【新入荷】2018年1月 その1 (Casa dei Tajarin、Domeine des Miroirs、Ezio Cerruti)
昨年は皆様には大変お世話になりました。オータ個人としては非常に考えさせられることの多い年でした(いつもという噂も…)。昨年得た反省点や学びを必ずや本年へと反映させ、昨日よりはマシなオータになれるよう精進していく所存ですので、どうか見限らないでくださいね(笑)。
ヴィナイオータも今年でなんと創業20年!!!!なんの根拠も実力もないにも関わらず、「業界変えてやるぜ」的な生意気な発言ばかりしていた(創業当時)20代だったオータも、いまや齢50が見えてきた正真正銘のオッサン…歳ばかりとりましたが、発言の内容そのものはあまり変わっていないようです(笑)。20周年企画的なモノはまだ何も考えていないのですが、“伝える”機会さえ与えていただけるのでしたらば、基本どこにでも伺おうかと考えております!皆様からの企画書、要望書お待ちしております!!
それでは2018年1月の新入荷ワイン案内行きます!!
オッティマーナに来日した造り手のワインを優先し入庫を進めたため、港で足止めを食らい、紹介すべき時期を逃しちゃった感のあるワインがピエモンテのMr.モスカートことエツィオ チェッルーティから2つ届いています!!ひとつ目は、フォル2016のSO2完全無添加ヴァージョン!干さないブドウで造る辛口モスカートで、サッサイア級の飲み心地を持ち合わせています。フォル(Fol)はピエモンテの方言で「馬鹿げたこと」、「酔狂」を指し、「モスカート=甘口ワイン」という世間の認識に逆らう自分自身の行為に対して向けられた言葉でもあり、兄貴分ソル(Sol)と掛けた感じにもなっています…。
そしてふたつ目はリ-フォル(Ri-Fol)2016!!完全に辛口に仕上がったワインに醗酵中のソルのモストを加えた後にボトリング、瓶内2次醗酵を促したワインになります。RiはRifermentato(再醗酵=瓶内二次醗酵)を意味しています。2015に比べると若干揮発酸があるせいか、よりシャープな印象があります。こちらも危険な飲み心地のワインです。どちらのワインも大量に入荷しておりますのでガンガン使ってくださいね!!そしてどうか兄貴分ソルのこともお忘れなく!09、今メチャクチャ美味しいですよ!
このフォルというワインにまつわる逸話ですが、前回入荷時の文章に詳しく書いてありますので是非ともご再読のほどを。
前回エツィオを訪問した際、今回入荷の2016年ヴィンテージのフォルを試飲しながら、「オータさああああん!オータさんが何年も前から俺に提言していた、ないし予言していたブドウを一切売らずに全て自家醸造するって話、もうちょっとで辿り着けそうな気がするよ!!」とエツィオ…ほんと嬉しい限りです!
オッティマーナ大阪にも緊急参戦し、常に人だかりに囲まれていたフランスはジュラの鏡健二郎&真由美夫妻のワイナリー、ドメーヌ デ ミロワールの新しいワインも届きました!鏡氏は3年前のオッティマーナにも参加してくれたのですが、その時に比べるとうちの造り手たちの間でも彼に対する注目度が格段に上がりましたし、いち造り手として最大限の敬意が払われていて、多くの造り手が彼のことをもはや同志、仲間とみなしているのを感じ、鏡氏もそうだと思うのですが僕まで嬉しくなっちゃいました。
初ヴィンテージである2011年を除き、いわゆる“例年並み”ないし“平均的な”収量に全く届かない年が6年連続で続いてしまっていまして、中でも2017年は遅霜で大半のブドウを失うこととなってしまいました。そんな中、今回入荷分のワインから鏡氏的にも苦渋の決断を迫られることになりました。そのことに関する鏡氏からの説明と届いたワインに関してのコメントを以下に転載します。
“Domaine des Miroirs の鏡です。
お読み頂いている皆さんの中にはもうご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、今年の春、私たちのジュラにおいても遅霜による甚大な霜害がおきました。ジュラでの今年のような多大な霜害は1991年以来なかったと聞いています。
もちろんジュラの中でも畑の立地条件や品種等、様々な要素に応じて被害の出方が変わってきています。4月19,20,21日の3日間気温が落ちる予報となっていたため、3日間深夜から早朝にかけて畑の中で焚火などをし極力霜害を防ごうと試みましたが、残念ながら私たちの畑においても早朝の霜の影響で当初下記のような被害を受けました。
シャルドネ:95%
サヴァニャン:65%
プールサール:70%
トゥルソー:70%
その後シャルドネやサヴァニャンには多少の回復がありましたがこのような数字はどの生産者にも厳しいものです。2011年からドメーヌを始めている私たちには、それを補えるほどのストックは当然なく今後の資金繰りなどを踏まえると、より一層厳しいものとなりました。私たちだけでなく、仲間のジュラ、またその他の生産者もそれぞれの問題を抱えたと思います。
そしてDomaine des Miroirs として今回私たちの方向性を考えたときに、あらためてワイン造りを始める際に記した私たちの信念と共にワイン造りに携わっていくということに至りました。(過去の記事を参照願います)
このことにより今回から2017ヴィンテージの出荷が終わるまで、私たちのカーヴから出荷される全てのワインにおいて15%の値上げをすることにし、日本のみならずフランス、またその他の国々で私たちのワインを扱って頂いている方たちにも同様のお願いを致しました。パーセンテージついては2017年のみを極端に値上げするのではなく、17年の出荷まで平均して出荷値を上げ、極端な上下動を防ぐためとしました。もちろん今後も同じような気候が続くのであれば、出荷値調整で現在のワイン造りを続けていくことはできませんが、現時点では先述のように私たちとそのワインの接し方を継続するための決断です。
この事により信頼関係を第一に以前より仕事している私たちの取引先、そして消費者の皆様には負担をかけてしまいますが、透明性ある関係をもって今後とも仕事に取り組んでいきますので、この手紙をご理解頂き、今後ともDomaine des Miroirs を応援して頂けたら幸いです。
今回出荷しましたワインに関して…
いつものことなのですが、私個人としてはもし私のところにストックしておく場所及び資金力があれば、出荷を極力遅くしたいと常日頃から思っています。出荷しておきながらいうのも変な話ですが、私たちのワインは瓶詰3年後には、大体のワインは気難しさや控えめな性格も少なくなり、彼ら本来の表情を見せてくれると思っています。
お手数おかけしますが、そんな彼らの成長した姿をじーっと待って頂けたら幸いです。余談ですが、2011年や2012年は近頃随分と素敵になっています。もちろんまだまだこの先も随分美味しくなると思います。
そして赤ワインに関してですが、今回出荷した中にプールサールと少量のトゥルソーがあります。私たちの赤は年にもよりますが今回の2014年も、品種や地方がらパワフルなワインではないと思います。ただ熟成に関してはパワフルか否かは関係ないと思いますので、白ワインと同様熟成にも問題ないと思います。
そして今回一番お伝えしたいのは抜栓後、軽いなぁ~と思われても口の中でワインのほんのり甘味(もちろん残糖はないのですが感覚として)を感じるまで待って頂ければと思います。時にすぐ、2・3時間後、半日後など変化するかもしれませんがその旨味を見つけて頂けたら嬉しいです。皆さんそれぞれ楽しみ方はあると思いますが、白も赤も抜栓後の変化(白に関しては若ければ3,4日かけても)も楽しめるとワインだと思います。
あまり先入観を与えたくはないのですが、造れる本数が少ないためご参考まで…。”
というわけで、弊社としましても約15%の値上げを余儀なくされております。相も変わらず入荷本数も少なく、お分けすることができないお客様も多数出てしまう事が予想されます。そのあたりも予めご理解、ご了承いただきますようよろしくお願いいたします。
ピエモンテのマウロ ムッソからは新作パスタを含む4種類のパスタが届いています!!あれだけ細かく調理方法を書いてくる割に、オッティマーナ会場では本人まあまあ適当だったという噂が…(笑)。今回入荷した商品ですが以下の通りとなります。
Maccheroni di Frumento (小麦のマッケローニ)
原材料:セナトーレ ディ カッペッリ種とカムット種の全粒粉、水
お勧めの食べ方:あらゆるソース
Casarecce Trio Integralista (3種の全粒小麦のカザレッチェ)
原材料:カムット種、エンマー小麦(ファッロ ディコッコ)、ライ麦(マエストラ種)の全粒セモリナ粉、水
お勧めの食べ方:バジリコを初めとするアロマティックなハーブのペースト、クルミなどのナッツ類のペースト、キノコをベースにしたソース、フレッシュではない中程度の熟成を施した辛くないチーズ全般を使ったソース(アオカビ系のチーズの場合は、繊細な味わいのもので、量的にも控えめに)
Lasagnette di Frumento (小麦のラザニェッテ(フェットチーネ?))
原材料:セナトーレ ディ カッペッリ種とカムット種の全粒粉、水
お勧めの食べ方:あらゆるソース
お値段は決してお財布に優しいわけではありませんが、消化器官には非常に優しくなっております(笑)。
Tajarin Stravaganti nel Prato Estivo (ハーブ入りタヤリン)
原材料:ライ麦(マエストラ種)の小麦粉と粗挽き粉、スペルト小麦の粗挽き粉、卵、アルテア(ウスベニタチアオイ)、フマーリア(カラクサケマン)、カルドン、エストラゴン、レモンバーム、ゴーツルー(フレンチライラック)、トケイソウ、セイボリーの乾燥葉
お勧めの食べ方:エクストラ ヴァージン オリーブオイルもしくはバターと(バターの際はお好みでクルミやヘーゼルナッツを砕いたものを少々…)、白身のリッチな味わいの魚で作ったラグーなど
そしてこちらは新入荷ではないのですが、ロットないしヴィンテージ変更や価格改定をするワインをいくつかご紹介させていただきます。
オッティマーナ来日生産者の中で最年長だったエミーリオが奥さんマリーザと営むワイナリー、ボルガッタのドルチェット2011のステンレス熟成Ver.が終売しましたので、木樽熟成Ver.をリリースします。感動屋さんのエミーリオ、イタリアでは体験したことのないようなことが旅の最中に度々起きたようで、感動&感激しまくっていました!!次回訪問時には目に涙を浮かべながら色々お話してくれるのかと(笑)。
心優しき怒れる熊、フルヴィオ ブレッサンのワイナリーを代表する赤ワインにして、イソンツォという土地を代表する土着品種であるスキオペッティーノの2009年が終売しましたので2010をリリースします!少し硬さのあった09と比べると、すでに絶妙なまろみがあって、香りもとてもキュート。ザクザクいけちゃうワインです!他のワイン共々よろしくお願いします!!あ、モスカートローザで造るロゼ(製法的には赤?)、ローザンティーコ2012も残り100本ほどとなりましたのでお買い逃しなきよう!!
チンクエテッレの希望の星、ハイディ ボナニーニのワイナリー、ポッサがカナイオーロ&ボナミーコで造る赤、ウ ネイグルの2013が終売しましたので、2014をリリースします!2013よりも軽やかです!
リリースされるワインのいずれもが普通に高レベル過ぎて、各ワインへの注目度が低くなってしまうという皮肉な現象が起きてしまっている気がしてならないトリンケーロですが、新ヴィンテージのワインが1つ、そして価格改定のワインが1つあります。1930年代に植えられたバルベーラの区画、バルスリーナの2010年が終売しましたので2011をリリースします。
バルスリーナを含むいくつかのワインに関して原産地呼称の申請をしなくなったエツィオ、「(ブドウ畑を意味する)ヴィーニャって言葉をワイン名の中に盛り込む場合、DOCないしDOCGじゃないといけないっていうしょうもない法律がイタリアにはあるんだわ。つまり、ヴィーニャ デル ノーチェはその名前を使い続ける限りDOCGじゃなくちゃいけなくて、だから醸造方法も若干保守的にならざるを得ない…。ノーチェの場合、ブドウをプレスした段階のでSO2の添加がそれに当たるんだけど、バルスリーナはもうDOCGでも何でもないから、俺の好きなように仕込めるわけ。俺はこの2011年のバルスリーナみたいなワインがめっちゃ好きなんだわ。DOCGの官能検査は通らないワインなんだろうけど(笑)。」との事。カーゼコリーニのワインに比べると、ソリッドなタンニンを感じることが多かったトリンケーロのワインですが、このバルスリーナは2011年というヴィンテージのせいもあるのか、恐ろしく滑らかな質感のワインでトリンケーロの新境地を感じさせるものとなっております!従来の彼のワイン同様、熟成のポテンシャルはほぼ無尽蔵な気がしますが、年を追うごとにリリース時から圧倒的な飲み心地を備えてきている感のあるトリンケーロのワイン、もっともっと飲まれて良い気がしています(特にロッソ デル ノーチェⅡ…圧倒的なコスパな気がするのですが…)!
そしてヴィーニャ デル ノーチェ2008ですが、希望小売価格を2/1から5,200円から5,800円へと改定させていただきます。今後はワイナリーの方針として、新ヴィンテージがリリースされた際に旧ヴィンテージの価格を少しずつ上げていくつもりのようです。まあ蔵で10年近く寝かされているワインがこの価格なら、高い!だなんてとても言えませんが…。なんにせよ、リリース直後にお買い求めいただければ、より割安になるという事だけお見知りおきいただければと思います…。
文:太田久人
183 184 186 nouvo18.1.15
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