【新入荷】2023年11月その2(Possa, Camillo Donati, De Fermo, Mlecnik)
ご報告がギリギリになってしまいましたが、大人の本気の学芸会、ヴィナイオッティマーナやっちゃいます!
2011年、震災に心を痛めた造り手たちは、義捐ワイン(詳しくはこちらを!●https://vinaiota.com/blog/otablog/12236?fbclid=IwAR23s74xUfmZTQ2tdQK-R5fX8mEUD4FVvtTK9sgflbnknw0s6fWAPNWSAu0)という形で彼らの良心を表明してくれました。当時、ことあるごとに言っていた「ワインは人」というオータの言葉を、彼らは彼らの好意であっさりと証明してくれたわけです。そんな造り手たちを皆さんに紹介したい、そしてついでにオータの40の誕生日も祝ってもらっちゃおう的なノリで生まれたのが、ヴィナイオッティマーナでした。
2014&15年にvol.2、2017年にvol.3と開催していく中で、来日する造り手、飲食店&酒販店さんなど関係者各位、そして来場くださるお客さんの数も増えていき、渦が大きくなっているのを感じつつも、大きな会場、沢山の造り手がいる状況下でできることに限界も感じていました。多くの造り手に一挙来日してもらって、都心部で大きな会場を借りてイベントを開催すれば、多くの方に参加していただけますし、その群衆の中で生まれるうねりにはゾクゾクするものがあり、それはそれでステキなところもあるのですが、コスト的にもマンパワー的にも“エコ”からは程遠く…。そして、イベントが大規模であればあるほど、それぞれの造り手の人となり、思想、そしてワインのことを知ってもらいたいという本来の目的からは離れて行ってしまう…。
加えて、肝心のヴィナイオータのスタッフが、本社業務を回すために留守番をしていたり、会場にいたとしても会の運営に駆けずり回っていて、造り手と交流を深めるタイミングがほとんどないことにもオータなりに心苦しさを感じていました。造り手のことを他者に伝えなければいけない立場なのに、彼らを知る機会を持てないという本末転倒な状況を打破する方法をvol.3を終えたころからぼんやりと考え始めていたのだと思います。
そしてvol.3から5年経った2022年終わりから2023年3月、「会いたい人に会いに行く」という、人として極々自然な欲求を満たすことが憚られた時代に溜め込んだフラストレーションを一気に発散するべく企画したのが、ヴィナイオッティマーナvol.4でした。
参加表明をしてくれた造り手たち(42軒!)を8グループに分けて、それぞれのグループに異なるタイミングで来日してもらい、ヴィナイオータが運営するだだ商店だだ食堂でイベントを開催したわけですが、4回目にしてようやく穏やかだけど濃密な、そして造り手と来場者のみならず運営サイドも楽しめる時間と空間が実現できたような気がしています。
現段階では、vol.4の運営方法が最良の形だと考えているのですが、オッティマーナに味を占めてしまった(笑)造り手は総じて次回も参加したい!と言ってくれていまして…。仮に今まで通り3~5年ごとに開催したとすると、沢山の造り手からの参加表明が目に見えているし、vol.4のように短期間に8グループを招くなどという狂気の沙汰じみたことは、例の時代に対する怒りに燃えていたあの時だからこそ可能だったわけで…。
そんな様々な状況を加味してオータが出した結論は…、“ほぼ毎年ヴィナイオッティマーナをやっちゃおう!”でした!というわけで、vol.5を2024年1月下旬から2月上旬に開催します!今回は、vol.4に参加できなかった造り手が参加!詳細は追ってご報告させていただきますね。
vol.5でさえ企画段階なのに、もうすでにvol.6の日程の検討と、来日造り手のスカウティングが始まっているという噂も…。こちらも楽しみにしていてください!!
それでは新入荷案内11月その2でっす!
【ポッサ】
チンクエテッレの希望の星ポッサからは、6ワインをリリースします!詳細は下記の通りです。
●ビアンコ フリッザンテ プリンチペ ヤコポ2022(L1/2023):ハイディの愛息ヤコポの名を冠した微発泡…なはずなのですが、2022は微々ビビ微々ビビ微発泡です…(汗)。もうスティルだと思っちゃってください!普通に美味しいです!!もしかしたら、来年の夏過ぎくらいに発泡しちゃったりして…。
●ウ ジャンク2022(L1/2023):もともとの名前“エル ジャンク”も、今回の“ウ ジャンク”もチンクエテッレの方言で、英語でいうところの“the white (wine)”を意味する言葉。どうやらチンクエテッレには集落ごとに更に細分化された方言があるようで、ポッサのあるリオマッジョーレ弁では“ウ ジャンク”が正しいと分かり、改名したそう(笑)。
樽からであれ、ボトルからであれ、オータがこれまでに試飲した2022年ヴィンテージのワインに共通して言えるのが、香りの華やかさと外向的な味わい。既着のところでいうと、ラーチノのジラモンド、未着のものだとマッサヴェッキアのアリエント、サングイネートのビアンコ&ロザート、ヴィトルキアーノ修道院のコエノビウムなど、“もう美味しい、凄く美味しい”ワインが多いヴィンテージです!このワインもそのひとつと言えるかと!
●チンクエテッレ2020&チンクエテッレ アンフォラ2020:2019が終売間近という事で、2020をリリースします。2019に続き、2020もノーマルタイプとアンフォラで熟成させたものがあります。ステンレスタンクで約5日の醸し醗酵の後に圧搾(←ここまでは全く同じもの!)し、ノーマルタイプはオークとアカシア製の樽に、アンフォラはテラコッタの壷に入れて熟成させたものになります。
●ロゼダムール2022(L1/2023):ごく少量しか生産されなかった2021を買い逃しまして、2022が入荷しました。ボナミーコ&モスカートロッソで造るキュートなロゼワイン。
●シャッケトラ2014:2013が終売間近(残り6本!)なので、2014をリリースします!飲み比べてみたのですが、2013の方がより蜜っぽさと熟成感のある蠱惑的なワインなのに対し、2014は鋭い酸があるおかげで甘さが穏やかな印象。単体ないしナッツ程度をつまみながら2013を、ドライフルーツが入った焼き菓子などに2014を合わせてみたら面白いかも?
■ボトル画像はこちらから →https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=90
【カミッロ ドナーティ】
Mr.フリッザンテ、カミッロ ドナーティからは、2022ヴィンテージの白3種ロゼ&赤1種類ずつが入荷です!どれもしっかりシュワシュワしてますが、特筆すべきはランブルスコ。シュワシュワのキレッキレです!60本だけ在庫の残っているふんわりした2021と飲み比べていただけると、その歴然たる違いにお気付きいただけるかと!
もうひとつトピック的なネタが1つ。マルヴァジーア ローザなのですが、今回届いた2022ヴィンテージは、今までのマルヴァジーアローザとは全く違うものになります。今までのものは、マルヴァジーア(白)に黒ブドウをほんの少し混ぜて造ったロゼ フリッザンテなのですが、今回届いたのは正真正銘の“マルヴァジーア ローザ”(品種名)によるもの。
カミッロによると、突然変異して果皮が赤みを帯びたマルヴァジーアが、ピアチェンツァのとある造り手のマルヴァジーアの区画で見つかったそう。数あるマルヴァジーアの亜種の中でも、もっとも歴史的に新しいのがこのローザ。その存在を知ったカミッロ、これこそ自分が探し求めていた品種だぁ!と喜び勇んでこの品種を扱う苗業者を調べたところ、1軒だけが作っていることが分かります。取引のない業者だったので、どうかなぁと思いつつ植えてみまして、初めてそれなりの収穫があったのが2022だったのですが、まだ植えてから数年しか経っていないのにすでにたくさんの樹(苗)が枯れてしまっている…。調べてみると、ウィルスに感染していることが分かり、結局全部抜く羽目に…(涙)。というわけで、2022が最初で最後のマルヴァジーア ローザ(品種名)で造るマルヴァジーア ローザ(ワイン名)になりまして、2023以降はこれまで通り、マルヴァジーアに赤品種を混醸したものに戻るようです!気のせいかもしれませんが、今までのものよりもアロマティックさが少ない気がします。
■ボトル画像はこちらから →https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=117
【デ フェルモ】
アブルッツォのキラキラ家族デ フェルモからは、カジュアルなワイン2種と、オリーヴオイル、そしてパスタ3種が届きました。
デ フェルモのワインに関して、お恥ずかしいご報告が…。非常に今更ではあるのですが、どうやら“コンクレーテ”(イタリア語的発音)ではなく、“コンクリート”(英語)が正しい読み方だと発覚しました…。なぜコンクリート?なぜなら、コンクリートタンクで熟成させるから(笑)。そんなこんなで今回届いた商品ですが下記の通りとなります。
●コンクリート ビアンコ2022:ペコリーノ50%、シャルドネ40%にマルヴァジーア&トレッビアーノ10%というセパージュ。ダイレクトプレスしたブドウをコンクリートタンクで醗酵&熟成。甘やかな香りがありつつも品のある仕上がりは、造り手の人となりに似たのかも?かなり使い勝手と思われるワインですし、ヴィナイオータが慢性的白ワイン不足という事もあるので、瞬殺しちゃう気が…。お気を付けください!
●コンクリート ロザート2022:ブドウは、当然のことながらモンテプルチャーノ。やや早摘みをしたブドウを除梗しバスケットプレスで圧搾、果皮を1時間ほどモストに漬け込んだ後にモストだけの状態にしてセメントタンクで醗酵&熟成。当主ステーファノとしても、同じロゼワインのレ チンチェとの明確な差が生まれるかが、醸造テーマだったわけですが、レ チンチェは凛としたエレガント&キレイ系なのに対し、コンクリート ロザートは香りも味わいも元気溌剌なキュート系と、しっかりとキャラの違いが創出できている気がします!
パスタは、ヴィトーニ(大き目のネジ状ショートパスタ)、トルティリオーニ、そして茹で時間13分のスパゲッティが届きました。これで、茹で時間の違うスパゲッティ2種を扱うことになりましたので、絶賛販売中の茹で時間18分の方をスパゲットーニ、13分のものをスパゲッティと呼ぶことにしました。
改めて、リガトーニとトルティリオーニの違いを調べてみたのですが、パスタの形状自体は一緒だけど、リガトーニは溝が縦に入っているのに対し、トルティリオーニはやや螺旋を描いているとの事…。イタリア人、マニアックすぎるぞ…。
オイルは、ドリッタ ディ ロレート アプルティーノという、デ フェルモのワイナリーがある村の名前が付いた土着品種のもの。香りは穏やか、辛さもほどほどのオイルです!そして、オッティマーナvol.5に来日予定でっす!
■ボトル画像はこちらから →https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=132
【ムレチニック】
スロヴェニアのヴァルテル ムレチニックからは、2017ヴィンテージの白3種が入荷です。2015ヴィンテージ以降のムレチニックの白は、誰しもが認めざるを得ない美しさと高貴なオーラを纏ったワインな気がします。明るい印象のあった2015、2016と比べると、2017はやや内向的ではありますが、閉じているというほどでもなく…。イメージとしては、アルカイックスマイルをたたえた麗人…。逆に分かりにくいでしょうか(笑)?
今飲むのでしたらシャルドネ、少し待ってソーヴィニオナス、さらにしばらく待ってレブーラといった順序が理想かと!
■ボトル画像はこちらから →https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=152
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
【新入荷】オータのアツアツ新入荷・2024年9月その1(Camillo Donati,Il Moralizzatore,Gravner,Stefano Berti,Cascina Roccalini,Trinchero,Pierpaolo Pecorari,Cristiano Guttarolo,Natalino del Prete) 【新入荷】2024年8月その2(Camillo Donati,Maison Maurice Cretaz,Monte Maletto) 【新入荷】2024年5月その1(Camillo Donati) 【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】 【新入荷】2023年12月その3(Bressan, Francesco Brezza, Camillo Donati, Trinchero)