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2018-11-01

造り手紹介 Gravner / グラヴネル

造り手:Gravner / グラヴネル
人:Josko Gravner / ヨスコ グラヴネル
産地(州):フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア
ワイン:Ribolla,Binaco Breg,Pinot Grigio,Rosso Breg, ‘8’9’10
所在地:Località Lenzuolo Bianco, 9, 34170 Oslavia, Gorizia GO, Italy<Map>
Web:https://www.gravner.it/it/home.html

よほどのことがない限り取扱い造り手の数を増やしません!と、拙ブログで宣言してから早5年…その間に増えた(ワインの)造り手の数は15軒…まあまあ多いですね(笑)。

その大半がワイン醸造&自家元詰を始めて間もない造り手で、当然のことながらすでに美味しいワインを造っていたから始めたわけですが、それ以上に「今でさえこんなに美味しいのに、今後様々な経験を積んでいったらどんな素敵なワインを醸すことになるのだろう?」という将来への期待感…言い換えるなら、まだ確立していない形(スタイル)や輪郭が徐々に表出していく過程を見てみたいという私的な欲求が取引を決める大きな要素となっていた気がしています。に対し、デ バルトリやカッペッラーノのようなその土地の伝統文化を体現、象徴するような造り手との取引には、彼らが望む望まざるにかかわらず背負わされてしまっているもの-伝統文化を継承するというミッション-の重さを僕自身強く意識できているだけに、造り手個人に対してだけでなく社会に対する責任のようなものも感じています。

そういった社会的責任という意味では、最大級に重い造り手との取引をこのたび開始することになりました…その名はグラヴネル(グラヴナー)!!!!!フリウリ ヴェネツィア ジューリア州はヴィナイオータのラインナップ的にも最も充実したゾーンでその陣容に最高に満足していること、その造り手たちとヨスコ グラヴネルの微妙な関係性に僕自身も影響されていたこと、そしてとある時代の彼のワインに100%は納得がいかなかったことなどもあり、彼のセラーの前を何十回となく通り過ぎているにもかかわらず、訪問したのは19年前(ヴィナイオータを始めたばかりの時)と11年前(通訳として…インポーターという身分は隠して…(笑))の2回のみ…。そんな感じではあったのですが、多くの造り手たちが弊社のことをヨスコに話してくれていたようで、彼らの側からオファーが来まして、今夏彼らを訪問、その際に積年の疑念を解消し、取引開始することに相成りました。

訪問前に僕の疑念考えを全てぶちまけるようなメールを送ったからか、張り詰めまくったテンション(自ら蒔いた種とはいえ、ちょっと逃げ出したくなるほど…)で訪問はスタートしたのですが、僕のジョークに対しヨスコがハイタッチを要求してくれたあたりから何かが氷解、その後からお互いきついジョークの応酬となりました(笑)。彼と過ごした数時間で理解したことは、ブドウ栽培というジャンルにおいては他の造り手たちよりも遥か先を見据えて仕事をしている事、ワインは僕が納得してなかったヴィンテージのものも含めとても素晴らしいという事、ブドウだけでなく物議を醸すことも上手だという事、彼のワインには酸化防止剤はたくさん入っていないけど彼の意見にはアイロニーがたっぷり含有していて正当な理解をされづらい事、でも当人は至極真っ当なことを言っているという信念を持っている事、そしてその意見がまあまあ過激なだけに週刊文春的加工がなされちゃうという事など…あれ、似た傾向の人を知っているなぁと思ったら…僕自身でした(笑)。

僕の去り際には「お前がうちのワインやってくれないなら、最低でも向こう5年は日本に売らないからな」と彼らしいアイロニーの利いた挨拶で締められました(笑)。

ヴィナイオータを推薦してくれた1人であるダーリオ プリンチッチは、「俺たちの故郷であるオスラーヴィアというちっぽけな村の名を世界に轟かせた張本人であり、そして(造り手としての)俺の最大の恩人とも言えるスタンコ(ラディコン)とヨスコの2人をヒサトが扱うっていうのは、俺にとっては滅茶苦茶意味深い事なんだよ。」と涙ながらに言われた時にはグッときましたし、マッサ ヴェッキアの前当主ファブリーツィオの「イタリアのワイン史の中で、ヨスコが出現する前と後では確実に多くのことが変わったと思うんだ。彼が自分を含めた多くの造り手たちのために道を切り拓いてくれたと言っても過言じゃないし。で、ワインも文句なしに美味しい…。そんなパイオニアこそヒサトが手掛けるべきなんじゃない?」などといった言葉、そして20年前の僕にとってはアイドル的存在だったヨスコから直々のご指名…これらすべては僕にとって非常に重い意味があります。

“アイドルだった”と書きましたが、別にヨスコがオータのアイドルの座から陥落したのではなく(笑)、19年間造り手たちと深く付き合ってきた今のオータ的にはワインの世界にアイドル(偶像)など存在せず、自然に対して敢然と立ち向かうヒーローないしヒロインしかいない…という認識に至ったからになります。余談のようでいて、これって結構大事な部分だったりします…。

初めてヨスコのワインを飲んだのは確か21年前のフィレンツェで、ブレグ1993だったと思います。未熟で幼稚なワイン味覚&見識しか持ち合わせてなかった当時の僕には素直に美味しいと思えない難解なワインでしたが、それまでには体験したことのない質の“圧倒的大迫力なブドウの力”のようなものに凄く戸惑ったという記憶があります。本格的な余談になりますが、そのお店で飲んだワインの中で、僕が動揺させられたもう1つのワインは、ヴァレンティーニのトレッビアーノ1992でした。

グラヴネルのワインを始めて飲んでから21年後、僕自身が扱うことになるとは夢にも思っていませんでしたが、ヨスコは今僕がここにいるきっかけを作ってくれた造り手の1人なわけですから、きっちり恩返しすべく、彼の想いや情熱、そして彼のワインの素晴らしさを熱苦しく伝えていきたいと思います。そんな僕の決意と覚悟を表明すべく、1回目の取引としてはまあまあシャレにならない本数を買ってみました(笑)。到着は来年になると思いますが、その際はよろしくお願いしますね!!

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