかもしれません。果実というよりは、煮たフルーツのような香りからも、暑い年だったことは垣間見えるワインです。2017ヴィンテージから、このノンナ コンチェッタとコントラーダ デイ チェンテナーリをグランクリュ的な位置づけとすることにしたため、ごっつい値上げがありまして、2016とは似ても似つかない価格となってしまっております…。

 

キャンティのモンテセコンドからは、3ワインをリリースします。まずはシルヴィオ メッサーナ名義のワイン、ガズィ2021!やや早摘みし、ダイレクトプレスしたサンジョヴェーゼで造るロゼフリッザンテ。ヴィナイオータが扱うフリッザンテで、唯一メトド アンセストラル(※)的造りをしたものなのですが、一切還元しておらず、もうすでに素直に楽しめちゃうワインとなっています。アンフォラで醗酵&熟成を行ったサンジョヴェーゼ、ティン サンジョヴェーゼ2018ベルネで造るイル ロスポ2019をリリースします。イル ロスポの抜栓直後の還元のしかた(すぐになくなる質のものなのですが、なんにせよ引っ込み思案なところから始まる)にシルヴィオ自身の人となりを見る気がしています(笑)。出っ張り感の全くない、非常に端正なワインです。ティン サンジョヴェーゼも、充実の果実と酸を備えた、何の虚飾も感じない、ただただ美しいワインです。

※アルコール醗酵が完全に終わる前にボトリングし、瓶内で残りの醗酵を行わせたワイン。この手法だと、多量の澱(ないし澱候補生)を瓶内に持ち込むことになるため、還元しやすくなる。に対して、カミッロ ドナーティなどは、完全醗酵させたワイン(=しっかりと澱が沈んだ状態のもの)に冷却して醗酵をブロックしておいたモストを添加し、ボトリングをしています。この手法だと、添加した全体の5-7%に当たるモストから発生する澱しかボトルにたまらないので、ごく稀にしか還元しない。

 

ワイルドすぎるお姉さまたちこと、ドーラ&パトリーツィアのサングイネートビアンコ2019が終わりましたので、2020をリリースします。未試飲なのでノーコメント!

気が付けば、ノービレ2018も残りわずか…お買い逃しなきよう

 

地味だけど滋味深いワイン&造り手としては、ヴィナイオータを代表する感のある(笑)、ダニエーレ ポルティナーリのナンニ2016(オータは、このヴィンテージのこのワインのことを“小さな偉大なワイン”と認識しています)が終売しましたので、既着の2017をリリースしております!こちらも美味しいいいい!2017は、2016よりも肉感的&享楽的味わいと言えるかと。この価格でこのテンションはなかなか体験できないのではないでしょうか。在庫は潤沢ですし、再入荷の予定もありますので、こちらもガツンガツン飲んじゃってください!

 

齢80超えても現役バリバリ、エミーリオ&マリアルイーザ夫妻のボルガッタが造るバルベーラ、ボルガッタ2015が終売しましたので、2016をリリースしております。2015と2016、どちらも天候に恵まれた年と言って良いと思うのですが、2015は強い果実に、2016は品のある酸に特徴が…。ボリューミーなのにサクサクです!

 

もっともっともっと愛飲されてしかるべきヴィナイオータの造り手ランキング不動の1位トリンケーロが造る、パルメ シャルドネ2019が終売、ノビウス2010が終売間近となりましたので、パルメ2020ノビウス2013をリリースします!

妖艶でありながらひたすらエレガントだった2019と比べると、パルメ2020は強靭なタンニンに特徴があります。とはいえ、今現在のようなスタイルを確立していなかった2007などのワインが備えていた“咀嚼できそうなタンニン”ではなく、強くともあくまでも甘いタンニン。エツィオ曰く、梗を取り除かずに醸し醗酵をさせることで、リモンタージュをした際に梗がクッションの役割を果たす(※)ようで、柔らかい抽出が実現するそう。

※リモンタージュは、醗酵中に浮き上がってきた果帽に、醗酵槽の下部から抜いた液体(モスト?ワイン?)をポンプアップしてかけてあげることで、果帽を再び液体に浸った状態にしてあげる作業。かける液体が持つ重量が果帽に与えるインパクトは我々の想像以上で、むしろ櫂や足踏みなどで果帽を沈めるピジャージュの方が、柔らかな抽出が実現します。エツィオの場合は、リモンタージュという比較的便利なテクニックを使いながらも、暴力的な抽出を避けるために、張りのある(=力を受け止めてくれる)梗を利用することにしたようです。

ノビウス2013は、なんと言いますか、既にいい感じでネッビオーロっぽさが出ています。バローロやバルバレスコに比べると、果実味豊かになりがちなアスティのネッビオーロ(ノビウス2010は典型例と言えると思います)ですが、2013年は比較的早い段階で果実味が削げ、アダルトな雰囲気を漂わせています。挑戦的なことを言いますが、是非ともバローロ&バルバレスコ、もちろんそれなりな造り手のものと飲み比べていただきたいです!在庫はギョッとするほど潤沢ですっ!

 

ダニエーレ ピッチニンピノネーロ2017、1700本となかなかな本数があったのですが、ステキなスピードで動いてくれまして、リリースから1年で終売しました!というわけで、2018をリリースします!2018は、肉感的だった2017と比べると色も淡く、キュートな印象があるのですが、決して味わいが薄いわけではなく、芯がしっかりしているというか、凛とした佇まいというか…。賢いのに謙虚で偉ぶらず、みんなが好きになっちゃう人柄…そんな感じのワインです。在庫は潤沢過ぎるほど潤沢ですので、ガンガン飲んでいただけると助かります!

 

デ バルトリインテジェル グリッロ2018が終売したので、2019をリリースします。ここ最近、毎メルマガでこのワインについて書いているような…。皆さんがガンガン使ってくださっているから、このスピードで売れていくわけで…本当にありがとうございます!で、2019ですが、2017や2018のような際立った個性(やもすれば、欠点などと言われかねないくらいの…)はなく、品行方正な美味しさを備えたワインとでも言えば良いでしょうか。

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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