【新入荷】2023年10月その2(Ezio Cerruti,Il Cancelliere,Arpepe,Bressan,Le Boncie,De Fermo,Arianna Occhipinti,De Bartoli,Two Metre Tall)
とあるうなぎ屋さんで食事をしていたら、隣の席の男性から「ヴィナイオータの岸本さんですよね?」と声をかけられ、ひじょおおおおおに複雑な気持ちになったオータです。3か月ほど前に岸本が企画した試飲会&ワイン講習会に参加した方だそうで、知り合いのうなぎ屋に来て、隣にラディコン飲んでる人がいるなあくらいに思っていたら(あまりジロジロ見ないようにしてくれていたという事なのだと思います)、うなぎ屋のご主人から「ヴィナイオータの方ですよ。」とこっそり伝えられてこちらをチラ見し、「ああ、やっぱりそうだ。岸本さんだ!」と思って声をかけたとの事…。毒舌と眼鏡をしている事以外、似ているところなんてそんなにないような気がするのですが…。
気が付けば締め切り近し!という事で、今回は岸本に間違えられた話を挨拶文とさせていただき、トゥー ミーター トールのサイダー話は、また次回のメルマガという事で…(もう書き始めています!)。
コンテナーの入港ラッシュはまだまだ続きます!造り手への支払いもさることながら、通関を切るための税金(酒税&消費税)の引き落としにも耐えられるのか、甚だ怪しい状況が続きますが、ヴィナイオータに今できることは、マグロのように止まることなく泳ぎ続ける事だけ!というわけで、10月の新入荷案内第2&第3弾行きます!
【エツィオ チェッルーティ】
Mr.モスカートことエツィオ チェッルーティから3ワインが届きました。詳細は下記の通りとなります。
リ フォル2022(L.RB22/23):干しブドウではない、普通に完熟したモスカートで辛口のスティルワインを造り、そこに天日干ししたモスカートで造るワイン、ソルのモストを加えて瓶内2次醗酵を促した微発泡性ワイン。2700本入荷。
リ フォル ローザ2022(L.RR22/23):リ フォルに使用した辛口のモスカートに、同年のロッソ(フレイザ)を少々ブレンドし、そこにソルのモストを加えボトリングした、微発泡ロゼ。モスカート由来のキュートな香りに、フレイザ由来のタンニンが折り重なることで色気があるワインに…。1300本入荷。
フォル R(iesling→リースリング)2021(L.R21/22):エツィオはリースリング レナーノ(いわゆるリースリング)を注文したのに、友達の苗屋さんがリースリング イタリコ(ドイツなどで栽培されているレナーノとは、何のゆかりもないそう…)を間違って納品、友達だし突っ返すのも悪いと考えて、自宅近くの区画に植えます。まとまった量がとれた年にだけ単一で醸造するのがこのワイン。750本入荷。
試飲できていないので、ノーコメントで…。どれもそれなりの本数が届いていますが、早々になくなることが予想されます。お気を付けください!ロッソ2020とイタリアを代表するパッシートといっても過言ではないソル2012もよろしくお願いします!
【イル カンチェッリエーレ】
カンパーニア州の仲良し大家族が営むイル カンチェッリエーレからは、新たに造り始めた2ワインを含む5ワインが入荷です!詳細は下記の通りです。
ロッソ キアーロ2022:カンジャルのアントニオの発案で造られることになった、“淡い赤”という名前のロゼワイン。品種は当然のことながらアリアーニコで、アリアーニコ(←ワイン名)に使われる樹齢の若い区画のブドウを使っているのですが、ロッソ キアーロ用のブドウは赤ワイン用に使用されたものより約2週間早く収穫、房を無除梗のままプレス機に入れ、2時間のマセレーションの後に圧搾、ステンレスタンクへと移され醗酵&熟成、翌年4月にボトリング。収穫をやや早めたことと、2022年が雨がちだったことに起因し、アルコール度数12%程度の軽快なロゼが!
アリアーニコ2019:カンチェッリエーレが造るスタンダード アリアーニコの2019ヴィンテージが再入荷です。若いアリアーニコは、堅牢なタンニンを備えがちですが、この2019はとてもスムーズ!
オ ペッツァロ:こちらもカンジャルのアントニオと検討を重ねていく中で生まれた、4つの別々の区画の、4つの異なるヴィンテージのアリアーニコをブレンドしたワイン。醗酵が終わり、(醗酵槽から)樽へと移し替えた際に樽に入りきらないワインが出た場合、小さめのステンレスタンク入れて保存し、ボトリング時に樽で熟成させていたものとブレンドしていたのですが、昨今は木樽での熟成期間を長く取るようになったため、より多くの小型のステンレスタンクが必要になってしまったのですが、セラーに新たにタンクを置くスペースはない…。加えて、カンチェッリエーレのワインは、リリース当初は硬く気難しい事が多いというお客さんからの指摘もあり、複数ヴィンテージをブレンドすることで各々のヴィンテージが持つ個性の強い部分を補完し合った、リリース当初から飲み心地のあるワインを目指し生まれたのがこのワイン。(トリンケーロのロッソ デル ノーチェと一緒ですね!)
今後も造られるのかは不明ですが、今回リリースされたロットは、アリアーニコ2020(30%)、ジョヴィアーノ2019(30%)、タウラージ2018(20%)、タウラージ リゼルヴァ2017(20%)との事。補足になりますが、彼らが造る4種類の赤ワインは、それぞれ決まった区画のブドウが使用されています。ですので、4つの違った樹齢、微気候、土壌特性の区画と4つの異なるヴィンテージのブドウを使用したワインという事に…。
オ ペッツァロは、カンチェッリエーレのあるモンテマラーノ村のカーニヴァルに登場する独自のキャラクター(マスク)で、身分や立場を超えた和合を象徴する存在という事もあり、このワインのコンセプトにピッタリ!と考え、この名前にしたそうです。本気を出せば、モンテマラーノ村のカーニヴァルとオ ペッツァロに関してもう1000文字くらいは書くことができるのですが、今回は割愛させていただきます(笑)。
タウラージ ネーロネ アユーキ!2014:彼ら的にはタウラージとしてリリースするかを迷っていたのですが、「酒躯に欠けるかもしない2014年のワインも、ある意味その年のタウラージというゾーンの特徴を体現していると言えるのでは?」というオータの言葉により、タウラージとして世に出たワイン。なぜだかその責任を取ってヴィナイオータが全量を引き取ることになり(笑)、その代わりに少々安く出してもらった上に、生まれ年という事もありオータ愛息の名前も入れてもらっちゃいました。600本が再入荷。あと2回くらいは入ってくると思われますので、ガンガンお使いいただけると幸いです!!
タウラージ ネーロネ リゼルヴァ2015:高樹齢のアリアーニコが植わる区画のブドウで、彼らがこれは!!と思う年にしか造られないのがこのリゼルヴァ。とても力強かった2012と比べると、エレガントと言えるかも?
ここからはヴィンテージ変更&バックヴィンテージのリリースのお知らせです!
【アールぺーぺ】
ヴァルテッリーナの良心、アールペーペのロッソ ディ ヴァルテッリーナ2020が終売間近という事で、2021をリリースすることにしました。涼やかな2019や、とても暑かったことがワインから読み取れた2020とは打って変わり、2021はとても力強いのに素晴らしく調和が取れたワイン。ロッソ2018にも感じた、ロッチェ ロッセやブオン コンシーリオといったスーパーリゼルヴァを造っちゃうヴィンテージなんだろうなぁと思わせる何かがロッソ2021にはある気がします!
アールペーペの現在地を知っていただきたい!という想いから、その当時販売していたヴィンテージを引っ込めて、2013ヴィンテージのスーパーリゼルヴァをリリースしたのが2年前。後先をあまり考えることなくやってしまったわけですが、引っ込めたワインをずっとオンリストしなければ、永遠に弊社セラーに残ることになってしまうわけで、それはそれで困りもの…。というわけで、タイミングを見て少量ずつバックヴィンテージものとしてお出しすることにしまして、今回はその第1弾になります。アールペーペからの現行ヴィンテージの蔵出し価格の上昇がなかなかなこともあり、このバックヴィンテージものも、古いものが直近のヴィンテージより安くなるといったバルバカルロ現象(笑)を避けるべく、次回リリース時には今回の価格よりも高くなることはほぼ間違いないと思われます。鋭さの2007、おおらかさの2009といった感じでしょうか!こちらも是非!!
【ブレッサン】
ブレッサンがモスカート ローザで造るワイン、ローザンティーコ2016の残り在庫が60本程となったので、キャラの異なる2017をリリースすることにしました。ヴィナイオータが初めて扱ったローザンティーコは2011ヴィンテージだったのですが、そのコケティッシュなまでに甘く妖艶な香りに戸惑ったのは、オータだけではないはず。それ以降のヴィンテージは、媚びた感のないキリッとした香り&味わいのヴィンテージが続いたのですが、2017は久しぶりに2011を彷彿とさせる雰囲気が…。コケティッシュな世界に耽溺したい方は抜栓直後のものを、ちょっとここまであからさまにムンムン迫られるのは苦手だなぁという方は開けてから1か月くらいかけて経過観察してみてください。きゃぴきゃぴしていた子が立派なオトナになっていく様を目の当たりにできる事でしょう!
【レ ボンチエ】
レ ボンチエのレ トラーメ2018が終売したので、2019をリリースしております!5月の長雨、8月の酷暑&乾燥と両極端な気象イベントを体験したヴィンテージという事で、プラス マイナス ゼロでバランスの良いワインが(笑)。尖ったところが全くなかった2018に対し、2019は酸に主張がある気がします。
【デ フェルモ】
アブルッツォのキラキラ家族デ フェルモが造る、アブルッツォの人たちにとってのソウルフードならぬソウルワイン、チェラズオーロ ダブルッツォ レ チンチェの2018ヴィンテージが終売したので、2019をリリースします!2019は、余韻が鋭く長い!
デ フェルモのワインは、どれももっともっと飲まれていいとオータは思っています!もしも彼らのワインがイマイチ個性に欠けるかのように思われているのだとしたら、「品が良すぎて、ナチュラルワインっぽくない」と一昔前には言われていたかもしれない、その破綻のなさに起因している気が…。とはいえ、ワインとしてキッチリしているのは、造る人がキッチリしているからなわけで…。彼らに会えば、皆さんが好きになっちゃうことだけは間違いないので、その機会を早々に創出せねば!
【アリアンナ オッキピンティ】
シチリアのアリアンナ オッキピンティのイル フラッパート2019も終売し、既に2020の販売を開始しております。酸に特徴があった2019と比べると、2020は穏やかな酸と豊かな果実味に特徴が。もともと素晴らしい飲み心地を備えたワインですが、2020はかなりヤバいかと!
【デ バルトリ】
先日ご紹介した、オータ認定ワイン世界遺産なワイナリー、デ バルトリのマルサーラ スーペリオーレ オーロ リゼルヴァ1987が文字通り瞬殺してしまいましたので、既着の1988をリリースします!このワイン、1987の在庫が潤沢だったこともあり、日本に着いてから2年越しでのリリースに。今まで気にかけたこともなかったのですが、本文を書くにあたりふと興味が湧いたのでラベルを見てみたところ、オータのような一般ピープルには驚愕の、でもデ バルトリからしてみたらごくごく普通な事実が発覚しました!
ロットを見ると、“MSR1988/20”となっている…。これが意味することは、1988年に(若~いヴェッキオサンペーリに)酒精強化を行ったマルサーラ スーペリオーレのリゼルヴァで、2020年にボトリング…。つまり、1988年に酒精強化をしてから32年もの期間、一切ワインの注ぎ足しなども行うことなく樽で放置されていたワインということに…。このような時間軸で生まれるワインを造っているだけでも凄いことだと思うのですが、彼らの場合(正確に言うと、彼らのお父さんである故マルコの場合)は、その量も半端なく…。彼らに確認していないので定かな事は分かりませんが、どんなに短くとも5年くらいはこのワインを扱い続けられる(=現地に在庫がある)とオータは踏んでいます…。
約40年もの時間を過ごしてきたワインを体験する機会に恵まれること、それもこの程度の価格的ハードルで…というのは、よく考えてみたらそんなに普通にあることではないと思うわけです。皆さんも、是非このワイン飲みながら時間(時代、過去未来など…)に想いを馳せてみてください!
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。
【2024義捐ワインプロジェクト 第一弾】 動画配信キャンペーン(ARPEPE, Vodopivec, De Bartoli) 【新入荷】2023年6月その4(Monastero di Vitorchiano,La Calabretta,Possa,AR.PE.PE.,Cantina del Barone) ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】アールペーペ 【新入荷】2023年4月その3(Daniele Piccinin, Longariva,Francesco Brezza,AR.PE.PE.,Possa,Pierpaolo Pecorari,Alberto Anguissola,La Visciola)