【新入荷】2012年7月その2(Panevino、La Collina、PaoloBea、Cantina Giardino、La Calabretta)
パオロ ベアから久々の入荷です!!
02以降本当に素敵なワインとなったサンタ キアーラですが、今回入荷の07はヴィンテージの力も加わり、最高傑作と言って良いワインに仕上がっています。濃いのに飲み進む、非常に危険なワインです!
シャルドネやソーヴィニョンなどを使用し、造り手のウィットや感性に重心が置かれているサンタ キアーラに対してアルボレウスは、品種的にも醸造方法的にも伝統に対するオマージュとでも呼べるワインなのではないでしょうか。栽培されることの少なくなってきているトレッビアーノ スポレティーノを使用。収穫後、大部分のブドウは直ぐに赤ワイン的に(皮や種ごと、約1ヵ月)醸造されるのですが、一部のブドウはパッシート用のサグランティーノと一緒に3ヶ月ほど陰干しされます。翌年の1月(つまり収穫から3ヶ月後)に陰干していたブドウを除梗し、すでに圧搾を終え液体だけとなっていたワインへと加え、再度アルコール醗酵を促します。ここでの醸しの期間に関してはヴィンテージによるとのことですが、何ヶ月にも及ぶこともあるとの事。こうして出来上がったワインは酒躯のしっかりしたものとなり、熟成のポテンシャルも備えることになる…こういった手法がこの辺りでの白ワイン造りには伝統的に採用されていたそうです。今回入荷の08は、過去の04、06を軽く凌駕する出来だと思います!!
サンタキアーラ、アルボレウスとも、醗酵&熟成にはステンレスタンクのみを使用しています。
これまた長らく欠品しておりましたロッソ ディ モンテファルコも入荷しています。
04は、やや目立ちすぎる揮発酸があり少し気難しい子でしたが、05は非常に完成度も高く、価格も2割ほどお安くなっております!!
カンパーニアはカンティーナ ジャルディーノから、アダムとヴォルペ ローザを除く全ラインナップが入ってきました!!ヴィナイオッティマーナ用に少量入荷したガイア(フィアーノ種)、パスキ(コーダ ディ ヴォルペ)にアンフォラで仕込まれる白、ソフィア(フィアーノ、グレーコ、コーダ ディ ヴォルペ)と同じくアンフォラで仕込まれる赤、クラウン エノローグ(アリアーニコ)の最新ヴィンテージは、現地在庫をすべて頂いてきました!ですが、どのワインも生産本数が極めて少ないので120-300本程度の入荷となります。タララ08(グレーコ)、ドロゴーネ06(アリアーニコ)、ヌーデ05(アリアーニコ)は現地にまだ在庫がありましたので再入荷させてみました。
どのワインもリリース当初よりも凄味が増していると思います。特に赤2種に関しては、木の雰囲気もようやく後ろにまわり、より余韻も長く、ミネラリーになったと思います。
お値段もかなーりお下げすることができましたのでこちらの方も是非!!
レ フォーレ09(アリアーニコ)の完成度も只者ではありませんよ!
狙ってではないのですが、トレンティーノのロンガリーヴァからは薄オレンジ色のピノ グリージョ、グラミネが季節的にもバッチリなタイミングで届きました!!
シチリアのラ カラブレッタからは、白のカリカンテ、奥さんの為に造り始めたというロザート、そして前回は瞬殺してしまいました、IGTSicilia03マグナムの現地全在庫150本をかっさらって来ました!!
ラ コッリーナからはランブルスコ イル クアレージモ(前回いきなりラベル変わっててビックリしました…)が再入荷です!味わいも屈託がないというか、まったくもって難しいところのないワインですが、お値段もさらにカジュアルな感じになりました(価格の話ばかりですみません…)!!
そして!!!!!!!農民で、パン職人でもあり、発言が常に哲学者然(それともただの変人?)していて、自分のアイデアや彼の目から見た年の個性をワインに封じ込めることこそワイン造りだとのたまう、魂のアーティスト醸造家、ジャンフランコ マンカのパーネヴィーノからもワインが届いていますが、今回は白2種類のみの入荷となります。2010年の赤はといいますと…ボトリングを一切行わず、量り売りとバッグ イン ボックスに詰めてまさに二束三文で販売してしまったのです…。
なぜなのか?ジャンフランコからのメールにはこう書かれていました。
差出人:ジャンフランコ マンカ
件名:パーネ ポーコ ヴィーノ
宛先:太田 久人 2012-06-10
おう、兄弟!どうよ調子は?スーパー暴飲ツアーの疲れは取れたかい?
2010ヴィンテージに関して、残念なお知らせをしないと。
知っての通り2010年は、絵を描くようにワインを醸す…ということを実現させる上で、原料となる絵の具(ブドウ)にベト病の影響があまりにも強く反映された年だった。 俺たちは恐らく、その年の絵を具現化するうえで、自然から賜った、全体の30%くらいあったベトの影響を受け、と同時に恐ろしく凝縮したブドウの解釈の仕方を間違っちゃったのだと思う。 俺たちが絵に表現(表出)してもらいたいと思っていたものが、出来上がりに表現されていないという事実からすると恐らく、そういった状況を引き起こした(畑での)出来事の解釈(対処)そのものも間違っていたのかもしれない。そもそもベト病って何??なぜベト病なのか??… その後の、醸造期間中の、特に重要な段階で起こったいくつかの出来事が、思い描いていた絵から俺たちをさらに遠ざけることになったというのも間違いないし、(なにかしらの対処をするために、)本当ならそれに気付くべきだったんだよね…。 そんなわけで、熟考し、冷静な判断力を取り戻す、いや少なくともそれを捜し求めるためにいったん立ち止まる…つまり2010年の赤をボトリングしないことにしたんだ。
2011年のワインを待つ間、わずかばかりのアルヴァスが俺たちに付き合ってくれるよ。 ともかく固いハグと、Panevino(パーネヴィーノ=パンワイン)ならぬPanepocovino(パーネ ポーコ ヴィーノ、パーネちょっとワイン)とPace平和(これは沢山ね)を!!!
との事ですので、2010年のワインとしてはアルヴァスのみが300本入荷しております。
醸造方法は前年と特に変わった点はなく、セパージュ的に、若干レタッラーダが少ないそうです。もう1種類の白ですが、なんと微発泡のワインです!!彼自身、実験的には造ってきていた(そして自家消費…)そうなのですが、今回初めて商品としてリリースさせます!!
数年前から借りている知人の畑がありまして、そこにあるブドウはというと、ヴェルメンティーノ、ヴェルナッチャのような土着品種だけにとどまらず、バルベーラ、モンテプルチャーノ、チリエジョーロ、トレッビアーノ等など…。なんでわざわざサルデーニャに??的なブドウがある畑なのですが、周りを木々に囲まれ、非常に静かな場所であることが気に入り、借りることにしたそうです。ちなみに僕たちはこの畑のことをItalia(イターリア)と呼んでいます。
常々、気軽でちょっと愉快なワインを造りたいと考えていたジャンフランコ、トレッビアーノの酸と熟しても糖分が上がりすぎないことに着目します。一部のトレッビアーノを収穫せず樹上に残しておき、ヴェルメンティーノ、ヴェルナッチャと残りのトレッビアーノを収穫、普通に醸造を行います。アルコール醗酵が完全に終わった段階で、ワインを若干目の細かいフィルターに通します。そのタイミングで樹上に生らせて置いたトレッビアーノを収穫&圧搾し、モストを醗酵の終わっているワインに添加し、すぐにボトリング。そして自然な瓶内2次醗酵を促したものが今回入荷しましたビッルケになります!Billukedasaが、サルデーニャ語で泡を指し、Billuke’と言うと、ちょっと幼稚な表現になるらしいので、日本語に訳すなら“シュワシュワ”ってところでしょうか??
文:太田久人
76 nuovo12.07.09