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2024-02-13

【新入荷】2024年2月その2(Barranco Oscuro,Bodega Cauzon,)

【バランコ オスクーロ】まずはバランコ オスクーロ!今回は、去年リリースされたワインを全て買うことができまして、なんと20アイテム同時リリースとなります!もはや、スペインのカンティーナ ジャルディーノですね(笑)。

去年の10月に初訪問してきたのですが、その環境たるやイメージしていた通りでもあり、同時にオータの想像以上のエクストリームさを持ち合わせた場所でした。地中海由来の気候と、高い標高に由来する日中と夜間の寒暖差、そして北側に控えるシエラネバダ山脈…。フィロキセラが大発生する前までは、シェリーを酒精強化する際に使用するアルコール用のブドウの一大生産地域だったそうなのですが、フィロキセラ蔓延後はブドウ栽培を諦め、アーモンドなど別の作物が主な産物になっているようです。ブドウ栽培(ワイン醸造)の歴史自体は長くとも、晩年(?)はアルコール用にブドウを栽培してきたという歴史的背景から、銘醸地的な認識をされることなく、結果として原産地呼称のない地域になってしまったわけですが、バランコ オスクーロの初代当主マヌエル(無茶苦茶キュートで知的なおじさんでした!)は、その潜在性を信じブドウを植え始めます。一旦ブドウ栽培の伝統が途絶えてしまった土地という事もあり、その場所に適合する品種の選定、選抜なども必須と考えたマヌエルは、大学の研究所とも協力し、スペインの土着品種にとどまらず、フランスの品種なども数多く植えます。それらを、基本単一品種で醸造するため、結果としてワインの種類も多くなり…。現当主の息子ロレンツォに言わせると、マヌエルの趣味は「後先のことを一切考えず、新しいブドウ品種を植えること」だそう(笑)。最近ではゲヴュルツトラミネールを植えて、その樹もボチボチ生産態勢に入ってきたという噂も…。

今回入ってきたワインですが、下記の通りとなります。アイテム数が多いこともあり、入荷本数が少ないアイテムがいくつかございます。申し訳ございませんが、入荷本数の記載があるアイテムは限定アイテムとさせていただきます。

ラ トラヴィエサ ブルブハス2022:“いたずらな泡”を意味する、土着品種であるヴィヒリエガで造る白の微発泡性ワイン。アルコール醗酵が完全に終わる前にボトリングし、6-9か月間シュールリーの状態で熟成させ、デゴルジュマン後に出荷。揮発酸も還元具合もまあまあな、今回入荷した中ではファンキー警報的にぶっちぎりのNo.1がこのワイン。落ち着くまでには1年以上かかるかもしれません…。

エンサヨ デ ブルブハス2017レゼルヴァ2012:自社ブドウのヴィヒリエガで造る、“泡の実験”という名のワイン。通常のタイミングで収穫したヴィヒリエガを醗酵させ切ったものをベースのワインとし、そこに初冬まで収穫せずにおいたヴィヒリエガの遅摘みブドウのモストを加えてボトリングし(酵母無添加)、瓶内2次醗酵を促します。通常キュヴェ(今回の2017)は最低36か月間シュールリーの状態で醗酵&熟成、レゼルヴァ(2012)は約10年間澱と共に熟成させたものになります。レゼルヴァ2012は240本入荷です。

ラ トラヴィエサ ブランコ2022:買いブドウのヴィヒリエガで造る白のスティルワイン…なはずなのですが、少々発泡してます(笑)。ですが、ブルブハスよりは格段に安定してます!このトラヴィエサ シリーズは、買いブドウとはいえ自社ブドウと同等のテンション(糖分)を持ち合わせていることと、ボトリングのタイミングが早いことに起因して、しばしばボトリング後に発泡してしまうそう。240本入荷です。

レドネーロ2021:ガルナッチャ ブランカ100%。Ledonerは、カタルーニャ語でガルナッチャ ブランカを指す言葉。こざっぱりとした非常に潔いワイン。108本入荷です。

カルドノアイ2021:Cardo no hayは、“お出汁はない”という意味。Cとaの間にhを入れてno hayの部分を少々いじると、Chardonnay(シャルドネ)…(笑)。清く正しいシャルドネ!120本入荷です。

リング リング2021:リースリングです!やや還元気味ですので、開くまでの間は他の白をお楽しみください!120本入荷です。

ラ ヴィ イ ソネ2020:“彼女を見て、そして(彼女の)夢を見た”という名の、ヴィオニエで造るワイン。2021ヴィンテージが、現段階では誤解しか生まないほどの揮発酸があるようで販売を延期、ロレンツォの奥さんルイーザが担当するスペイン国内流通分から、去年も届いた2020ヴィンテージを分けてもらいました。“一日の長”ならぬ“一年の長”は、若い酸化防止剤無添加のワインにどれだけ好影響を与えるか…。そんなことを是非体感してみてください!

ラ トラヴィエサ ロザード2021:買いブドウのガルナッチャで造るロゼワイン。ザックザクな飲み心地です!

ヴィーノ コスタ2021:まんま訳すと“海岸ワイン”。海沿いの地域では、当然のことながら海産物に恵まれるわけで、それらを使って作る料理に抽出の強い赤ではなく、ロゼくらいがちょうどいい…。白品種も赤品種も混醸していた伝統に則ったロゼワインがこのヴィーノ コスタです。ラベルも、レトロ調なテイストとなっています。赤はテンプラニーリョ、ガルナッチャ、白はモスカートを筆頭に本当にいろいろな品種が使用されているそう。白品種由来の溌剌とした酸が売りのワインです。

サルモニード2021:ピノ ノワールで造るロゼワイン。恐らくですが、赤ワイン(ピノ ロホ)に仕立てるのには、2021ヴィンテージは何かが足りないと判断し、ロゼに仕込んだのかと。人当たりが良く、キュート。彼女(このワイン)を嫌いに生れる人はそういないと思います…。120本入荷です。

シルナッチャ2021:シラーとガルナッチャで造るロゼワイン。糖分の上がり易いガルナッチャが入っているので、ふくよかな仕上がりに。240本入荷です。

ラ トラヴィエサ ティント フリッザンテ2020:ガルナッチャ&テンプラニーリョ。今回訪問して分かったのですが、フリッザンテに仕立てたというよりは、勝手にフリッザンテになっちゃって、やや売り困ってしまったワイン(笑)。アルコール度数15%弱のフリッザンテだなんて、ステキじゃないですか!彼らを助けるべく、たっくさん買ってしまったので、たっくさん飲んでください!

ラ トラヴィエサ ティント2021:テンプラニーリョ100%。気づくか気付かないかレベルで存在する揮発酸が、ステキな飲み心地を演出してくれています!2021が終わり次第、一緒に届いた2022ヴィンテージをリリースする予定です!

ヴァレチュオ2021:野暮ったさとは無縁のテンプラニーリョ100%のワイン。

ルバイヤート2021:強さとフィネスが高次元で融合したシラーで造るワイン。

ガルナータ2021:ガルナッチャ100%。アルコール度数は16%あるのですが、そんなことを微塵も感じさせない軽さが…。108本入荷です。

1368パゴ セロ ラス モンハス20122013セロ ラス モンハス2014:2012と2013ヴィンテージと、2014がセパージュ的にも大きく変わるという事で、名前は少々、ラベルは大幅に変更しました。このワインを造り始めた当初は、マヌエルが1981年に植えた石がゴロゴロした区画(標高1368m)のブドウだけを使用していたのですが、1990年代にワイナリー近くに植えた区画(直線距離にして、石ゴロゴロの区画とは3-400メートル離れている程度で、標高も1368mを少し下回るくらい…)のブドウも使うように。その時から、ガルナッチャ、シラー、カベルネ ソーヴィニョン&フラン、メルロー、テンプラニーリョを別々に醸造し、それらを同割合でブレンドした後に樽熟成し、ボトリングすることにしたのですが、2014から石ゴロゴロの区画のブドウだけを使用し、全てのブドウを混醸するようにします(収穫時期の遅いカベルネなどは、醗酵中のモストに後からぶち込むそう!)。石ゴロゴロの区画は、非常に瘦せた土地という事もあり、どんなに作柄に恵まれても収量は1ha当たり1トンにも満たないのに対し、ワイナリー近くの区画は石と粘土が半々くらいの土壌で、石ゴロゴロの3-4倍の収量が見込めるそう(それでもかなり少ないのですが…)。収量が勝手にやたらと少なくなるという事は、凝縮感もテンションも勝手にとんでもないことになるという事を意味しますし、糖分の上がり易いガルナッチャの割合が高くなったこともそれに追い打ちをかけ…。

ちなみにですが、2012年のアルコール度数は15.5%、2013は16.5%(!)、そして2014年は・・・・・・・・・・・・・・17.5%あるんです!もはやカーゼ コリーニのブリッコ2003級(17.8%…)ですよ!しかーし!!ビックリするほど飲み進んでしまうんです!価格的にも、2014はグッとお高くなりましたが、一度飲んでいただければご納得いただけるはずです。2012年が272本、2013年は332本、2014年が228本それぞれ入荷です。

現当主のロレンツォと奥さんルイーザが、ヴィナイオッティマーナ2024のピリオド1に参加予定です!

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=160

 

 

【ボデガ カウゾン】

バランコオスクーロとはシエラネバダ山脈を挟んで反対側にワイナリーを構えるボデガ カウゾンからも6ワインが到着です!

当主のラモンですが、ほんとに気の良いおっちゃん的佇まいの人物。畑を取り巻く環境も直線距離で40kmほどしか離れていないバランコ オスクーロとも全然違いました。海洋性気候のバランコ オスクーロに対し、大陸性気候のカウゾン。夏と冬の最高/最低気温は45℃とマイナス10℃と50℃以上の差があるそう。夏場の日中はヒトにとってもブドウ樹にとっても過酷な暑さがあるのですが、高い標高に由来して昼夜に激しい寒暖差があるため、ただ甘いだけではなくしっかりと酸の乗ったブドウが…。使っていた木樽がバクテリアに汚染されてしまったと考えすべて廃棄してしまったので、今現在は全てのワインにステンレスタンクでの醗酵&熟成を採用しています。

今回入荷したワインですが、カウゾン ロザード2022(ガルナッチャとピノ ノワールで造るロゼ)、カウゾン ティント2022(テンプラニーリョ)、モズエロ ティント2022(ガルナッチャ)、ドゥエンデ ティント2022(シラー)、ロザノ ティント2022(メルロー)、イラデイ ティント2022(ガルナッチャ、カベルネ ソーヴィニョン、メルロー)になります。どのワインも酸化防止剤完全無添加ですが、何のエクスキューズも必要ない状態です!

バランコ オスクーロのマヌエルをワイン造りと師と慕うラモンですが、弟子の方が師匠よりも端正で落ち着きのあるワインを造るというのが、オータ的にはとても可笑しかったりします…。

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=161

 

 

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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