【新入荷】2022年4月その3(Massa Vecchia,Domeine des Miroirs)と鏡氏から皆さんへ
皆様お待ちかねの造り手、マッサ ヴェッキア、アイア ヴェッキア、ドメーヌ デ ミロワールからもワインが届いています!各ワインの詳細は下記の通りです。
●アリエント2019:ヴェルメンティーノ100%。栗製の解放式醗酵槽で皮ごと醸し、圧搾後木樽で18か月熟成させたワイン。360本入荷。
●ヴィータ2019:マルヴァジーア100%のワインで、アリエント同様の醸造方法を採用。60本(!!!!!)のみの入荷となります…。
●ロザート2019:マルヴァジーア ネーラ80%、メルロー20%。除梗しプレスしたブドウに12時間のマセレーションを施した後に圧搾、木樽で醗酵させたロゼワイン。600本入荷。
●サンジョヴェーゼ2018:2018年は、多雨、嵐、雹に祟られた、マッサ ヴェッキアにとっては非常に厳しいヴィンテージ。このサンジョヴェーゼは、クエルチョーラでとれたサンジョヴェーゼとフォルナーチェ(ポッジョ ア ヴェンティに使われます)のものをブレンドしたワインになります。390本入荷。
●パッシート2017&2019 (L.0421):収穫後、約1か月天日干ししたアレアーティコで造る、“大人のネクター”とでも呼ぶべきワイン。今回入荷したのは、2017年ヴィンテージと2019ヴィンテージをブレンドしたものになります。
2017年のパッシートは、彼らの想定以上にアルコール醗酵が進んでしまい、(高アルコール度数で)甘みに欠けるものになったのか、それとももともとの干しブドウ自体が彼らが求める凝縮度にまで達しなかったのか、なんにせよ彼らからすると“厚みのない”ワインになってしまったのに対し、2019年はそれとは真逆に、やたらと濃ゆいワインとなってしまったそう。相反する強い個性を持った2つのワインをブレンドすることで、互いを補完し合えればと考えて生まれたのが、今回のパッシートになります。390本入荷。
●ピノ ネーロ2018:マッサ ヴェッキアが所有する区画、フォルナーチェから直線距離で数kmしか離れていないアイア ヴェッキアも悪天候に見舞われたようで、2017の1/3程度の収穫量となりました。標高650mのところに植えたピノ ネーロをカルソの石灰岩で作った解放式醗酵槽で醗酵、ダミジャーナ(大瓶)で熟成。300本入荷。
●アイ ニード ザ サン2015(L.15CH1M):ラディコンやヴォドピーヴェッツのような、皮ごと醗酵させた白ワインも、ヴィンテージが許せばやってみたいと考えていた鏡氏。初ヴィンテージの2011は、収穫時期に素晴らしい天候に恵まれ、醸し醗酵をするに値する健全で情報量の多い果皮を持ったブドウがとれたそうなのですが、初めての醸造という事もあり、区画ごとの特性をより深く理解するために全ての区画のブドウに同様の醸造方法を採用します。
以降、2012、2013、2014と天候に恵まれない年が続き、2015年にようやく2011年以降で初めて果皮に力のあるブドウを手にします。今回入荷のアイ ニード ザ サンは、2015ヴィンテージで最も収穫を遅らせたシャルドネを使用し、除梗し軽く潰したものを45日間醸したワインになります。酸も穏やかで、ボリューム豊かな、ある意味ジュラらしからぬワインとの事。
甘いわけではないのですが、食後にゆっくり楽しむのにも向いているのでは?というほどの濃さを持ち合わせている事と、生産量が少ないワイン(バリック2樽)をより多くの人に楽しんでいただきたいという思いもあり、500ml入りにボトリングすることにしたそうです。480本入荷。
●ソノリテ ドゥ ヴァン2012 Le voyage forme la Jeunesse (ル ヴォヤージュ フォルメ ラ ジュネス):表土が薄い(と鏡氏が踏んだ)区画のシャルドネで造るワイン。ボトルネックに“Le voyage forme la Jeunesse”と書かれた細長い透明のシールが貼ってあります。鏡氏が慕うジェラール シュレール翁が良く口にする言葉で、意味としては“旅が若者を鍛え上げる(日本で言うところの可愛い子には旅をさせろ?)”との事。
このソノリテ2012、ワインとしての成長が非常にゆっくりで、親である鏡氏はずっとハラハラドキドキ。結局、大樽での熟成は一切ウイヤージュ(補酒)を行うことなく丸4年、ボトリングしてからも5年以上寝かせてからリリースされることに…。ワインを造り始めてから2ヴィンテージ目のワインを、9年以上寝かせてからリリースさせるのがどれほど経済的に大変なことか…。おい、ソノリテ2012!親不孝にも程があるぞ!(笑)
軽い酸化熟成的ニュアンスを持ったワインで、抜栓直後は“とある酸”(鏡氏がそう表現していたのでそのまま書きます!)が目立つそうで、2~3日目以降にようやく本領を発揮するとの事。というわけですので、是非とも前日抜栓を励行くださいませ!
●ヤ ドー!(“ヤ トー!”?)2015:トゥルソーとプールサールのブレンド。酷暑の影響で2015年の収量は激減、トゥルソーとプールサールを単体で仕込めるほどの量がとれないと判断、混醸することに。同い年のオータとは違い、とても控えめな鏡氏。そんな彼がこのワインのことを「いわゆるグランヴァンが好きな人が飲んだとしても、美味しいって言ってくれるはず」とまで言っていました。“ヤ ドー!”も、これまたジェラール シュレールの口癖で、「あらら!」といった意味のびっくりした時に使う言葉。本来は、ややネガティブ目なびっくりの時に使うようなのですが、ジェラールへのオマージュ的意味合いと、「収穫量が少なすぎてびっくり」、「2つの品種を混ぜたことによる想像してなかった味わいにびっくり」、そして「凄い美味しくてびっくり」という思いから今回の命名に至ったそう。180本入荷。
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
今回の入荷とは全く関係ありませんが、この場を借りて鏡氏から皆さんへのお願いもお伝えしておきます。
中身にクオリティやテンションがあることが大前提だとは思うのですが、その生産量の少なさも相まって、近年ミロワールのワインは世界中でカルト的な人気を誇っています。剪定仕事に絶賛追われまくり中の鏡氏を些末な質問で邪魔しないよう、今回入荷した赤ワインの正式名称(インヴォイス上にはロット番号しか書かれていません)を調べるべくネット界をサーフしたところ、フランスの酒屋さんでは2000ユーロ以上の価格で売られているではありませんか!ぬあんと日本の正規インポーターが設定した上代の20倍の価格ですよ!!それもリリースされたばっかりのものですよ!!!もう狂っているとしか言いようがない状況です…。
ヴィナイオータが1万円強の価格を設定したという事は、鏡氏が弊社に1本数千円(=数十ユーロ)の値で出していることは明らか。ちょうどオータが設定した上代が100ユーロくらいに当たりますから、とどのつまりヴィナイオータとフランスの酒屋さんの間の価格差は1900ユーロという事に…。鏡氏が数千円しか手にしていないのに、フランスの酒屋での価格が26万円って…。この差額はどのようにして生まれるのでしょうか??
ミロワールのワインに限らずヴィナイオータのワインだと、バルトロ マスカレッロやカッペッラーノ、アッコマッソのような少量生産のクラシックバローロが日本近辺の諸外国のワイン愛好家に狙われているのを昨今ヒシヒシと感じています。アジア諸国よりもワイン文化が比較的早く根付いた日本は、当然のことながら各々の造り手との取引の歴史も長く、その結果それなりの割り当てをいただけているという状況に加え、正規インポーターが設定する上代が、世界の平均取引価格を大きく下回ることがあるため、諸外国の愛好家の注意を引いてしまったのだと思います。
ヴィナイオータないしオータとしても、自分たちが日本に輸入してきたワインのすべてが日本で消費されて欲しいと思っているわけではありません。ですが、造り手から可愛い子供たち(ワイン)を託された身としては、本当にそのワインのことを愛してくれている飲み手の元に嫁がせてあげたいと思っていますし、造り手以外の人たちが暴利を貪る世界に巻き込まれるのをできるだけ阻止したいとも考えています。転売が繰り返されたり、オークションに出展されるから、高騰は起こるはず。
というわけで、鏡氏そしてオータからも皆さんにお願いしたいのは「“できるだけ”顔の見えるお客様、ないし最終消費者だと確信できる方にミロワールのワインを売っていただけないでしょうか?」という、やや無理難題な事だったりします…。ですが、今後我々一人一人が阻止する方向で努力をしていかないと、僕たちが愛するワインがどんどんどんどん高嶺の花になってしまう可能性があると思うのはオータだけではないはず。若干乱暴な言い方にはなりますが、オークションサイトにミロワールのワインを出展する人はもちろんなのですが、それを購入する人も、本質的にはミロワールのファンとは言えないのかと…。魂がこもったワインを、株のように投機対象として扱うのは絶対に間違っています!
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