【新入荷】2015年12月その2
人柄も、ワインの売れ行きも物静か(笑)だけど、着実に日本でも浸透しつつある、ダニエーレ ポルティナーリの最新ヴィンテージが入荷しています!!2014年は、師匠であるアンジョリーノ(ラ ビアンカーラ)や盟友ダヴィデ スピッラレのように雹害にあうことはありませんでしたが、長雨のせいで糖度も上がらず、非常に繊細な味わいのワインとなりました。タイビアンコ(フリウラーノ)&ピノビアンコで造られる白、ピエトロビアンコ14は即リリース、メルロー&カベルネのナンニは13年が無くなり次第14年を、タイロッソは12年(めっちゃ美味しいです!)がなくなり次第13年をリリースします。
色々タイミングが合わなかったり、ちょっとしたしがらみもあり、長らく会うことができなかったイタリア-スロヴェニアの海沿いの国境の町ムッジャに住む造り手、ニコリーニを今春訪ねる事ができました。ムッジャはもともとオーストリア領だったこともあり、自家製のハムやチーズをつまんでもらいながらワインを提供する、オスミツァと呼ばれる農家居酒屋(?)が近年まで地域の伝統として残っていた場所で、ニコリーニ自身も数年前までオスミツァを経営し、豚を飼い、ハムやサラミを自ら仕込み、それらを供し、そして生産するワインの大半をオスミツァで消費していました。今現在はオスミツァを閉め、全てのワインをボトリングし販売しています。加えて、蒸留する免許も持っており、小型の直火式蒸留機で自らのヴィナッチャを使用してグラッパも生産しています。伝統を重んじ、今や全くと言って良いほど栽培されることがなくなった品種、モスカート ジャッロ イストリアーノ、ボルゴーニャ ネーラ、ピッコラ ネーラを自らの畑でセレクションマッサルを行い、それらの品種を絶やさないように株分けも行っており、畑では化学的な農薬に頼らず、ワイナリーで必要最小限の酸化防止剤を使う以外は極めてナチュラルな醸造を心掛けています。今回の訪問により、2013年ヴィンテージ以降は直接取引ができる事になったので、一部ワインの価格をお下げする事にしました!!というわけで、現ラインナップをご紹介させていただきます。
マルヴァジーア08:地域を代表する品種、マルヴァジーア イストリアーナで造るワイン。ヴィンテージによっては、アルコール度数で16%近くになることもあるモンスターワインです。アロマティックなのに軽やか。
アンブロージア08:マルヴァジーアを大樽で熟成させたワインで、アロマがノーマルのマルヴァジーアよりも後ろにまわったワインで、硬質なミネラルを感じさせます。
マリー09:モスカート ジャッロ イストリアーノで造るワインで、ラベルにブドウ品種名を表記できなくなったために、このヴィンテージに関してはヴィナイオータにニコリーニのワインやロマーノ レーヴィのグラッパを供給してくれていたパルマの鬼グルメ、オッターヴィオが当時気になっていたフランス女子の名前を冠しています(笑)。直接取引となる13年以降は、当主ジョルジョの息子エウジェーニオの名前を冠しています。
ヴィトフスカ08:今回訪ねた時に、物凄い大ぶりのエビを大量のヴィトフスカで蒸し煮にしたものをご馳走になったのですが、非常に美味でした…。ヴォドピーヴェッツのヴィトフスカとはまた違った良さがあると思います。
レフォスコ06:鋭い酸が特徴のレフォスコですが、地元では赤ワインは若飲みすることが多いとジョルジョが教えてくれました…が、僕は熟成させても面白いと思っています!!
チャボ06とボルゴーニャ09:“ブルゴーニュの黒(ブドウ)”という意味のボルゴーニャ ネーラで造られるワイン。レフォスコよりも落ち着いた雰囲気があります。13年以降は、ロッソ ニコリーニという名前に。
ピッコラ ネーラ13:果皮の色も薄く、タンニンも少ない、繊細な味わいが特徴の品種です。ロゼワイン的に飲んで頂けるかと。
マルヴァジーアとレフォスコのグラッパ:少々お値段は張りますが、文句なしに美味しいです!!
久し振りにリグーリア州のア マッチャからは、ピガート09、ロッセーゼ09、オルメアスコ12が届いています。ピガートは熟成も程良く進んでいて、もう少々で化けてくれるのではないでしょうか(熟成すると、リースリングのように石油系の香りが出てきます)?
文:太田 久人
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