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2016-02-12

【新入荷】2016年2月その2

イタリアから帰ってきました!!今回はエミリアロマーニャ州からウンブリア州までの造り手を訪問しました。現状維持に甘んじず、その先を目指していろいろ試行錯誤している人から、伝統や先人が積み重ねてきた知恵に則ってぶれることなく前に進む人まで、概ね同じようなモノ、コト、世界を理想にしていてもアプローチは人それぞれ。やはり自然な造り、ないし自然に敬意を払いそれに寄り添うようにして生まれたプロダクトは、ワインや生ハムなどのジャンルを超えて、土地、年、品種の個性だけでなく、造り手の性格、個性、その年その瞬間の(造り手の)ものの捉え方や精神状態さえも強く反映するものなのだなぁと再確認しました。

それでは2月の新入荷ワインの案内第2弾です!

ヒトもブドウもワインも、年を経るごとに強さよりもしなやかさ、インパクトよりも余韻に力のあるものへと劇的に変化している感のある、モンタルチーノのカンピ ディ フォンテレンツァの新しいワインが2つ届いています。残すブドウの凝縮感を上げるために8月の下旬に間引きしたサンジョヴェーゼで造るロゼワイン、ローザ2014と、ブルネッロやロッソほどの抽出を行わないキュートなサンジョヴェーゼ、ペッティロッソ2013が入荷しました。どちらもザクザクです!!ロッソ11ブルネッロ07も、強いなりにこなれてきていますのでこちらもよろしくお願いします!!そのブルネッロ07も残り60本ほどとなりましたので、08もリリースします!!07に比べると硬軟のバランスが取れたワインです。是非!

2016_02_22Fonterenza

ヴァルテッリーナの良心とでいうべきワイナリー、アールペーペの欠品していたワイン、廉価版キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)のロッソ ディ ヴァルテッリーナの2013、グルメッロ地区のワイナリー上部にある区画のブドウが偉大なテンションを持った年にだけ造られるリゼルヴァ、ブオン コンシリーオの07と、サッセッラ地区のブドウで造られるリゼルヴァ3つの中のひとつ、ロッチェ ロッセ05の3つが入荷です。ネッビオーロ1種類しか栽培していないのに8種類のワインを造っていて、全てのワインを毎年造っているわけではないなどいろいろややこしい部分があるので、改めて各ワインの簡単な説明を。

◆ロッソ ディ ヴァルテッリーナ:各種リゼルヴァにも下のクラスの畑名ワイン(サッセッラ ステッラ レティカ&グルメッロ ロッカ デ ピーロ)にも使われたなかったブドウでマセレーション期間も比較的短くし造られる、軽い味ワインのワイン。2014年は、生産量の全量をロッソにしたそうです…。
◆サッセッラ ステッラ レティカ:ヴァルテッリーナのソットゾーナ(サブゾーン、クリュの大きい版と言ったところでしょうか)の1つで、アールペーペ的にも最も畑面積を所有しているサッセッラ地区のブドウで造られるワイン。長期熟成に耐えうるポテンシャルはなく、リゼルヴァは造るべきでないと判断した年に生産されるワイン。
◆サッセッラ ロッチェ ロッセ:熟成に耐えうる酒躯を持ち得ると判断した年にのみ造られるリゼルヴァ。彼らがサッセッラに所有する畑の中でも比較的標高の低い区画のもの。
◆サッセッラ ヴィーニャ レジーナ:ヴィーニャ レジーナは、ロッチェ ロッセ用の畑の上部にある約1haの区画の名前で、レジーナ(王女の意)の名の通り、アールペーペを代表するワイン。ロッチェ ロッセよりもより深みがあり、余韻が長いのが特徴。
◆サッセッラ ウルティミ ラッジ:ヴィーニャ レジーナよりもさらに上の区画(標高600m)で、ブドウの品質のみならず完熟後の気象条件にも恵まれた年に、樹上で追熟させ遅摘みしたブドウで造られるワイン。
去年の秋に彼らを訪ねた時、麓の集落からサッセッラの畑まで約300mを一気に上がれる階段を上ったのですが、ロッチェ ロッセの畑に着いた時点で僕もイザベッラも息も絶え絶え、今年定年を迎えるチームアールペーペの最年長おじさんが資材を運ぶために1日でその階段を30往復したという話を聞いた時には気絶しそうになりました。
◆グルメッロ ロッカ デ ピーロ:グルメッロはヴァルテッリーナのソットゾーナの1つ。サッセッラよりも全体的にソフトな印象があるワインができます。長期熟成のポテンシャルはないと判断した時に造られるグルメッロがこのワイン。
◆グルメッロ ブオン コンシーリオ:これは!という年に造られるワイン。
◆インフェルノ フィアンメ アンティーケ:インフェルノもソットゾーナ名で、夏の間に畑に照りつける日差しの強さからまるでインフェルノ(地獄)のようだということで着いた名前だと言われています。今までは大樽を満たせるほどの栽培面積がなかったために、長期熟成させたリゼルヴァを造ってこなかったのですが、徐々に畑が増えているようなので、もしかしたらいずれは???

約1週間後に当主のイザベッラと旦那さんのエンリコの来日し、縦断ツアーで日本中をネッビオーロ色に染めますよ!!!畑での鬼のような重労働、そしてセラーでもリゼルヴァに至っては約10年後にリリースさせるなど、効率や費用対効果が重要視される現代において、まさにドンキホーテ的なアールペーペ、当然のことながら強い信念、伝統文化に対する誇り、それを守るために持つべき覚悟、 愛情、情熱なしにはやっていけるわけなどなく…。是非ともイザベッラと会って、こういう人たちによって伝統文化は守られるのだということを感じていただければと思います!!!

2016_02_22ARPEPE

ワインを造り始めて10年ほどでイタリアのナチュラルワイン界のアイドル的存在になってしまったアリアンナ オッキピンティからはSP68ロッソ2014イル フラッパート2013が再入荷、そして大人気のオリーブオイルの2015年ものが届いています。去年の春彼女を訪ねた際、モディカという町にあるレストランでご馳走になったのですが、帰りに車まで歩く間に、「そういえば、モディカってシチリアで一番教会があるってことで有名なの。だけどいくつだったけな…。あ、ゴメン!この町の教会の数っていくつだったっけ??」と通りすがりの人に聞いたかと思ったら、そのあとすれ違うありとあらゆる人に聞きまくり、聞きまくっている自分が面白くてゲタゲタ笑い始める始末。車の中では、「わっ!今日ってカンティーナ ジャルディーノのアントニオの誕生日じゃない!」と言って、夜中なのに電話かけて、電話口で歌を歌い始めるアリアンナ。今やワインの世界ではセレブと呼んでも差支えないくらい有名になったにもかかわらず、本人はどこ吹く風、いつも通り天真爛漫でピュア…彼女の醸すワインそのままではありませんか!!またいろいろ新しいプロジェクトを考えているようで、今後も彼女からは目が離せそうにありません!!!!

2016_02_22Occhipinti

文:太田 久人

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