<ヴィナイオッティマーナ ミニ 2024 Vol.2 ~東京会場2部~>
【開催日時】
1部:2024年12月1日(日) 15:00開演~18:00終演
【会場】
Meiji Park Market(東京都新宿区霞ヶ丘町5−7 都立明治公園 A棟1階)
-参加造り手-
Bodega Cauzon/ボデガ カウゾン (スペイン アンダルシア州)
造り手:ラモン サアヴェドラ
2024年1月に来日してくれたバランコ オスクーロとともに2023年から取引が始まったスペインの造り手。バランコ オスクーロのワインは、以前に飲んだことがあったのですが、ボデガ カウゾンは全くもって飲んだことがない…。ですが、このスペインの2造り手を紹介してくれた人からオファーがあった際、ラモン的に在庫があったのがテンプラニーリョで造るカウゾン ティント1種類だったこともありブラインド買い(=試飲もしないで買う事)を決意、ふとした機会にフルヴィオ ブレッサンにカウゾンと取引を始める由を話したところ「ラモン サアヴェドラ…俺のマブダチだ!」と一言。この瞬間、オータはブラインド買いが間違いじゃなかったことを確信しました(笑)。
バルセロナで料理人として15年働いたラモン、都会での生活に疲れ1999年に故郷コルテス イ グラエナに帰り、一家が所有する畑のブドウでワインを造ることに。バランコ オスクーロの創始者マヌエルに師事し、発足当初からナチュラルワインを志向、今現在畑は全部で6haほどで、海抜1100-1200mに位置します。大陸性気候の土地で、年間降雨量は250mm程度と極めて少なく(というわけで、必要と判断した際には、灌漑を行います)、夏は最高気温45℃、冬は最低気温-10℃にも達するそう。そんなエクストリームな環境から、本人の明るくおおらかで気さくな印象とは裏腹に、非常に繊細なワインを造っています。
Cascina Roccalini/カシーナ ロッカリーニ (イタリア ピエモンテ州)
造り手:パオロ ヴェリオ
ブドウ畑が10haなら、森も10ha…。“次代のブルゴーニュ”と目されているからか、ややバブルが膨らんでいる感のある生産地域のバローロとバルバレスコ、世界的にも引きが強くなったこともあり、生産量を増やすべく森(=もともとブドウ畑として利用してこなかった場所…それにはそれなりの意味があるはずで…)が切り拓かれ、どこもかしこもブドウ畑に…。
今年の7月に訪問した際、「(造り手が、)そんな現状を嘆いたり、広場とかに集まって抗議行動みたいなことしているくらいなら、森を買っちゃえばいんじゃね?って思うのって俺だけなのかな?俺と違って、みんな金持っているだろうに…(笑)。俺は俺の理想とする環境を守りたかったから、兄弟や親戚が相続後に切り売りする前に俺1人で全ての土地を買ったんだ。当然、銀行にはアホみたいな借金をする事になったけど、今はめっちゃハッピーだよ。」とパオロは言っていました。
偉大なワインは偉大なブドウから生まれ、偉大なブドウは偉大な畑から、そして偉大な畑には畑そのものが備える優位性だけでなく自然との調和の取れた環境が必須…。2016年から取引を始めたのですが、2017年の第3回オッティマーナはヴェリオ家で所有してきた地所をパオロ一人で所有するために奔走していた時期で来られず、第4回&5回はブドウの植樹に追われ断念※したパオロですが、懸念材料を一通り払しょくできた今回は来日してくれることに!
パオロ自身が赤ワインしか造らないこともありますし、パオロの親友でありヴィナイオータを代表する造り手でもあるエツィオ チェッルーティが飛行機に乗れない&白ワインを色々造っているということもあり、パオロにはエツィオの代役もやってもらうことに…(笑)。というわけで、彼のいるブースは、ロッカリーニ&チェッルーティブースということに!
※ブドウを植える許可は、(許可が)下りてから期限内に植えないと失効してしまうのです…。自然や造り手の都合に全く沿っていない乱暴なルールですよね…。
Massa Vecchia/マッサ ヴェッキア (イタリア トスカーナ州)
造り手:ヴァスコ スフォンドリーニ
皆さんお待ちかね、マッサ ヴェッキアがとうとう日本に来ちゃいます(感涙)!!!来日するのは前当主フランチェスカ スフォンドリーニの弟、ヴァスコになります。フランチェスカの在籍時には参画していなかったのですが、フランチェスカがマッサ ヴェッキアを去り、旧当主のファブリーツィオがマッサ ヴェッキアに出戻ってきた時からワイナリー仕事を妹トスカとともに手伝うことに。
天才農民にして天才醸造家のファブリーツィオは、エツィオ チェッルーティ同様に飛行機に乗れないため来日は叶わず…。(いつかコンテナー船でワインとともに日本に来ようかな…なんて言ってます(笑))
もっと割り当てを増やしてもらうため(笑)にも、マッサ ヴェッキアがどれだけ日本で愛されているのかを見せつけてやってください!!!!
Stefano Legnani/ステーファノ レニャーニ(イタリア リグーリア州)
造り手:ステーファノ レニャーニ
ステーファノはもともと、複数の事務所を持ち、多くのスタッフを抱え、クライアントが困っていれば早朝の飛行機でクライアントの元まで駆けつけ午後の便で事務所に戻る生活をするような“デキる”保険屋さんでした。出張に出ては近くの星付きのレストランへと通い、地元のスローフード協会にも所属して伝統的な食文化に造詣を深める、いわゆる食通だったわけですが、ラ ビアンカーラやラディコンのワインに衝撃を受け、彼らのもとに通うように。彼らとの時間を過ごすうちに、造り手の人生(生き方、人生哲学、自然観など…)そのものが ワインの中に表現されることに思い至り、そういった人生に憧れを抱き、ステーファノも自分自身を投影したものとしてのブドウ栽培&ワイン醸造を始めることに。
今現在は、奥さんであるモニカの一家が所有する1haの区画にヴェルメンティーノを植え、そのブドウでポンテ ディ トイを、そして信用のおける農家から買い付けたブドウでバンブー ロードという名前のワインを生産しています。2回目の来日のステーファノは、“カンパ~イ!”(という行為)が大好き。ですので、彼とたくさん乾杯してあげてくださいね~!
Fabio de Beaumont/ファビオ デ ボーモン (イタリア カンパーニア州)
造り手:ファビオ デ ボーモン
カンパーニア州アヴェッリーノ郊外のカステルヴェーテレ スル カローレという名の人口800人の小さな町にあるワイナリー。デ ボーモン家は、貴族の出身でカステルヴェーテレという町も、時の王から拝領された土地に屋敷を建て、その周りに他の家々が建つようになって徐々に町の体をなし始めたのだそう…。ファビオが曾お祖父さんの身分証明書を見せてくれたのですが、職業欄には“男爵”と書かれていました(笑)。
過疎化が進む町、そしてボーモン家の大半も今やアヴェッリーノやローマなどの街に住むようになり、一家のルーツともいえるカステルヴェーテレの屋敷が有効活用されていない現状を憂いたファビオ、代々所有してきたブドウ畑を利用してワインを、そして一家に伝わってきた秘伝のレシピのリキュールも復活させることに。圧巻は、樹齢150年(!)のバルベーラ(!!)、野生の桜の葉っぱとワインで造るリキュール ドン ファに、絶品ノチーノ(クルミのリキュール)…。もちろんほかのワインも素敵です!
Le Vignette/レ ヴィニェッテ (イタリア トスカーナ州)
造り手:ジュディッタ プレヴィターリ&ルーカ ペゼンティ
レ ヴィニェッテは、2023年の6月にトスカーナに行った際にサンタ マリーアのマリーノに紹介された造り手。マリーノとしては、友人であるジュディッタとルーカのワインをオータに飲ませたかったということだけではなく、彼らが畑を持つアミアータ山の麓の町、セッジャーノ周辺でのブドウ栽培の特異性と、“あるもの”を見せたかったそう。
その“あるもの”ですが…モンタルチーノよりも野生的な自然の残るセッジャーノ郊外の農道をしばらく進んだところで彼らが見せてくれたのは、巨大な石灰岩の塊でした。ですがよく見ると、自然にできたとは考えづらい窪みやら溝のようなものが…。曰く、3000年以上前のエトルリア人がつくったパルメント(石製のワインの醗酵槽)だというではありませんか!
モンタルチーノでも、同じくエトルリア人がワインを造り始めたわけですが、だいたい2000年前だそう…。つまり、モンタルチーノよりも1000年早くブドウ栽培&ワイン醸造が行われていた場所なんです!ブドウ栽培には適していたのかもしれませんが、畑は斜面を切り拓いてつくったものなのでひとつひとつの区画は非常に小さく、耕作機械が入れる畑も限られている…。そういった事情から、モンタルチーノのようには発展していかなかったのだと思います。
というわけで、現在この地域に残っている畑も小さな区画ばかりで、小規模な農家が自家用ワインを造るために畑を維持しているような状況。そんな地域にジュディッタ&ルーカは、樹齢40~90年の様々なブドウ(何の品種か分かっていないものも…)が植わる6区画(2区画は購入したもの、4区画は借り畑…小さな畑を複数所有しているということでヴィニェッテ!)、合計で1.2haの畑をすべて手作業で管理しています。生産量は2000本強と、ヴィナイオータの取り扱い造り手としては最小規模ということに…。
彼らの人間性もあると思うのですが、樹齢だけではなく古いクローン由来のワインの質感の柔らかさ(現代的なクローンは、ポリフェノールが多く生成する株から選抜されていることが多い)に心を奪われまして、取引を決めました。
Santa Maria/サンタ マリーア (イタリア トスカーナ州)
造り手:マリーノ コッレオーニ
ベルガモ出身のマリーノ&ルイーザ夫妻、ワインを造るつもりなど全くなくモンタルチーノに移り住んだわけですが、彼らが購入した土地の“ただの森”だと思っていた場所がもともとブドウ畑だったことが判明、1.5haの(ブルネッロを名乗ることができる)ブドウを植える許可がおります。これを神の啓示だと考えたマリーノ、ブドウ栽培&ワイン醸造を始めることに…。
農業&醸造に関してなんのノウハウもなかったものの、カーゼ バッセを究極のブルネッロだと考えていたことや、カーゼ バッセの創始者である故ジャンフランコ ソルデーラとも親交があったことなどもあり、土地やヴィンテージの個性を大切にした手法を畑&セラーで採用するのはごく自然なことでした。
それほどあくせくする必要がないという経済的&精神的な余裕と持ち前の好奇心が、毎年何かしらの実験的チャレンジへとマリーノを駆り立てたわけですが、これらのチャレンジ精神こそがマリーノに20年という短期間(ワイン造りは1年に1回しかできませんので!)で多くの学びを提供し、今やブルネッロを代表する造り手のひとりと認識されるところにまで導いたのかと。今現在サンタ マリーアでは、元ヴィナイオータスタッフ(正確には元ダ ダダ)の菅ちゃんが働いており、モンタルチーノを不在にしている間にワインに不測の事態が起きたとしてももう安心!ということで、来日を決めてくれました!(菅ちゃん、頼んだぞ~!)
Shobbrook Wines/ショッブルック ワインズ (オーストラリア 南オーストラリア州)
造り手:トム ショッブルック
ルーシー マルゴー、ヤウマ、そしてショッブルック…オーストラリアのナチュラルワイン界の御三家と言えば、やはりこの3生産者ということになると思うのですが、ヴィナイオータと取引を始めてまだ1年足らずで、“連絡しても返事が返ってこない造り手”の御三家にも選ばれています(笑)。
トムと初めて会ったのは2019年11月だったのですが、バリバリのトスカーナ弁(トムはキャンティのワイナリーで6年働いていたんです!)で「初めまして、ヒサト。君の話は共通の友人から色々聞かされていたよ。なによりもまず、俺は日本でのみならずナチュラルワインの世界で君がしてきた仕事に対して、感謝の念と大いなる敬意を持っていることを伝えたい。君のようなインポーターが、何年も前から時間をかけて道なき道を切り拓いておいてくれたからこそ、ナチュラルワイン界では新参者の俺やアントン(ルーシー マルゴー)のことを、日本(というマーケット)が温かく迎えてくれたのだと自分は思っている。」的なご丁寧な挨拶をされ…。謙虚さや誠実さ、そして周りに対する感謝の念などが滲み出ているこの言葉で、オータはトムの人柄にゾッコン一目惚れしてしまいました。
それから3年後、トムの方からオファーがあったわけですが、断る理由など思いもつかず…。
今現在リリースされているトムのワインは全て買いブドウで造ったものなのですが、8年前から進めていた自宅兼ワイナリーの周りの区画へのブドウの植樹が実を結び始めており、いよいよ今年から自社ブドウでもワイン醸造を始めています!ここからがショッブルック ワインズというワイナリーの本領発揮のタイミングという気がしていて、オータも彼らの今後が楽しみでなりません!
-参加飲食店-
クオーレ フォルテ (下北沢) : 店主 羽賀 大輔
二カッと笑顔とガハハの笑い声、快活の言葉がぴったりな素敵店主、羽賀さん。
そのお人柄がそのまま空間となったようなクオーレ フォルテの店内、そして食卓の上には気取らずとも上質な、イタリアの様々なエリアのお料理の数々。
人と人とをつなぐサービスマン羽賀さんのもと、クオーレ フォルテ、同建物地下にある2号店フェーガト フォルテでは、沢山の人生を乗せた”乾杯!!” が繰り広げられてきました。
間違いなく、今のこのワインシーンを創った立役者のひとりです!!
羽賀さん、当日は目一杯楽しみましょう!!!会場の賑やかし担当もよろしくお願いします!!!
捏製作所 (ツクネセイサクショ / 福岡) 店主:菅原 淳思 、菅原 慶
京都から福岡市藤崎に移転して早9年!!
その名の通り”つくね”(他メニューもお忘れなく、最強です!!)をウリにした居酒屋さん。
店主の菅原夫妻は、私共も驚きを隠せないほどのヴィナイオータ愛に溢れる♡、インポーターと飲食店の垣根を飛び超えた相思相愛の間柄。
生粋の食いしん坊のお二人、ことあるごとに県内外問わずさまざまな飲食店に通っては、夜な夜な飲み明かすフットワークの軽さと情報網(と強靭な肝臓)。
菅原さんからの「あそこのお店は絶対にオッティマーナでお声がけするべきだよ」の精度の高さたるや、、、いつも助かっています!!
彼らがイタリアの生産者のもとへ表敬訪問に行った際には、持ち物がコンビニ袋一つで入国審査に引っかかるという、この界隈では著名なエピソードなどなど、菅原ご夫妻の周りはいつも笑顔とお酒で溢れています。
なんだか、飲食店さん紹介というより店主紹介に終始してしまいがちな文章ばかりですが、ワインも飲食店も、結局は人。どうかお許しを。えへ
Acquolina (アクオリーナ / 祐天寺) 店主 : 茂垣綾介
第一部に続いて、連続出場🔥のアクオリーナ、茂垣シェフ!!
彼らのご参加で懸念点があるとすれば、、、、
ワイン生産者達が仕事をほっぽらかしてアクオリーナブースに居候してしまわないかの心配だけでしょうか。。。(イタリア人は本当に甘いものに目がない)
当日の茂垣シェフの大事な仕事のひとつが「ほら、ブースでお客さんが待ってるよ」のお声がけなのかもしれません(苦笑)。
少し呑み疲れた際のリフレッシュもよし、締めアイス!もまたよし。
限られた時間内、皆さまそれぞれにとっての良き時間となるよう、どのようにブースを周るかは事前にイメトレしていただいてもよいかと!!
text : 太田(造り手紹介)、加藤(飲食店紹介)