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2023-04-13

【新入荷】2023年4月その2(Testalonga,Massa Vecchia,Aia Vecchia,Panevino)

一見シンプルなワインのようでいて、恐ろしいポテンシャルを秘めたワインを造る、リグーリア州のフランスとの国境にほど近い中世の町、ドルチェアックアの造り手テスタロンガからは、2021ヴィンテージが届きました。ビアンコ2021は2020ヴィンテージ同様に、マッサ ヴェッキアのヴェルメンティーノを彷彿とさせるパワフルさを持ち合わせたワインで、もうすでに香りも味わいもいい感じです!惜しむらくは生産量が少なかったことでしょうか・・・。

それに対して、ロッセーゼ2021は作柄にも恵まれ、久々にまとまった本数が届きました!今飲んでも十分すぎるほど美味しいですが、是非是非寝かせてみてください。ロッセーゼは、若い時分は可愛さ溢れるワインですが、大人になると妖艶な美しさを纏います。

オータが大好き過ぎるオイルですが、2年連続で収量ゼロだったそう・・・キツイ!

 

トスカーナのマッサ ヴェッキアアイア ヴェッキアからもワインが届きましたぁ!ですが・・・、どのワインも入荷本数があまりにも少なく、多くの方々をがっかりさせることになるのが容易に想像できてしまうだけに、非常に心苦しい気持ちになってしまいます・・・。2022年ヴィンテージは、久しぶりに収量にも恵まれたようですので、2年後にはこの状況も多少は改善するかと・・・。なんにせよ、自然相手のことですので、ご理解のほどよろしくお願いします!

今回入ってきたワインですが、下記の通りです。

アリエント2020:ヴェルメンティーノ100%、栗製の解放醗酵槽で皮ごとの醗酵の後、大樽で熟成。

ロザート2020:マルヴァジーア ネーラ80%、メルロー20%で造るロゼワイン。

ロッソ2020:数年前から借り始めた区画のサンジョヴェーゼで造る、かつてのベラーチェのような位置づけのワイン。

サンジョヴェーゼ2019:フォルナーチェの樹齢の若いサンジョヴェーゼで造るワイン。

ラ クエルチョーラ2019:ワイナリーの近くにある区画クエルチョーラのサンジョヴェーゼ(80%)&アリカンテ(20%)で造るワイン。

ポッジョ ア ヴェンティ2019:フォルナーチェのサンジョヴェーゼで造る、酷暑などエクストリームな気象イベントが多い昨今にあってマッサ ヴェッキアの最上級赤という位置づけのワイン。

アイア ヴェッキアからは、ピノ ネーロ2019とファーストヴィンテージ(!!!)の2015が届きました!2015は数年前に飲んだっきりですが、凄いオーラを持ったワインだったと記憶しております。

 

そしてパーネヴィーノからは、4種類のワインがまとまった本数で届いております!!しかーし!ぬか喜びなどしようものなら、しっかりしっぺ返しがあるのもパーネヴィーノのワイン&人生の常、ひとつだけなかなかにファンキーなものがありまして、それが一番たくさん届いちゃっているという・・・(汗)。詳細は下記の通りです。

アルヴァックス2021:ALVAS(アルヴァス)とINOX(イノックス=ステンレス)をくっつけて、ALVAX・・・。そしてVAXの部分には、無茶苦茶な事ばかり強いられた“あの時代”を揶揄する意味もあるのかと・・・。名前の話はともかくとして、7品種を使用し、醸し醗酵をしたワインであるという点はアルヴァスと一緒なのですが、木樽熟成をさせるアルヴァスとは異なり、醸し醗酵から熟成までの全ての過程をステンレスタンクで行ったのが今回のアルヴァックスになります。もう十分に美味しいですし、比較的安定していると思うのですが、夏を越えたあたりからエンジン全開になるかと!

アジネジナウ クラル2021:近隣農家にパーネヴィーノ同様の栽培方法(農薬の種類と散布の回数)を依頼、彼らから買い上げたブドウで造るワインがアジネジナウ。今回のクラル2021には、サンジョヴェーゼとカリニャーノを使用(カンノナウは、別のワインに使われているのかと・・・)。当初は普通に赤ワインにする予定だったのですが、サンジョヴェーゼという色の濃いブドウを使用しているのにもかかわらず、醸せども色素抽出が進まない状況を見て、ロゼへと方向転換したのがこのワイン。

クラルはサルデーニャ語で“明るい”、“淡い”を意味します。去年の9月に現地で飲んだ時には、何の問題もなかったですし、パーネヴィーノの食事との無限ループには危険なものがありました(特にオータが大好きなジャガイモの詰め物のラヴィオリですとか、ウナギを炭で焼いただけのものとは悶絶級でした!)・・・が、日本に届いたものを早速試飲してみると、トロトロトロ~ンとしているではありませんか・・・。YES,フィランテ(※)!でした・・・。それもかなり気合の入ったやつ・・・。

とはいえ、お味は普通にステキ(当然か・・・)ですし、デキャンタなどに移して無茶苦茶空気に触れさせるなり、抜栓し2日くらい放置していただければ、トロトロは取れます!このトロトロで怯んで買い控えてしまうと、あとで後悔するかもしれませんよ!

(※)亜硫酸などの活動を抑制する物質がない(もしくは極めて少ない)嫌気的環境下で、乳酸菌を始めとしたバクテリアが、ワイン中の残糖分(グルコース)をβグルカンという粘性物質に変換することで、ワインに粘性が出る現象。薄い葛湯のような、ぬめっとした舌触りなので、ギョッとする方もいらっしゃるかもしれませんが、ワインを空気に触れさせることで、粘性は取れます!

フェルメンティ オ フラッメンティ2020:ラベルにはFRAMMENTIの「RAM」の上に「ER」と表記されていまして、(詳細は下記リンクより画像をご確認ください!)、ヴィナイオータ公認(?)パーネヴィーノのマスコットキャラクター、マリッポ君も、おにぎり型の輪郭の中には大小&形が様々な図形が描かれています。ジャンフランコは、「さまざまなモノを一緒にすることで、個々が持つ特性を無効にしようとする、錬金術的表現」とまた訳分かんない事を書いてきました(笑)。フェルメンティは、このケースでは“複数の醗酵体(=ワイン)”、そしてフラッメンティは“複数の断片”を意味し、とどのつまり、樽に収まりきらなかった様々なワインを適当に混ぜて熟成させたワインという事になるのかと・・・。13%という、2020ヴィンテージのパーネヴィーノのワインとしては低いアルコール度数から鑑みるに、カリニャーノ、モニカの割合が高いのかもしれません。還元などはしていないのですが、少し待ってあげるだけで格段に面白くなる予感がするワインです。

ジロクアードロ2020:ジロトンドは「手をつなぎ輪になって歌いながら、ぐるぐる回る子供の遊戯」という意味の単語なのですが、もともとはジロ(回転)とトンド(丸い)という2つの単語を合体させてできた言葉。ジロという名前のブドウを使ったワインであることと、遊び心を大切にするジャンフランコの精神を体現したような名前を・・・と考えた時に思いついたのがジロトンドでした。で、今回はトンド(丸)ではなくクアードロ(四角)・・・。曰く、ジロトンドをカニュラーリのモスト/ワイン(醗酵途中のモスト?)で“補正した”ワインとの事・・・。

「無秩序(=自由)な表現を、完璧(合理的/理性的)なブドウで“補正する”ことで合理化/理性化しようとする事が、いかに無駄な試みかを、合理性や論理性を象徴する“四角”や“額縁”を意味するクアードロと、無秩序の象徴的存在ともいえる角や頂点のない円や渦(トンド)などで言葉遊びをすることで表現しようとした。」そうです・・・。本当にジャンフランコ語は難解ですよね・・・(笑)。つまりのところ、ジロトンドといった圧倒的な個性を備えたワインに、ほんの少し他のワイン/モストを入れたところで、その個性を押さえつけたり、消し去ることなどできない・・・という事が言いたいのかと。ではなんでカニュラーリのワイン/モストを入れたのかといえば・・・ジロトンドの入った樽を満たすためだったとオータは踏んでおります(笑)。

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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