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2023-06-12

【新入荷】2023年5月その3(Radikon,Domeine des Miroirs)と鏡氏から皆さんへ

ラディコンからも色々届きました!新入荷としては、Sライン(スラトニック,シヴィ,エッレ エッセ)が2021ヴィンテージ、オスラーヴィエヤーコットリボッラ2018(各500ml&750ml)ヴィンテージ、そしてリボッラで造るリゼルヴァ的位置づけのワイン、リボッラ37812008ヴィンテージ(2008は1000mlのみ生産)、そしてそしてピニョーロで造るピニョーリ2011(各500ml&750ml)が届いておりまして、あとメルロー2007(各500ml&750ml)が再入荷しております。あとあと皆さんお待ちかねのラディコングラスも届いております!!!(数はそれほどでもありませんが…。弊社側の態勢が整い次第、大量入荷を敢行しますので、しばしお待ちを!)

品質的にも収量的にも素晴らしい年となった2018年のワインということもあり、雀の涙的な本数しか入ってこなかった2015、2016、2017と比べるとそれなりな本数が届いております(嬉涙)。とはいえ、相変わらず全てのお客様を満足させることなどできない本数なわけで…。去年にセラー訪問の際に飲んでいるはずなのですが、味わいの記憶がなく…。Sシリーズと、白3種に関しては再入荷の予定がございます!

 

そして、良い意味でも悪い意味でも話題になりすぎてしまっている感のある、ドメーヌ デ ミロワールからもワインが届きました。弊社取り扱い造り手の中ですと、バルトロ マスカレッロ、カッペッラーノ、カノーニカとミロワールのワインの市場価格の高騰ぶりがヤバいことになっています。それもこれも転売されるからなわけで…。一般消費者の方が自身で飲むために買っているだけなら、こういったことにはならないはずなのですが…。どういった方法が良いのか、慎重に検討しなければなりませんが、弊社としても対策を考えていかないといけないのかもしれません。ヒトの良心を疑う必要がある事を検討しなければいけないというのは、何とも辛いもので…。

ここで今回の入荷に合わせて届いた鏡氏からのワイン紹介文&メッセージです!

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ケ セラ セラ 2018

トゥルソー100%のキュヴェです。2018年は2011年以来で言いますと2015年と同じく酷暑と言われている年です。酸や軽さだけを求めたようなワイン造りでなく、完熟した葡萄を使ってワインを造りたい私たちにとっては、このような性格の年なので自ずと色調も濃くアルコール・タンニンも多めとなったため、瓶詰め後もカーヴで寝かしていましたが、諸々の事情から出荷の運びとなりました。

収穫から4年半経っていますが、未だにかなりしっかりとしています。このため、保管できる場所さえあれば是非ともあと5年は眺めて楽しんで頂けたらより良いかと思いますが、もしも飲まれる場合は、通常はあまりお勧めしないデカンタージュを、数時間前に静かに静かにされると良いかもしれません。また、前日に抜栓されるのも良いかと思います。

通常の「ジュラ」のイメージは横に置いておいて、2018年という年に想いを馳せて楽しんで頂ければ幸いです。もちろん熟成が進めばジュラのイメージがより膨らんできますので、より寝かせてジュラと年のイメージ、ぜひ両方お楽しみいただければ何よりかと思います。

アイ ニード ザ サン 2018

シャルドネ100%、そしてマセラシオンのワインになります。同様のキュヴェ名で出した2015年とは同じマセラシオンでも随分とスタイルが違います。この年は、通常の白ワイン(マセラシオンせずダイレクト・プレス)として醸造し始めましたが前述の通り酷暑の年でもあり様々な理由により、2年熟成してもアルコール発酵が終わりきらなかったため、2020年のシャルドネのダイレクト・プレス後の搾りかすをすぐに除梗し、2018年のこのワインに加え、2020年の葡萄の酵母を使い再発酵を促しました。その後、ドライになるまで約6か月漬け込み、その後フリーランのワインのみを引き抜き数か月落ち着かせてから瓶詰めとなりました。白ワインとはいえ、マセラシオンしていますので、赤ワインに近い味わいだと思います。

今思えば、この年の気候を表した多様性のあるワインではないかと思っています。色調は濃く、香りも豊かで複雑です。色々な要素が詰まった、という印象。瓶詰め時はそれぞれが色々な方向を向いていましたが、時間とともに纏まりつつあります。ただ本当の意味で纏まるには、まだ数年は優にかかると思いますので、これまた数年眺めてから楽しまれることを強くお勧めします。もし早くに飲まれる際は、前述の赤とは違い抜栓直後でもOKです。現在はサクランボや桃、いわゆる種が一つの果物のリキュールのような香りが特徴的です。ただこちらもスケールが大きなワインなのでカーヴでゆっくりと保管、ですね。

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

 

最後に、少し長くなります。最近はSNSの異様な発達やグローバル化もあり、世の中にその影響は顕著に出ているように思います。このことは、ワインの世界も例外ではなく、そして良い面だけでなく残念ながら悪い面もよく見かけるようになりました。

その一つに投機目的の購買、そして転売があります。このことについて話し出せば…、時間が必要かと。ただ少しだけ触れるとすれば、私たちはブドウ、そしてワインを造る時に愛をもって全身全霊を込めているつもりです。いまだ至らない所がありますし、また今後も歩んで行けばまた新たな発見があり、やるべきことは増えていくと思いますが、その先へと更に進んで行きたいとも思っています。

いまワイン生産者として、そして何よりワインに携わる一人として言えることは、皆様がその愛を共有し、そしてより大きくして生産者からインポーター、お酒屋さん、レストランさん、そして最後に消費者の方々に繋げて頂ければとても嬉しい、と言うことです。一部の人が独占するものではなく、皆と分かち合う、分かち合えるものだと思います。

自然のサイクルに比べれば程遠いかもしれないけれど、人が利己的にならず共に何かのサイクルをまわすことは、それはそれでまた美しいことだと思うし、そんな景色は素直に素敵だと思えてなりません。ワインは、ある時は直接的に食事の場を豊かにし、ある時はその年の気候や携わった人たちの気持ちを思い浮かべ、ある時はどこから来るか分からない衝撃をもたらし、そして何かに向かいたくなる衝動をも与えてくれる…。

そのようなワインを拡げていくためにも皆様には、必要以上な高値のビジネスには距離を置き、関わらずにいて欲しいと思います。当たり前のことが当たり前でなくなり、そしてそれに慣れ始めてきている今だからこそ、皆で良い習慣を守り、ワインを本当の意味で文化として日本にも根付かせていきたいと切に願います。

鏡 健二郎

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