皆さんお待ちかね、ビールも入ってきましたよ!
タスマニア産の原料しか使用しないという制約を自らに課し、ボトルネックのラベルで謳っているように、“野生醗酵”、“ワイルドな瓶内2次醗酵”、“狙わない醸造”、“ボトルヴァリエーション”、“時と共に進化する”をコンセプトとして掲げた醸造的アプローチ…分かっていたつもりですが、改めて表明させていただきます。オータは3年前に恋に落ちてしまったんです…(笑)。
オータがビールの世界に感じているフラストレーションのようなものをすべて解消してくれる存在のタスマニアの巨人アシュリー(身長2m!)とジェーン夫妻が運営するトゥー ミーター トール(以下2MT)からも6アイテムが入荷です!全て試飲しましたが、今回も最高です!ネックのラベルに記載されている文章がステキなので、その訳とオータのコメントを差し挟んだものを各アイテムの紹介文とさせていただきます。
●クレンジング エール(375ml&750ml):2MTのフラッグシップ的ビールで、今回届いたのは2021年の6月、9月、12月に仕込んだものをブレンドし、2022年2月にボトリングしたもの。試飲したボトルがそうだっただけかもしれませんが、発泡はやや弱めで、過去に届いたものと比べると、酸が穏やかで、ふくよかな印象がありました。
ラベルには、「現形態のクレンジングエールとしては、まさに最後のリリース。複雑な香りと調和の取れた爽やかな酸。」と書かれています。最後のリリース??ヒントは“ワイルドな瓶内2次醗酵”という文言にあるんです!実は、前回&前々回の入荷分のラベルには、 “ワイルドな”の記載がないんです…。2MTの場合、瓶内2次醗酵を促すための糖分として、ブドウ糖やショ糖など(乳糖だなんて、もってのほか!)ではなく、醗酵の始まった麦汁を少量添加するのですが、今ロットをボトリングした際に使用した麦汁は、酵母添加をすることなく醗酵の始まったものという事なのかと…。つ、ま、り…次回入荷する新形態のクレンジングエールとは、最初から最後まで培養酵母無添加で造られる、正真正銘のワイルドエールという事に!!!楽しみ過ぎる!! 375ml入りが1200本、750mlが210本の入荷。
●ダーウェント アロマティック スペルト ファームハウス エール(375ml&750ml):麦芽化させていないスペルト小麦を多用した、“2MT的白ビール”で、今ロットは2021年12月と翌年1月に仕込んだのをブレンドし、2月にボトリングしたもの。2MTの他のビールと一線を画しているのが、アルコール醗酵よりも前に乳酸発酵(もちろんワイルドな!)を促している点でしょうか。香り的にも酸の質的にも、ビールよりもワインに近い特性がある気がします(前回のロットは、ソーヴィニョンと錯覚してしまうほどのアロマティックさが!)。
今回のロットも、すでに十分香り高いですが、少々寝かせただけで更にフローラル&ハーバルな雰囲気になるかと!ネックのラベルには、「(乳酸菌などを添加することなく、)ナチュラルに酸味を持ったエール。リリース当初はフレッシュ、アロマティックでドライ。これらの個性は時と共に調和し、素晴らしい熟成を遂げる。」と書かれています。375mlが720本、750mlが330本の入荷。
●フォース オールグレイン ワイルド(?) ファームハウス エール(375ml&750ml):ホップの代替として、殻を剥かない状態のキヌアを使用した、穀物だけで造る珍しいビール。ホップに主眼の置かれがちな現代のビール界に対する、2MTからの挑戦状的意味合いもあるのかと…。2022年1月醸造、2月ボトリング。今ロットから、メインのラベルに“ワイルド”という記載があるのですが、ネックのラベルの原材料表には“酵母”の記載があり…。アシュリーに聞いてみたところ(←時差がほとんどないので、こういう時は非常に助かります!)、本当だったら今ロットから酵母無添加で醸造する予定だったのだけど、アシュリーが急遽入院することになったため(関節か何かの手術で、全然深刻じゃないそう)、無理をせずに従来通りの醸造方法を採用することにしたとの事。でも、メインのラベルに関しては、“ワイルド”の記載があるニューヴァージョンが届いてしまっていて、そちらを使用したため、ネックラベルとメインラベルの間にある種の齟齬が生じたそうです。ネックラベルには、「(このビールに使われている全ての原材料を生産している、)フォース川渓谷のキンドレッドで有機農業を行うダメン家に敬意を表したビール。ヒーロー的存在の原料はキヌア。香りだけでなく、ビールに苦味をももたらしてくれている。」
今ロットは、過去のものに比べ、酸に特徴があるように思います。375mlが600本、750mlが330本入荷。
●ハオン ワイルド ファームハウス サイダー(375ml&750ml):スターマーピピン種のリンゴで造るサイダー(シードル)。今ロットは、2019年と2020年ヴィンテージをブレンドしたものを2021年9月にボトリングしたもの。ネックラベルには、「(2MTの)未来はここに!!今までとどう違うかって??それは瓶内ワイルド2次醗酵。技術的には大変な挑戦だったけど、(ボトルを開けて、飲むことで)皆さんが目にする質感がすべてを物語っているかと…。」
これまでは2次醗酵を促すために若干量のブドウ糖を添加していたのですが、今ロットからフレッシュなリンゴがある(=新シーズンの醸造が始まっている)時期にだけボトリングすることに…。より輪郭がはっきりし、香りやタンニンなどもしっかり感じられるなど、リンゴの個性が表出した気がします。なにしろ醗酵し切っていますので、従来のシードルよりも合わせるお料理を選ばないように思います。375mlが1080本、750mlが360本入荷。
●ラズベリー ワイルド サイダー(750ml):リンゴのサイダーにラズベリーを投入し、再醗酵させたもの…という事になると思うのですが、工程的にもアシュリーの思惑的にも恐ろしく深い背景がありまして…。
「ラズベリーって、本当に美味しいし、みんな好きだと思うんだよね。でも素材としては、高慢とでも言えばいいのかな…。原料の1つとして使用すると、その強い個性が突出しすぎてしまい、他の原料が見えづらくなる気がするんだよね。更に言うと、ベリーやチェリーなどの入った飲み物で、軽く飲み進められるものがなかなかないし、食事と合わせるのも難しい…。ピリッじゃなくてある程度しっかり発泡していて、アロマティックだけどシロップ的な甘ったるい香りではなく、味わい的にはドライで酸のしっかりしたもの…そんな飲み物を造りたいと考えた時、キーになるのが野生醗酵だと思うんだ。」とアシュリー。
2018年産のリンゴを使用した樽熟成サイダーに、2019年の秋に近隣の農場で収穫され、冷凍保存しておいたピュレ状のラズベリーを2020年の5月に投入(サイダー4に対して1の割合のラズベリー!)。そのまま約18か月の醗酵&熟成を樽で行い、ラズベリーの果肉や種を取り除き、2021年12月31日に醗酵が始まったばかりの2021年産のリンゴジュースを添加しボトリング。使用したラズベリーは、プロダクトに酸や複雑さ、深みを付与することを念頭に置いて、色が濃くて甘い夏の一番生りのものではなく、より繊細な香りと偉大な酸に特徴のある秋収穫の二番生りのもの。当初は、2019年5月(季節的には、日本でいうところの11月…南半球はややこしい!)にラズベリーを投入するつもりだったのですが、サイダーがまだしっかりと熟成していないと判断し、もう1年追熟させることにし、既に買い付けていたラズベリーはそのまま冷凍しておくことにしたそう。
大量のラズベリーが使われているのに、出しゃばった感じは一切なく、サイダー自体の味わいもしっかりと感じられる、サイコー過ぎるプロダクトです!おっと、ラベルには記載されていない、とっておきの秘密がもう1つありました!実は、2014年産の2年物のサイダーに2016年産のラズベリーを使用した前ロットのうち、1樽だけブレンド&ボトリングをせずに取って置いたものがあったそうで、それも今ロットに混ざっているそうです(全体の約15%に当たるそう)。つまり、今ロットには、樽で7-8年熟成させていたサイダーが入っていることに…。もはや何が何だか良く分からなくなりますね(笑)。420本入荷しています。
●スパークリング ミード(750ml):2MT農場(総敷地面積で600ha近くあるそうです…)内で自生する様々な花の蜜をミツバチが集めた百花蜜を、ダーウェント川の水で割り、野生酵母のみで2年間樽で醗酵&熟成を施したものを、少量のハチミツを添加しボトリングし2次醗酵をさせたスパークリング ミードです。今回入荷したのは2019年産のハチミツを使用し、2021年10月にボトリングしたもの。「究極のテロワールの表現方法のひとつ」とアシュリー。前回入荷の2017ヴィンテージ以上に揮発酸があるのですが、それがこのミードをより複雑なものにしてくれている気がします。今飲んでも十分に美味しいですが、1年くらい寝かせたら、危険な飲み物になるとオータは確信しております。540本入荷。
どの商品も限定とはしませんが、入荷本数の少ない750ml入りのものやミード&ラズベリーサイダーのようなスペシャルリリースは早期完売が予想されますので、お気を付けくださいね!アシュリーによると、いよいよ次回出荷分にオータが待ち焦がれている、とあるプロダクトがっ!2019年11月に訪問した際、樽から試飲させてもらったのですが、感動という言葉以外見つからないくらいの衝撃を受けたビールです。こちらも楽しみにしていてくださいね!
サバディからは、チョコレート各種、唯一無二にして空前絶後の味わいのトッローネ&トッロンチーニ、リモナータ マードレの333mlビンが到着しました。チョコ&トッローネ&トッロンチーニに関しましては、若干の値上げをさせていただいております。そして同時に、旧価格の現行ロットについてはセールを行います!詳細はリスト部分をご覧ください!!
新商品が1つあります! 100 e Lode(チェント エ ローデ)という、“最優秀成績(?)”を意味する名を冠したチョコレートです。クリオロという希少品種カカオのカカオマスのみ使用(口当たりを良くするために、カカオマス&カカオバターで作ったチョコも、カカオ100%を名乗れます)。砂糖も一切加えていないチョコなのですが、口当たりは柔らかく、味わい的にも砂糖が入っていないことが俄かに信じられないほどに甘やかで、香りの余韻も非常に長く…。オータもこれには度肝を抜かれました。他のチョコの倍近くの値段がしますが、完全主義者のシモーネが満点というだけのことはあるかと!
*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。