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2022-10-13

造り手紹介 De Fermo / デ フェルモ

造り手:De Fermo / デ フェルモ
人: Stefano Papetti Ceroni, Eloisa de Fermo / ステーファノ パペッティ チェロニ、エロイザ デ フェルモ
産地(州):アブルッツォ
ワイン:Concrete Bianco, Concrete Bianco “P”, Don Carlino, Launegild, Cerasuolo d’Abruzzo Le Cince, Concrete Rosso, Montepulciano d’Abruzzo Prologo
所在地:contrada cordano, Loreto Aprutino, Italy, 65014<map>
Web:http://www.defermo.it/Home.html

アブルッツォ州中部ペスカーラから西に約30km、イタリアを代表する生産者エドアルド ヴァレンティーニのセラーがあるロレート アプルティーノの郊外で170ヘクタールという広大な敷地で農業を営むデ フェルモ家。

ボローニャ出身のステーファノは妻エロイザの実家の敷地で、2008年から1ヘクタールの畑を借りてブドウの栽培を開始しました。初めの頃、ワインを造るのはハードルが高く、自分の理想とするセラーを造るには莫大な費用がかかるため半ば諦めていた、ステーファノ。2008、2009年の2ヴィンテージはブドウを栽培するだけで、収穫したブドウは売却していました。

ひょんなきっかけから、妻の実家の建物の一つで、誰も中を見たことがなかった扉の鍵を受け取り、54年振りにその扉が開けられると、中にはなんと昔のワインセラーが。調べてみるとこの農場は10世紀に修道士が住み着きブドウを栽培していた土地であり、1785年から義母の叔父が知られざる理由により1955年に醸造をやめるまで、デ フェルモ家がこの場所でワインを造っていたことが判明。そこから、ステーファノは、2010年春に5トンのモンテプルチャーノを醸造したところから本格的なワイナリーとしての活動を始めました。

2011年にはシャルドネ、2012年からプレスしたモンテプルチャーノのモストからチェラズオーロ(ロゼ)、2013年からペコリーノの醸造をスタートし、農場全体の管理を任されることになりました。ワイン用のブドウ畑は海抜320mの粘土質土壌で広さは17ヘクタール、その年最も良かった区画のものだけを自ら醸造し、それ以外のものは売却するという贅沢な形で現在は4万本を生産しています。ワイン以外にもオリーヴオイルや豆類、小麦粉をビオディナミ農法で栽培。ワイナリーでは出来るだけシンプルな醸造を心掛け、醗酵や熟成にはセメントタンクや使い古しのトノー、スラヴォニア産の大樽を使い、清澄作業や濾過を行わずボトリングされます。酸化防止剤は、澱引きのための樽の移し替え時ないしボトリング時に最小限度の量のみ使用しています。

<ワインラインナップ>

 

●Concrete Bianco (コンクリート ビアンコ)
品種:ペコリーノ60%、シャルドネ35%、トレッビアーノ5%

カジュアルラインとしての白ワイン。収穫後、除梗せず数時間のマセレーション後バスケットプレスで圧搾、温度管理せずモストを樽ないしセメントタンクにてアルコール醗酵を行う。樽ないしセメントタンクにて7か月間醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

 

 

 

●Concrete Bianco “P”(コンクリート ビアンコ ピー)
品種:ペコリーノ

ドン カルリーノになるはずだったもので、何大樽分か仕込んだペコリーノのうちのひと大樽が、熟成中に他の樽とは全く違う性格のワインになってしまったため、他の樽とは混ぜない判断をしデクラスしたワイン。収穫後、除梗せず数時間のマセレーション後バスケットプレスで圧搾、温度管理せずモストを樽ないしセメントタンクにてアルコール醗酵を行う。樽ないしセメントタンクにて7か月間醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

 

 

 

●Don Carlino (ドン カルリーノ)
品種:ペコリーノ

ステーファノの義母の叔父にあたるカルロ叔父さんの愛称から。収穫後、除梗せず数時間のマセレーション後バスケットプレスで圧搾、温度管理せずモストを樽ないしセメントタンクにてアルコール醗酵を行う。スラヴォニア産の500リットルのオーク製トノーでか9か月間醗酵の続きと熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

 

 

 

● Launegild (ラウネギルド)
品種:シャルドネ

デ フェルモで栽培されているシャルドネは、ステーファノの義母の叔父にあたるカルロが、トレッビアーノに適した石灰土壌の畑でシャルドネを植えるのも面白いのではないかと考え、1926年にフランスで直接買い付け植えられたブドウの生き残り。

ラウネギルドは、ゲルマン民族であるランゴバルド人の部族法の中の、相続権を持たない者への相続方法のひとつである譲与報奨金を意味し、デ フェルモの農場が、かつてフランス人が所有していたもので、別のフランス人一家に幾ばくかの譲与報奨金で相続されたことから名付けられた。

除梗せずに一部全房のままソフトに圧搾されたブドウはスラヴォニア産の大樽に入れられ、数時間のマセレーションとアルコール醗酵を行い、しっかりと圧搾し種や皮とワインを分けた後トノーに入れられ醗酵の続きと熟成を約12か月間行う。少量の二酸化硫黄を添加し瓶詰めされ数か月間休ませた後リリースされる。

 

 

 

●Cerasuolo d’Abruzzo Le Cince (チェラズオーロ ダブルッツォ レ チンチェ)
品種:モンテプルチャーノ

アブルッツォの人たちにとっての“ワイン”とは、チェラズオーロを指し、日常に寄り添う存在であるロゼワイン。樹齢25年のモンテプルチャーノを早いタイミングで手作業で収穫し、その後一部全房のままバスケットプレスで圧搾。3~4時間のマセレーションを行い、モストを樽ないしセメントタンクで醗酵させ、8~10か月間木樽で熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

 

 

 

●Concrete Rosso (コンクリート ロッソ)
品種:モンテプルチャーノ

樹齢25年のモンテプルチャーノで造るカジュアルラインとしての赤ワイン。チェラズオーロよりも遅いタイミングで収穫。除梗のみ行いブドウ粒を破砕せずに、セメントタンクにて温度管理しないで4~5日間のマセレーション。ソフトな抽出を施し、同じセメントタンクにて10~11か月間そのまま熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

以前はDOCモンテプルチャーノ ダブルッツォでリリースしていたが、2019年VT以降はvinoでリリースしているため、ボトルには地元であるロレート アプルティーノにちなんで「L.A.」と表記している。

 

 

 

●Montepulciano d’Abruzzo Prologo (モンテプルチャーノ ダブルッツォ プローロゴ)
品種:モンテプルチャーノ

プローロゴはイタリア語で「プロローグ 序章」を意味し、デ フェルモの初めてのワインを指す。モンテプルチャーノ ダブルッツォDOCでリリースされている。樹齢25年のモンテプルチャーノをコンクレーテ ロッソよりも遅摘みしたものをセメントタンクにてマセレーション(果皮浸漬)とアルコール醗酵を2∼3週間行う。その後一度搾ってからタンクに戻し、タンク内をワインで一杯にせずに液面が空気に触れた状態で二次醗酵が終わるまで、そのままの状態で2~3週間、その後大樽で15~18ヶ月の熟成を行い、ノンフィルターでボトリング。

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