toggle
2020-08-07

ヴィナイオータ かわら版 ~小沼編 その弐~

小沼の”飲んでもらいたい”ワイン紹介!!

ペッティロッソ2016(Fonterenza)

いつもお世話になっております。まだまだ拭い去れないコロナ禍、みなさまいかがお過ごしでしょうか。美味しいワインとバレーボールをこよなく愛する小沼です。

この一年ほどの間に、良くも悪くも「こんなはずじゃなかった」という言葉を、過去にこんなにたくさん耳にすることはなかったなぁ…と思う今日この頃。日々夢中に慌ただしく過ぎ去っていった、それ以前の普段の生活の「普通」が幸せだったのかな…と思い返す場面もあり、また、好転的なニュアンスで触れる機会もあり、そしてそれは、コロナに限らず、突然やってくるものだなと。

一日は24時間と平等ですが、今、その時を逃してしまったら、もうそのチャンスは訪れないかもしれません。今日はあっても、明日には命がないかもしれません。それで終わらせて良いのか…。

私は、小学生から始めたバレーボールをきっかけに、恩師をはじめたくさんの方々に出会い、今に至ってもなお、そこからの自分の人生が繋がっていることにご縁を感じています。高校時代にはその周囲の方々の支えのもと無我夢中に専念させていただき、春高バレーでは準優勝&ベストリベロ賞をいただけたりしましたが、スポーツに限らず、ある程度の結果を残すためには近道は無く、365日それと真剣に向き合って、それ相応の努力と周囲の協力が必要だけれども、それを信じて進んで行けば、結果はおのずと必ずついてくるものだと感じています。

数年前に、ビーチバレーのジャパンレディースという大会に出場させていただける機会があり、ペアを組もうと声を掛けてくれた当時のパートナーが教えてくれた“チャンスの神様には前髪しかない”という言葉。この言葉を教えてもらわなかったら、私はこのヴィナイオータに入社していなかったかもしれません。今、どうしようか迷っているのであれば、直感を信じて行動すべき瞬間があるはず。自分がこの世に生きている限られた時間の中で、そこで何ができるか、どう生きたいか、何をしなければならないか、死ぬ瞬間がきたら、自分の命を燃焼して納得して死ねる人生だったと思えるか…。そう考えると、私はまだまだ死ねません、ぜんっっぜん、全く(我ながら、すごくしぶとそう…)。

何かを伝えたい想いとか守りたい想いとか生命力とか、命があるって凄いことだなって、つくづく思いますし、このヴィナイオータを取り巻く造り手から、遥々海を越えて届くワインにも、力強い生命力を感じるものばかりです。また、様々な角度からご興味をもっていただけるきっかけが何であっても、オールオッケーだと思いますし、実際にそうやって集まってきた弊社スタッフ一同。わたくしも今回は、「あれ?これは何だか似ているかも!?」が、きっかけで気になっていた、あの「双子姉妹」のワインをご紹介したいと思います。

「双子姉妹」といえば、こちらの姉妹か、「西堀ツインズ」の二択になるのは必至!(えっ!?ご存じない!?) 今回はもちろん西堀ツインズ!!…ではなく、ミラノ出身のフランチェスカとマルゲリータのパドヴァーニ姉妹が織りなすキュートなワイン。フォンテレンツァのペッティロッソ(2016年)をご紹介します。

「フォンテレンツァ」の始まりは、田舎での暮らしに魅力を感じていたマルゲリータが彼女たちの両親がモンタルチーノに別荘として購入した家のあるフォンテレンツァに1997年に移り住み、まずはオリーヴの栽培とオイルの生産を始めます。2年後の1999年にフランチェスカも合流し、モンタルチーノにブドウを植えたことから、ワイナリーとしての活動がスタートします。当時まだ二十代で全く経験の無い状態だった彼女たちの道標となったのは、レ ボンチエのジョヴァンナの存在。同じ女性の生産者としてジャンヌダルク的な存在感漂う彼女の醸造学に納得し、恐らく、憧れも抱いたのだのではないでしょうか。

私はどうもこの、「双子姉妹」「1999年」というキーワードには、バレーボールネタでビビビッときてしまい、心のままに精一杯走り続ける両双子姉妹を重ねてしまいます。(※ちなみに“西堀ツインズ”とは、同年に春高バレー・インターハイ・国体の高校三冠を達成し話題となった、今もそれぞれの道で走り続けるパワフル美人双子アスリート姉妹のことです)

彼女たちといえば、味わい深いブルネッロやバランス感抜群のロッソを手掛ける造り手であります。(造り手のWEBサイト http://www.fonterenza.it や、ヴィナイオッティマーナ来日時の造り手紹介 https://vinaiota.com/event/?p=128 も是非ご覧になってみてください。)

このペッティロッソは、彼女たちの畑の樹齢の若いサンジョヴェーゼと、ブルネッロのゾーン外に借りている畑のサンジョヴェーゼを混醸し造られています。

2010年までは2週間のマセレーションと醗酵、木樽での熟成を行い、ロッソの弟分的な仕込み方法でしたが、翌年の2011年からは、ロッソとの差を明確にするためにマセレーションを5日間と極めて短くし、ステンレスタンクで醗酵熟成、8か月後に彼女たちの志も一緒にボトリング。より早い段階から楽しめ、皆さんにたくさん飲んでいただくために造られており、ザクザクな飲み心地に仕上がっています。

開栓直後は、フレッシュな香りと、まるで、1回戦に挑む緊張感で溢れるような初々しい硬さがありますが、徐々に落ち着きを取り戻しながらも信念は曲げず、エネルギッシュな果実味とタンニンを持ち合わせています。この味わいで、主婦にもやさしくお値段は軽やかに、濃いめの味のお肉料理に合わせてもとても美味しいです。元気いっぱいの強い生命力を感じながらも、しっぽりと一人飲みでもきちんと応えてくれる、飽きの来ないデイリーワイン。数年後にはまた、落ち着きのある佇まいを予感させる楽しいワインですので、ぜひ一度、はつらつとした彼女たちの生命力を感じ取ってみてください。

≪小沼の飲んでもらいたいワイン紹介≫
銘柄:Pettirosso 2016 / ペッティロッソ2016
造り手:Fonterenza / フォンテレンツァ
地域:伊 トスカーナ州
ブドウ:サンジョヴェーゼ 100% I.G.T
希望小売価格(税抜) :2,900円

関連記事