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2024-03-26

ヴィナイオッティマーナ2024【造り手セミナー】フランチェスコ ブレッツァ

①造り手紹介 (00:00~)

ヴィナイオッティマーナ2024 ピリオド1DAY2(2月1日)に行われたフランチェスコブレッツのミニセミナーです。当主フランチェスコと長男のマテオに来日していただきました。フランチェスコは初来日、初パスポート、初飛行機となります。
ワイナリーはピエモンテ州西側にあり、ミリアバッカブドウ園といいます。歴史は1921年にエンリコ ブレッザがモンフェラート郊外に土地を購入したところから始まります。その後、父のルイージがイタリアで初めてバイオダイナミクス農法の認証を取得しました。
1996年に父ルイージからワイナリーを引き継いだフランチェスコは、肉牛を飼い、与える餌もすべて自分で生産したものを使用、小麦などのワラと牛糞を使って堆肥を作りそれを畑に返すという、完全循環型のバイオダイナミクス農法を実践しています。

②造り手への質問と回答

Q1. ワインとブドウを生産するというのがほとんどの生産者だと思います。ワイン以外にも牛を飼ったり、小麦を作ったりしておられますが、なぜこんなに色々なことやっているのですか? (03:25)

A1. たくさんのことをやるのは、それが自分の世界だし、自分の人生であり、自分を取り囲む自然だと捉えているからです。牛を飼っているわけですけれども、牛と一緒に過ごしたり、触れ合ったりすることで平和というか心穏やかな気持ちになります。

例えば、牛が 出産する瞬間は、新たな命がその農場の中に持ち込まれる瞬間で、生命というのはそうやってリジェネレイトしながら前に進んでくものだと思います。再生みたいなものを実感しながら生きてくことの素晴らしさ以上のことはないのではないかと思います。

農民をやるということは、自分が食べるものに関して概ね生産することであり、自給自足的な生活をすることだと捉えています。自分自身、農民であることに対して、自分自身のアイデンティティをそこに置いているともいえます。

実際100年くらいで産業が進み世界が色々と複雑になって、分業化が進んでということがあります。ワインの世界でもワインしか作らない造り手がいるというのは仕方がない部分なのかもしれないです。ですが僕自身は農業をやりたいと思っています。ワインというのは瓶に入れて、比較的安全に運びやすいものであって、賞味期限を書かなくていい数少ない食べ物のうち1つだと思います。その意味で、自分の地域や、自分の名前を世界に届けてくれる1つのツールというものだと思います。でも、僕にとってワインだけが全てなのではなく、農民をするということに自分自身は価値を置いています。

Q2. 2つ目の質問です。何歳くらいから家業を継ごうと思ましたか?何かきっかけなどはあります か? (08:40)

A2. 3歳4歳ぐらいから家業を継ごうと思っていました。親戚からつい最近聞いたエピソードなのですが、私の小学校の時の先生に会ったそうです。 そこであるエピソードを聞かさました。
当時、先生からフランチェスコ君は授業中寝てしまうと、 ご両親に電話をしたそうです。先生は「何か体調が悪いとか、何かあるのですか?ちょっと心配です。」と言ったそうです。

そこで母親は「フランチェスコはちょっと疲れているのです。朝早く起きて牛舎の仕事をお父さんと一緒にやって、夜遅くまで仕事をしたりしているので、多分疲れているのだと思います。」と答えたそうです。

それまでそういう電話があったことも知らなかったし、寝ていたことは確かですが、そういうエピソードがあったことは最近知りました。自分にとって生きるということと、家の仕事を手伝うことはイコールなことだったので、父親の仕事を手伝うことは自然なことでした。

自分が25歳の時にトラクターの事故で父が突然なくなってしまう事故があり、突然、農場の働き手が1人きりになってしまった。それまで父に従って一応やってきてはいるけど実際自分1人でどれぐらいできるのか?とりあえず1年やってみようと思いました。それで1年やってみて、どうにか1人でもやれることが分かりました。じゃあもう少し、もう少しとやってみてという感じで30年後の今まで来てしまいました。ですので、父親の死というものがほぼ強制的に自分が家業を継ぐきっかけではありました。

Q3. 3つ目の質問です。マテオから見てお父さんはどうですか? (14:05)

A3. 私は、母親の連れ子になります。ですので、フランシスコと血が繋がっているわけではありません。 私は 13歳の時に母親とフランチェスコと結婚した時に彼の家に 住み始めるようになりました。血がつながってはいませんでしたが、いろんなものを当たり前のように教えてくれた人であり、人としてのあり方みたいなものを教えてくれた人だとも思っています。連れ子だとしてもすごい大きな心で自分のことを迎えてくれた人だとも思っています。

13歳の時まで全然違った世界で生きていたところから、自然とともに暮らすという、全く違う世界を見るわけで、こういった世界があるということを知り、 それは自然世界というか1つの国とも言えるかもしれない、完全に閉じているような世界みたいなものがあるというところを見せてもらいました。

1つだけ言えることがあるならば、本当に唯一無二の人だと思いますし、世界みたいなものを1人で切り盛りするというようなことというのは、当然皆さんも想像してもらえると分かると思いますが、とすごく大変なことなのだと思います。普通の人だったら投げ出してしむような苦しい場面とかもあったでしょうし、僕もそれを何回も何回も見てきました。それでもとんでもない情熱と、とんでもないエネルギーでそれを1つ1つ解決してしまうシーンを見てきたというのもあるので、背中で人とはこうあるべきだということを見せてくれた、自分にとっては唯一無二の人だと思います。

③まとめ

今回来日したフランチェスコは初来日、初パスポート、初飛行機となり、全てが初めての体験でした。家畜を飼っているので留守の間はどうしているのかと思いますが、奥様のモニカが一人でお世話をするそうです。普段はワインの話よりも農業の話が多いみたいで、今回の来日でワインの話が多くてお疲れみたいでした。懇親会での農業話の盛り上がりときたらすごかったです。しまいには翌日、ヴィナイオータの畑を見に行くという予定を組み込んだりしていました。

グリニョリーノやフレイザなどオッティマーナを思いながら飲んでいただけるアイテムがまだまだありますので、ぜひお試しください。(清水)

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