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2023-05-26

造り手紹介 Arianna Occhipinti / アリアンナ オッキピンティ

造り手:Arianna Occhipinti / アリアンナ オッキピンティ
人:Arianna Occhipinti / アリアンナ オッキピンティ
産地(州):シチリア
ワイン:Grotte Alte、Il Frappato、Siccagno、SP68 Rosso、SP68 Bianco、Passo Nero
所在地:SP68 VITTORIA-PEDALINO KM 3,3 97019 VITTORIA (RG) SICILIA, ITALIA <Map>
Web : http://www.agricolaocchipinti.it/

 


シチリア島の東南部ヴィットーリアで、2004年ヴィンテージより彗星のごとくイタリアワイン界にデビューしたアリアンナ オッキピンティ。そのころの彼女に大きな影響を与えたのはフランク・コーネリッセンの過激ともいえるワイン哲学であった。その哲学を引き継ぐようなワイン造りを当初は行っていたが、その後、彼女の天賦の才であるコミュニケーション能力により華麗なるも充実した多くの国々の生産者との交わりにより近年は理想の追求だけではなく実践的で円熟味を増したワイン造りに進化しており、ヴィットーリアという地域を表現した普遍的な素晴らしいワインを産み出している。

ブドウだけで25ヘクタール、オリーヴで16ヘクタールの栽培面積があり、自社農園で栽培した食物を使い、オリーヴオイル、パスタ、ケイパーの塩漬け、ジャム、ハチミツなどの食品も生産している。

 

●以前に掲載していた造り手紹介はこちら
造り手紹介 Arianna Occhipinti / アリアンナ オッキピンティ(2016年4月版)

 

<ワインラインナップ>

 


●SP68 Bianco (エッセピ セッサントット ビアンコ)
品種:ズィビッボ(モスカート ディ アレッサンドリア)、アルバネッロ

「SP68」は、カンティーナの前を通る県道の名前。3000年前から存在した歴史ある道で、「旅」をイメージしてこの名が付けられた。セメントタンクで約2週間マセレーションの状態で醗酵。 澱引き後、セメントタンクに戻し6か月間熟成。ボトリング後1ヶ月寝かせてからリリース。

 

 

 


●Vino di Contrada Bianco SM (ヴィーノ ディ コントラーダ ビアンコ SM)
品種:グリッロ

「SM」は、ブドウが植えられている場所、キアラモンテ グルフィ郊外にあるSanta Margherita(サンタ マルゲリータ)の略。新たに買い足した畑の石灰質土壌と高い標高(500m)という条件が、テンションの高い白を造るためには有効と考え、シチリアを代表する白ブドウ品種であるグリッロを植えた。ファーストヴィンテージは2020年。48時間マセレーション後、皮を引き、セメントタンクとオーストリア産オーク樽で続きの発酵が行われる。澱引き後、同じ容器に戻し12ヶ月間熟成。

 

 

 


●SP68 Rosso (エッセピ セッサントット ロッソ)
品種:フラッパート、ネーロ ダーヴォラ
「SP68」は、カンティーナの前を通る3000年前からあったという歴史ある県道の名前。イル フラッパートとシッカーニョに使われなかったブドウをブレンドした、セカンド的位置づけの赤ワイン。セメントタンクで約2週間マセレーションの状態で醗酵。 澱引き後、セメントタンクに戻し6か月間熟成。ボトリング後1ヶ月寝かせてからリリース。

 

 

 


●Il Frappato(イル フラッパート)
品種:フラッパート

ヴィットーリアの土着品種ではあるが、主に補助品種としてネーロダーヴォラにブレンドされることが多いフラッパート。ネーロ ダーヴォラほどの力強さはないが、「独創的で反抗的な私に最も似ているワイン」とアリアンナが評する通り、このブドウならではの華やかな香りと決して軽くはない奥行きを持ち合わせる。約1か月セメントタンクでマセレーション後、2500Lのスラヴォニアンオーク樽に移し14ヶ月間熟成、ボトリング後、1ヶ月休ませてからリリース。

 

 

 


●Siccagno(シッカーニョ)
品種:ネーロ ダーヴォラ

シチリアを代表する土着品種ネーロ ダーヴォラ。重苦しさは一切なく、シッカーニョには爽やかな酸と清涼感がある。「普通につくればこういうワインが出来るのに、マッチョでアルコリックなシチリアワインのイメージに合わせてつくらないと他所では売れない。だから同じようなワインになってしまう」。セメントタンクで約25日間マセレーション後、2500Lのスラヴォニアンオーク樽に移し22ヶ月間熟成。ボトリング後、2ヶ月休ませてからリリース。

 

 

 


●Grotte Alte(グロッテ アルテ)
品種:ネーロ ダーヴォラ、フラッパート

2005年に制定されたシチリア初のDOCGチェラズオーロ ディ ヴィットーリア。2007年がファーストヴィンテージ。アリアンナは「エレガントで力強い、私のワインの中で最も野心家な子」と評する。野心家と表現することからも明らかなように、多大なる熟成のポテンシャルを持つ。樹齢40年超のネーロ ダーヴォラとフラッパートを混醸、約1か月のマセレーション後、樽で約3年熟成。

 

 

 


●Vino di Contrada Rosso(ヴィーノ ディ コントラーダ ロッソ)
品種:フラッパート

フラッパートというヴィットーリアの伝統的な品種を用いて、区画ごとの土壌特性がワインにどのような個性を付与することになるのかという、アリアンナの極私的興味から生まれたワイン。

●FL(フォッサ ディ ルーポ):創業年である2004年から手がけてきた、ワイナリーの根幹を成す区画。赤~栗色を呈した砂質土壌で、表土には石灰石も散見する。40cmほどある前記土壌の下には固い石灰岩層がある。ヴィットーリアの伝統的なスタイルのアルベレッロ仕立てを採用。北東にイブレイ山脈を望む場所に畑がある影響で、ワインはフルーティーでありつつも厳格さと程よい酸を持ち合わす。

●BB(ボンボリエーリ):栗色から白を呈した表土を持ち、1区画の中に砂質な場所と砂-粘土質な場所がある。他のクリュに比べ、表土が非常に薄く(25cm)、その下には石灰岩岩盤がある。フローラルで偉大な酸のある贅肉のないワイン。

●PT(ペッティネオ):表土の薄い石灰石砂利層とその下の50-60cmの海砂層(≒水はけが良い)に由来し、常にエレガントなワインを産する区画。樹齢60年で、もともとアルベレッロ仕立てだったものを、前所有者がコルドーネスペロナートにしたものを再度アルベレッロに戻したため、それぞれの樹がモニュメントのようなブドウ樹に。フルーティーで、シルキーなタンニンを持ち、しっかりした酸が特徴。

 

 

 


●Passonero(パッソネーロ)
品種:ネーロ ダーヴォラ

ネーロ ダーヴォラで造ったパッシート。チョコレートとシッカーニョを合わせた時にこのワインのアイデアを思いついたという。10月中旬頃、遅摘みの状態で収穫したブドウをムシロの上で約2週間天日干し。酸味を損なわないことを心掛けることで“甘すぎない”パッシートに仕上がる。7日間のマセレーション&アルコール醗酵後、750Lのトノーで16ヶ月間熟成。ボトリング後、6ヶ月休ませてからリリース。

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