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2018-11-09

【新入荷】2018年11月 その1(La Biancara、San Bartolo)

約3週間のフランス&イタリア出張から帰国したばかりのオータです。体力的には激しい消耗を強いられるのですが、造り手と過ごす時間がもたらす精神的充電は計り知れず、ただでさえ負荷のかかる人生を選びがちな僕にとって、この旅はとても大きな意味があります。

今回の訪問時、ラ カステッラーダのニーコからヴィナイオータがラディコンと取引を始める前(2001年頃でしょうか)に故スタンコが、

「ちくしょう、あのちっこい日本人、めっちゃブラーヴォじゃねえかよ!うちも取引始めないと!!」

と言っていたというエピソードを聞いて涙…。もっともっと頑張りたいと覚悟を新たにしてきました!!!!!!

他に気の利いたネタが思い浮かばないので、新入荷案内に移らせていただこうかと思っていた矢先にビッグニュースが!!!ななななななんとサウジアラビア政府が人質ならぬヴォドピーヴェッツ&コステピアーネ&ロッカリーニ&イル チェンソのワイン達を約4か月ぶりに解放してくれたらしいのです!!

裁定が再び覆る事を危惧し、コンテナーは早々にサウジの港を出港、日本へと旅立っているとの事。前回のメルマガに書きましたように、今回拉致された5コンテナーのうちの1コンテナーは既に処分されてしまっているのですが、残りの4コンテナーは無事で、取り急ぎ弊社のコンテナーだけが放免となり、残り3コンテナーは近々解放予定らしく…。なぜ解放されたのかという理由は定かになっていませんが、フォワーダーの方の「我々の常識では理解できないことが多く、難しい国です。」の言葉が全てを物語っているのかと…。船会社の話では、拘束期間中もリーファーの電源は繋がっていたとの事なのですが、こればかりは実際に届いてから確かめてみないと何とも言えず…。うちの子達の無事を祈らずにはいられません。まだ完全には朗報と言えるような状況ではありませんが、望みがつながったという点では大きな進歩と言えるかと!

というわけで、元気良く11月の新入荷案内にいきたいと思います!!

<11月の新入荷その1>

【ラ ビアンカーラ】
ラ ビアンカーラからは、マシエリ2017が3600本再入荷、サッサイア2017が4800本、そしてサッサイア2016“スペシャル エディション”も1080本入荷です!こちらのスペシャルエディション、2016年が収量にも恵まれた年だったという事もあり、オータがアンジョリーノに

「これだけ量があるんだから、ひと樽だけ俺の好きなタイミングでボトリングさせてよ。俺が昨今のサッサイアに感じているフラストレーションは、樽での熟成期間の短さが起因していると思っているんだ。」

とお願いしまして、通常のサッサイアよりも1年近く長く樽熟成させたものになります。酸化防止剤も一切添加していませんが、通常のサッサイアと比べると還元的要素もなく、開けたてからミネラル感バリバリ、とても澄んだ味わいの危険な飲み心地のワインです。この結果にご満悦のアンジョリーノ、大樽を更に買い足し、一部のサッサイアとピーコに対して長い樽熟成を施すことにしたようです!アンジョリーノ次男アレッサンドロは、「ヒサトは、あの老人(アンジョリーノ)を説得できる唯一の人だよ…。」と言っておりました(笑)。

スペシャルエディションのみ限定ワインとさせていただきます。ですが、大量入荷のマシエリ&サッサイア2017も一瞬で終わってしまう可能性大ですので、くれぐれもお気を付けくださいね。

【サン バルトロ】
またしても新しい造り手のワインが届きました!特筆すべき点を列挙しますと…

その1:生産地はシチリア島北にあるエオーリエ諸島の1つ、リーパリ島!

その2:リーパリと言えば、マルヴァジーアで造る甘口ワイン、マルヴァジーア デッレ リーパリが有名ですが、今回入荷したワインはマルヴァジーアを辛口に仕上げたもの!!

その3:パオロ ヴォドピーヴェッツ完全監修(?)!!!この造り手のウェッブサイトには、「全ては、私が生まれ育った土地のことを誰よりも深く理解し、その圧倒的な経験に基づく教え、助言を私にもたらしてくれた、世界的にも有名なナチュラルワインの造り手、カルソのパオロ ヴォドピーヴェッツのおかげである。彼なくしては、このプロジェクトの実現は不可能だっただろう。」とまで書いてあります。さらにそのウェッブサイトのトップページには、

“人の手(人為)は、脚色、修正するためではなく、(自然に、自然のリズムに)従うものでなければならない…” パオロ ヴォドピーヴェッツ

と、まるで過去の偉人の発言かのように、パオロの至言格言が紹介されています(笑)。

これだけでも俄然興味が湧きませんか??


ダニーロ コンティはリーパリ島出身、島の大きな通りに彼のお祖母さんの名前がつくほどの名士の一家の出。リーパリでサン バルトロという(エオーリエ諸島の守護聖人の名前です)酒屋兼食材店を経営し、エオーリエ諸島のレストランへのワインの卸売りも仕事にしています。そんな仕事をする中で徐々にナチュラルワインに魅了されるようになり、度々ヴァカンスで島に訪れていたパオロとの親交を深めていきます。

観光地としての知名度が高まる一方で、2000年以上の歴史があるエオーリエ諸島でのブドウ栽培は、その作業効率の悪さなどから栽培放棄が進んでいきます。そんな状況を見かねたダニーロ、自らリーパリのテロワールを表現したワインを造ることを決意、2010年にもともと火山の噴火口だった区画に土着品種であるマルヴァジーアとコリント ネーロを植えます。

今回入荷のイーゾラ ビアンカ2016がワイナリーとしてオフィシャルにリリースした初めてのワインとなります。パオロとの検討を重ねた結果、マルヴァジーア独特のアロマと火山性土壌由来ミネラル感、そして島由来の塩気との調和を取るためにはマセレーションはすべきでないと判断、圧搾したモストを楕円形のセメントタンクで醗酵&熟成を行うことに。温度管理、濾過清澄を行わず、ボトリング前にごく少量の酸化防止剤を添加するのみ。生産量約1100本のうち、約2/3ほどが日本に入荷です!

大半が日本に来てしまったがために、地元のダニーロの友人達でも1本も分けてもらえなかった人が続出、僕はすでに島内で悪名高い存在だそう…(笑)。ダニーロが売ってくれたのなら、全生産量を買っても何ら問題ないと、初めて飲んだ時に確信できたほどにファーストヴィンテージから異彩を放つワインです。皆さんも驚いちゃってください。

文:太田久人
208 210 nuovo18.11.09

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