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2024-03-07

【新入荷】2024年3月その1(Massa Vecchia, Aia Vecchia,Tom Shobbrook, Il Colle)

【マッサ ヴェッキア&アイア ヴェッキア】

皆さんお待ちかね、マッサ ヴェッキアアイア ヴェッキアからもワインが届きました!近年は豊作と言える年がない上に、畑でも大改革が始まっているため(詳しくは後述)、弊社にまわってくる本数も限定されており、その結果として皆さんへの割り当ても非常に厳しいものとなってしまっていて、非常に心苦しく思っております…。ですが!何年にも渡る「それってちょっと違うんじゃね?」的申し立てと、畑の大改革に概ねのメドといいますか、近未来の生産本数などが読めてきたこともあり、数年後にはまたかつてのような本数が届くことになるかも…。皆さんのため、そしてオータ個人のためにもより多くの本数を確保できるよう頑張りますので、それまでは皆さんの臥薪嘗胆の精神でお待ちいただけると幸いです。

数年ご辛抱くださいと言っておいての朗報です!!まだ確定事項ではありませんが、次回入荷時には1つのワインだけ大量に分けてもらえることになるかもしれません。各国のインポーターとイタリアのレストラン、酒販店、ディストリビューターによる、お互いのマッサ ヴェッキア愛の強さを競い合うチキンレース(笑)が近日開催予定です。当然のことながら絶対に誰にも負けないつもりで臨みますので、結果を楽しみにしていてください!!!

畑での大改革についても少し説明させていただきますね。土壌的にも日照的にも凝縮したブドウを産するポテンシャルを秘めた区画クエルチョーラのブドウが、近年の夏の酷暑に苦しんでいるとファブリーツィオは考えます。近年は、秋(ファブリーツィオの考える秋は、秋分の日以降を指します)を待たずして糖分レベルでは完熟の域に達してしまうけど、タンニンや色素などのフェノール類や種子などは未熟なまま…という年が頻繁に訪れるようになったため、ドラスティックな配置換えを行うことに。クエルチョーラのサンジョヴェーゼ(多分アリカンテも…)を抜いて、そこにヴェルメンティーノを植え、これまでヴェルメンティーノが植わっていた区画ベルッツォにはマルヴァジーア ネーラを増やすことに。これら新しく植え替えた畑のブドウが獲れるようになった暁には、アリエント&ロザートの生産量が大幅に増えることに…。そしてサンジョヴェーゼに関しては、標高400mと比較的高いところに位置するフェルナーチェのものをトップキュヴェに据え、あとはクエルチョーラの周りに点在する近隣農家から借り受けた、クエルチョーラほどは日照に恵まれていない区画(ファブリーツィオが言う日照は、天からのものだけでなく、地面からの照り返しも含めてのもの。クエルチョーラは白色を呈した土壌で、石英を多く含むため照り返しが非常に強いそう。)のブドウを使って、ややレンジの下のクラスのワイン(ワイン名的にはサンジョヴェーゼ)を造ることに。

今回入荷したワインですが、アリエント2021(ヴェルメンティーノ&マルヴァジーア)、ロザート2021(マルヴァジーア ネーラ&メルロー)、ロッソ2021(樹齢の若いサンジョヴェーゼ)サンジョヴェーゼ2020(上記のクエルチョーラ周辺の区画のサンジョヴェーゼで造るワイン)、クエルチョーラ2020(最後のヴィンテージです!)、ポッジョ ア ヴェンティ2020、そしてアイア ヴェッキアからはピノネーロ2020となっております。

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=128

 

【トム ショッブルック】

ヴィナイオータのラインナップに新たに加わった造り手からもワインが届きました!この度、オーストラリアのナチュラルワイン界をけん引する1人であるトム ショッブルックショッブルック ワインズと取引を始めることになりました。まさかオーストラリアのワインを扱うことになるだなんて、10年前には想像していませんでしたが、ご縁というは繋がるもので…。

話は一瞬飛びます。2018年ヴィンテージに収量ゼロ(正確には50リットル入りのダミジャーナ2つ分…それも選果に選果を重ねなければいけないほど厳しい品質のブドウで、それは全て彼らの自家用としてなくなってしまいました)だったパーネヴィーノ(以下PV)のために、PVやカンティーナ ジャルディーノなどの造り手のワインをオーストラリアに輸入しているジョルジョ(イタリア人)が、オーストラリアの造り手たちにお願いして信用の置ける農家のブドウをPVのために手配してもらい、PVは収穫と醸造をすべく2019年3月にオーストラリア初上陸します。そのブドウを手配し、醸造設備などを貸してくれたのが、ルーシー マルゴーとトム ショッブルックでした。2019年11月にワインをボトリングするためにPVが再びオーストラリアに行った際にオータも合流し、ボトリングのお手伝いをしたわけですが、その際に2MTのアシュリーやトムと初めて会いました。

トムは、イタリアはキャンティ地方で修行していたということもありイタリア語がペラペラ(正確にはトスカーナ弁…(笑))。というわけで、オータも難なくコミュニケーションが取れたわけですが、初対面の際に彼の口から出た「初めまして、ヒサト。君の事は共通の友人であるイタリアの造り手から散々聞かされてきたよ。なによりもまず、俺は日本でのみならずナチュラルワインの世界で君がしてきた仕事に対して、感謝の念と大いなる敬意を持っていることを伝えたい。君のようなインポーターが、何年も前から時間をかけて道を切り拓いておいてくれたからこそ、俺やアントン(ルーシー マルゴー)のようなナチュラルワイン界では新参者のワインも日本では温かく迎えられたのだと自分は思っている。」といった主旨の言葉には本当にビックリしました。

何事にも誠実&丁寧なトムの姿勢にはいたく感銘を受けたわけですが、そんな彼からヴィナイオータで取り扱ってもらえないかという打診を受けたのが去年。そんないい奴にお願いされたら断る理由はない…と言いたいところなのですが、確認せずにはいられないことがひとつだけありました。

2019年に行った際、ジョルジョたちが企画するナチュラルワインのサロン(試飲会)がメルボルンであったのですが、2MTのアシュリーのプロダクトを一通り試飲させてもらった後はもっぱらオーストラリアのワインを片っ端から…。オータ自身、それまでオーストラリアワインを数多く飲んだことがなかったですし、見たこともないラベル(造り手)が沢山あり、そしてそもそもオーストラリアにいるわけですから、現地のワインを飲まないと!と考え色々飲むことにしたわけですが、心の中でやや意地の悪いテーマを掲げていました。それは、“灌漑のなされた畑のブドウを使用しているか否か”をブラインドで当てるという…。暑く乾燥している場所も多いオーストラリアですので、「灌漑も致し方ない」とか「ちょっと水撒くくらい良いのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、オータ的にはテロワールやヴィンテージの個性をマスキングする危険性を孕んだものだという認識があります。加えて、ただの水ならまだしも、造り手/農家によっては海水を混ぜた水を撒きブドウに“ミネラル感”を付与しようとしている話まで…。仮に農法的にはオーガニックで、醸造面でも酸化防止剤完全無添加だったとしても、畑に塩水を撒いたしまったら、それをナチュラルワインと呼べるのか…??そんな悶々とした気持ちを持ちながら試飲を進めていくと、しょっぱいワインの多いことに愕然とするオータ…。ですが、ヤウマのような造り手のブースでワインを飲むと、やっぱりしっくりくるというか、そういった違和感を感じない…。

この経験がオーストラリアのワインを扱うのは難しそうだという判断に繋がっていたので、トムからの打診が来た時にも、灌漑に対する彼の考え方をそれとなく聞かないわけにはいかず…。

・まだ自社畑は生産態勢に入っておらず、現状2軒の農家から買ったブドウでワインを造っていて、1軒は灌漑を行わず、もう1軒トムからの答えは下記のようなものでした。

・トム個人としては、灌漑はテロワールやヴィンテージの個性を歪めかねないので、基本反対の立場である。もちろん、植えたばかりの樹のある区画であったり、緊急事態的ヴィンテージは例外。(プールサイドに使用されているシラーの生産者)はやめてくれって言ってもやめてくれないという事情が(笑)。

・自宅兼ワイナリーの周りにブドウ畑を準備していて、近々一部のブドウが生産態勢に入る。そこの畑では、当然のことながら無灌漑を実施したいし、将来的には生産するワインの大半を自社ブドウで造りたいと考えている。ただ、アメリカ系の台木に接ぎ木をすることなく、枝に根を生やさせただけの苗を植えているため、完全な無灌漑を実現するまでには少々時間がかかるかもしれない。繰り返すが、灌漑に関してはヒサトの意見に1000%賛成だ。

・俺の(人生という名の)旅を、君と分かち合うという機会をもらえたことに本当に感謝している。

こんな答えが返ってきたら、もう断る理由は完全になくなっちゃいますよね。この時点で、(2月その4を含む)本ご案内の文字数が10000文字を超えたので、詳しいワイナリー紹介は次回以降に…(笑)。

というわけで、今回届いたワインは下記の通りとなります。

シャルドネ2022:一番最初に収穫するのがこのシャルドネで、収穫時期は1月下旬から2月上旬ごろ。一部のブドウはジャッロという別ワインにも使用している。除梗することなくダイレクトプレス、ステンレスタンクでの醗酵&熟成。

ペドロ2022:バロッサ ヴァレーは、伝統的に酒精強化ワインも生産していたゾーンで、その際に使用されていた品種がペドロヒメネス。樹齢が若い樹になるブドウは、やもすると単調になりがちだが、トムが取引している農家のものは高樹齢なので、素晴らしいブドウが獲れるそう。熟成のポンテンシャルもあるとの事。

サミオン2022:セミヨン100%。セミヨンも、かつては酒精強化ワインのために栽培されていた品種のひとつ。白ブドウ品種としては収穫時期も遅く、葉の茂みの陰になる房の上部まできっちり完熟してから収穫を行う。

リースリング2022:トムが愛してやまない品種、リースリングで造るワイン。トム曰く、ブドウの植わる場所を、容易に表現することができる品種との事。強靭な酸を持ち合わせているので、収穫時期もできるだけ引っ張るようにしている。

プールサイド2022:ショッブルックの代表作的ワインで、シラーで造るロゼワイン。ジュラのプールサール的味わいのワインを志向しているというのと、そういったシチュエーションにふさわしいワインなこと、そしてなにより発音がプールサールに似ているという事でプールサイド(笑)。

カベルネ フラン2022:カベルネフランは、ヴァイン ヴェイルのような土地で栽培するには最適品種とトム。ゆっくりと成熟し、醗酵にも苦しむことがない。除梗したブドウを開放式の醗酵槽で約6週間の醗酵、その間1日に2回ほど手でピジャージュを行う(醗酵温度を確かめるという目的もあるそう)。遅い春か初夏にボトリング。

オッタントット2022:1931年に植樹された樹齢90年超のシラーで造る、ショッブルックのトップキュヴェワイン。参考までにですが、初ヴィンテージの2019年は2.2ヘクタールの畑から650kg(!)の収穫で、ブドウの粒があまりにも小さくて搾汁率も悪く、計算してみるとヘクタール当たり200リットル(!!!)ほどしかできないワインとの事…。トムの家で試飲した時は、何の前情報もない状態だったので、素直に他のワインとは明らかに違うオーラにビビり、ただただ感銘を受けただけだったのですが、後でトムから届いたメールにあった価格(他のワインの3倍強!)を見て妙に納得してしましました(笑)。

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=42

 

 

そして、2つほどヴィンテージ変更のワインがございます!!!!!

 

【ア マッチャ】

ア マッチャロッセーゼ2017が終売したので、既着の2022をリリースします。というか、これだけヴィンテージに差があるのだから、早々にリリースしておけば良かったのですが、オータも含め皆がこの2022の存在を忘れていました…。

お味はといいますと…ひたすらフレーッシュ!久しぶりにここまで若々しいロッセーゼを飲みました…。テスタロンガのロッセーゼは、1年弱でボトリングされるとはいえ、樽で熟成させているので、ちゃんと丸みのある液体になっているのですが、ステンレスタンクで醗酵&熟成させているア マッチャのロッセーゼは、酸が落ち着くまでにしばしの時間が必要なのかもしれません…。

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=92

 

 

 

【イル コッレ】

モンタルチーノのイル コッレブルネッロ2017が終売しまして、穴埋め的に引き取ったブルネッロ2018をリリースします。2018年ヴィンテージの多くのワインがそういった特徴を持ち合わせている気がするのですが、このワインも早くからまとまりのある味わいです。120本のみですので、瞬殺必至です。本格的な入荷は秋ごろを予定しております!

■商品画像はこちらから→https://ec.vinaiota.com/list.php?c_id=124

 

 

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

 

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