ヴィナイオータかわら版 ~ 石橋編 ~
スタッフの “ 飲んでもらいたい ” ワイン紹介!!
石橋(本社勤務)編
2014ヴィンテージのワイン!
画像左から
1)Harusame 2014 (ハルサメ/アルベルト・アングイッソラ)
2)Barbera Frizzante 2014(バルベーラ フリッザンテ/カミッロ ドナーティ
3)Ponte di Toi 2014(ポンテ ディ/トイ ステーファノ レニャーニ)
4)Nanni 2014(ナンニ/ダニエーレ ポルティナーリ)
5)Il Secondo 2014(イル セコンド / パーチナ)
6)Nona’ 2014(ノナ/ステーファノ ベルティ)
7)Rosso di Montepulciano 2014(ロッソ ディ モンテプルチャーノ/サングイネート)
※ロッソ ディ モンテプルチャーノ2014の弊社在庫は完売しました(2018/5/30)
8)5 – 2014(チンクエ/レ ボンチエ)
9)Rosso di Montalcino 2014(ロッソ ディ モンタルチーノ/サンタ マリーア)
入社4年目の石橋です。
入社当初は直営店のda Dadaで1年半弱ホールを担当し、2016年5月からはヴィナイオータ本社で倉庫と事務所を行ったり来たりしております。
なかなか直接お目にかかる機会が少ないのですが、太田と岸本以外の顔も覚えてもらえるよう頑張っていきたいです!!
お目にかかることがありましたら、そのときは何卒宜しくお願い致します。
da Dada店長加藤曰く、「理論派の石橋、感覚派の加藤」ということで、、ご案内の内容が少々理屈っぽくそして長くなってしまいましたが、どうか最後までお付き合いいただけますと幸いです。
2014ヴィンテージのワインについて
例えば友人や同僚で、第一印象では悪いイメージだったけど、時間をかけて付き合ってみると悪いイメージはただの誤解だったり良い部分の裏返しだっただけで、人となりを知ったいまはとても仲が良い、という人はいないでしょうか?
これをワインに置き換えると、味わいが開いていないワインを飲んで「うーん・・・」と思ったタイミングが第一印象。そのワインが熟成して味わいが開いたときに飲んで「!!」となったタイミングが理解が深まって仲が良くなった、ということになると思います。
友人や同僚であれば、付き合いの中で相手の印象は変化していくでしょうが、ことワインだと、第一印象が良くなかったワインを再び時間をおいて飲む、という機会はとても少ないのではないでしょうか。(≒誤解のまま終わってしまう可能性が高い)
味わいが開いていない、という原因に関してはそのワインの置かれた状況(ブドウの生育~醗酵、ボトリングのタイミング、熟成期間、その他造り手の事情…)によって様々ですが、今回はヴィナイオータ的“2014年問題”にテーマを絞ってお届けしたいと思います。
ご存知の方も多くいらっしゃることと思いますが、2014年は、シチリア、サルデーニャの島を除くほぼ全土で太陽に恵まれず、場所によっては雹害にもあったりと近年では類を見ない大変厳しいヴィンテージでした。
太田を介した、ヴィンテージの厳しさを物語る造り手からの伝聞や、到着したワインを飲んだ際の味わいの閉じ加減に私も第一印象は「これは厳しい。。どうやって伝えていけば良いか。。。」と思ったワインも少なからずありました。
しかし、そんなワイン達も収穫から3年半以上の時間を経て、変貌を遂げてきています。
特に2014年は、届きたては味わいが閉じていたものが多かったので、「厳しいヴィンテージ=骨格が小さい代わりに香りに寄る。比較的早くから味わいが開く→厳しいヴィンテージなのに香りも素っ気ないし、味わいも開いていない、ボリューム感もない=ポテンシャルが感じられない」と捉えていた当時の自分に対し、1年、2年経って香りや味わいが徐々に開いてくることによって、厳しいヴィンテージをひとくくりに捉えるということは間違いだ、ということを示してくれました。余談ですが、ラ カステッラーダのニーコは厳しいヴィンテージだった2008年のワインに対し、かつては“○ソみたいな年”と語っていたそうですが、熟成を経たワインを飲んで認識を改めたそうです。
幸か不幸か、2014年のワインは在庫している期間が長いものが多く、同じヴィンテージのワインを期間をあけて飲む機会に恵まれたこともあり、ひとつのワインの変遷を見守るという体験ができました。その中で一番強く感じたのが、そのヴィンテージの出来映えを図る際、凝縮感や複雑さ、骨格などに焦点をあててしまうあまり“飲み心地”という観点が置いてけぼりになっていることがないか?ということです。
理想的な天候に恵まれたいわゆる“尊大な”要素の詰まったワインは、“飲み頃はいつ?”“何かを感じ取らないと”など、どうしても飲むときに身構えてしまうことがあると思います。それに対し、難解さはないけれども、スルっと身体に入ってきて気がつけばボトルが一本空になっているような、背筋を伸ばさずに楽しめる飲み心地の良さが備わっ(てき)たものが2014年のワインには多い気がしています。(これって人も同じでないでしょうか?自分を高めてくれるけど、ストイックすぎてずっと一緒にいると息が詰まってしまうような人もいれば、難しいことを考えないで肩肘張らずリラックスできるような人もいるという・・・)
大変長くなってしまいましたが、そんな2014年のワイン、是非一度飲んで、熟成による変化を感じていただければとても嬉しいです。
<<石橋の飲んでもらいたいワイン>>
2014ヴィンテージのワイン
1)ハルサメ2014 (微発泡・ロゼ)
造り手:アルベルト アングイッソラ
産地:エミーリア ロマーニャ州 品種:ピノ ネーロ
希望小売価格3,400円
澱が触れた(シュール リー)状態でワインを休ませたいけど、経営的にリリースせざるを得ない・・そこでアルベルトが思いついたのが、澱ごとボトリングして皆さんの手元で休ませる、という苦肉の策。。。澱のニュアンスが完全に落ち着くのはまだ先でしょうが、そんなときはレッツ「セルフ デゴルジュマン」♪
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2)バルベーラ フリッザンテ2014 (微発泡・赤)
造り手:カミッロ ドナーティ
産地:エミーリア ロマーニャ州 品種:バルベーラ
希望小売価格2,700円
ランブルスコ2016やオヴィーディオ2015など、発泡に悩まされているイメージのある近年のカミッロのワイン(特に赤)ですが、バルベーラ2014はきちんと発泡しています!ご安心ください(笑)。彼のように培養酵母を添加しないで造るフリッザンテがうまく発泡しない原因のひとつが、近年の気候の変化(温暖化により酷暑の年が増えている)による糖度の上がりすぎなのですが、太陽に恵まれなかった2014年は、それがプラスに作用したのか(それでもアルコール度数14%!)、細かい泡がワインに溶け込んでいます。
3)ポンテ ディ トイ2014(白)
造り手:ステーファノ レニャーニ
産地:リグーリア州 品種:ヴェルメンティーノ
希望小売価格3,200円
ステンレスタンクにて5日間の皮や種ごと醗酵、圧搾後ステンレスタンクにて熟成。届きたてはとにかく還元が強かったのですが、ほとんどとれてきています!香りにも未熟な果実の青さではなく、ハーブ感のある青み、そしていわゆる“ヴェルメンティーノっぽさ”が出てきているように感じます。リリース前の2015年と飲み比べましたが、現時点での飲み心地は断然2014年です!
4)ナンニ2014 (赤)
造り手:ダニエーレ ポルティナーリ
産地:ヴェネト州 品種:タイ ロッソ、メルロー、カベルネ ソーヴィニョン
希望小売価格2,200円
“ナンニ”はダニエーレの長男ジョヴァンニの愛称(ちなみにピエトロビアンコのピエトロは次男の名前)。7~15日のマセレーション(果皮浸漬)を行った後、ステンレスタンクに移され数週間置き澱引きをして、使い古しの樫のバリック(225リットル)で瓶詰めまでの期間を過ごしてから瓶詰め。例年はメルロー、カベルネ ソーヴィニョンのブレンドですが、裏ラベルに「Tai Rosso」の表記があったので、あれ?と思い問い合わせたところ、2014年だけタイ ロッソが入っているそうです。。(ワインリスト修正しました。大変申し訳ありません) 第一印象は”薄くて酸っぱい・・”だったのですが、、、ここにきて味わいも香りも開いてきており、特に香りにもの凄く雰囲気が出てきました!味わいが出たことで酸味との調和もとれてきており、スルスルザクザクです!!これからの季節は少し冷やし目にしても面白いと思います。
5)イル セコンド2014 (赤)
造り手:パーチナ
産地:トスカーナ州 品種:サンジョヴェーゼ、カナイオーロ、チリエジォーロ
希望小売価格2,500円
上級クラス用のブドウを除いたブドウと樹齢が若めのブドウを収穫。セメントタンクにてアルコール醗酵とマロラクティック醗酵を行い、その後12か月間セメントタンクにて熟成。スタッフ間でよく話題になるのが“ブレッサン臭”に代表される、ひとくちでその人のものとわかる造り手ごとの香り。“パーチナ臭” (臭と書くといやな香りととられてしまうかもしれませんが、パーチナの場合、なんというか旨味を髣髴とさせる香りです。他にラディコン臭、トリンケーロ臭など・・)もその中の代表格なのですが、2014年のイル セコンドを初めて飲んだときにその“パーチナ臭”を感じ取ることがほとんどできなかったのを覚えています。しかも毎年エキスに富んだワインを届けてくれる彼らのワインとは思えないほどの儚さも同時に感じました。しかし、とあるお客様から昨秋ごろ「イル セコンド最近いいよ!」ということを教えていただき飲んでみたところ、“パーチナ臭”が出ていてホッとすると同時に、「信じた造り手のワインを疑ってはいけないな」と猛省しました。例年の彼らのワインほどの凝縮感はありませんが、その代わり軽やかさが飲み心地に一役買っているような気がしています。
6)ノナ2014 (赤)
造り手:ステーファノ ベルティ
産地:エミーリア ロマーニャ州 品種:サンジョヴェーゼ
希望小売価格2,700円
「Non ha ノナ」はイタリア語で「(彼または彼女は)持っていない」という意味。彼のワインには基本二酸化硫黄が使われているため、唯一「二酸化硫黄を持っていない」ワインとしてノナNona’(ノナという読み方からの当て字)と名付けました。樹齢が若めのサンジョヴェーゼを収穫、ステンレスタンクにて皮や種ごと7日間の醗酵、圧搾後ステンレスタンクに戻して5か月間熟成。醸造中も瓶詰め前も二酸化硫黄を一切使用せずボトリング。アタックが強いステーファノの他のキュヴェと比べると優しい口当たり。今回ご紹介した中では一番“強さ”を感じるワインです。
7)ロッソ ディ モンテプルチャーノ2014 (赤)
※ロッソ ディ モンテプルチャーノ2014の弊社在庫は完売しました(2018/5/30)
造り手:サングイネート
産地:トスカーナ州 品種:サンジョヴェーゼ、マンモロ、カナイオーロ ネーロ
希望小売価格2,800円
彼女たちのワイナリーでは全てのブドウが一旦上級クラスであるヴィーノ ノービレ用に仕込まれ、熟成用に樽に移し替える時にヴィーノ ノービレとして完成度が足りないものをロッソにデクラッセさせています。セメントタンクにて醗酵を行い、ヴィーノノービレは大樽、ロッソはセメントタンクにて熟成。2014年はブドウの生産量が例年の4から5割程度だった上に大半がロッソになりました。香りも味わいも落ち着いていて、なんというか、ヴィンテージを見ずに飲んだら厳しいヴィンテージだったとはわからないぐらい美味しいです(笑)。アルコール度数を調べると、2013年のノービレより高いことがわかりました。ドーラ恐るべし。。。
8)チンクエ2014 (赤)
造り手:レ ボンチエ
産地:トスカーナ州 品種:サンジョヴェーゼ、コロリーノ、フォーリア トンダ、マンモロ
希望小売価格3,300円
イタリアの成績表は10段階評価なのですが、6以上は合格、5以下は落第ということで「ギリギリでレ トラーメになれなかった」という意味を込めて、冗談交じりにチンクエ“5”と名付けられたワイン。レ トラーメのセカンドワインの位置付けで造られることになりました。レ トラーメの選別ではじかれたブドウと、樹齢が若めの樹から収穫されたブドウを木製の開放醗酵槽で約10日間ほど皮や種ごと醗酵後、樫の大樽にて8か月間ほど熟成。2014年のレ トラーメは極少量しか造られず、大半がチンクエとなりました。前VT2013の届きたてを飲んだときは、強さが前面に出ていてスムーズになるには時間がかかる印象を持っていたのですが、2014は届きたてから飲み心地抜群でボリュームも損なわれていない。厳しいヴィンテージであっても、いかに凝縮した果実を生らす水はけの良い環境を保っているかということを見せ付けられた想いがしました。
9)ロッソ ディ モンタルチーノ2014 (赤)
造り手:サンタ マリーア
産地:トスカーナ州 品種:サンジョヴェーゼ
希望小売価格4,500円
20~30日間のマセレーションとアルコール醗酵、樫の大樽にて18か月間熟成。このご案内を書くきっかけとなったワインです。サングイネートやレ ボンチエと同様に、サンタ マリーアでも実験用の一部をブルネッロとした他はすべてロッソに格下げしたそうです。例年ほどのボリュームこそ感じられないものの、届きたてから全開で香りにも艶っぽい雰囲気が漂っていて、自分の中の2014年に対するイメージを覆してくれました。2014年だけラベルが白っぽい(例年はもっと青みが強くライオンも金色)ので、「2014年という厳しいヴィンテージを反映したデザインなの?」と質問したところ、「errore di colore(色の間違い)」という答えが。勘繰りすぎでした(笑)。
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