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2022-05-26

ヴィナイオータ かわら版 ~中根編その壱(新人)~

 

皆さま、はじめまして!昨年の12月より正社員として入社しました中根と申します。

だだ食堂のキッチンスタッフ(シェフを目指す!)として、日々移りゆく食材達にいかに最高のパフォーマンスをさせてあげられるかを考えながら、想いの詰まった先輩スタッフ達と共に奮闘しております。

初投稿として、まずは自己紹介から。ヴィナイオータのあるこの「つくば」で生まれ、大学入学を機に大分県へ。寒さが苦手な僕は(九州なら寒くないだろうなぁ~という)非常に安易な考えで、本州を離れました。ところが!!別府など温泉で有名な大分県はつくばより雪が降る降る…。特に僕が住んでいた湯布院は、山に囲まれた盆地という事もあり、一旦雪が降り出すと隣町まで行くのに一苦労といった状況に陥るほどでした。

大学時代に始めた居酒屋のバイトが楽しくて飲食の道に入った僕(現在45才)は、ひと昔前の、とても厳しい料理の世界に身を置く事に。なんでこんな事始めちゃったんだろ…と半分後悔しながら、先輩達の技術を盗み、食べる人が笑顔になる事を喜びに料理と向き合って来ました。

イタリアンを中心に学んで来た僕は、数年前に地元つくばに戻り、以前お世話になっていた店でヴィナイオータのワイン(アリアンナ オッキピンティのSP68ビアンコ2017)と出会う事になります。「全く身体が拒否しない美味しさ」という表現が当てはまるかもしれません。スッと体に馴染んでいく。初めて本当に美味しいワインというものを知った瞬間だと思います。

入社してからは毎日が勉強と刺激の連続。今まで使って来た食材(安かろう悪かろうばかりとは言いませんが…)とは全然違って、全てが背景のある食材ばかり。調味料ひとつ取っても全てです。そんな素晴らしい環境に身を置きながら、改めて「美味しいとは何か?」を深く考え、楽しく勉強させて頂いております!

前置きが長くなってしまいましたが…、長い間イタリアンをやってきたなかで本当に驚いたパスタを、今回は紹介させて頂きます。

Paolo Bea / Spaghetti、Capitelli、Casarecce

ウンブリア州にワイナリーを構える当主ジャンピエロ。弟のジュゼッペ、父パオロと共にワイン作りを行っています。標高400メートルに位置する11ヘクタールの畑で、自然と人間の共生を最低限の義務と考え、自然環境に出来るだけ負荷のかからない農業を実践しています。

トレーヴィ郊外の畑(アルボレウスやラピデウスに使われているトレッビアーノ スポレティーノが栽培されているのもこの辺り)で一切の薬剤に頼らずに、古代品種であるビディ マルゲリ―ト(セナトーレ カッペッリという名で知られる品種で、背丈は1.6メートルにまで達し、根っこも1.5メートルの深さまで張るそう!)を栽培。収穫後、低温乾燥させたものをトルジャーノにある1800年代から続く製粉所に持ち込み、石臼で製粉。そしてその小麦粉をパンツァーノ イン キャンティにある名パスタ工房ファッブリへと持ち込み、製パスタしてもらったものが、今回紹介させて頂くジャンピエロのパスタです。

カピテッリ(ガザレッチェを丸くしたような形状)、カザレッチェ(不完全な筒形をねじった形状)、スパゲッティ(みなさんおなじみ!)のショートパスタ2種類とロングパスタ1種類は、どれも小麦粉の旨味をしっかりと備えており、ソースに頼らなくても美味しい!

ちなみに相性のいいソースのタイプは…
●カピテッリ:そのクルッとした形状から、どんなソースにも絡まりやすく万能。長く茹でても形をしっかり守るので、スープなどにも。
●カザレッチェ:ソースが絡み易いような切れ目があり、濃度があるボロネーゼやクリームソースとは好相性。チーズなどの濃厚でコクのあるソースにも負けません!

とにかくどれをとっても、驚くほど小麦本来の味わいを楽しむ事ができ、充分に満足出来る仕上がりとなっています。

これからの季節に登場してくる、力強い夏野菜とも相性抜群なこのパスタたち。美味しいワインと共に、みんなでわいわいガヤガヤと、心と体に優しい「自然」を楽しみたいですね!

 

≪中根の食べてもらいたい食品紹介≫
アイテム:Spaghetti、Capitelli、Casarecce (500g) / スパゲッティ、カピテッリ、カザレッチェ
造り手:Paolo Bea / パオロ ベア
地域:伊 ウンブリア州
希望小売価格(税抜):1,800円

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