【ピリオド8 DAY2|2023/3/6(月)】参加造り手&飲食店

<ヴィナイオッティマーナ2022 ~ピリオド8~>

【開催日時】
DAY2:2023年3月6日(月) 10:00~17:00

【会場】
だだ商店 だだ食堂(茨城県つくば市流星台56-3)

【タイムテーブル】
9:30 受付開始
10:00 開場
10:30-  造り手セミナー①<Pacina>
     造り手セミナー②<Daniele Portinari>
     造り手セミナー③<Natalino del Prete>
12:00-15:30 大食堂
16:10 フィナーレ
16:45 送迎バス発車

-参加造り手-

Daniele Portinari(イタリア / ヴェネト)

造り手:Giovanni Portinari / ジョヴァンニ ポルティナーリ

1970年代、ダニエーレの父親はヴェネト州ヴィチェンツァから南に30kmのアロンテにあるコッリ ベーリチの標高200m、石灰岩を含む粘土質土壌の4ヘクタールの畑にブドウを植え始め、近くのワイナリーにブドウを売って生計を立てていました。ダニエーレも父親の畑を手伝っていましたが、1990年代後半に隣の生産地域ガンベッラーラに住むラ ビアンカーラのアンジョリーノ マウレと知り合い、2004年から農薬や化学肥料に頼らない農業へと本格的に転換を図りました。

ソアーヴェという巨大なワイン銘柄を支えるゾーンから外れたこの地域では、ブドウを売っているだけでは、どんなに質の良いものを作っても意味がないと感じ始めていた彼は、2007年にアンジョリーノから使い古しのバリックを1つ借りてメルローを仕込み、2008年から生産量を増やし始めます。

2012年以降は、他のワイナリーにブドウを販売することをやめ、全量を自家醸造&自家瓶詰めすることに。良いワインは畑で生まれる、との考えから、畑ではボルドー液と硫黄のみの使用に留め、メルロー、カベルネ ソーヴィニョン、ピノ ビアンコ(フリウラーノ)、タイ ロッソ、カルガーネガを栽培しています。セラーでも培養酵母は使用せずに野生酵母のみで醗酵&醸造を行い、ノンフィルターでボトリング。

Il Colle(イタリア / トスカーナ)

造り手:Caterina Carli / カテリーナ カルリ

家族全員がトスカーナ州シエナで生まれ育ったカルリ一家。公証人だった父は娘カテリーナの生まれ年である1972年にモンタルチーノにあるイル コッレを休暇用の別荘として購入し、まず3ヘクタールの地にブドウ樹を植えたことからスタートしました。父は公証人として忙しく働きながらも、休日には畑で農作業に時間を費やすことでバランスを取っていました。

1998年から、現当主カテリーナが父の趣味だったワイン造りを仕事として引き継いでから、現在では標高約480mにある約8ヘクタールの土地でサンジョヴェーゼを栽培し、年間約3万本を生産しています。

「畑で完璧な仕事ができたらセラーでは何もしなくて良い」という醸造家ジュリオ ガンベッリの言葉に影響を受け、畑では健全なブドウを育てることを心がけ、ワインを造る上では「時間」と「清潔」を何よりも大事にしています。ブルネッロというワインの特性上、熟成において樽のなかで呼吸させる時間が必要と考えているため、自身が必要と判断した年には例年より長く樽での熟成を長く取ることもあります。

Davide Spillare(イタリア / ヴェネト)

造り手:Davide Spillare / ダヴィデ スピッラレ

ヴェネツィアから西に80km、ヴィチェンツァとヴェローナの間の小さな街ガンベッラーラにあるダヴィデ スピッラレのワイナリー。スピッラレ家は代々兼業農家としてブドウ栽培を営んでいたものの、収穫したブドウのほとんどを協同組合に売却し、自家消費用には瓶内2次醗酵させた甘口の発泡性ワイン、レチョート スプマンテを生産するだけでした。

父マリアーノはビアンカーラのアンジョリーノ マウレと旧知の仲で、ダヴィデは幼い頃からアンジョリーノのセラーに出入りし、物心がついてからは彼の次男アレッサンドロと一緒に畑やセラーの手伝いをしていました。徐々にのめり込んでいったダヴィデは、10代の若さでワイン生産者として生きていくことを決意します。

農業で食べていくことの大変さを肌で感じ続けてきた祖父と父は、後継者のあまりにも早い決断に反対していましたが、ついに2006年(当時19歳)、2ヘクタールの畑を譲り渡します。ビアンカーラのセラーで醸造を始め、2006年は数百本しか生産せず地元で売り切ってしまったため、実質的なファーストヴィンテージは2007年となりました(生産本数4000本)。

大地には良いブドウを育むすべての要素が備わっているという考えから、ブドウ、自然、大地との対話をもっとも重視し、ボルドー液以外の薬剤を使用せずブドウを栽培。現在ではガンベッラーラの標高150~400mの場所に10ヘクタールの畑も借り、約4万本を生産しています。セラーでは、畑同様の哲学を実践し、出来る限り人為的関与を少なくし、シンプルで本質的なワイン造りを目指しています。

Pacina(イタリア / トスカーナ)

造り手:Stefano Borsa, Giovanna Tiezzi / ステーファノ ボルサ、ジョヴァンナ ティエッツィ

キャンティの南東部にある地区、カステルヌォーヴォ ベラルデンガで、ステーファノとジョヴァンナ夫妻によって営まれるワイナリー。西暦900年代に修道院として建てられた建物とその当時に開墾されたブドウ畑やその他の畑、森など60ヘクタールにもおよぶ敷地をジョヴァンナの曽祖父が購入したのがはじまりです。

キャンティの某有名ワイナリーで醸造家として働いていたミラノ出身のステーファノは、当時同僚だったレ ボンチエのジョヴァンナ モルガンティを介して妻ジョヴァンナと知り合い、2人は結婚。森を残し、耕作地にはブドウやオリーヴ、穀物などさまざまな作物を育てることでモノカルチャーを避け、常に休閑地を設けるという、パーチナで代々続いている生物多様性を尊重する循環型農業に彼は共感し、そのブドウでワインを醸すことを決意します。それまではワインを量り売りや桶売りしていましたが、1987年からボトリング開始。

セラーでも温度管理することなくセメントタンクでマセレーションを行ない、野生酵母のみで醗酵させた後、乳酸醗酵が終わるまでそのまま静置。さまざまな大きさの樽へと移され約12か月の熟成期間は一度も樽の移し替えを行なわず、ノンフィルターでボトリング。2酸化硫黄の添加はボトリング前に極少量を使用するのみに留めています。

Natalino del Prete(イタリア / プーリア)

造り手:Angela Del Prete / アンジェラ デル プレーテ

プーリア州の南部サレント半島レッチェの北西30km、人口6500人の小さな街サンドーナチでワイナリーを営むナタリーノと娘のミーナ。ナタリーノは1994年(48歳)に大学での生物学の研究を離れ故郷に戻り、かつて祖父が愛していたブドウ畑に自分の全てを捧げることを決めました。所有する約11ヘクタールの農地のうち7ヘクタールはブドウ畑で、ネグロアマーロ、プリミティーヴォ、マルヴァジーア ネーラ、アレアーティコなどを栽培し、残りの4ヘクタールはオリーヴを育ててオリーヴオイルも生産。

畑は海抜40mの場所にあり、ブドウの樹齢は20~80年、アルベレッロ プリエーゼという伝統的な仕立てで、微生物環境を重視し、化学的な農薬は使用せず、過剰な酸素を土壌が取り込まないように不耕起、有機的な肥料であっても不必要と考え無施肥でブドウ栽培を行っています。ボルドー液でさえ、必要最低限よりも少ない使用に留めているため、ヘクタール当たりの収量が3トンと、質より量が重視されてきたプーリアという生産地域であることを考えると異様なまでの低収量。

セラーでは、ブドウをプレスする際にごく少量の酸化防止剤を使うのみで、無濾過、無清澄でボトリング。セラー自体が広いガレージのような造りで、一切の冷房施設がないため、温度管理が可能な状態のセメントタンクを使用して醗酵を行います。圧搾後は地下に埋め込まれたセメントタンクで熟成させ、ボトリングはオーダーが入ってから、1本1本手詰めで行っています。年間約15000本の生産。

Cristiano Guttarolo(イタリア / プーリア)

造り手:Cristiano Guttarolo / クリスティアーノ グッタローロ

南イタリア プーリア州の州都バーリから南に40km、ジョイア デル コッレで、それまで祖父が続けてきたアルベレッロ仕立てのブドウ畑を1ヘクタール引き継ぐ形でワイナリーを始めたクリスティアーノ。グッタローロ家のルーツがカンパーニア州にあり、サレルノに住んでいたクリティアーノは、カンティーナ ジャルディーノのアントニオと親交が深く、お互いの夢を語り合ううちに、とうとうジョイア デル コッレへの移住を決意しました。

ワイナリーの創業は2004年、当初から微生物、植物、動物間の調和を取り戻すことを心掛け、ボルドー液以外の化学的な薬剤を使用せずにブドウを栽培。現在は40ヘクタールという広大な敷地で小麦をメインに農業を行い、6.5ヘクタールほどの畑でビオディナミ農法にてブドウを育て、年間約3万本を生産しています。プーリア州の市町村のほとんどが海抜100m以下に位置していますが、彼の畑は標高400mの石灰岩台地の上にあり、ブドウもしっかりと酸があるのが特徴。

-参加飲食店-

cenci(京都)

料理人:Ken Sakamoto / 坂本 健

大学在学中のヨーロッパでイタリア料理の美味しさに出会ったオーナーシェフの坂本さんは、『イル ギオットーネ』で9年間料理長を務め、2014年に独立して京都 岡崎に築100年ほどの日本家屋を生かした『cenci』をオープンしました。生まれも育ちも京都という彼が、料理においてもっとも大切にしていることは「素材」だといいます。地元の生産者が生み出す食材を使い、地元の人たちが美味しいと思えるイタリア料理へと昇華。生産者や職人、消費者すべてのつながりの土台を地元 京都に置いていることが、彼の料理のアイデンティティとなっています。

Simples(静岡)

料理人:Yasuhiko Inoue / 井上 靖彦

静岡市葵区のレストラン『Simples』では、料理はすべておまかせ、決まったメニューがありません。海に山に、豊かな自然の営みから生まれる静岡の食材を求め、オーナーシェフの井上さんが毎日生産者と直にやり取りしながら仕入れています。駿河湾で水揚げされる魚介は、焼津『サスエ前田魚点』の前田 尚毅さんが仕立てたもの、ジビエは猟師さんから直接届きます。井上さんは、生まれ育った大分県日田市で自身のお店を3年ほど営業した後、奥さまの出身地である静岡へ2014年に移住し、『Simples』をオープン。ヨーロッパやアフリカ、アマゾンなど、世界中での旅での経験から料理へのインスピレーションを得ています。

中国料理はすのみ(岡山)

料理人:Kentaro Kato / 加藤 堅太郎

四川料理『麻布長江 香福筵』で修業を積み、高松本店で料理長も長く務めていた加藤さんが、2010年地元 岡山に独立してオープンした『中国料理 はすのみ』。岡山の季節を感じる、山と海の旬の食材を使い、素材の旨みを丹念に引き出した味わい深い中国料理に、加藤さん自ら選ぶナチュラルワインや日本酒を合わせます。

da olmo (東京)

サービス:Shinichi Harashina / 原品 真一

東京 神谷町で10年。シェフの北村さんが修行したなかで一番感銘を受けたという、北イタリア トレンティーノ アルトアディジェ州の郷土料理を軸に、国内の食材をこだわりを持って選び抜き、季節感溢れる滋味深い、また食べたくなる料理をコンセプトに提供しています。オーストリアやドイツの流れを汲む、保存性が高く手間ひまかけた「山の料理」が特徴。

サービスの原品さんは新宿御苑のタベルナ ロッサーナで立石滋さんに師事、8年間の修行後、新宿三丁目の客席70席の『トラットリア ブリッコラ』をまかされる中で北村シェフと出会い意気投合、一緒にダオルモをオープンしました。斬新さや派手さを重要視せず、「主語はお客様」を合言葉に厨房、ホールが一体となった三世代で楽しめるレストランを目指しています。

目次
閉じる