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2019-04-25

【新入荷】2019年4月 その5(Colle Florido、Testalonga、Arianna Occhipinti)

新規取り扱い Colle Florido

プーリア州のナタリーノ デル プレーテとグッタローロ、シチリアはリーパリ島のサン バルトロ、そしてアブルッツォのデ フェルモと、2018年に新たに取引をすることに決めた造り手は奇しくも全て南でしたが、今回入荷しましたオオトリの5軒目もアブルッツォの造り手です!!

アンドレア&ダニエラ夫妻によって2016ヴィンテージから醸造を開始した、コッレ フローリドというワイナリーになります。アンドレアは元ソムリエで、キャリアの後半はハイシーズンの高級レストランを渡り歩く“流しのソムリエ”をしていました。常に引く手あまただったアンドレアが、お店から働いてもらえないかという依頼を受けた際に彼が提示した条件は、ナチュラルワインをオンリストすることでした。ラ ビアンカーラのアンジョリーノ、パーチナのステーファノ&ジョヴァンナ夫妻を筆頭に、多くの造り手たちから「イタリアで、もっともナチュラルワインへの造詣が深いソムリエ」と認識されていたのではないでしょうか。アブルッツォに移り住む前は、モンタルチーノに拠を置き、主にサンタ マリーアの手伝いをしながら、時々ソルデーラの手伝いもしていたようです。そんな時、パリに出稼ぎに行った際にパリの建築事務所で働くアブルッツォ出身のダニエラと知り合い、恋に落ち、子供を授かります。パリでの生活に疲れていたダニエラと農業という自然との関わりの深い仕事に就き、自身のワインを造りたいと考えていたアンドレアの思惑が一致し、アブルッツォに住むことを決めます。生産するワインは3種類で、以下の通りとなります。

イル ポスティーノ2017(白):トレッビアーノ100%。収穫後軽くプレスしたブドウを皮ごとの状態で一晩静置し、醗酵を促す。翌朝圧搾し取り出したモストを一部ステンレスタンクで、残りを木樽で醗酵、熟成。

ラ レーナ2017(ロゼ):モンテプルチャーノ100%。(早摘みではなく、)きっちり完熟させたブドウをプレスし、モストだけの状態にして一部ステンレスタンクで、残りを木樽で醗酵、熟成。

エルバ サラータ2017(赤):モンテプルチャーノ100%。手除梗したブドウをプレスせずに粒のまま、木製醗酵槽で醗酵を促す。リモンタージュの回数も極限まで少なくし、柔らかな抽出を心掛ける。約2週間の醗酵の後に圧搾、木樽で熟成。

全てのワインを、温度管理を行わずに醗酵、酸化防止剤はボトリング時に少量使用するのみで、一切の濾過、清澄作業も行わないのですが、どのワインも2ヴィンテージ目とは思えないほどに完成度が高く洗練された味わいです。

ワイン以外にもオリーブオイルトマト製品(アブルッツォはトマト製品で有名なのだそう!)も作っていまして、これがまた美味しいんです!今回はホールトマトと半量くらいまで煮詰めたトマトで作ったパッサータを入れてみました。こちらも是非!

イタリアの小さな町には、その町唯一のホテルにして、1階部分で町のサイズ感には見合わないくらいに多い席数のレストランも経営しているようなところがあったりしまして、火曜とか水曜日の夜に食事をすると、僕たち以外誰もお客さんがいないような場面に遭遇することがあります。お料理のせいかと言えば、普通に美味しいし、お店の人もいたって感じが良く、僕がワインの仕事をしているとか言おうものなら、地元のワインを1本プレゼントしてくれたり…。もちろん週末には、その町や近隣の住民が一族揃っての食事などをするために訪れ、昼夜賑わったりしているのだと思います。とはいえ、僕達のためだけに最低でもホールで1人、厨房で1人働いていているわけで…。そんな時は、やはり経営者目線で「こんな感じでやっていて、人件費、家賃などお店(ホテル含む)を維持経営するためのコストをちゃんと払えるのだろうか?」などと考えてしまうのですが、問題なくやってこれたからこそ、僕もそこで食事ができているわけで…。ではなぜやっていけるのかというと、ホテル兼レストランが代々一家で所有してきた物件で、家族経営だから…なわけです。ローンもないし、人件費もミニマムで抑えられるわけです。

テスタロンガのニーノも1951年から父親と一緒に畑で働き始め、5000リットル程度のワインと幾ばくかのオリーブオイルだけで問題なく生活してきたそう。ワインもオイルも常連のお客さんだけでさばき切れるので、ワインの行商ないし営業に出る必要もなく、その分畑で過ごすことに時間を費やせるわけですから、ブドウ樹への愛情もケアも十分に行き届き、それは当然のことながらワインのクオリティやテンションにも好影響を与えるわけで…。無理のない農業、無理のない生き方と無理のない飲み心地のワイン…。オータが無理をしなくなる日は、果たして訪れるのでしょうか…。

脱線しまくりですが、そんなテスタロンガからロッセーゼ20172018年ものの絶品オリーブオイルが届いております!

シチリアのアリアンナ オッキピンティからは、SP68ロッソ2017の最終在庫1400本と2018年産のオリーブオイルが届きました!SP68は瞬殺が予想されますので、くれぐれもお買い逃しなきよう!!フラッパートもシッカーニョもグロッテアルテもパッソネーロもよろしくお願いします!

文:太田久人
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(ブログ掲載時には完売しているアイテムもございます。予めご了承ください。)

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