ヴィナイオッティマーナ2022【造り手セミナー】ピエールパオロ ペコラーリ
①セミナー動画 (質問コーナー|02:00~)
ヴィナイオッティマーナ2022 P3 DAY2に行われたセミナーの様子になります。
今回来日したのはフリウリ ヴェネツィア ジューリアのピエールパオロ ペコラーリから現在当主となったアレッサンドロと娘のイリスになります。アレッサンドロの父ピエールパオロが祖父から引き継ぐ形で1970年に始まったワイナリーになります。ワイナリーには祖父が植えた土着品種のレフォスコやマルヴァジーアに加え、国際品種であるシャルドネやソーヴィニヨン ブラン、メルローなども栽培しています。
②造り手紹介 (0:00~)
ピエールパオロ ペコラーリの造り手紹介、詳しくはこちらから。
③造り手への質問と回答
Q1. 何度か日本へ来ていると思いますが、日本に来た中で一番好きな食べ物はなんでしたか?(02:00~)
A1. 色々あってどれか一つとなるとなかなか選びづらいけど、強いて言うなら、17年前に初めて日本に来た際にヒサトのお母さんか奥さんかが作ってくれた天ぷらがすごくおいしかったのを今でも鮮明に覚えています。
Q2. 好きなパスタのソースと日本のイタリアンについてどう思っていますか?(04:30~)
A2. 私たちの住んでいる地域というのはパスタも食べますが、どちらかというとスープ系を多く食べます。なので、パスタの日もあればスープの日のあるといった感じでしょうか。パスタであれば魚介のその出汁を取ったものが好きだったりします。日本のイタリア料理に関しいえば、素晴らしいという言葉よりも驚くべきと言ったという感じでしょか。クオリティみたいなものも、またそのスピリットみたいなものも体現していて、お料理の中にイタリアへの敬意や愛情を感じます。一般の皆さんからするとイタリア料理という風に言ってしまうかもしれませんが、私たちにとってそれはイタリア国内で普遍的に食べられているようなものもあれば、本当に地方でしか食べられないお料理もあるんです。前回だと思いますが、とあるレストランへ行った時に、出てきたお料理が思いっきりフリウリのお料理で完璧な調理方法で出てきて、自分たちの来日に応えてくれるのがそういったお料理で出してくれるということ、一部のレストランたちがちゃんと地域に根付いたものを取り込んでくれるということは本当に驚くべきことだと思います。クオリティに関してもある意味イタリアに普通にあるレストランぐらいには容易に超えてしまっていると思います。イタリアでもおいそれと食べられないようなものが日本では食べられると思います。
Q3. 娘のイリスさんはワイナリーの仕事をどう思っていますか?(10:50~)
A3. ワイナリーの仕事自体が多岐に渡ってあり、反復するだけの作業ではないと思います。一つのものを取り巻くために多岐に渡っているのかなと思っています。もちろん、畑仕事の関してはある程度反復するような仕事にはなりますが、その年によって少しづつ変わってくることもあるので、多岐に渡っているなと思います。でもそういったことを私のお父さんはすごくポジティブにやっていて、仕事というよりは本当に楽しんでやっているなというのが私の印象です。じゃあ、なんで楽しいのかなと考えた時に、自分が人に会うことやその人に会うために世界の色々なところを回ること、自分たちのやっていることを伝えることをしながら、(私にとっても、父にとっても美味しいものを食べること、出会うことが好きなので、)場所ごとで新しい味に出会えることなどは仕事と言いながら自分たちの楽しみを満たしてくれる点では素晴らしい仕事だと思っています。まだ若いので、絶対にワイナリーで働きたいとまでは考えていなのですが、私自身も自然と触れ合うことがとても好きなのですし、セラーに行くことや、セラー内で過ごすことも好きです。ただ、完全に決めきれていないので、もう少し考えてみたいなと思っています。
Q4. 畑の中で一番好きな場所はどこですか?また、自分たちが栽培しているブドウの中でこれから面白くなる品種はどれだとおもいますか?(15:57~)
A4. すごく難しいですが、畑でいうとピノビアンコの畑が結構素敵かなと思います。すごく石の多い区画で水はけも良すぎるくらいのいい場所なのですが、ブドウの樹にとってはタフな環境で、風がすごく強く吹くエリアだったりするので、スタミナがつく環境ではあります。そこに植わっている樹は若くても樹齢40年程のもので、古いぶどうの樹の区画と言えますが、ブドウの樹自体も本当に一つ一つが全然別の表情を持っていて樹の形がいびつだったりとかとかして本当にそれぞれ違う特徴を持っていてすごくいいなと思っています。
また、ブドウ品種に関しては、それぞれのブドウ品種が持つアイデンティティや個性みたいなものを液体の中に表現してあげることがワインを造る人間の使命だと考えていて、そこを目指してやっていますが、その中でもかなり自分の理想に近いものもあります。最初は自分がイメージにしていたものから少し離れていて、時間がかかり色々考えて毎年少しずつ新しいことに取り組んできて、今なんとなく自分の中である程度形になったかなと思っているのがロザルバというロゼワインです。レフォスコとピノ ネーロで造るロゼワインなのですが、その両方のもつ特性をしっかり反映しつつ、自分が考える理想のロゼを造るにはある程度時間がかかってしまったのですが、自分がすべて監修して造ったワインになるので、すごく思い入れがあります。また、自分たちのワインは基本的には単一品種のワインを造ってますが、白ワインについては伝統的にいくつかのワインをブレンドして、場合によっては一緒に醸造したりするがあるので、最近では単一品種ではないワイン(キュヴェ サン ロレンツォ)も造っていて、赤ワインに関しても現在製造が始まっていて、これからボトリングになります。
Q5. お父さん(ピエールパオロ)とは今も一緒に仕事をしていますか?畑でどんなことを教わりましたか?(24:38~)
A5. 父は71歳になりますが、まだ現役で一緒に仕事をしています。
元々、少なくとも100年くらい前から自分たちの家族は今の土地に住んできて、農業を営んできたました。その当時はブドウだけ栽培してワインをを造っているということはなく、ブドウの畑があって、ワインも造って、家畜を飼い、麦や野菜をを栽培しといわゆる複合的な農業を行うことから始まりました。自分の父が農業をするにあたって、ある意味クオリティをを求めた時に農場として下した決断がいわゆるブドウ栽培、ワイン醸造に特化していくことで、それを選んだことで大きな舵を切ることになりました。1970~1980年代から畑を増やしていき、基本的にブドウ栽培、ワイン醸造として自家元詰めをすることで収入を立てることに切り替えました。
そんな父から教わったことは畑のことだったり、醸造のことを教えてもらったこをは色々ありますが、やっぱり一番大事なのが人生においてどうあるべきかということを教わったのが一番大きいのかなと思います。
夢に対して目標がある場合はそこに対して努力すべきで、努力を絶やしてはいけない、努力をし続けることを心がけなきゃいけないということが大事だと。何事にもまず目標を立て、そのもくひょに向かうためにはある程度の計画を策定して実践、失敗したらまた修正せてということの連続のなかで、やっぱり情熱を絶やさず努力し続けることの大切さをを教えてもらったことが一番なのかなと思います。結局それは仕事だけではなく、色々なことにとって大切なことなのだと思います。
④まとめ
意外と知られていない造り手であるピエールパオロ ペコラーリ。私自身も入社してから知った造り手の一人ですし、ご参加いただいたお客さんもきっと知らない方も少なくないはず。セミナー前に彼らのインスタやFacebookを見る機会があったのですが、結構イケイケで。会う前から構えしまっていましたが、実際会ってみるとすごく明るいジェントルマンといった印象をアレッサンドロに抱きました。自分のやりたいことを形にでき始めたとセミナーでも言っていましたが、これからどんな風にワイナリーをやっていくのか、すごく楽しみです。(担当:嶋津)