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2023-09-26

【新入荷】2023年8月その1(Maison Maurice Cretaz,Ezio Cerruti,A Maccia,Alberto Anguissola(Case),De Bartoli)

ヴィナイオータアカウントから投稿された“岸本学 退職のお知らせ”が、フェイスブックで1000以上、インスタで600以上というヴィナイオータ史上最高のリアクション数を記録したことに、ジェラシーに近い感情(笑)を覚えてしまったオータです。“退職のお知らせ”が世間の注目をもっとも集めた投稿という会社って…と思う気持ちもある反面、岸本がヴィナイオータでやってきたことを世界がどう捉えているかを端的に表しているなぁと思うと、嬉しかったり、心温かな気持ちになりますし、約20年の間一緒に仕事してきた者としては誇らしく思うといいますか、光栄とでもいうのか…。

社会人経験のないオータとオータの両親で始めた純家族経営の会社だったことに加え、オータ&オータ両親ともになかなかに難しい性格・性向(笑)というのもあり、初の肉親以外のスタッフだった岸本的には色々大変なこともあったでしょうが、その感情を外に漏らすことなく頑張ってくれたことが、後にヴィナイオータに来ることになる他のスタッフにとっても、そして彼らを迎える側でもあるオータ家にとってもある種の道筋を指し示すことになってくれたのかと…。

当初は、“オータ家と岸本家が不自由なく暮らせる程度にワインが売れればOK!”程度のそれほど高くない志しかオータ自身持ち合わせていなかったところから、ヴィナイオータが取り扱うワインや造り手たちが放つメッセージの本質的な意味に気が付くにつれ、ワインを売るというだけにとどまることなく、“伝える”という事に心を砕くようになっていったと思っているのですが、この“伝える”こそが今現在のヴィナイオータの根幹を成す理念であり、大きなモチベーションでもあり…。そして、そのメッセージをより強く、そしてより遠くまで飛ばすために、表現の幅を拡げていく必要性を感じるようになり、その結果として今やスタッフを20人以上抱え、だだ商店だだ食堂がオープン、農業部ができ、自社米で日本酒を造っていただいちゃったり、環境改善してみたり、農から発展したプロジェクトが立ち上がったり(こちらに関しては、後日に別の形でご報告させていただきます!)…。

ヴィナイオータを立ち上げた当初は、会社としてのキャリアを重ねることで、考える事からも解放され、プレッシャーやストレスが軽減し、“より楽な経営”が可能になると信じて疑わなかったのですが、実際には悩みも苦しみも借り入れも増える一方…(笑)。とはいえ、天命のようなものを感じながら仕事をできること自体が幸運なことなのだと重々承知しているつもりですし、そんな天命を表現する場の礎と、前述の“より強く、そしてより遠くに”を実現するためには不可欠だったチーム作りに尽力してくれた岸本には感謝の念しかありません。

彼自身を表現するという点に関しては、ある意味今までもそうだった気もしますが、これからはヴィナイオータの岸本ではなく岸本学(ヴィナイキシモト?)として彼自身を表現するというという事ですので、オータとしても応援していくつもりですし、皆さんも今後とも岸本のことをよろしくお願いしますね!

この場を借りて小言を一つだけ。彼の書いた“退職のお知らせ”の中に「昔から生意気で失礼なことを言ったりやったりしましたが、今ではとても反省しております。」という一文があるのですが、文中から反省している感が滲んでいない気がして、オータはまあまあイラっとしました(笑)。そしてオータのこの意見に賛同してくれる人が世にある一定数いることも確信しています!!ともあれ、完全にプレーヤーサイドにまわるという事で、考えることも杞憂も発言に対する責任も増し増しになることを、岸本自身今後いろいろな場面で思い知ることになると思うのですが、怪我も炎上も全くない、ないし僅少であるに越したことはないので、皆さんも懲りることなく叱咤激励&アドバイスをしてあげてくださいっ!!!

“1000いいね!”から始まり、良い事ばかり書き連ねても面白くもなんともないので、こんな感じが岸本君へのエール的にもお後が宜しいのかと!

それでは8月の新入荷案内です!日本にすでに到着している分も含め、10コンテナーくらいがヴィナイオータの倉庫めがけて動いているという噂が…。6月や7月のようにネタに困ることはなさそうですが、造り手への支払いに関しては苦しむことになりそうなヴィナイオータ2023年の下半期…。

 

【メゾン モーリス クレタ】

ヴァッレ ダオスタ州の、ヴィナイオータの造り手にしては珍しく生真面目で冗談が通じなさそうな(笑)アンドレアが営むメゾン モーリス クレタからは、日本初上陸のものを含む、計9種類のワインが届いています。2021年ヴィンテージは、収穫時期に厳しい天候に祟られブドウの収穫量が激減、ワインの生産量もごく僅かとなってしまったため、既に日本では販売済みのワイン5種類をワイナリーストック分からリリースしてくれました。ミン2018ネエ2018ボス2017は、前回入荷当時と比べると、グッと表現力を増した感がありますし、リー2020ミン2020はまだまだ完全解放とまではいきませんが、凄味の片鱗のようなものは感じられる状態に入った気がします。

新入荷の4ワインですが、去年の6月に訪問した際に全て試飲したと思うのですが、全く記憶に残っておりません…(苦笑)。

そんなこんなで、新入荷のワイン、サン2020のご紹介だけさせていただきますね。アンドレアは2017年に友人の紹介で、ヴァッレ ダオスタ州の州都アオスタの中心地からほど近い住宅地の中にある小さなブドウ畑と出合います。0.1haにも満たない畑で、数年ほど栽培放棄されていたのですが、平均樹齢でも100年を超え、全て自根、品種名さえ定かでないブドウもちらほら…。その全てがアンドレアの好奇心や挑戦心を掻き立てるものだったので、即決で畑を借りることに。品種的には、マイオレ、ヴィエン デ ヌス、プティ ルージュが植わっているのは判明しているのですが、他の品種はこれからDNA鑑定などにかけるそう。2019年がモーリス クレタとしての初ヴィンテージ(生産量140本!)で、今回届いたのは2020ヴィンテージになります。

アイテムによっては、ご用意できる本数がひじょおおおおに少ないので、瞬殺してしまうかもしれません…。お気を付けください!

 

【エツィオ チェッルーティ】

Mr.モスカートことエツィオ チェッルーティからは、2020ヴィンテージの辛口モスカート3種、ダイレクトプレスしたモストから造るワイン、フォルはボトリング直前に酸化防止剤を添加したノーマルVer.と完全無添加Ver.のフォル ゼロ、そして皮ごとの醸し醗酵を施した後に木樽で熟成させたマック フォルが届きました。

こちらも去年6月の訪問時に絶対飲んでいるのですが、味わいの記憶はなく…。良いように考えるのなら、それが意味することは…問題なく美味しかったという事なのかと(笑)!

深刻な白ワイン不足に悩むヴィナイオータですので、どのワインも早々になくなることが予想されます。ヴィナイオータに優先権のあるフォル ゼロとマック フォルに関しては、生産量の約半分に当たる1500本が入ってきているので、1~2か月くらいは在庫があるかもしれませんが、750本のみの入荷のノーマル フォルは本当に一瞬で終わってしまうかもしれません…。終売次第、一緒に届いた2021をリリースする予定です!

エツィオの真骨頂、ソル2012&ソル2012ボトリティス(2012が、ボトリティスとしては最後のヴィンテージになりそうです!)の事もお忘れなく!

 

【ア マッチャ】


リグーリア州のア マッチャピガート2021をリリースしていなかったことに、最近になって気が付きまして…(汗)。2021は、リリース当初は堅牢なことが多いピガートにあって、もうすでにほぐれた感じがあり、味わいもとても外向的で、今飲んでも十分に美味しいですし、もちろん熟成させてもかなり楽しいワインになるかと!

 

【アルベルト アングイッソラ(カゼ)】


やたらと面倒見の良い男、アルベルト アングイッソラ率いるカゼの、標高の高い区画に植えたピノネーロで造るトップキュヴェ的位置づけのワイン、リーヴァ デル チリエージョ2013(L.07/2015石灰)が終売間近となりましたので、2019をリリースすることにしました。「カゼ リーヴァ デル チリエージョとその下のクラスのワインのカゼ…なんかややこしいよねぇ。」というオータの意見(文句?)が採用されまして、今後リリースされる赤は全てリーヴァ デル チリエージョに、リーヴァ デル チリエージョには使用しないと判断したブドウは全てハルサメに回すことにしたようです。

ピノネーロとはにわかに信じがたい硬いタンニンを持ち合わせた、内向的でやや還元した状態から始まることの多いこのワイン、アルベルト自身は還元そのものを悪いことだと捉えていないのですが、リリース当初からある程度の飲み心地を備えたワインにするにはどうすれば良いのかに関してはずっと頭を悩ませてきました。この2019は、ヴィンテージの個性の力も借り、彼のイメージに近い形のワインになった気がします。抜栓直後はやや還元していますが、30分もすれば落ち着きますし、何しろ飲み心地がスムーズ!絶賛販売中の肉感的な2015とスレンダーな2019はとても楽しい対比になると思いますので(「結論としてはどちらも美女!」に帰着するはずです!!)、是非とも一度は飲み比べをしてみてくださいね!

2015が終売次第、これまたちょっと面白い感じの2016をリリースする予定です!

 

【デ バルトリ】


オータ認定(非公式)ワイン世界遺産、デ バルトリがパンテッレリーア島のワイナリーで造る軽やかなパッシート、ブックラム ソーレ ディ アゴスト2017(750ml)が終売したので、2019をリリースします。例年のワインに比べると、溢れんばかりの果実感には欠けているのですが、兄貴分であるブックラム パッシート パードレ デッラ ヴィーニャを2サイズくらい小さくした雰囲気があり…。これはこれで非常に面白いワインかと!

長らくヴェッキオサンペーリを欠品させてしまっていますが、近々イタリアを旅立つコンテナーに載るはずのですので、今しばらくお待ちくださいませ!

 

*ブログ掲載時には完売しているワイン、商品がございます。予めご了承ください。

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